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No.4285の一覧
[0] 逃亡奮闘記 (戦国ランス)[さくら](2010/02/09 17:04)
[1] 第一話[さくら](2008/10/14 08:51)
[2] 第二話[さくら](2009/12/08 15:47)
[3] 第三話[さくら](2008/10/22 13:09)
[4] 第四話[さくら](2008/10/22 13:12)
[5] 第五話[さくら](2008/10/30 10:08)
[6] 第六話[さくら](2008/11/04 21:19)
[7] 第七話[さくら](2008/11/17 17:09)
[8] 第八話[さくら](2009/03/30 09:35)
[9] 番外編[さくら](2009/04/06 09:11)
[10] 第九話[さくら](2009/09/23 18:11)
[11] 第十話[さくら](2009/09/26 17:07)
[12] 第十一話[さくら](2009/09/26 17:09)
[13] 第十二話[さくら](2009/09/28 17:26)
[14] 第十三話[さくら](2009/10/02 16:43)
[15] 第十四話[さくら](2009/10/05 23:23)
[16] 第十五話[さくら](2009/10/12 16:30)
[17] 第十六話[さくら](2009/10/13 17:55)
[18] 第十七話[さくら](2009/10/18 16:37)
[19] 第十八話[さくら](2009/10/21 21:01)
[20] 第十九話[さくら](2009/10/25 17:12)
[21] 第二十話[さくら](2009/11/01 00:57)
[22] 第二十一話[さくら](2009/11/08 07:52)
[23] 番外編2[さくら](2009/11/08 07:52)
[24] 第二十二話[さくら](2010/12/27 00:37)
[25] 第二十三話[さくら](2009/11/24 18:28)
[26] 第二十四話[さくら](2009/12/05 18:28)
[28] 第二十五話【改訂版】[さくら](2009/12/08 22:42)
[29] 第二十六話[さくら](2009/12/15 16:04)
[30] 第二十七話[さくら](2009/12/23 16:14)
[31] 最終話[さくら](2009/12/29 13:34)
[32] 第二部 プロローグ[さくら](2010/02/03 16:51)
[33] 第一話[さくら](2010/01/31 22:08)
[34] 第二話[さくら](2010/02/09 17:11)
[35] 第三話[さくら](2010/02/09 17:02)
[36] 第四話[さくら](2010/02/19 16:18)
[37] 第五話[さくら](2010/03/09 17:22)
[38] 第六話[さくら](2010/03/14 21:28)
[39] 第七話[さくら](2010/03/15 22:01)
[40] 第八話[さくら](2010/04/20 17:35)
[41] 第九話[さくら](2010/05/02 18:42)
[42] 第十話[さくら](2010/05/02 20:11)
[43] 第十一話【改】[さくら](2010/06/07 17:32)
[44] 第十二話[さくら](2010/06/18 16:08)
[45] 幕間1[さくら](2010/06/20 18:49)
[46] 番外編3[さくら](2010/07/25 15:35)
[47] 第三部 プロローグ[さくら](2010/08/11 16:23)
[49] 第一話【追加補足版】[さくら](2010/08/11 23:13)
[50] 第二話[さくら](2010/08/28 17:45)
[51] 第三話[さくら](2010/08/28 17:44)
[52] 第四話[さくら](2010/10/05 16:56)
[53] 第五話[さくら](2010/11/08 16:03)
[54] 第六話[さくら](2010/11/08 15:53)
[55] 第七話[さくら](2010/11/12 17:16)
[56] 番外編4[さくら](2010/12/04 18:51)
[57] 第八話[さくら](2010/12/18 18:26)
[58] 第九話[さくら](2010/12/27 00:35)
[59] ぼくのかんがえた、すごい厨ニ病なゆうすけ[さくら](2010/12/27 00:18)
[60] ぼくのかんがえた、すごい厨ニ病なゆうすけ(ふぁいなる)[さくら](2011/01/05 16:39)
[61] 第十話[さくら](2011/01/05 16:35)
[62] 第十一話[さくら](2011/05/12 18:09)
[63] 第十二話[さくら](2011/04/28 17:23)
[64] 第十三話[さくら](2011/04/28 17:24)
[65] 第十四話[さくら](2011/05/13 09:17)
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[4285] 第二十一話
Name: さくら◆206c40be ID:a000fec5 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/11/08 07:52
足軽隊壊滅。
それは攻め込んでいた織田にとって驚愕すべき凶報だった。
見たこともない黒い鉄が火を噴き、何が起こったか理解する暇もなくばったばったと死んでいく味方。
士気がガタ落ちし、見えない敵の攻撃方法に織田軍の兵の肝は震え上がった。

