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No.411の一覧
[0] 何様、俺様、魔王様[ヤドクガエル](2007/12/12 07:40)
[1] 何様、俺様、魔王様  第2夜[ヤドクガエル](2007/12/12 07:41)
[2] 何様、俺様、魔王様  第3夜[ヤドクガエル](2007/12/12 07:41)
[3] 何様、俺様、魔王様  第3夜―2[ヤドクガエル](2007/12/12 07:41)
[4] 何様、俺様、魔王様  第4夜[ヤドクガエル](2007/12/12 07:42)
[5] 何様、俺様、魔王様  第5夜[ヤドクガエル](2007/12/12 07:42)
[6] 何様、俺様、魔王様 第6夜[ヤドクガエル](2007/12/12 07:42)
[7] 何様、俺様、魔王様 第7夜[ヤドクガエル](2007/12/12 07:51)
[8] 何様、俺様、魔王様 第8夜 前編[ヤドクガエル](2007/12/15 15:03)
[9] 何様、俺様、魔王様 第8夜 後編[ヤドクガエル](2007/12/15 15:10)
[10] 何様、俺様、魔王様 第9夜[ヤドクガエル](2008/01/05 21:58)
[11] 何様、俺様、魔王様 第10夜[ヤドクガエル](2008/01/06 16:05)
[12] 何様、俺様、魔王様:第11夜 荒野(中編) [ヤドクガエル](2009/06/12 22:52)
[13] 何様、俺様、魔王様 第12夜[ヤドクガエル](2008/01/19 23:58)
[14] 何様、俺様、魔王様 第13夜[ヤドクガエル](2008/01/28 01:57)
[15] 何様、俺様、魔王様 第14夜[ヤドクガエル](2008/10/03 20:45)
[16] 何様、俺様、魔王様 第15夜[ヤドクガエル](2008/02/23 03:01)
[17] 何様、俺様、魔王様 第16夜[ヤドクガエル](2008/04/02 22:53)
[18] 第16夜 おまけ。[ヤドクガエル](2008/04/30 10:28)
[19] 何様、俺様、魔王様 第17夜[ヤドクガエル](2008/06/04 12:17)
[20] 第18夜[ヤドクガエル](2008/10/03 20:32)
[21] 何様、俺様、魔王様 第19夜[ヤドクガエル](2009/01/12 15:07)
[22] 外伝 シオンとの出会い[ヤドクガエル](2008/01/31 13:33)
[23] 外伝2-1 剣の嘆き~ファーストコンタクト~[ヤドクガエル](2008/06/04 12:22)
[24] 外伝2-2 剣の嘆き~ファーストコンタクト~[ヤドクガエル](2008/11/13 01:00)
[25] 何様、俺様、魔王様:第20夜 手料理[ヤドクガエル](2009/06/12 22:50)
[26] 何様、俺様、魔王様:第21夜 トウヤ、最高の相棒を手に入れる!?[ヤドクガエル](2010/02/25 15:22)
[27] 何様、俺様、魔王様:第22夜 森の主ガレフ[ヤドクガエル](2010/03/03 12:12)
[28] 人物設定[ヤドクガエル](2009/06/12 23:11)
[29] アンケート協力、ありがとうございました[ヤドクガエル](2008/06/04 12:40)
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[411] 何様、俺様、魔王様
Name: ヤドクガエル◆1f705fa6 ID:719290ff 次を表示する
Date: 2007/12/12 07:40
はじめまして。ヤドクガエルと申します。
サモンナイトのバノッサ逆行小説です。
主に下の3人の視点から書いていくので、よろしくお願いします。









バノッサ
オルドレイクによって魔王を憑依させられ死亡したはずが、何故か逆行。
相変わらず誓約の儀式はできないが、霊属性だけレベルSでも召喚可能。
服装は若干違って上は黒のタートルネックに紅色のジャケット(黒いファー付き)をはおり、下は黒のズボンに紅のブーツ。それに最小限の(胸とか腕辺り)防具をつけている。敏捷優先。
酒と煙草をこよなく愛す精神年齢3●歳の美白帝王。




カノン
バノッサの弟分にしてオプトュスの家事全般を取り仕切る、おかあさん…?
オプトュスの台所の支配者。主夫。
他は原作にじゅんずる。





イスラ
サモナイ3の登場人物。
本名、イスラ・レヴィノス。
ヘイゼル(パッフェル)と同じように、時空を飛び越えた際に若干若返っている。外見、カノンと同い年。
記憶喪失。









