File_1935-09-002D_hmos.
2595年9月における、日満華経済戦争の現況報告。
フレデリック・リースロス氏の登場により、日本の悪辣さがまたひとつ、白日のもとに晒されました。
順を追って説明します。
米国の銀買いによる経済混乱から一年が経ちます。
満洲では、先月あたりから銀価格が持ち直してきて、金と等価になったところで相場を固定し、このタイミングで金本位制へモノサシを変更する、という方向で満銀が調整中です。
ハルビンの商人たちはさっそく、これからは日本円で取引ができる、と色めき立っています。
毎月支払ってる家賃がその都度金額上がったり下がったりしてたら困るでしょう?事業計画も不安定になるし、投資も融資もリスキーでした。そんなズレの一つが、おさまるわけです。
加えて、日本とモノサシが共通化するということは、今後、日系資本がますます満洲へ入りこみやすくなります。
巨大企業群を形成し、満洲を、日本の穀倉地帯のみならず、資源と経営と軍備の一大拠点と成す。
その準備がいま急ピッチで進められているところです。
閣下としては、この波に乗らない私に肚が立ってしょうがないでしょう。わかります。
わかりますけど、乗りません。
ソ連という巨大な敵の存在と、我らが日本の無防備ぶりに愕然とした石原莞爾は、五族協和を取り戻すよりもまず、満洲を武装化すべしと覚悟を決めた。
ああお父さん。あなたはそんな人でした。強く立派なパパですよ。
ニートな息子でごめんなさい。
さて石原の思惑はそこまでですが、ここから先がエグいことになります。対華戦略です。
大日本帝国としては、中国に、満洲と同じように経済発展してもらっては、困るのです。
「日本の従順な下僕となるならば生かしておいてやるが、反抗するなら叩き伏せて首をすげ替えさせるぞ」
実際これ、支那駐屯軍司令官の多田って少将が臆面も無く言ってるんですよ。ほぼ、原文ママ。
去年まで到一さんの上官だった人なんですけどね。いい人だよって聞いてただけに、幻滅です。
もちろん南京政府からも、もっと過激な中共統一戦線からも、猛烈なバッシングが起きてます。
それを膺懲するという口実で日本軍は、前線でますます乱暴をはたらきます。
中華民国が金本位制へ移行し、経済力を持つことを、日本は望みません。
持つなら日本が占領してから。
それまではひたすら、足をひっぱる。
そんなことまで、してたんですね。してたんですよ。日本は。一丸となって。
リースロス卿は、英国の財務官僚です。
民国政府から請われ、この難局を解決するために招聘されました。
この情報が入った瞬間から、日本政府はなんとかして彼の来訪を阻止しようと画策します。
よっぽどの人物なんでしょうね。プロフェッショナルなんでしょうね。
日本の出方を知っておく必要があると判断したリースロス卿は、民国上陸より前に日本へ立ち寄ります。
廣田外相とも会談したそうです。廣田もまた、熱心に足止めをする側だったそうです。
卿は、廣田の非協力ぶりを辛辣に述べています。上海へ来てから。
現在またピンチヒッターで大蔵大臣やっている高橋是清翁だけは、リースロス卿の力を認め、期待を寄せていたそうですが、東京滞在中の面会は叶わず、とも。
はっきり言っちゃいますよ。
日本のバカども。全部バレてんだよ。お前らの浅知恵なんて。
ほんっと、先を見る目も、状況を俯瞰する視野もなく、目先のことしか考えない。
その場で脅せばすむと思って。あとで全部バラされてる。
英語ソースで読んでみろよリースロス氏のコメンタリーを。
日本語記事と比べてみなよ。
爆笑するしかないから。
日本人は理解力も情報処理能力も、リテラシーなんてカケラも持ち合わせちゃいないのが、丸わかり。
エコーチェンバーってほんと怖いですね。よくわかるサンプルです。
十年先といわず、今すぐ日本を焼き尽くして戦後に突入してもらいたい。そこまで思っちゃうトコロですよ。
やさぐれコダマは今日も荒野で叫んでいます。
冬休みとるために、運び屋稼業に奮迅しています。