陰陽師による大規模攻撃とも違う、既存の攻撃方法にない攻撃。
混乱の極みにある織田軍の中において謎の攻撃について思い当ったのは僅か三人。

「アレはチューリップ…? いや、違う。チューリップはもっと派手だ。
メンドクサイ物をもってきやがって」

「わ、私もそう思いますっ! マリアさんは今大陸にいるはずですし!」

ギリギリと歯ぎしりをして苛立つランスと横でランスを諫めるシィル。
ランスの知人にマリアという兵器開発者がおり、彼女は鉄砲の前身となる物を作り上げていた。
その兵器の名はチューリップ。鉄砲よりも大口径であり、弾丸と一緒に火炎も吐き出す脅威の兵器である。

しかしチューリップに必要な鉱石がJAPANでは取れないはずなのだ。
またチューリップの扱いと設計は難しく、マリア本人か直接本人に教えを受けた人間しか使えないはず。
浅井朝倉という小国の一部隊が大量に持てるような代物ではない。

ここで現れたのは鉄砲とチューリップの違いである。
ランスは知らないがJAPANにおける鉄砲の設計思想は裕輔のアドバイスで大きくチューリップと異なっている。
それはチューリップが高性能と高威力を追及したのに対し、鉄砲は汎用性と操作性を重視した。

チューリップと鉄砲を比較すれば、威力・射程・命中率全てがチューリップに分配があがる。
鉄砲はそれらを犠牲にして誰にでも扱える、量産が出来る低コスト性を実現したのである。
ぶっちゃけた話チューリップは玄人向けで高性能、鉄砲は素人向けで低い性能というわけなのだ。

しかし低性能と言ってもチューリップと比べた場合の話。
威力と射程も裕輔がアドバイスした事により大幅に向上したし、ある程度の知識さえあれば誰でも整備可能。
汎用性という点において鉄砲はとても優れた武器として完成したのである。

「あちゃー…あの包みの中身、鉄砲でござったか」

そして最後の一人は鈴女。
鈴女は実際鉄砲を目の当たりにした事があり、ランスよりも正確に鉄砲の存在を把握していた。
だが存在を知っていた鈴女でさえ、眼前に広がる鉄砲の威力に戸惑わざるを得ない。

鈴女が見た鉄砲は裕輔のアドバイス前、つまり改良前の物だった。
確かに貫通力や速度、避けにくさという点において鉄砲は既存の物より群を抜いていた。
しかしそれでも欠点のほうが鈴女の目には多く映ったのである。

まず鉄砲の命中性。
試し打ちを鈴女は盗み見たのだが、鉄砲の弾は殆どが的から外れ、見当外れの位置に逸れてしまっていた。
狙って撃つという事が出来ないため、乱戦となってからは使えない。

そして発射するまでの手間と次弾装填までの時間。
導火線に火をつけて色々と必要な動作をし、発射するまでの時間が長すぎる。
また次の弾を装填するためには砲身の掃除をしなければならないなど、手間がかかりすぎるのだ。

これなら弓で敵を狙い、連続で射るほうがよっぽど効果的である。
弓は特定の的を狙えるし、熟練の技であれば極めて短時間で複数の敵を葬れる。
そう判断を下したのだが、更なる改良が加えられ、それらの欠点の殆どを無効化するとは流石の鈴女も思っていなかった。

「これはマズイでござるなぁ…」

鈴女の忍者隊は後方に位置しているため被害はないが、前線の被害は甚大。
このままでは織田軍が撤退するまでもなく敵に壊滅させられるかもしれない。

「戦場だし、ランスの護衛は一時いいでござるか。
ここは鈴女の出番でござるな。ニンニン」

忍びである鈴女の目から見て、浅井朝倉の指揮系統は以前とは考えられないほどに的確で素早く出している。
まるで戦場全体を見渡す鷹の目のような――迅速かつ的確、これでは撤退行動に入る事すらままならない。
中途半端に背を向けたら即座に切り捨てられるだろう。

つまり現状の流れを変えるためには敵の指揮系統を混乱させなければならない。
指揮系統の混乱を狙うのであれば、一番手っ取り早いのは頭を潰す事。
頭を潰されればよほど訓練された軍でない限りは動揺し、動きが鈍る。

「ここ、任せるでござるよ」

「はっ! お気をつけて!」

「にゃはは。ゆるりと行ってくるでござる」

副官に忍者隊を任せ、鈴女は戦場の野を駆ける。
あっと言う間にその姿は見えなくなり、戦場の喧噪に存在を掻き消された。
忍者の国の首魁、犬飼をしてJAPAN随一のくの一と称された鈴女の暗殺技能。
ゆらりと気付かぬまま、浅井朝倉の喉元に黒い影が忍び寄った。



「――ッチ!!」

すれ違いざまに浅井朝倉の兵を二人斬り捨てながら乱丸は舌打ちをした。

敵が余りにも乱丸が指揮する武士隊に流れ過ぎている。
今までの戦いにおいてなかった事であり、それだけに今回の戦が如何に苦戦しているかがわかる。
武士隊はかつてないほどの苦難に陥っていた。

