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香港島と、シンガポールの共通点。
どちらも、島全体が要塞都市で、軍事基地とその関連施設しか、存在しないといってよい。
海峡を挟んだ半島からの補給が途絶えた瞬間、死に至ります。
とくに給水路が生命線となります。
日本はパールハーバーと同日、イギリス領であるこの2島へも奇襲を開始しました。
海上からではリスクが高すぎるため、半島側から侵攻。
香港では、九龍半島の英華国境から。
シンガポールでは、マレー半島のタイ国境側から。陸軍を上陸させて。
どちらも、半島の南端までを押さえれば、島はすぐ降伏する。そう目論んでいるようです。
陸海軍のコンビネーションもばっちりですしね。
正解じゃないですか?
香港では、九龍城門貯水池で比較的大きな戦闘があったようですが、英軍の抵抗はさほど強力ではありません。
日本軍が半島を制圧するのは、時間の問題ですね。
マレーでも、英軍は敗走に次ぐ敗走。
それを日本軍の車輌部隊が、恐るべき勢いで猛追撃しているとのこと。
ウェールズ撃沈の余韻もあって、日本はますます、英米の時代は終わりだと、気炎を上げています。
無理もありません。
現地の英兵は、生きた心地もしないだろうなあ。
もっとも、守備隊の八割はインド兵らしいですが。
インド人だって、日本人は怖いに違いない。
得意絶頂、勝ち誇る悪鬼の群れ。
笑いながら戦車にさえ突っ込んでいくバケモノですから。並の妖怪じゃない。
上海の共同租界も、日本の占領地となりました。
これまでは英軍が守ってたんですが、ここへも日本軍が容赦ない攻撃をしかけてる。
難民の中から指名手配犯を根こそぎあぶり出そうと、片端から捕まえては拷問し、留置場へ詰め込んでいるらしい。
江先生の身も危険です。しばらくは連絡とれなくなります。
どうぞ御無事で。
序盤は、やむなしか。
日本軍は陸海の総力を挙げて襲いかかってきた。
英米は、それを受け止めきれるほどの兵力を、最前線にまでは準備してなかった。
してるわけないし。
かれらを見くびっていた。あなどっていた。
そんな反省も、今頃、本気でしているでしょう。
でもまだ、そんな段階です。
たかだか、始まって一週間。
東洋戦線は西洋列強にとってアウェイだし、本腰入れる相手は今でもやはり、ドイツなんです。
しかし日本も、なかなかやるもんですな。
そこは、素直に、認めましょう。