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平和であるうちに。シミュレーションをしてみましょう。
日本は、人口7000万の国民を原資とする一帝国です。
カルト指導者層に率いられ、テロリズムを美徳だと賞讃しています。
事実ですが、認めたくない人は架空の設定だと思ってもらって結構ですよ。
かれらは、西の大陸にある国家Cと係争中。
その戦闘継続に必要な物資の大部分を、東の大陸にある、A国からの輸入に依存していました。
年間需要、生産力、何が造れて何は造れない。そんな情報はすべてA国の取引台帳を見ればわかります。
加えて情報の暗号化技術も大幅に遅れており、日本の有線無線通信はすべてA国へ筒抜けの状態。
C国と同盟を結んだA国は、日本へ警告。一向に聞く耳を持たないので、経済制裁を実行しました。
日本はA国を怨みます。理不尽で傲慢な、悪の権化だと罵ります。
国を挙げてエコーチェンバー。自分たちこそ一方的に被害者であると声高らかに叫びます。
ゲームをここから始めるとして。
武力行使のみを有効な手段とし、戦略を考えてみましょう。
本来、戦略といったら政治的外交的工作も連携するものなんですが、日本にはその能力がありません。
A国は戦略的思考能力およびそれを実行する手段を持っています。
A国側から差し出された講和条約に調印することは、可能です。
それでは。レディ・プレイヤー・ワン。
奇襲は日本のお家芸。
これは世界中に知れ渡ってます。
警戒されてるってだけで奇襲の効果は半減しますが、それ以外のドクトリンを持たないから、これに頼ります。
どこを襲いましょう?
ハワイ諸島、オアフ島。
ここにはA国海軍太平洋艦隊の一大基地があります。
東京からは直線距離で片道6000km。
A国本土の西海岸までは、さらに4000km。
オアフ島を無傷で手に入れ、鉄壁の防衛線を敷くことができれば、形勢はかなり有利になるでしょう。
占領を維持するための食糧・燃料・弾薬は、ハワイ諸島ではまかなえないため、後方からの兵站線も死守しなくてはなりませんが、そのためにはインドシナ・フィリピン・ニューギニア・オーストラリアなどの連合国軍を無力化しておく準備も求められます。
広すぎる海域。日本海軍全艦艇を展開してもカバーしきれないし、本国も無防備にはできません。
戦争の長期化は論外としても、最大何ヶ月耐えればいいのか?
これは作戦立案上、大きな課題です。
A国に、一日も早く講和条件を出さなくてはと焦らせる脅迫が、できなくてはならない。
そんな切り札、持ってるか?
A国の首都は東海岸。大陸横断するなら更に4000kmの進軍が必要です。
万に一つの奇蹟が1000万回発生しても、無理なんじゃないでしょうか。
なぜ、できると考えた?
そもそも、アメリカに、決断を迫られるようなアキレス腱てあるのかしら。
日本には、天皇という機関中枢がありますから、その御神体さえ突けばいいんですが。それに相当する国体の象徴って、なんだ?
大統領を人質にとったとしても、おそらく米国の各州政府は屈伏なんかしない。
合衆国という政治形態の強固さを、考えさせられますね。
こんな議論を戦わせることも、今や内地では不可能なんだろうなあ。
アメリカという国について、どこから説明しなくちゃいけないんだろう。
日本国民の深刻な白痴化は、そんなレベルの基礎知識すら失わせているはずです。
健全な肉体と精神を育むための、最低限度の栄養にも事欠いているみたいだものなあ。
貧困は犯罪者を生むといいますが、日本人のオツムの貧困化は誰のせいか。
少なくとも今世、ここ30年ほど見てきた限りでは、当人たち自身でしょう。
今もせっせと、自分たちで作った檻の中で、憎悪を育むことに一心不乱みたいですが。
認めたくない人は架空の設定だと思ってもらって結構ですよ。
さて。私はゆっくり美味しくご飯を食べて、よく眠ることにします。おやすみ。