まずあり得ないことだが、武士隊にまで組織的な纏まりを持った敵の足軽隊が食い込んでいるのである。
普通足軽隊は両軍の最初の激突で大きく数を減らし、それ以降はあくまで個人としての戦いになる。
だが今回の合戦に限って言えば、織田軍の武士隊と浅井朝倉の足軽隊が最初の衝突をしたのだ。

結果は火を見るよりも明らか。
武器の長さで勝る足軽隊の槍は打ちあうまでもなく織田の武士隊に深く突き刺さり、武士隊までもが甚大な被害を受けた。
武士隊の半ばまで食い込んでようやく足軽隊の勢いはなくなったものの、もはや武士隊に反撃するほどの力はない。

「覚悟!!!」

「甘い!」

槍を突き出した浅井朝倉の兵士を振り向きざまに斬りつける。
女の細腕なれど乱丸の剣の腕は一角の将として十分通用する。
重きより速さに重点を置いた刀の一閃は突きだされた槍ごと敵の兵士の首を跳ね飛ばした。

兵の質としては織田の兵が上。
一対一の戦いならまず遅れを取らないし、二対一でも上手く立ち回れば勝てる。
それは乱丸だけでなく、織田の兵全員に言えた。

しかし――――――――

<パァンッ!!>

時折戦場に響く炸裂音。
これが織田の兵士を苦しめていた。

<グサリ>

「ぐあ……」

炸裂音に身を固くした一瞬。
その隙を逃さず、浅井朝倉の兵の槍が織田の兵の体に突き刺さる。
炸裂音がなった数秒間織田の兵士の動きは格段に鈍り、多くの犠牲を生んでいた。

合戦開始に聞こえた謎の轟音。そして壊滅した足軽隊。
それらの光景は織田の全兵士の脳裏に深く刻み込まれている。
そのため僅かな炸裂音に対しても身を固くさせ、動きを止めてしまうのだ。

ランスや鈴女といった上層部は大体の予想がついたが、一般兵からすれば未知の現象。
凄まじい轟音が鳴ったかと思えば味方の兵士が抵抗すら出来ずに絶命したのである。
恐怖心から体が動かなくなるのは必然。当然の結果。

戦場に断続的に響く炸裂音。
この炸裂音だけで人は今のところ死んではいない。
頭では理解しても、反射的に体は恐怖で竦んでしまい動けない。

「忌々しい…!」

炸裂音によって浅井朝倉と織田の兵の差は埋められていた。
正体不明の炸裂音の正体を探ろうにも、まるで規則性がない。
乱丸は打開策を探そうとするも有効な手段は何一つ浮かばないまま、浅井朝倉の攻勢を凌いでいた。

<チュンチュン、チュ―――――>

戦場の雄叫び、悲鳴、怒号、断末魔の叫びに紛れて誰も気づかない。
戦場の上空を縦横無尽に飛び回り、脚に何かを持っている雀が数十羽もいる事を。
それらの雀の脚には長い導火線がついた、非常に軽量な爆竹を持っていた事を。



戦場の一端。
ここでは通常では見られない光景が広がっていた。

<チチチチチ、チュンチュ、チチ>×いっぱい

そこに在るのは数十本の蝋燭、そして数十羽の雀。
さらに大量のねずみ花火にも似た形状の爆竹の山だった。

雀が嘴や脚に爆竹をつまみ、爆竹についた長い導火線に蝋燭の火を点ける。
導火線に火が燃え移ったのを確認すると戦場に向けて飛び立った。
その場にいる雀達は全て同じように行動し、次々と大空へと飛び立っていく。
またその異質な空間には仕事を終えた雀が着々と帰還し、また同じように爆竹を咥えていく。

この雀達は裕輔が契約していない、現地調達の雀達である。
彼等とは情報を交わせないし、複雑な命令も出来ない。
そのため裕輔が考えだした彼等の運用法がコレなのだ。

今大量に積まれている爆竹は裕輔が鉄砲の技師たちに頼みこみ、臨時で造ってもらったものである。
雀が持ち運べるようにと軽量化させたため、パンという炸裂音がするだけの代物。
それでも裕輔の考えだした作戦にはそれだけで十分だった。

裕輔がこれらの雀に指示したのは【導火線】に【火】をつけ、【戦場】へと【持っていき】、【ひとのいる場所】で【落とす】だけだ。
単純極まりないこれらの指示は呪い付きとなって日が浅い裕輔でも扱いきれる。
指示の狙いは徹底した戦場の混乱であり、掻き回しだった。

浅井朝倉の兵士は爆竹の炸裂音に動じない。
事前に一郎を通して通達した事とはこの事だったのだから。

聴覚というのは視覚に次ぐ外部から情報を取り入れるための感覚器官である。
鉄砲の威力は耳と目を通して脳裏に深く刻まれ、恐怖として刷り込まれる。
鉄砲の発砲音と似た炸裂音でさえ反射的に防衛本能が働いてしまうほどに。

