File_1930-09-001D_hmos.
学良くん、なんてことを。
まさかの。
中原内戦、反蒋連合、総崩れ。
北平を拠点とする、閻錫山らの中央軍。東北辺防軍の学良も、こっちの一員でした。
それが、突如の、裏切り。
ものの見事に、背後を突かれた閻錫山。山西省へ逃げ帰ります。
2週間前に、蒋を下野させてからのプラン・新政府大綱を発表したばかりというタイミング。
この一連の流れは中国全土を失望させました。
蒋の味方は、米英をはじめとする、一部の財界人だけです。
これ重要なポイントなんですけど、蒋が強い理由は、決して民衆に支持されてるとかじゃないんですよ。
南京政府軍が持つ圧倒的戦力の後ろ盾は、列強です。日本は門外漢。
世界不況の只中、米英は今まで以上に蒋へ兵器を売りたがります。蒋は国中の農作物を税金でしぼりとって、米英に輸出して、その金で、武器を買う。
アカラサマです。門外漢のウオッチャーにはそれがよく見えます。
張学良転向の目的は、イマイチ理解に苦しむのですが、カネか、今後の地位か。
いずれにせよ、中央軍の、他の武将なら、なびかなかったでしょう。
学良だから、コロッと、寝返った。ううむ。
政治的にも、蒋の方が上手ってことなのかなあ。
以前、蒋のこと、政治やっちゃいけない人だみたいに言いましたけど、今後もあくまで独裁によって中国を支配し続けるのが真意なら、蒋は最初から首尾一貫した、見事な政治家だと言えなくもないですね。策士というべきかもですが。
孫中山先生、紫金山のお墓の中で泣いてますよ。
日本はまったく動きを見せず。
外相シデハラだからという理由ばかりでもなさそうですが、存在の影すらありません。関東軍ですら、今は大人しく、満鉄の警備だけをやってます。
ひところ盛んだった参謀チームの視察旅行は……えと、今月もやってますね。
でもこれは、視察は視察ですが、新任の司令官が来て領内を巡視するのを閣下がご案内さしあげますという旅程ですか。
前の司令官は畑さんという、ぽっちょりしたおじいさんだったんですが、来たときから休みがちで、今月、腎臓炎でお亡くなりになりました。交代でやってこられるのが、ヒシカリ大将という方です。
あんまり興味ありません。おしまい。
閣下は近頃、満鉄さんとのパイプを強めてまして、相互に勉強会とか催しているみたいです。
スケジュールだけは聞いてますけど、最近は、行ってないなあ。
図書館が、忙しくて。
毎日毎日、リストばっか作ってて。眠いんです。
秋だっていうのに。
おやすみなさい。