それでは下から本編です。













――何様、俺様、魔王様――




第1夜 驚愕









視界が黒い。何も写らない。



何も無い空間を漂いながら男はぼんやりと眺めた。

何かをしようにも、指は1本も動かない。

もっとも、動けたとしても今の状況をどうにかできるとも思えない。



自分は負けたのだ。

誰に。あいつらに。

何もかも、その思いすらも。

求めていたものが、全てそばにあったにもかかわらず、それに気付かずに全てを失った。



愚かだったのだ、自分は。
あの男に手のひらで踊らされていたとは気付かずに行き着くところまでいってしまった。




ふと我に返ってみる。

自分はこれからどうなるのだろうか。

これからずっと、この空間をただよっているのだろうか。

そこまで考えて、この思考をとりやめる。

ぐちぐち考えるのは、自分のガラじゃない。





そこで、光が前方からさしているのに気付く。

ココに来てからはじめての外の変化に視線をゆるりとそちらに動かす。
赤い、光。炎みたいだ。

そんなことを考えていると、その光が強くなり、どんどんとこちらに近づいてくる。

眩しくなって手を目にかざす。





…あ? 手が……動く?





(いやいやいや、さっきまで動かなかったよな?)

そうして目の前に手をもっていき、グー、パーを繰り返す。

動く。動くよ。

なんで、どうして、とグルグル考えていると、自分があの空間を漂っているのではなく、地面に立っていることに気付く。

ちゃんと重力も感じる。

(やべぇ。ついに頭がおかしくなったか?)

頭を抱えようとして、そこで違和感にぶち当たる。

(あれ? 俺ってこんなに手ぇちっこかったか?)

いや、よくよく見れば手だけではない。視線が低い。これでは子供と変わらない。



「大丈夫か!? バノッサ!」



真横、至近距離から大声で呼ばれる。

なんだか聞いたことがあるような声にそちらを向くと、どことなく知り合いにそっくりなちびっ子がいる。

そう、エドスに。



(あいつ、ガキでもこさえたのか…?)



ちょっと現実逃避にふけってみるが、自分の記憶の中にあるエドスと同じだ。

服装も、雰囲気も、名前を呼ぶときのイントネーションも。

そしてなによりも。



再び視線を赤い光…炎に向ける。

これは、あの時の光景だ。

自分の母親が家を燃やし、焼身自殺をしたときと。

怨嗟の言葉を吐きながら、慟哭しながら、罵倒しながらすさまじい形相で死んでいった女の顔が思い出せる。

あの女の怨嗟の言葉が俺の子守唄だった。

召喚士としての素質がなく、父親に捨てられたことは母親から伝え聞いていた。

伝え聞いていただけで、実際に父親と相対した記憶はない。

当たり前だ。あったらサイジェントで会ったときに気付く。あんな特徴的な外見。



(考えてみれば、刷り込みみたいなものだったんだよな。母親の。)

寝ても覚めても召喚士、召喚士、召喚士。

思えば母親の憎悪は自分にも向けられていた。

何故、召喚士の才能がなかったのか。

何故、捨てられなければならなかったのか。

何故、こんなゴミをあさる生活をしなければならないのか。

死ぬ直前だった女の言葉がはっきりと思い出せる。



――お前のせいだ!!――



「ははっ…くだんねぇ。」

思わず失笑が漏れた。

一度もれてしまうと、次々と笑いがこみ上げてくる。



何だ、全部自分で考えていたと思っていたのに、踊らされていただけだ。



父親に、母親に。これではピエロだ。

それでも決定は自分でした以上、責任は自分にあるときた。

(もう笑うしかねぇ…)

く、く、と肩を震わせて嗤う。

横から動揺する気配が漂ってくるが、知ったことではない。

どうやらこれは認めるしかないらしい。

どういう訳か、自分は過去に戻ってきたのだ。

(だがどうやって…?)





