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3月30日。
汪精衛氏を首長とする政府が南京で誕生しました。
いつもの、傀儡政権です。
私たちが南京を陥落させてから、2年以上経つんです。
占領前から日本はこれを準備しておくべきでした。今回はとりわけ時間がかかりました。
こんな体たらくを、日本の諺では、泥棒を捕まえてから縄を綯う、と言います。
綯ってる側こそが、そもそも泥棒ですけどね。
南京国民政府。
また新しい通貨を作るらしいという噂もあって、まともでない投資家すら、二の足を踏む。
群がるのは、特別待遇を約束された日系政商からの派遣員。そして、かれらからなんとか仕事をもらおうとする、奴隷であることしか求められない現地民たち。
国家としての基礎が、まったく、できていない。
私たちが満洲国を作ったとき。
憲法の必要性はじめ、立法・行政・銀行・警察・裁判所・軍隊などがどのように機能して国民を満足させるのかという議論をさんざんしたことを、思い出してます。
結果的に我々は敗北したのですが、あの経験は大きかった。
「国家とは何か」
論じられますもの。私。
それはいったんおいといて。
ヨーロッパ戦線では、ソ連軍がポーランドへ、東側から侵入。
ドイツと分け合う形で、占領下に置きました。
ソ連軍はそこから北上し、バルト三国およびスカンジナヴィア半島の諸政府へ圧力をかけ、拒絶したフィンランドへは武力制裁を執行。
国際連盟は直ちにソ連を除名しましたが、それは何らの効果ももたらさないばかりか、ソ連をより自由にし、調停の機会をむざむざ放棄しただけ。
今やソ連はのびのびと、国際世論に遠慮することなく、周辺諸国への侵略に全力を注ぎこめる状況です。
日本からも、当分、軍事行為など仕掛けてこないでしょうからね。
英仏は、宣戦布告以降、いまだ国外の戦線に軍を出動させていません。
フランスにおいては、それどころか自国の防衛準備で手一杯でしょう。
ドイツの対英戦略としては、すでに海上の通商破壊活動が、絶大な効果を上げています。
Uボート。
ドイツはヴェルサイユ条約で水上艦の保有トン数に大幅な制限を課されました。
そのため現在でも、イギリスと正面から戦えるだけの軍鑑を保有していません。
しかし、準備はしていました。潜水艦なら、条約に抵触しないという抜け道で。
どのくらい建造されているかはさっぱり不明ですが、すでに相当な数でしょう。
大西洋の連合国側商船は、水中の狼たちに発見され次第、魚雷をぶちこまれる。
島国イギリスにとって、この海上封鎖は大打撃。
今のところ中立国であるアメリカの商船は、攻撃対象から除外される建前ですが、戦闘区域内へ入ってくる以上は、危険を承知だと見做される。
狼はテリトリーを守り、味方でなければ堂々と攻撃をする。
先に宣戦したのは英仏なので。ドイツの方が強気になれる。
開戦から、七ヶ月。
驚くほど、連合国の進捗は鈍いです。
英仏国民には、今も、戦意の盛り上がりが乏しい。アメリカも、然りですが。
もちろん、声を荒げてドイツへの徹底的制裁を主張する人たちは、いますよ。
ただその論調からは、正義感やイデオロギーを感じとることしかできなくて。
コストに兵力、戦略などを検討してる風に思えないところを、疑問視します。
市民には、他国のための戦争に介入したくないという利己的感情が当然あります。
かれらの意見も吐き出させ、そこからいかに時間を無駄にせず、最大多数の合意に持っていけるか。
そもそも、国を挙げての戦争に、民間の支持が得られなくては、100の力が10にも1にもなりかねない。
これを手際よく意思統一することは、総力戦で勝利するための必須条項でもあるのです。
長々と述べましたが、実を言うと、現状において、英仏は、ドイツの敵ではありません。
枢軸国は、決定が素早い。加えて、反対勢力を叩きつぶすことに、まったく躊躇がない。
対して、手間をかけるだけかけて、妥協まみれの決定に陥りやすいのが民主主義国家群。
国内に種々雑多な意見を抱えており、敵対国家に利権を持つ様々な勢力にも囲まれてる。
これが、いつ、どこでどう、逆転するのか。
だから、六年もかかるのか。六年かけたから、勝ったのか。
私はこれを、見届けたい。
見極めたいと、思います。
南京政府が、劣化コピーに劣化コピーを重ねた挙句の失敗国家であることは現時点でも明白。
それのどこがどう間違っているのかも、これから、つぶさに検証できるでしょう。
二年目。まだまだ、先は長い。
縄はしこたま綯ってあります。
いつでもこい。