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No.42107の一覧
[0] (TVアニメシャーロット)Charlotte SS 乙坂有宇の記憶力がずば抜けていたら[ 幸せな二次創作](2021/08/31 05:41)
[1]  プロローグ 異常な記憶力、異質な力 [訂正版][ 幸せな二次創作。](2018/02/01 19:43)
[2]  第一回 僕が正義だ。[ 幸せな二次創作。](2016/08/27 13:55)
[3]  第二回 幸せになるための努力[ 幸せな二次創作。](2016/08/16 06:46)
[4]  第三回 断裁予告[ 幸せな二次創作。](2016/11/13 00:24)
[5]  第四回 この世は金だ![ 幸せな二次創作。](2016/11/13 01:24)
[6]  第五回 情報と憶測[ 幸せな二次創作。](2016/11/13 01:30)
[7]  第六回 その為ならプライドだって捨てられる[ 幸せな二次創作。](2016/11/13 01:28)
[8]  第七回 星ノ海学園[ 幸せな二次創作。](2016/11/13 01:50)
[9]  第八回 神になることもできる[ 幸せな二次創作。](2016/11/13 01:59)
[10]  セカンドプロローグ なにがなんだか分からない.....。[ 幸せな二次創作。](2016/11/13 02:02)
[11]  第一回 誰かの声[ 幸せな二次創作。](2016/08/16 05:37)
[12]  第二回 違う過去の世界[ 幸せな二次創作。](2016/08/16 05:58)
[13]  第三回 さようなら、白柳さん。[ 幸せな二次創作。](2016/08/16 06:25)
[16]  第四回 万有引力の法則[ 幸せな二次創作。](2017/02/01 08:08)
[17]  第五回 他人の不幸と自分の幸せ[ 幸せな二次創作。](2018/11/20 05:16)
[18]  第六回 Re[ 幸せな二次創作。](2018/11/20 05:39)
[19]  第七回 くそ、ぶん殴ってやりたい。[ 幸せな二次創作](2018/11/20 05:49)
[20]  第八回 怒りのアッパーあァァアアァアァァ![ 幸せな二次創作。](2016/08/20 13:13)
[21]  第九回 よし、悪は燃そう!。[ 幸せな二次創作。](2016/09/24 08:05)
[22]  第十回 プロデューサー私はてめぇを殺したい。[ 幸せな二次創作。](2016/08/20 13:40)
[23]  第十一回 あ、赤い....[ 幸せな二次創作。](2016/08/20 13:42)
[24]  第十二回 知らぬ能力 [訂正版][ 幸せな二次創作。](2016/09/17 08:15)
[25]  サードプロローグ テロリストの少女[幸せな二次創作](2016/10/20 00:37)
[26]  第一回 助け船だと思った? 残念! それ泥舟ですー![ 幸せな二次創作。](2016/10/20 01:02)
[27]  第二回 視線 [訂正][幸せな二次創作。](2016/10/20 01:14)
[28]  第三回 とある任務という名の襲来 [ 幸せな二次創作。](2016/10/23 02:49)
[30]  番外編 迷子のテロリストの少女と黒髪のターゲット[ 幸せな二次創作。](2016/09/02 13:56)
[31]  第四回 テスト勉強と一時の恥[ 幸せな二次創作。](2016/10/23 03:09)
[32]  第五回 クソッ! 舐めていた! 僕は学園創設者のことを完全に侮っていた。[ 幸せな二次創作。](2016/11/01 09:17)
[33]  第六回 詰んでいた現状 [訂正版][ 幸せな二次創作。](2016/10/23 04:04)
[34]  第七回 コードカンニング 反逆の乙坂 [ 幸せな二次創作。](2016/10/30 02:47)
[35]  第八回 期末テスト[ 幸せな二次創作。](2016/10/24 02:50)
[36]  第九回 成り行きに任せる[ 幸せな二次創作。](2016/10/24 03:13)
[37]  第十回 誰かに認めてもらいたくて[ 幸せな二次創作。](2016/10/29 11:18)
[38]  番外編 佐藤美保の監視報告[ 幸せな二次創作。](2016/11/04 03:32)
[39]  乙坂隼翼(学園創設者様)の困惑[ 幸せな二次創作。](2016/11/04 02:56)
[41]  第十一回 惨めになってたまるかぁ !!![ 幸せな二次創作。](2016/11/22 03:23)
[42]  第十二回 プロ入り間違いなしの高校球児だと[ 幸せな二次創作。](2016/11/17 12:25)
[43]  第十三回 誰にでも投げられるナックルの魔法[ 幸せな二次創作。](2016/11/17 12:42)
[44]  第十四回 試合開始[ 幸せな二次創作。](2016/11/24 15:45)
[45]  第十五回 刹那的スイング[ 幸せな二次創作。](2016/11/28 15:30)
[46]  第十六回 2[ 幸せな二次創作。](2016/12/01 02:35)
[47] 第十七回 今どんな気分だ?[幸せな二次創作](2021/09/28 02:38)
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[42107] 第十七回 今どんな気分だ?
Name: 幸せな二次創作◆0adc3949 ID:1dc281c7 前を表示する
Date: 2021/09/28 02:38
七回の表 関内学園の攻撃三番バッター黒田から打順が始まった。

