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鍋の美味しい季節ですね。コダマです。
2月2日、日本ではまた内閣がチェンジしました。廣田内閣、倒れました。
理由が、よくわかりません。
寺内寿一陸軍大臣が国会で、ある議員から、侮辱されたと。
その議員は毅然と、どこが侮辱なのか具体的に説明してもらえますか?と。
寺内、説明もせず、衆議院解散を求める。
廣田首相はじめ閣僚が説得するも収拾がつかず、ご迷惑をおかけするので私たちの方が解散しますと言って、
辞職。
子供か。
いえ、子供に失礼でした。ごめんなさい。
ごめんなさいも言えないなんて。こいつらは一体、何者なんだ。
外から見てると日本て不思議な国なんですが、すでに幾度も見てきたように、首長がコロコロ代わります。
天皇陛下については、明治憲政以降一世一代ですが、明治45年、大正15年、昭和がいま12年目ですから、検証できるほどの歴史は積んでないですね。
行政府はこの70年間で、32回も組織されました。後継の林銑十郎内閣が、33代目です。
いったいどんなシステムなのか。
これが、本日のテーマです。
国家にはいろんな形態がありますが、首相と大統領を両立させる政府も多いですね。立法府、裁判所、国民および皇帝や国王とどんな関係にあるのかなども、本当に様々です。
なので、日本だけが特別に不思議なわけではありませんよ。
ただ、よく出来ているから我国もこれをお手本としよう、と思ってもらえるかどうかという基準で考えると、日本の政治形態は、どこも真似したがらないユニークさです。比類無き、駄っサンプルです。
基本から。
日本では、首相は、天皇陛下から任命されます。
ここだけでも、その表現は正確でないとか、その意味でならこの文言を使うべしとか、煩瑣きわまる皇室用語を振り回したがる輩が山ほど出てきて、いつぞやの神学論争と同じ泥沼にはまります。限りある時間と精神力を1ミリも無駄にしたくない私は、可能な限り、省略できる要素は斬り捨てます。
だまってききやがれ。いいな。
首相=総理大臣は、天皇が任命します。国民が直接選ぶことはありません。
天皇陛下が一存で決められるわけでもなく、元老とか侍従官とか内大臣とかが推薦し、会議して決定した上で天皇に伝えられ、大命降下となります。
この過程については完全にブラックボックスだし、発表されるのは大命を受けた候補者が承諾し、内閣を組織し終えてからとなるので、国民のほとんどは、ここまでの段階では責任の持ちようがありません。
ひどい首相が現れて、国民に責任が問われるとしたら、その後からです。
選挙によって国民の代表者となった国会議員を通じて、内閣に質問し、行政に誤りがあれば軌道修正を求めます。
決してヤジることが議員の仕事なのではありません。そんな下品な振る舞いはマスコミだけでじゅうぶんだ。
おっと話がそれました。
行政の実務は、役所のお仕事です。
全国に様々な役所があり、公務員が働いてます。かれら公務員を監督する中枢が、行政府すなわち内閣ということですね。
外交政策まで含めた、日本というひとつの国家を束ねる行政官のトップが、首相です。
その上位に天皇陛下がいらっしゃって、首相は天皇陛下の御心に沿った政治を為すべし、という建前はありますけど、建前にすぎません。天皇へは、決定事項のうちでも良いニュースしか知らされない、というのが衆目の一致する常識です。
以上の組織体系が、大日本帝国の大枠となります。
美濃部博士の天皇機関説も、おおよそこんな話をしてるだけなんですが、天皇、と敬称略しただけで何が飛んでくるか知れないご時世ですからね。うっかりモノも言えない。
さあ、そのうちマグマが噴き出しますよ。というのを私は心配してるんです。
そろそろ締めに入ります。あ、鍋もですけど内閣の話もね。
閣議、すなわち閣僚会議では、全会一致が原則なんです。
意見が統一できない内閣は辞職するってキマリがあって、これのために、日本では内閣がすぐ替わるんですね。
仲良し小好しであればよい。それだけ守れ。喧嘩をしたら即別れろ。
愚かなルールだと思います。
おしまい。ごちそうさまでした!