………。

わかるわけねぇ。





1分もたたずに脳はGive Upを申し出る。

そして思考を切り替え、今わかっていることをまとめる。





・魔王に乗っ取られて一度死んだ。

・過去に戻ってきた。

・身体は子供になってる。



(とりあえず、今わかってんのはこんだけか。ようするに何にもわかってねぇってことじゃねえか。)





一応何か見逃してないかと死ぬ原因となった魔王戦まで記憶をさかのぼるが、一番何かやらかしそうな糞ヒゲ野郎は、魔王vs誓約者 戦前に死亡している。



――と、ここで(バノッサにとって)余計な記憶が掘り出される。



“俺たち友達だろ!?” “てめぇら…”とか。

“俺を殺せ”だとか。

なんだかそういう様な意味の、色んなことを口走った気がする。

顔が急速に熱くなる。

(ぐわあぁぁあ!! ハズッ! 俺恥ずかしっ!! 何言ってんだ、俺! あああぁ…穴があったら入りてぇ……!!!)

頭を抱えて座り込む。多分今自分は耳まで赤くなっていることだろう。




「お、おいΣ(´д`;) …本当に大丈夫か!?」

あせったエドスの声がかけられる。

まあそりゃそうだろう。

炎を呆然と見ていたらいきなり自分の手をニギニギし始め、遠い目をし始めたと思ったら、次は笑い出す。最終的には顔を赤らめ座り込む。

何も知らない奴が見たら、頭のネジがいっちゃったの? という光景だ。

その声にもう一度落ち着いて自分の手を眺めてみる。

小さい手。まだナイフも握りなれていない。汚れを知らない手だ。

もう一度、数回手を開いたり閉じたりを繰り返し、落ち着きを取り戻す。

(理由なんかどうでもいい。とりあえず戻ってきたんだ、俺様は。)

だったら、やることは決まっている。



打倒、無色の派閥!! つか、ひげ。



そして、あいつらに殺してもらうようなことがないようにする。

生きる。生きたまま、あの戦いを潜り抜ける。

そうすりゃ、あんな恥ずかしい台詞を言わなくてもいいはずだ! ←本命。







「エドス。」

「え、あ…ああ。大丈夫か?」

「ああ、なんともねぇ。」



そしてどっこいせー、と立ち上がる。

あれ、俺、おっさんくさい…?

……やめよう。



「行くぞ。」

炎に背を向けてさっさと歩き出す。いい加減、熱くなってきた。

「え…? だが――」

「あの炎だ。あの女も死んでるだろ。つか、生きてるほうがおかしい。」

「い、いや。その通りだけどな。てかあの女って…お前の母親だろ?」

戸惑い、炎のほうをちらちらと見ながらエドスがついてくる。

「ああ、そうだったな。だがもういない。いないものにいつまでもしがみついててもしかたねぇだろ。」

「…バノッサ……」

泣きそうな顔をされる。

泣きたいのはこっちだっての。







やがて、フラットの…今はまだ孤児院か、の建物が見えてくる。

懐かしい気分になって目を細める。

自分にとってはあまり良い思い出はないが、それでも懐かしいことには変わりはない。

そして玄関が見えたところで立ち止まる。

足音が聞こえなくなったのを不思議に思ったのか、エドスが振り返る。

「じゃあな。」

そうして踵を返す。ココに世話になる気はない。

「え…」

呆然とするエドスの気配がするが、無視して歩を進める。

「ま、待てよ、バノッサ! ちょ、待てって!!」

肩を掴まれ、しぶしぶ振り向く。

案の定、困惑したエドスの顔がある。

「んだよ。」

「んだよって…お前は来ないのか? 住んでたトコがあんなことになって……ここなら―――」

「んな余裕、ココにはないだろ。今だってカツカツのところを何とかやっていってんだから。」

「でも…」

相変わらず諦めが悪い。

いいところだが、できれば別の場所で発揮してもらいたかった。

「俺にはやらなきゃならねぇことがある。それを実行するには、ココにいるわけにはいかねぇんだよ。」

それにやはり過去(未来だけど…)北スラムに住んでいただけに、愛着もある。住むなら北スラムが良い。

「バノッサ……」

肩を落とすエドス。どうやら諦めてくれたらしい。

「気が向いたら時々来てやるよ。今生の別れってわけでもねぇしな。」

「……ん。」

頷くのを確認して北スラムのほうに足を向ける。

「じゃあな。」

「…バノッサ。」

「あ?」

まだなんかあんのかよ。

「死ぬなよ。」

死ぬな? 俺に向かっていってんのかよ。

思わず苦笑がこみ上げる。

「ああ。岩にかじりついてでも、生き残ってやる。糞ヒゲ野郎を殲滅するまではな。」

そして今度こそその場を後にした。







「糞ヒゲ…??」

戸惑ったエドスを置き去りにして。













第2夜につづく。


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