マウンドに立つ星ノ海学園エース、秋田太郎は闘志に燃えていた。

(あと3回抑えて、ゆさりんを勝たせるんだ!)

女房役の宮崎は秋田の強い闘志を宿した目を見て頷く。

(俺もお前と同じ気持ちだ秋田。俺のリードとお前の投球で完封してゆさりんに勝利を)

二人のゆさりんへの愛は以心伝心を可能としていた。

関内学園の三番バッター黒田は既に右のバッターボックスに入り、バッテングフォームに移り投球を待っていた。

序盤は星ノ海学園の選手たち六人の闘志に怖気付いていたが、関内学園の選手たちは徐々に慣れてきいた。

(一点は取られたが、四番の隆人と五番の有史の前の打順の俺が塁に出ておけば逆転もある。くらいついて塁に出て見せる)

秋田が投球モーションに移る。

宮崎の要求した球はゆさりんを勝たせたい強い想いを乗せた渾身の全力のストレート。ミッドはインコースに構えられていた。

秋田の手からボールが放たれる寸前、指先の汗でボールが滑りコントロールが制御できなくなった。

秋田は気合いを入れて勝負を急ぐあまりここに来てロージンバックをつけるのを忘れてしまっていたのだ。

宮崎も秋田と分かりあっている感覚に酔っていたため気づいていなかった。

「しまっ!」

数瞬後、関内学園の打者である黒田の左腿あたりから鈍い音がした。黒田は痛みで顔を渋める。が、すぐにバットを地に置き拳を握った。

「っアウチ! ……オッシャーーー! 塁に出たぞ!」

関内学園の三番打者が塁に出たと同時関内学園のベンチのムードが良くなる。

何せ、ランナー一塁で次は関内学園の四番だ。長打が出たら同点、ホームランが出たら逆転もある。

「タイムお願いします!」

タイムをとったのは友利だった。そして、星ノ海学園のグラウンドに居るスタメン選手全員をマウンドへと集めた。




「……ここからは私たちも能力を使います。あなたの能力で四番と六番打者に乗り移ってやる気なくバットを振って三振してください。五番の念動力の能力者は敬遠でよろです」

五番を抜かした理由は僕が乗り移ると念動力の能力者の能力が消えてしまうからだろう。

乗り移った直後に能力が使えなくなれば僕が自分の能力が乗り移りでないことに気づくと考えたといったところぁ。

……実のところ僕は自分の真の能力を自覚しているんんだが……それがバレたら多分ろくな事にはならないので気づいてないフリをしないとな。

ここでの自然な反応は。

「疑問なんだが何故、念動力の能力者は敬遠なんだ? 他と同じように乗り移って三振でいいじゃないか」

「人のふり見て我がふり直せ。彼には自分がやっている能力を使った不正が客観的にどういう事を生むのかその目で見てもらいたいですからね。反省するにはまずは自覚を促さないとなので」