これが鷹などの大型鳥類なら爆弾で爆撃する事すら可能かもしれない。
この時代に航空戦力などあるはずもなく、制空権は戦術の中に入っていない。
雀とはいえ制空権を手に出来るからこそ来る苦肉の策だった。

雀の飛行部隊は誰にも邪魔されぬまま、戦果をあげていく。
直接的な戦果はないが、間接的に大きな被害を織田にもたらして。
誰も雀の妨害行動に気づけぬまま、織田は更なる窮地へと追い込まれた。



「ランス殿! ここは兵を引かせるべ―――――」

「わかってる。さっさと引かせろ」

「…は?」

「引かせろと言ったんだ。聞こえなかったのか?」

光秀の焦燥に充ちた進言はあっさりとランスに肯定された。

これには光秀も目を白黒させて驚いた。
普段のランスを見ていればわかるように、ランスは負けず嫌いでプライドが高い。
痛い目に遭わされれば三倍で痛い目に遭わせ返し、尚かつ相手の嫁を掻っ攫ってくるくらいには。
それだけにランスの発言は眼を見開いて驚くくらいの衝撃があった。

「気分が悪い。俺様を出し抜くなんて、これほど怒りが湧いたのは久々だ。
体制を立て直し次第、向こうの総大将は念入りに始末してくれる」

「ら、ランス様。落ちついて下さい。ね?」

【シィルちゃん。無理無理。相棒怒り心頭で爆発寸前だから】

苛立ち紛れに近くにいた浅井朝倉の兵を纏めて五人カオスの錆びにする。
カオスは自身が血に塗れつつ、シィルに諫めても意味がないと告げた。
今のランスはそれこそゼスについて間もない頃、奴隷にされたくらい怒っている。

あ~、これは敵5回くらい死んだな~っとカオスは無感動にそう思った。
ランスは恨みごとを結構ねちっこく覚えているタイプなのだ。

「そ、それでは撤退します」

光秀はランスの気が変わらない内に軍を引かせるべく、大慌てで各部隊に伝令を出す。
撤退戦はもっとも被害が大きく、細心の注意を払って戦況を見渡さなければならない。
どれだけ兵士を失わずに撤退するか。軍師たる光秀の腕の見せ所だった。

「しかし、相手のやりたい放題ってのは気にくわん。
シィル、敵を炙り殺せ。こっちが逃げやすいようにな」

「うぅ…わかりました」

大将であるランス自ら最前線に立つ。
勇者の資質を持った暴君に突き従うは桃色の髪を持った少女。
可憐ないでたちとは正反対の魔法の力を持つ移動砲台。

一度少女が魔法を詠唱すれば手から燃え上がった炎が矢となりて敵を焼き払う。
慈悲なき炎の矢は敵である浅井朝倉にのみ訪れ、等しく命を奪う。

とどめの一撃は魔剣カオスの刀身にエネルギーを迸らせ撃ち放つ必殺技。
必ず殺すとの名に恥じず、敵の命を奪う死神の光の壁となって容易く命を刈り取る。

個人の武が戦術を凌駕し、破綻させる。
ランスは撤退を了承したが、あるいは彼の力を持ってすれば反撃すら可能だったかもしれない。
しかし彼は撤退を選んだ。あり得ない【もしも】を話しても栓無きことである。

裕輔のこの合戦での誤算は二つ。
一つはランスを殺してしまう事に過剰なまでの対策をしてしまった事。

ランスという男に保護は必要ない。
人間としての格やレベルが違う圧倒的な武力。
そんな男を殺すなという命令を下すこと自体必要ない事なのだ。
またランスの傍らには常にシィルが付いており、大抵の傷は彼女が癒してしまうのだから。

そしてもう一つは―――――――――



「敵中央、左翼共に壊滅状態。
右翼の総大将ランス率いる武士隊は健在、徐々に後退していきます」

「中央の武士隊を右翼に移動。左翼の足軽隊は下がって弓兵隊を守れ。
弓兵隊、防護柵より出て中央と左翼に一斉射。敵を掃討しろ。
巫女隊は中央後方にて傷ついた兵士の回復急げ」

【敵左翼の敵が後退していくっす!】

「一郎様。敵左翼の武士隊が後退、後ろに下がるようです」

「中央の兵士は弓の一斉射の後、突撃して敵の後ろを猛追しろ。
右翼の部隊は押し込んで戦線を後ろへと下げさせろ。武士隊の合流次第迅速に!」

浅井朝倉本陣。
そこでは総指揮をとる一郎と、雀からの情報を一郎に伝える裕輔がいた。
相変わらず裕輔の上空では忙しなく雀が囀っており、戦場の様子を裕輔に言葉で伝えている。
本陣では緊張感こそあるものの、織田の兵士の影すらなかった。そのため雀のチュンチュンという鳴き声が非常に響いていたりする。

