「水流添美月です。今日から火滅隊7部隊に配属されました。
よろしくお願いします」
赤色を帯びた黒髪の少女は自己紹介をした。
「俺は7部隊の隊長、虎丸猛。よろしく」
美月は彼の顔を見て驚いた。顔の右上半部は火傷で肌が爛れていた。
それは彼女にとって衝撃的だった。
「すまない。怖がらせてしまったかな」
「あ、いや!ごめんなさい…」
虎丸は微笑を浮かべた。仲間と一般人のために自身がどれだけ
傷を負おうと敵を倒す姿は正に理想のヒーロー像だった。
「それと、そこに隠れてる奴らは7部隊の隊員だ」
数人の男が姿を現した。美月よりも先に入隊していた隊員だ。
犬塚慎司、銃の焔器を扱う狙撃手だ。16歳。美月よりも小柄だ。
その姿を見て虎丸は笑った。
「そうやって並んでると姉と弟みたいだな」
美月の顔は引きつった。
「いやでも、後輩と先輩みたいな関係になってくるわけだし」
「そんなもんは関係ないさ。それに俺がお前を選んだ。判断力と
指揮能力が高い。俺は隊長を担っているがそういった人材が
欲しかったんだ」
そんなことを考えながら人選するのか、と美月は思った。
とりあえず火滅隊に入れただけでも十分だ。
これから彼らと共に戦っていくのだ、足手まといにならないように
努力をしなければと美月は自分に渇を入れた。