ガキが、ワガママ言ってた。
パパに抱っこされるのがイヤで、ママにしがみついてる。
はっきり言ってムカついた。
だから叩いてやろうと近づいたのに…
「きみ、だれ?」
「式波シリーズ、ナンバー145」
「…?」
「式波シリーズは調整してない筈だが…」
「あなた!」
「…?」
間抜け面晒してるソイツを睨んでたら、ソイツのママがしゃがんだ。
「…145ね。それじゃあ貴女の名前はアスカよ」
「!」
「数秘術…、いや数字符で145か…」
「…ア ス カ ? ワタシの名前?」
「そうよ」
「アスカ! 遊ぼう!」
はっきり言って気が進まないケド、今のワタシは気分がいい。
「いいわ。アンタの名前は?」
「しんじ! いかりしんじ!」
「ついて来なさい!」
「うん!」
小さな恋の芽生えであった。
おわり