「そういう事か。ならただの三振なんて生ぬるい! もっと徹底的にやるべきだ! 僕に考えがある」

久しぶりに口元が釣り上がる。

「なんすかその悪い顔……いったい何をするつもりですか?」

「( -言- )ククク……それはな」

……。

「──という内容だ」

僕がやろうとしている事を聞いた星ノ海学園生徒会含めた選手一同は皆「うわぁ」とドン引きしていた。

「……良くそんなゲスい事思いつきますね」

「……乙坂さんあなたと言う人は」

「乙坂さん酷すぎます! 関内学園の選手さんたちが可哀想ですよ!」

友利と高城は呆れるようにいい、黒羽は反対してきた。

「おいおい、そんなにこぞって僕を褒めるな。面映ゆいじゃないか」

「「「褒めてない「せん」「です」」」

黒羽は適当に言いくるめて、タイムは終了し僕を含め各々自分の守備位置に戻った。

一塁から打席に立つ関内学園の四番の捕手を見る。

今からやる事は一方的な蹂躙だ。僕があんたらに絶望をくれてやろう。

……。



左のバッターボックスに立ちバットを構え星ノ海学園の投手を見据える。

失投で黒田が出塁できたのは幸運だった。これで逆転も狙える。

有史のためにも女房役の俺が長打を打って点を返す。ホームランなら逆転だ。

長打のヒットによる同点弾でも、有史がヒットを打てば逆転できる。

俺と有史で点をとって、俺と有史で打者を抑える。そうやってウチは今まで勝ってきたんだ。

相手投手の闘志は確かに凄まじいものだが、疲労が見えてきている。投手の交代がなかったのが不思議なくらいだ。

……いやこういう重要な場面だからこそエースに託したのか。

だが、俺もこのチームの四番だ。負けるわけにはいかない。

有史はこの試合に本気で勝ちにいっている。

試合前、大会を控えているのにこんな弱小チームと試合をする意味があるのか俺は有史に聞いた。

あいつは「これからのためだよ」と言った。俺には分からない。なにかあるんだろう。

けど、あいつが勝ちたいと望む限り女房役の俺は答えて魅せる。

相手投手がモーションに入る。

集中を研ぎ澄ませていく。相手の一挙手一投足に全神経を集中させろ。

リリースの瞬間の位置、指先と握りを見逃すな!

俺がこのバットでランナーを返す! バットのグリップを握りこむ。

……。

「え?」

次の瞬間、俺は右のバッターボックスに立ってバットを振っていた。

投手は投球モーションをいつの間にか終えている。

捕手を見ればミットにボールが収まっていて……。

審判は俺を見て目を丸くしていた。まるで君は一体何をしているんだと言わんばかりの表情だ。

いったい何が起きた、左のバッターボックスにたって居たのに、どうして俺は右のバッターボックスに立っている?