言うまでもなくここが浅井朝倉の心臓部。
裕輔が雀を使って情報を吸い上げ、裕輔から伝わった情報を元に一郎が軍を動かす。
実に合理的で効果的な動きで浅井朝倉軍は合戦を進めていた。

「うーん、ここで駄目押しが欲しいな。
裕輔君、鉄砲はもう使えないかい? あれがあれば確実なんだけど」

「無理、でしょうね。今鉄砲の大半は当初の位置に捨ててありますし。
拾って整備をし、逃げる織田軍に追いつくのは無理でしょう」

裕輔の言葉通り織田は後退を始めていた。
後退するフリをして浅井朝倉を釣る罠、それか本当に撤退するつもりなのかは不明。
だが壊滅状態の前線を動かそうとしているのは若い雀からの情報では確定。

(敵の総大将はランス…本当に軍を引くか。
あの性格からして考えにくいけど、案外クールだったって事か。
玄さんが帰ってくれば作戦ありきの後退と逃げの撤退かの区別がつくのに)

玄さんとは年配の雀だ。
若い口癖が~っすの雀は現在裕輔の上空にいるし、インテリ雀にも別命を与えている。
ランスにへばり付いて詳しい動向を探るための雀が玄さんなのである。

浅井朝倉の本陣では俄かに戦勝ムードが漂い始めていた。
開戦から終始浅井朝倉の流れで戦況が進み、織田は後退を始めた。
これで浮かれるなという事のほうが至難の技なのかもしれない。

また裕輔自身作戦が上手く嵌まったとほっとしていた。
雀の爆竹攻撃など小細工を弄しても戦場の決着は結局時の運。
兵士の質の差に関してわからない裕輔にとって、野戦の勝利には懐疑的だったのだ。

【待たせたな】

「玄さん! それで詳細は?」

そんな裕輔の下に、待ちに待った一羽の雀が舞い降りた。
ここで裕輔は失念していたが、自分以外にとって雀の声はチュンチュンとしか聞こえないという事。
雀と会話している裕輔を周囲の兵は気味悪げに見ていた。

【敵さん、本格的に撤退するみてぇだ。
前線の部隊もそれに呼応して、既に織田の尻尾に追いすがってる】

ここから指示を出すまでもなく、二郎率いる前線部隊は追撃戦に移行したようだ。
だが―――と、玄さんはいったん区切り、改めて裕輔に情報を伝える。

【追撃戦をしかけようにも、孤立してる一人の兵士が馬鹿みてぇに強くて邪魔しやがる。
それに緑の剣士とピンク髪の姉ちゃんもすげぇ強いし…あれ化物だぜ?】

ランス達はともかく、まるで熊みたいに大きい体躯の槍兵だと。
玄さんからの情報を噛み砕き、裕輔はその槍兵は勝家だと判断した。

「それでなんとかなりそうなのか?」

【所詮一人だからそこまでの妨害にはなっちゃいねぇが、動きが鈍ってるのは事実だ。
横通ろうとしたら槍で撥ね飛ばされるしな。厄介と言えば厄介には違いねぇ。
しかしそれも時間の問題だろ。全身から血が噴き出てるし】

「…その状態で無双してんの?」

【だな。五郎とか言うやつが名乗り上げて一騎打ちしたけど、あっさり負けて死んだ】

五郎…名前しかしらないけど、哀れな。

しかし洒落になってねー。裕輔は改めて名前とキャラ持ちの強さを思い知った。
五郎は名前こそ固有であるものの、ゲームのCGはモブ武将である。そりゃ勝てない。
そんな禁則事項に触れるような事を考えながらも裕輔はこれがチャンスだと悟った。

「もうそろそろくたばりそうなんだな?」

それは勝家が死にかけているという一点。
上手くいけば、これからの流れでかなりの手札を持つことが出来る。
柴田勝家と言えば戦力的にも政治的にも心情的にも織田にとっては重要な武将だ。

【かなり弱ってはいるぜ? 見た所、かなりヤバそうだったが】

玄さんからの情報はかなり美味しい。
ここで勝家を討ち取らせてしまったら士気高揚と戦力低下は狙えるが、講和はほぼ不可能になる。
織田家の重臣であると同時に信長・香姫・乱丸などの重要人物との絆も深い。
勝家を殺してしまえば彼等の心証は最悪であり、講和という選択肢は完全に潰えてしまう。

「行くか」

今後の事も考え、取れる選択肢は多い方がいい。
ましてやこの合戦は勝てそうだが、次からは対策も取られるだろう。
勝てるという保障がない限り、保険はかけておかねばならない。

「一郎様。俺は少し野暮用が出来ました。
敵は本格的に撤退を開始したとの事です。後はよろしくお願いします」

「野暮用…? まぁ、いいよ。
ここまでお膳立てされて負けるようだったら、僕はもう総大将を辞めるしかないね。
何かすべき事があるんだろ? 僕の名前を出してくれて構わないよ」

