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陝西省、西安。
満洲にも西安て炭鉱があります。張作霖殺しの黒幕として軍を去ったコーモトがひょっこり戻って働いてたところですけど、微妙に因縁がなくもないですね。
陝西省は、山西省よりもっと西。四川省よりは東です。中国の、けっこう内奥。
ここに現在、蒋介石・行政院長兼軍事委員長が、監禁されています。
下手人は張学良。
いつのまにか帰国しており、旧・東北軍の兵を束ねて、西安の守りに就いてました。
ここは毛澤東率いる中国共産党の最終拠点への、前線基地です。蒋介石は宿敵・共産党を今度こそ息の根止めるべしと、最後の大鉈を振るおうとした。まさにその時です。
学良くん、裏切りました。
蒋介石を捕縛して、彼の頑固さを咎めました。
「東北を奪われて五年。国辱は続いている。前線の兵士は血にまみれて戦っているというのに、あなたは日本と戦うどころか、連中を宥め、民衆には抵抗することを禁じる。私は共産党との戦いを命じられているが、かれらは同朋ですよ。ここで血を流すべきではない。戦うなら、ともに手を取り、日本と戦うべきです。反省してください」
彼をここまで追いつめさせちゃった歴史の一部始終を私は見てましたから、これを聞いて複雑な感情も去来します。
ですが南京でも華北でも、地元の満洲においてさえ、学良へのブーイングがすさまじいこと。
彼は裏切りの常習犯ですからね。
6年前に蒋を反省させたならヒーローだったんでしょうが、なぜ今このタイミングで、またしても国を危うくさせる騒ぎを起こすかと。
ほんと、空気の読めないオッドマンです。一生治らないかもなあ。
日本による謀略説を述べてる人もいます。南京にも特務いますからね、そいつらの差し金じゃないかと。ありえなくはない。
しかし今回、どう転んでも一番得をするのは中共です。
学良と中共はすでに通じているのか?
そして、蒋を逃がすにしろ殺すにしろ、その後の展開をどう運んでいったら誰が一番喜ぶのか?
日本が絡んでないとしたら、日本はこの後、どう動くだろう。動くべきだろう。
すでにいろんなロールプレイングが各媒体で試みられているんですけどね。こんな忙しいときに。
私の考えるグッドエンディングを一案だけ。
学良くんにはきちんと罰を与えるとして、これを機に蒋も一度、毛澤東と話し合ってみてはどうか。
昔、共産党に殺されかけたというトラウマは知ってますが、いつまでも頑固一徹でいるのは政治家にとっては致命傷です。
国府軍は今のままでは日本軍に勝てない。列強の力も頼れない。なら、限定的でいいから中共と手を組めばいかがか。
実際、手強いですよ共産のゲリラ戦法と教育水準は。さんざん思い知ってるでしょ?
押して押し倒すだけしか能の無い日本軍の前にかれらをぶつけてやりなさい。きっと面白いことが起きます。
どうですかね。そこまで柔軟になれるかしら。
とはいえ。
12月20日現在、密室でいろいろ話し合いをしてるんでしょうが、動きが見えない。西安は、遠い。
ちなみに日本の廣田内閣は、我関セズを貫いてます。支那の内政には不干渉、とかホザいてます。
いつもさんざん干渉してるのは、じゃあ何なんだ。
いつもの逃げ口上ですよね。状況よくわからなくてコメント出来ないんでしょう。
で、私、思ったんです。これ日本マジ絡んでないわと。
わかりやすいですよね。今後は、日本が即コメントしてきたら、すでに原稿があったんだと考えましょう。
よって、西安は無関係でしょうけど、綏遠は、完全に日本の謀略でした。ケテーイ。
それにしても、どうなりますやら。