7部隊最長の身長を持つ猫柳夕陽。
その長身に似合わず身を隠すのが上手い。その特技を活かした
奇襲攻撃を得意としている。
「美月ちゃんはどうして火滅隊に入ろうと思ったんだい?」
ストレッチをしながら彼はそう尋ねて来た。
「一度だけ友人に勧められたんです。美月ちゃんは優しいから
人助けをしてみたら?って」
「へぇ、まぁまだ一日しか一緒にいないから分かって無いけど
目を見れば分かるよ君の性格は」
轟々と燃える赤い炎が見え窓から覗き込む。目を細めるとそこに
いたのはキッカケを作ってくれた友人だった。名前を莉愛という。
「あ、オイ!待て!!」
美月が出てから入れ違うように虎丸が来た。
「美月ちゃんならさっき…!」
「なっ!?一人で出て行ったのか…何か見つけたのか?」
美月が呟いたことを彼に教えた。窓から覗き込み彼女の眼の良さに
驚いた。
「(ここから友人を見つけたのか?)急ぐぞ」
火事場の中にいた友人、莉愛と出会う。
「美月ちゃん!」
「莉愛ちゃん、急いで逃げよう」
美月は莉愛の手を取る。二人を追いかけるのは灰物、化け物だ。
美月は腰にある剣を抜いた。赤い炎の剣へと姿を変えていく。
「走って!」
化け物を相手に取る美月の背中は莉愛には正義の味方に見えた。
「オイ、アンタ。大丈夫か?怪我は」
「大丈夫です。友達が助けてくれたから」
虎丸の言葉に莉愛はそう返した。彼女を普通の消防隊に任せた。
莉愛がその場から姿を消してから虎丸は美月に加勢する。