今何が起きたのか理解できなかった。その時だ。一塁の守備に着いているジャージの男が声をあげたのは。

「審判! 投球動作中にバッターボックスを出た場合はバッターアウトですよね! 」

「っ! バッターアウト!」

審判は無情にも俺にバッターアウトを宣言した。

「なっ!」

これには驚くしかない。俺はバッターボックスを出た記憶はなかったからだ。審判に抗議する。

「ま、待ってください! こんなのおかしいでしょ! 俺はバッターボックスを出た覚えはなくて……」

「けど、君、投球動作が始まる前は左のボックスに入ってたよね? で、投球動作の途中で右のボックスに移動したのを私はしっかり見ていたよ」

「っ……で、でも!……」

「バッターアウトだから、次の打者に変わるように」

「……」

バッターボックスを俺はとぼとぼと離れていく。

ネクストバッターズサークルからバッターボックスへと向かって歩く有史とすれ違う。

「有史……すまない。折角のチャンスを俺は……なんでこんなことをしてしまったのか自分でもわからないんだ」

「隆人……君は悪くないのをぼくはわかっている。それとすまない……今起きた不思議なことはきっとぼくのせいだ。だから隆人は気にやまないでくれ」

「有史それはいったいどういう……」

「すまない隆人。試合が終わったら君にはすべて話すよ」

有史は悲痛な面持ちでそういうとバッターボックスへと歩いていった。

…。




予定通り五番の念動力の能力者、福山は敬遠され、ワンナウト一二塁になった。

僕の隣の一塁ベースに福山が歩いてきてベースに片足をつけて止まりこっちを睨んできた。

「さっきのは、お前たちがやったのか?」

「フフフ、さっきってあの四番のルール違反か? 試合であんな事をするやつ初めてみたよ」

「惚けるな。真面目な隆人があんな馬鹿な真似をするわけがない」

「そうか。なら、それが答えだろう」

六番バッターがバッターボックスに入ったので、投球の投球モーションに合わせて能力を使い乗り移る。

そして、また四番バッターの時と同じように投球モーションの最中にバッターボックスから出て反対のバッターボックスに立った。

「バッターアウト!」

審判の声が響く。

一球で打者がアウトになる。

五秒が経過し元の身体に戻る。身体は地面に座りこんでいた。

「君! さっきも急に座り込んでいたけど大丈夫かね!」

一塁の審判にまた心配される。

「ああ、問題ない。ちょっと立ちくらみがあっただけだ」

キリッと顔を作って答え、立ち上がってまたバッターボックスをみた。

「なんで俺反対のバッターボックスに!」

「君アウトだから早く次の打者に打席を譲って」

先程と同様案の定バッターは驚いて困惑していた。

彼らからすればいきなりバッターボックスが逆に変わっていて、アウトを言い渡されるわけだからそりゃわけわかんないし、驚きもするだろう。

「……まさか、お前が」

ああ、そうだ。僕がやった! 四番バッターも今の六番バッターもなあ!

投手が投球動作に入ってからバッターボックスを出るのはルール違反だ。ルール上、それを破ればバッターはその時点でバッターアウトになる。

そして、乗り移りでその行為を行えば否応なしにたった一球で一個のアウトをとれるのだ。

友利たちはドン引きしていたが効率と普段は絶対しないミスでアウトにして選手に絶望を与えるならこれが一番いいだろう。

「なぁ、あんた、自分がやってきた事と同じ事を仲間にされて、今どんな気分だ?」

「……ぼくとお前がやっている事を一緒にするな」

「一緒だよ。特殊な力を使って努力を積み重ねてきた相手打者から簡単にアウトを奪っている」

「……ぼくはお前のように相手に直接害を与えて心に傷を負わせるやり方はしていない」

「苦しい詭弁だな。なぁ、さっきの質問に答えてくれよ。今どんな気分だ? この惨状をを見てまだ力を使い続けたいのか?」

「ぼくは……それでも……」

またバッターボックスに七番バッターが入ったので、乗り移りで投手の投球モーションと共に四番と六番のバッターと同じ末路を辿らせた。

「あいつを……甲子園に……」

「……」

「バッターアウト! スリーアウトチェンジ!」

審判の宣言と共に関内学園の一二塁のランナーたちはベンチへと戻っていく。星ノ海学園の選手たちも攻撃に回るため一旦ベンチへと戻った。

その後の試合は動かなかった。

福山は念動力のナックルで星ノ海学園の打者を完璧に抑え、僕は関内学園の打者を乗り移りで反則アウトにしまくる。

9回の表、最後の打者も乗り移りで投手の投球動作中にバッターボックスを変え、一方的に打ち取った。

関内学園の選手たちは一人を覗いて最後の最後のまで何が起きているのか理解出来ず困惑していた。理解できないことに翻弄され戸惑うその様子が少し面白いと思えた。自分でいうのもなんだけど僕はやっぱり性格が悪い。


試合が終わって星ノ海学園の野球部員たちは全員帰らせたあと、友利は福山だけを星ノ海学園のベンチに呼び出した。

福山はベンチの椅子に座り、俯いていた。

「我々が勝ちました。約束通りその今後能力二度と使わないでください」

それを聞いた福山は俯いたまま独りでに語り出した。

「……隆人、キャチャーとは幼なじみでずっと二人でバッテリーを組んできた。……ウチの高校の野球部が弱い事はわかっていた。けどあいつはぼくと組むことを選んでくれた。ぼくは平凡なピッチャーだ。けど隆人は違う。本当に脚光を浴びるべき選手だ。だからこの不思議な力を使ってでもつれて行きたかった。プロからも注目される甲子園に」

「私利私欲のためではなく、友情のために能力を使っていたんすね。…我々は今日の試合ズルをして勝ちました。あなたもズルをして投げてきました。でもちゃんと見てくれる人はいます」