「ありがとうございます」

一郎の裕輔に対する評価は厚い。
今までも重要だと認識していたが、今回の戦場での働きでそれはマックスとなった。
自分の名前を出しても構わないという事は、何があっても責任は取るという事なのだから。

裕輔は本陣から離れ、玄さんに誘導されて勝家が暴れている現場へと急ぐ。
最初は安全圏内にいたためノロノロとしていたが、刀が入り混じる戦場に入ると神速の逃げ足スキルが発動。
一般兵には目に移らない速度で戦場を駆け抜けていった。

「……敵は既に撤退を決定したようだ!
このまま追撃戦に入り、数を削る! 伝令を出せ!」

合戦は一度で終わりではない。
今回の戦でかなりの数を削れたものの、織田にはまだかなりの余力がある。
その気になれば足利領だった国からも兵をひっぱってこれるだろう。

削れる時に削る。勝つべき時に勝つ。
この合戦の勝利だけでは決定的な勝利にならない。
もろてを挙げてうかれている暇はないのだ。

それがわかっていた一郎は油断するはずがない。
むしろ気を引き締め、一兵でも多く織田の兵を削るべく頭をフル回転させていた。
彼に落ち度はない。あるとすれば―――――――――

<グサリ>

「―――――!?」

勝利ムードで気を緩め、警備をないがしろにしていた護衛の兵士に他ならない。

一郎の左肩に抉るようにめり込んだ一つのクナイ。
左肩からは鮮血が吹き出し、一郎から思考能力を奪う。
焼けるような激痛に一郎は地面へと倒れ込んだ。

「く、曲者! 曲者だー!」

「忍者が紛れているぞ! どこだ、どこから狙っている!?」

一郎が呻き声をあげながら地面に沈んでいるのを見て、やっと我に帰った護衛の兵士達。
そんな本陣を離れた場所から見る鈴女は「あり?」と首を傾げていた。

「おかしいでござるな。ちゃんと首の動脈を狙ったのに。
まぁ結果良ければすべてよしでござるよ」

あれではとても指揮は出来ないだろう。
織田が逃げだすまでの時間稼ぎさえ出来れば鈴女的はオッケーなのだから。
暗殺スキル。鈴女ほどのくの一では遠く離れた場所からも発揮できる、恐ろしいスキル。

一郎が倒れたことにより、浅井朝倉軍の動きは緩慢な物となってしまう。

―――――裕輔の犯したもう一つの誤算。それは要人の暗殺だった。



正直に言おう。俺はこの時代の武将の力を完全に履き違えていた。

「ぬぅおおおおおおおおお!!!」

一度槍が閃けば腕が千切れ、腹を裂き、首が空を舞う。
裂帛の気合から放たれる一撃は浅井朝倉に大きな被害を与える。
今一騎当千の【鬼】が戦場で猛威を奮っていた。

「ありえねーだろー……」

なりは熊みたいだけど、アレは虎だな。しかも手負いの。
窮鼠猫を噛むというが、鼠でもそれだけ驚異に成りうるという事。
鼠なんて生易しいレベルじゃねー。もはや小型の台風みたいなもんだ。

勝家が暴れ回っている現場は想像以上に悲惨な物となっていた。
絶命して地面に転がっている死者は浅井朝倉のみであるし、敵は勝家ただ一人。
だというのに加速度的に死ぬのは浅井朝倉という理不尽。
ぬわぁんてインチキ! と叫びたいのが正直なところの心境だ。

「おい、槍を持ってる奴を集めろ。そしてあの鬼武者を包囲だ」

「ああん!? 誰だお前は!」

「一郎様からの伝言と使いだ。さっさと包囲してくれ」

ぽんと苦い顔で槍を構えている足軽の肩を叩き、命令する。
反射的に食ってかかられたけど、相手は俺の顔に見覚えがあるようで助かる。
すぐに周囲の足軽に声をかけ、勝家の周りを包囲してくれる。鉄砲隊を指揮してて良かったね。顔が知られているな。

この戦場――――少なくともこの方面に織田の兵士はいない。勝家一人だ。
状況から考えて、織田の殿として孤軍奮闘していたという事だろうが…人間業じゃないな。

たった一人で戦線を維持し、味方を撤退させるまでの時間を稼ぐ。
人並はずれた精神力と胆力、豪力と体力の持ち主だ。

勝家は全身を赤く染め上げているが、返り血以上に自分の血で染まっている。
兜から覗く顔色も真っ青であるから、いつ大量失血で倒れてもおかしくはない。
というか現在進行形でポタポタと留めなく流血している。つくづく化け物である。

