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近衛が外相すげかえて、しれっと生まれ変わったフリしてまた首相に舞い戻ってきたのが、7月18日。
一週間後、アメリカが仏印進駐への対日制裁として米国内の日系資産凍結を発表。
三日後に日本海軍、サイゴンの占領を終え、居座りました。
翌日には英米が、日本へ経済断交を通告。
そして。
8月1日。米国、石油の対日輸出を完全に停止。
待ったなしです。即時決定。
ここまでされて、まだわからないのかな、日本。
将棋用語では、必至というのですが、王手王手の連続でどんどん追い詰められているのに、いつまでも粘って逃げ続ける。
いちおう、将棋では、アリなんです。
最後まで、あきらめない。
王手かける側が、何かミスをすれば。その一手で相手に逆王手をかけることができる状況ならば。
逃げることは戦術です。恥じゃない。
しかし、現実の政治で、王手返しどころか成駒も無しで、ひたすら悪足掻きを続けるだけの姿は、ただ愚かしく見すぼらしくみじめったらしい、ゲスの所業です。
米国務省は、日本の石油備蓄量を約1200万トンと見積もり、慎ましく暮らせば一年半はもつだろうと、具体的数字を挙げて説明しています。
これに比べ、米国ヒドイヒドイと感情論だけでわめき続ける日本語新聞なんて、視界に入るだけでも不快なものです。
くどいようですが、今はまだ日本はどことも戦争中じゃない建前ですよ。
モラトリアムなのに。周りの大人達がまだ言葉で指摘してくれてる段階なのに。
計算ひとつまともにできない。
どれだけ日頃からオツムのレベルが低いんだって話です。
謝り方も、学び方も知らないなんて。正真正銘のバカなのね。
この後、石油を求め更に南方へと侵略の手を拡げてゆくのね。
目的地を滅茶苦茶に破壊してから乗りこんで「獲ルモノ何モ得ズ」とほざき続ける陸軍より、まだ海軍には多少の知恵はありそうですが、所詮五十歩百歩だと証明されるのに一年もかかりません。
ここまでの経緯を見続けてきましたから。弁護する余地も無い。
自転車操業まっしぐら。私の知る皇国史が繰り返されるのなら。
あきらめなさい。君たちには国家の運営なんて、過ぎた道楽よ。
一方、独ソ戦は、意外と流れが速いです。ドイツ軍、猛撃中。
ツァイトゥンクもプラウダも、ロイターも、欧州の戦局をつぶさには報道してくれません。プロパガンダするにしても、きわめて神経を遣っています。
活字とラジオだけで読み解くのは、私には無理ですね。
ジューさんやルースキエさんたちの知恵を借りても、混濁する情報に筋道を立てられない。もどかしいです。
ちなみに17号の小林は、モスクワが陥落する可能性をゼロだと言い切ってます。
理由。ロシアの鉄道は、広軌だから。
モスクワに近づけば近づくほど、ソ連軍の輸送能力は、桁違いに重厚化します。
ドイツの軍用列車はポーランドから先へ進めない。トラックや装甲車に積み替えする手間がかかる。列車の輸送力には敵わない。
これだけで勝敗は決すると。
さすが鉄オタ。よどみない。
ヨーロッパ事情はわかりませんが、アメリカでは日本に関する研究書が売れているようです。新聞広告も増量中。
実に正しい。
片や日本では、ローマ字全般からカタカナまで街頭から根絶。
アメリカっぽければ何でも排除。使うと刑事罰みたいですよ。
なるほど、これが、民度の差か。
いったい何を考えて生きているんだろうこいつら。
こんな愚痴がいつまでも止められない。
もう寝よう。