「…」

「ズルなんかしなくても大学でも社会人野球でも。あなたは彼の親友としてずっと見守って行けばいいと思います。あいつぼくの親友なんだぜって自慢できる日が来ます。絶対っす」

そう言うと友利は福山に優しげに微笑みかけた。

「……ああ」

福山は終ぞ俯いたままそう呟いた。

それを見て僕は、友利の言葉はどうやら届かなかったようだと悟った。

何せ福山は口で返事こそせど、今後能力を使わないとは、最後まで言わなかったのだから。


話が終わると福山は遠目にこちらを見ていた関内学園の仲間たちの元へと戻って行く。

その後ろを姿を見て、乗り移るかどうか迷う。今後も福山は能力を使うのではと思ったからだ。

科学者に福山が目を付けられれば、救出するのはリスクが高まるんじゃないか。

能力を護りたい思いの強い友利は福山をきっと救うため行動に出るだろう。そうなればまた友利の身に危険が生じる。

そんなのはごめんだ。

けど、ここで僕が急に乗り移るのは不自然だろう。能力に気づいている事がバレるかもしれない。

……今まで何を見てたんだ僕は。

福山は友情のために能力を使い。

友利は能力を護るために能力を護るために使っている。

彼らは他人のために能力を使い、僕は自分の欲を満たすためだけにしか使ってこなかった。そのせいで取り返しのつかない誤ちもおかした。

過去の誤ちを悔いるのなら、僕は自分のためだけじゃなくて、他人のことも思える人間になるべきだ。

なら、福山から能力を奪わなくては。

……そうわかっているのに。能力がバレて自分が被害を受けるかと思うと……行動できない。

結局僕は自分の事しか考えていない人間なのか。……自己嫌悪だな。

「なに難しそうな顔しているんですか?」

隣に居た友利が不思議そうにこっちを見ていた。

「いや、別に。それよりいいのか? あの感じだとあのピッチャー今後も能力を使う気がするんだが」

「……やっぱそう思いますよね。まあ、それは後でこっちでなんとかしておきます。それより、ちょっと彼に乗り移ってもらえませんか?」

「乗り移ってなにをするんだ?」

「特になにもしなくていいです。ちょっとした実験なので」

友利は福山の能力を僕に奪させる気らしい。自分で動けなかった僕としてはありがたい提案だった。

「よくわからんが、乗り移ればいいんだな?」

「はい。よろしくお願いしま〜す」

僕は能力を発動し、福山に乗り移った。

五秒が経過し、自分の身体に意識が戻るとなんかめっちゃ柔らかい感覚と、ふわっとしたいい匂いが広がった。

「お疲れ様です」

「んッ!」

すぐ耳元で友利の声がした。

意識を失った僕の身体を倒れないように友利が支えてくれていて……で、僕の顔は友利の胸元にすっぽり収まり両手で軽く抱きしめられる形になっている。

つまり……この柔い感触は友利の! おっ……

「うおおおおぉ!」

トンデモ展開に驚愕し、勢いよく離れる。

心臓がばくついている。後、なんか顔が熱い。

自己嫌悪のあの陰鬱な感覚はすっかり消え去ってしまった。

今あるのは羞恥? 興奮? 高揚? ときめき? 性欲? わ、わからん。色んな感情がごっちゃになってドキドキする。

あいつ、めっちゃ柔らかかったし、めっちゃいい匂いがした。あれが女子の感触……本当に同じ人類か!?

……なんてこった語彙が死んだ。

くっ……友利のくせに。

「ありがとうございます」

「い、いや、いんだが、それで今のでなにかわかったのか?」

一応聞いておく。

「今はまだ分かりません。しばらく様子見です」

「そ、そうか」

「それじゃあ解散〜気をつけて帰れよ〜」

「とはいえ、友利さん帰る方向は一緒ですが」

「ならみんなで一緒に帰りませんか〜〜?」

高城がツッコミ、黒羽が何故かえへへと照れ笑いを浮かべながら提案する。

で、みんなで帰ることになった。

途中、コンビニによって皆で食べたアイスの味は、運動後だったからか、それとも久しぶりに食べたからなのか、とても美味しいと思った。


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