名前持ち武将、しかもゲームにおいても後半まで末永く使える防御ユニット。
初期値からして防御値が高く、勝家がいなければ織田家が他国に勝つ事は容易ではない。
一般兵から比べてもお話にならないくらいに強く、このまま無駄に戦わせてもこっちの被害が増えるのみ。

「敵将勝家と現在進行している奴は下がれ!
方円状に包囲している足軽兵は槍を水平に構えろ!」

そうこうしている間に勝家の包囲が終わる。
孤立している勝家をぐるりと360度囲むのにそう時間はかからなかった。
俺は巻き込まれないように直接勝家と交戦している兵士に勧告したのだが、その必要もなくなる。
勝家が背を向けて逃げ出す兵士を許してくれるはずがなかった。

「そのままこちらからは攻撃するな。
敵が移動すれば陣を崩さずにそのまま移動、陣が破られそうになったら密集して弾け!
決して一人で相手をしようと思うなよ」

勝家から一定の距離を取らせ、喉元に槍を突きけるようにして360度勝家を囲む。
武力で勝てないのならば時間切れを待てばいい。ただそれだけの話。
勝家は疲労も極限に近いはずだし、出血による低体温は容易く意識を奪う。
勝家の体力が尽きて意識を失うのをゆるりと待てばいい。

勝家は俺の意図に気づいたのか、声を荒げて俺を罵倒する。

「貴様、武士としての誇りはないのかッ!?
男ならば正々堂々戦わんか! お主達もこのような男の言いなりとは誇りを捨てたか!?」

「全員耳を貸すな。敵の罵りは俺が全て受ける。
それに一人の女を無理やり奪おうと攻め込んできた御前らに誇りを諭されるなんて、片腹痛い!!」

勝家も重臣である以上、雪姫を手に入れようとして戦争を始めた事を知らないとは言えないはずだ。
事実勝家はぐぬぅと呻いて反論しようとしていた口を閉じ、押し黙る。
この戦いにおいてどちらに大義名分があるかは明白。故に押し黙るしかない。
まぁだからと言って、俺が卑怯な事をしていい理由にはならないけどね。

卑怯? 狡賢い? 卑劣? ハハッ、ワロス。なんとでも言え。
俺には武士の誇りなんてない。誇りなんてとうの昔に犬に食わせてやったわ。

もはや言葉は不要とばかりに槍を振り回し、最後の大立ち回りを演じる勝家。
だがその動きは俺が最初に来た時点と比べると格段に鈍い。
しかも槍の猛威が落ちているのはもちろんだが、その場から勝家は一歩も動かない。

否、動けないのだ。
一度でも動けば勝家は動けなくなるのだろう。
その証拠に吐く息は非常に荒くなり、全身の体重を支えるようにして槍を地面に着いていた。

「その首、討ち取っ――――」

「あ、馬鹿野郎!」

俺の命令を無視し、手柄に目がくらんだ一人が包囲を崩して勝家に槍を突き出す。

途端死に体の勝家の瞳がギラリと煌めき、指先を芸術的に動かし槍を操る。
信じられない事に勝家は自身の力を全く使わず、突き刺そうとした兵士の勢いを利用して逆に自分の槍を突き刺した。
ズブリと腹に刺さった槍が兵士の体を突き破る。口から鮮血を撒き散らし、兵士は地面に沈む。

だがそれで勝家も力を使いはたしたのか、勝家も仰向けに地面へと倒れ伏した。
首記を挙げ、手柄を得る絶好のチャンスだ。こうなったら早いもの勝ち、首を切り取った者の手柄。
しかし、誰も勝家に近づいて首を切取ろうとする者はいない。

「コヒュー……こひゅー…」

それは勝家のギラギラと両目に灯る野獣の光。
少しでも近付けば喉元を食い破ろうとする強い意志。
先ほどの兵士を殺した一連の流れを見ている者は勝家が死んだという確証があるまで近づけない。

「おい、縄を持ってきてくれ」

「…は?」

「だから。縄だよ、縄。こいつ縛るための」

「縛る…? まさか、こやつを捕虜にして捕えるのですか!?」

俺の言葉に信じられないと噛み付く足軽兵の一人。
包囲している兵士達も同じ意見らしく俺に批難の眼差しをぶつけるが、俺は一郎様の名前をチラつかせる事で無理やり意見を通した。

「小僧……! 貴様、どういうつもりだ。
殺せ…! 侍から死に場所を奪うつもりか…!」

地獄の底から響くような息も絶え絶えながら、背筋を凍りつかせる怨恨の声が浴びせられる。
ぞっとする怖気を内心で留めつつ、勝家に向かって尊大に言い放った。

「敗者は黙っていてくれません?
死にかけの貴方をどう扱うのかはこちらの勝手。
ああ、勝手に死なないでくださいよ? これから交渉のための材料になってもらう予定だから」

