「すいません、早急にお耳に入れていただきたいことがありまして、その、お時間をいただけませんか?」
ここはいわゆる神と呼ばれるものの下っ端たちが働く場所だ。そして私は監督者としてここにいる。
監督者ということは、ある程度の権力はある。
そして今質問してきた奴は下っ端達の上司のような存在だ。
「わかった。先にあそこの待合室で待っとるぞ。」
そして勿論そいつから話しかけてきたということは中々に重要な内容だろう。
「すいません、遅くなってしまいました。早速本題に入りたいと思います。まずはこちらの資料をご覧ください。」
「一枚目は昔の魂についての情報です。そして四枚目は最近の情報です。また、二.三枚目はその間の情報です。見ての通り、魂の情報が変わりつつあると予測されます。まだ確信は出来ませんが、一応お耳に入れてもらおうかと。」
もしこれが本当だとすると、波乱どころではないことになってしまう。
しかし昔の情報は違っていたりするし、そもそも魂自体が違うのだ。当たり前だろう。
「わかった。当面、私が何とかしてみる。」
しかし、そう決め付けて事実を確かめないにしては事が大きすぎる。
「ありがとうございます。報告は以上です。お忙しい中ありがとうございました。」
私は私室に戻っていつものとは違うコーヒーを持ち、早速作業を始めることにした。
あれは中々に大事だ。早く事実を確かめねばならない。だが魂を選ぶことについてはすぐ済むだろう。魂はある程度上だったらほぼ好きに使える。それに正直どの魂でもいいというのもある。
だが何故変わっていくのかが解からない。もしかしたら転生が一因かもしれない。消すはずの記憶が残ったまま生まれ変わらせるからだ。もしそれが原因となると厄介なことになるだろう。
とにかく先に処理をしたほうが良さそうだ。
まず用意する魂は今死んだ奴らでいいだろう。記憶は当然あり。だが、他の奴らにばれないように記憶は別の奴に植え替えよう。今はこんなもんでよさそうだ。のちのち変えればいいだろう。早速実験用の世界にその魂を送るか。