流れ的にセレナが王となってしまった。
国名「サングリア連邦国」
中央都市「オルレアン」
中央都市の名前についてはセレナに全てを託した男ジルの名前から
考えて来た。
その国は初めての魔物の国。その国王は人間の娘である。
人間の女が魔物を統べている、それに狙いを付けた数人の魔物。
彼らは魔王と呼ばれ恐れられている。
一番幼い容姿をした少女魔王、竜皇女メリア・レイザー。
「この男が…凄いのだ!!」
「えぇ、そうですね」
傀儡王レルム・オットー、空の女王シエロ・フィクス、
獣王ロア・ルオーラ。この四人が水晶の中で見た男は既に別の
少女へと生まれ変わっていることを彼らは今、知った。
彼女の国サングリアに多くの魔王たちが干渉してくることになる。
それをセレナはまだ知らない。知る由もなかった。
「モンスターだらけね、日暮れまでにつけるかしら」
冒険家の一人エレインは魔法で周りのサポートをする。ジェスタ、
ガリウス、そして途中で同じ目的をもって行動を共にする少年
クライヴ。
「そうだな、このままじゃジリ貧になっちまうな」
鎖で繋がれた二本の剣を器用に操るクライヴは苦笑する。
「なら力を貸すぞ」
たまたま国の周囲を警備していたクチナシが声を掛けた。
彼の助力もあって日暮れ前に魔物王国サングリアに到着した。
クチナシに案内されてセレナの元に彼らは集まった。
それぞれ自己紹介を簡単にして事情を話した。
どうやら三人は普通の冒険家でジルの話を聞いてやってきた。
もう一人、クライヴはセレナ同様に異種族で仲良くしようという
思想を持つアウロラ王国の王の命令で話に来たという。