「交、渉だと…?」

「そ。だから誇り云々言うんだったら、勝手に自害とかするなよ」

「生き恥を晒し、織田に、迷惑…を、かける、つもりは…毛頭ない…。殺せ…!」

「いくら言われても殺さないから。ほら、猿轡咬ませちゃうし」

やはり死兵となって織田の撤退まで殿をするつもりだったらしい。
勝家ほどの武将が殿を務めれば敵の戦力を集められるし、敵の追撃を押し留める事が出来る。
だが俺の手によって殺されないと知ると、意識を失うまで壊れた人形のように【殺せ】を連呼した。

自害されては困るので、歯と歯の間に持ってこさせた縄を食いこませる。
これで舌を噛み、出血で喉が詰まっての自害は不可能となった。
俺がよいしょよいしょと猿轡を咬ませている間に何時しか勝家は白目をむいて気絶していた。

「こいつを手当てして浅井朝倉の牢にぶち込んでおいてくれ。殺すなよ」

持って来てもらった縄を周囲の兵に手渡し、手脚を拘束しておくように命じる。
生命力は体の大きさに比例するというし、勝家は出血さえ止めれば生き長らえるだろう。
俺はその場の兵士に手当と牢へと連れて行くように命令を下してから、一郎様のいる本陣へと戻る事にする。

ここで勝家を確保できたのは実に僥倖。
交渉の手札としては最高レベルの手札。
織田家は人情家が多いし、勝家は古くからの織田家の家臣だ。

そう、交渉だ。
この戦は上手くいったけど、俺は浅井朝倉が戦争に勝つのは無理だと思っている。
出来る限りの好条件で和睦を結ぶのが最善だと思っている。

鉄砲は威力が高い反面、欠点もすぐに想像がつくのが難点だ。
火薬を使っている以上雨の日は動作不良を起こしやすいし、使い物にならない。
それを鈴女などのくの一、もしくはランスに感づかれたらそれだけで勝率はがくっと下がる。

「一郎様と相談をしないと…」

俺のこの考えを聞いてくれるのは一郎様しかいない。
あくまで俺は一郎様の部下に過ぎず、国の決定に関わるような発言は出来ない。
一郎様を通しての形でないと提案すら出来ないのだ。

最後に縄に捕えられ、男数人がかりで運ばれる勝家を一瞥し、今度こそ本陣へと戻る。
本陣へと戻る途中で織田の陣より後方で煙があがっているのが視界に入り、もう一つの作戦が成功した事がわかった。

よし、インテリ雀が上手く作戦を成功させてくれたみたいだ。
きっと今頃は織田陣では更なる動揺が走っていることだろう。
これで時間稼ぎが出来ればいいんだけどな…。

「―――――ぐぅ、ぅぷ!?」

突然喉に込み上げてくる酸っぱい何か。
思わず吐き出してしまいそうになるが、無理矢理喉に押しこめる。
本陣へと戻る途中だったが、地面に膝をついて落ちつかせた。

「…ッ。はぁ…はぁ…」

どうやら精神的に参っているらしい。
しかも情けない事に人を殺した事ではなく、自分が殺されかけたというプレッシャーに。
合戦が終わって生き延びた事を実感した事でぷっつりと緊張の糸が切れてしまったようだ。

この戦いの中、首筋に焼けるようなチリリとした感覚がなかったのはほんの僅か。
つまり俺は常時死にそうな状況下にあったということに他ならない。
極限のプレッシャー下に苛まれ続け、精神が摩耗していた。

そしてやっと今になって自覚する。
自分が人を殺す命令を下したというのに、驚くほど罪悪感を感じていない事を。
野晒しにされている死体を見て生理的嫌悪は浮かんでも、罪悪感は本当に薄いという事を。

「ああ…そうか、俺――――壊(イカ)れちまったのか」

当初太郎君の村が焼き打ちされた時とは大きな違い。
俺はあっさりと自分が変質してしまった事を受け入れる。
どうか人を殺すことに快楽を覚えるような者にはならないよう気をつけないと。



人を殺すという最大級の禁忌を犯す戦場ではマトモでは生き残れない。
生き残るのはその倫理感が始めから壊れている者と、壊れてしまった者の二種類のみ。
そういう意味で裕輔は壊れてしまった。

幾つもの思惑が入り乱れ、錯綜する戦場。
戦場において人の命は驚くほどに軽く、簡単に失われていく。
いまだ裕輔に安息の日々が訪れる気配はない。














あとがき

新生・浅井朝倉、初戦白星。
全てが上手くいったとしても、誤算がないと面白くないと思うんです。
何もかもが上手くいくのはやはりおかしいと思いますし。

インテリ雀に出した命令とは。
一郎の安否、勝家の処遇。
これからの浅井朝倉の取るべき道とは。

次回は以上の三本で行く感じです。

*どうでもいいアナウンス。
感想350を書きこんでくれた方の読みたい物語を番外編で作者が頑張って書きますよ!
ふるってご参加ください。何も書かれていなかったら普通の番外編になります。




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