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7月29日。山口一太郎氏に、無期禁錮刑の判決。
ほんとに?
控訴、不可。暗黒裁判法廷から、そのまま刑務所へUターン。
ここが終の住処となりぬ。
面会と差し入れは、条件つきで許されます。
以下、サノからの情報。
山口一太郎氏。すでに免官されているので、階級はありません。
その奥さんて、本庄繁氏の娘なんですって。
本庄さんといえば、満洲事変の勃発半月前、関東軍の司令官になった人。
石原たちが目の前で暴れまくってるのを、責任者なんだからと、内地からの通電にペコペコ対応し続けてくれてた、陰の功労者です。
満洲事変が終わり、内地へ戻ってからは、チヤホヤされまくり。
当時やたらとマスコミのインタビューに応じてたのは知ってましたが。その後、人当たりの善さを買われて、天皇陛下の侍従武官長、という地位に上り詰めたそうです。
びっくり。超びっくり。
息子さんの一人が満鉄に勤めてるのは知ってましたけど、山口さんが娘婿というのも、不思議な感覚です。
そんな、義理とはいえ侍従武官長の息子を、終身刑に処する陸軍も、容赦ないですね。
いや、いいことだとは思います。聖域無き断行、自体は。
だからこそ、判決理由も、予審本審公判の一部始終も、公開して、本人の反省文というか始末書でも全部つまびらかにした上で、そう処置するなら、あっぱれ、と思うんですが。多分、全然ちがいますよね。
すべてが非公開という時点で、問題解決への道を限りなく遠ざけてる。
狙ってる効果はただひとつ、見せしめ。
それってテロと何が違うんですか。
恐怖心を利用して目的を達成せんとする。この裁判もまた、2・26含む一連の暗殺と軌を一にするものでしかないし、マスコミさんたちが飯を食うために常日頃世間に振りまいているヘイトイズム垂れ流し行為となんら変わるところはないと思うのです。
癌は、摘出されてはいない。表面上、見えにくくなったにすぎない。
それは、より悪い結果をしかもたらさない一時しのぎ。どこまで気付かないフリをし続けますか。
病人自身が治療を拒んで、死ぬまで酒を飲み続けたいと望むなら放っておきますが。この病人が国だとなると、一応その一員のハシクレである私としても、黙ってはおれないですよ。
病気といえば、東郷ハジメ陸軍二等軍医正が、満洲へ戻ってきました。
小林・花田・石川・田村、以下幹部連が、おもちゃ箱を見違えるくらい片付けた本部で、お出迎え。
内地からさらに10名以上増員されて、ケータリングの量も増えました。忙しいです。
4年前の東郷って、いかにもマッドな怪しさを過剰に露出していて、私は彼を、未来を知り抜いている転生者じゃないかと疑い、相当に警戒しながら接してました。
あにはからんや。
見違えるくらい、厳かな、冗談を嫌うクールなナイスガイに変貌していて驚きました。
陸軍省、政府筋、財界、そして皇室を相手に、新しい技術をプレゼンして理解と協力を得て回ってる人は、こんな雰囲気を身につけるものなのかな、というお手本を見た気がします。
以前よりはるかに大物になって帰ってきたはずなのに、威張るどころか、新入生の女の子や、部外者の私にまで、丁寧に挨拶し、気を遣い、緊張を解こうとしてくれてるのがわかる。徹底してる。
好感持たれますよね。
この新スキルは、見習うべきかも。見習うべきなんじゃないかと思う。
最近やさぐれてばかりなので、最後にちょっと反省しました。