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チチハルにまつわるエトセトラ。
多門師団、19日に、チチハルを占領しました。
おつかれさまでした!
治安維持のため、守備隊は残りますが、凍傷のひどい人から続々と、帰還が始まってます。
石原閣下によるお出迎えが、数日間、ありませんでした。
期待されてた兵士および市民の皆様ごめんなさい。
誰も文句なんて言わないけど。お忙しいのだと思っていただいてるのでしょう。
実は超極秘ミッションで、閣下しばらく満洲を離れてたんですけど。
その話は最後に。
馬占山はいま、黒龍江省のさらに奥地へ逃げていき、日本許すまじ!と猛烈なるマイクパフォーマンス。
ほんといいキャラだなあ。
プロレスラーへ転向してくれたら、推しになるのに。
内地からは、陛下よりの委任であるぞと断り書きをした命令がスパムメール並みに届くのですが、使節が委任状正本を持ってくるまでは徹底無視、というのが関東軍での方針です。
国際連盟との交渉は、窓口が東京政府なもんですから。
ワカツキシデハラは、言ってみれば、「不良息子たちが外で暴れてる真っ最中に、PTAやらマスコミやらへの対応に忙殺されているお父さんお母さん」みたいな状態に置かれています。
この喩え、言い得て妙ではないですか?自画自賛。
普段子供たちのこと全く見もせず、うちの子いい子と勝手に思いこんでだけいた、そこそこ地位もありプライドだけやたら高い親っていうのは、いじめカツアゲ無免許運転ドラッグ焼入れレイプに窃盗、された被害者に対して逆ギレ、説教まで垂れながら
「うちの子に限って」
みたいな信念を胸張って、叫びまくるんですよね。
あーあ。
子供たちから一番ナメられてるのはあんたたちですってば。
やってんだよ実際。犯罪。
それを認めたくない。
意地でも認めない。
憐れな両親は。かくして身動きもとれず。実態の把握すらできない状況で。弁明ばかりに明け暮れて。誰からも相手にされなくなるという。負のスパイラル。
そんなドラマ、結構見てました。前世で。
不良少年少女モノって、誰の視点で描いているかがすごく重要で。
それによって、結末が、真逆なんですよね。
うろ覚えでしか語れないのでドラマの話はこのへんでやめますが。
そんなバカ親たちですから所詮。ワカツキシデハラは。
国際連盟に対して「馬占山はソ連からの支援を受けている共匪であるからしてこの出動は正当なのである」とか強弁。
確かにソ連製の武器がちらほら鹵獲されてますけどね最近は。でも組織的に援助されてるかというと微妙。
いちおう報告してんですが。見てないのかな。ソ連からは、冷静に抗議されてます。
ほんと、手のつけられないバカ親。
反省してください。
こんなゴタゴタの中、ひっそりと、遼寧省が奉天省へと名前を戻したりも。
学良の国民政府帰順で改称されてたのがもとに戻りました。やっぱり馴染みの名前がいいよねってことで。
そこへ帰ってきて、変装を解く石原。
日本から。よくぞごぶじで。
私を含む数名にしか知らされてない極秘ミッションだったんですけど。
閣下、赤坂で、秩父宮殿下と会ってきたんです。
首相になってくれないかと。
オイオイオイ。まさかの。
即答は、もらえなかったようですけど。あたりまえか。
関東軍が、実際に何をしていたか。
何を考え、どう動いてきたのか。
最中心人物であるところの石原自身の口から、その思いと今後の計画を、胸襟ひらいて全部説明してきて。
考えてくれと伝えてきたそうです。
奉勅の真偽は、殿下でも実際のところわからなくて、それならやはり関東軍の方針には変更なしと結論されました。
殿下からのお願いとしては、国際連盟をこれ以上刺激しないでほしい、戦火の拡大はやめてほしい。
そういう要望を受け、石原は承諾してきました。
いよいよ、大詰めでありますなあ。