放課後の校舎には部活動に励む生徒らの熱気と遊びふざける男子の笑い声、女子の談笑が響く。
その校舎の屋上には2人の女子の姿があった。
互いに肩を寄せ合い赤縁の眼鏡を掛けた女のスマートフォンを茶色掛かった金髪の女が覗き込んでいた。
「………。」
「な、何よ…これ…?」
屋上に艶やかな嬌声が響く。画面には良く知っている水色掛かった髪の女がおもちゃのように嬲られる様が映し出されていた。
「し、信じられない!こんな…!!」
「姫?」
「最っ低…!!エコヒイキにこんな事するなんて…!!」
「エッチ!!馬鹿!!変態!!……」
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「コネメガネがそんな人だとは思わなかったわ…!!」
「いくらエコヒイキが可愛くて大人しいからって…最低…!!」
そう言いながらアスカは画面から目を離さなかった。
マリに向かって放つ言葉もそう言う事で何か言い訳しているかのようであった。
初めて見る人間の生々しい欲望の発露。まだ14歳という年齢のウブな女子にはいささか刺激が強すぎるものであった。
「でも見ちゃうんだね…姫…?」
「ちがっ!違う!違う違う!これは…!!」
「姫も試してみたい?」
期待と不安が混ざり合った表情。そんな彼女の感情の機微をマリは見逃さなかった。
終劇