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No.41070の一覧
[0] 巡り合い[丸与](2015/04/17 01:48)
[1] 巡り合い 2話[丸与](2015/03/22 07:48)
[2] 巡り合い 3話[丸与](2015/03/22 07:49)
[3] 巡り合い 4話[丸与](2015/03/22 07:50)
[4] 巡り合い 5話[丸与](2015/03/22 07:52)
[5] 巡り合い 6話[丸与](2015/03/22 07:53)
[6] 巡り合い 7話[丸与](2015/03/22 07:54)
[7] 巡り合い 8話[丸与](2015/03/22 07:54)
[8] 巡り合い 9話[丸与](2015/03/22 07:55)
[9] 巡り合い 10話[丸与](2015/03/22 07:56)
[10] 巡り合い 11話[丸与](2015/03/22 07:57)
[12] 巡り合い 12話[丸与](2015/03/22 07:58)
[13] 巡り合い 13話[丸与](2015/03/22 08:34)
[14] 巡り合い 14話[丸与](2015/04/17 01:47)
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[41070] 巡り合い
Name: 丸与◆b01f39dd ID:06d23cd0 次を表示する
Date: 2015/04/17 01:48
前作同様、ちょいちょい何かがクロスしていますので、ご了承ください。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
まだ、太陽の暖かさが残る午後の夕暮れ前に、1人の小さな男の子が、必死の形相で街外れを走っていた。

その男の子は、走りながらも自然と心の中にある言葉を呟いていた。

「助けてよ・・・誰か・・・助けて・・・」

しかし、通りすがりにその子を見ていた大人達は、誰一人、彼を助けようとはしませんでした。
そればかりか、彼に対して、平然とした顔で罵声を浴びせ続けたのである。

「死んでしまえ!!お前なんか!!」

「そうよ、化け物の分際で!!人に助けなんて求めるんじゃない!!」

「お前など、いつか火影様が殺してくださる!!それまで死ぬんじゃないぞ!!」

「忍びの方々、我々の為にも精々、痛めつけてやってください!!」

「そうだ、我々は、そいつに滅ぼされかけたんだからな!!」

その罵声のどれもが、小さな男の子に向ける類のものでは、ありませんでした。

そして、間も無くその大人達の前を、忍び装束で身を包んだ複数の男達が、その男の子を
追っていったのです。
この光景は、今現在半ば、公然と行われているのでした。

ただ、その男の子には、自分が何故、その様な目にあっているのか、全く理解出来なかった。
何せ、男の子の年齢は、まだ5歳であり、自我が目覚めて僅かな時しか経っていないのだから、当然とも言える。
しかし、人も所詮は、動物なのであろう、男の子は、生命の危機を自然と感じ取っていた。
だから、自分の持てる全力を持って逃げ遂せているのだが、所詮は、子供であり、5歳と言う年齢。
大の大人の更に言えば、忍びと言う特殊な訓練を受け続けた戦闘のスペシャリストとも言うべき者達の駆ける速さに、勝てる筈もなく。

僅かに行った、袋小路で男の子は、掴まってしまったのです。
もしかすれば、その忍び達は、遊び半分で追いかけていたのかもしれません。
肉食動物が、草食動物を捕獲する時、大人が自分達の子供達の為と思い、狩りの訓練をさせる為
追いやり、傷つけを幾度となく繰り返し、最後は、その子供達にトドメを指させる。

これは、肉食動物達にとっては、訓練のうちであり、仕方のない事。
ですが、この小さな男の子達を追い立てる忍び達は、そんな気概など持ち合わせては居らず、ただただ、自分達の満足感を達成する為だけに
追い立てていたのです。

少し、考えれば解った事でも有るのです。
身体能力が、全く異なる両者間においては、瞬く間に追いつけたはずなのだから。


忍び達の心の中に、罪悪感など微塵もありませんでしたが、一つだけ懸念材料があったのです。
それは、この小さな男の子に対する暴行は、里で禁止されている事でもあり、もし見つかった場合
自分達の立場が、危くなる可能性があったのです。

だから、袋小路と言う死角を利用しての暴行でした。


忍び達は、男の子を追い詰めてから約1時間、蹴る殴るだけでは飽き足らず、刃物を取り出して、男の子を斬り付けるまでに
至ったのです。
ただ、その忍び達は、仮にも戦闘のプロであり、何処をどうすれば、死なないと言う事を知っていたのです。
結果、男の子は、まるで廃棄前のボロ雑巾の様に、無造作に放り出されたまま、動かなくなってしまいました。

忍び達は、それを満足そうな顔で見遣り、罵声を浴びせ、唾を吐きかけてその場を去っていったのです。


実を言えば、男の子に対しての暴行は、予てより行われていた事であり、今日が初めてというわけではありません。
男の子は、自分の街に住んでいるにも関わらず、毎日が怖くて怖くて仕方なかったのです。
一度、街に出れば、追われ暴行を受ける。
これが、幾度となく続けば、小さな男の子でも、生命の危機を感じる物であった。

男の子は、それから闇が世界を支配する夜になり、漸く、意識が戻ったのですが、
体に受けた傷が重く、体を中々動かせませんでした。
もし事情の知らない者が見たなら、男の子をすぐに病院に連れて行くのでしょうが、生憎とそんな幸運は、巡って来ませんでした。

男の子は、目覚め体の痛みで、意識が遠退きそうになりましたが、またここに居れば、暴行を加えられると考え、
痛む体を押して、歩き始めたのです。
そして、向った先は、とある森の中でした。

この森は、男の子にとって、唯一の安息の場所だったのかも知れません。
何故なら、以前、同じ様に追い立てられていた時、偶々男の子は、この森に入り
追っ手から逃れた事があったのです。

何故、追手がここまで来なかったのかは、男の子に解る筈もありませんでした。


男の子は、木に寄りかかり、体に走る痛みに、必死で耐えていました。
残念ながら、男の子には、これを治す手立てなど持ち合わせていませんでした。

痛烈な痛みが、体を襲った時、男の子は、意識を失いそうになってしまいましたが、必死に耐えて思ったのです。

「ここに居たら・・・いつか・・・本当に・・・殺される・・・僕は・・・ここに居たらダメなんだ・・・」

それは、生まれた故郷から離別するという物でありました。
ただ、それは当然かも知れません、毎日の様に命の危機に晒されれば、誰でも思う事なのだから。


そして、男の子は、痛む体を引き摺って森を移動し始めたのです。


ただその道中、男の子は、痛みの影響と長い歩き旅の疲れで、意識を失い倒れたのです。
そこで、男の子は、不思議な夢を見たのです。

夢の中で、ある女性が、男の子に必死に謝っているそんな夢でした。

ただ、男の子は、その夢の中で女性と話をしました。

「どうして・・・お姉さんは・・・僕に・・・謝るの?」

男の子の痛々しい姿に、女性は、涙を浮かべて、男の子を優しく包み込み言った。

「本当にごめんなさい・・・私の愚かな行為が、年端も行かないあなたに多大な迷惑を・・・」

「お姉さん・・・謝ってばかりだと・・・わからないよ・・・どうして、謝るの?」

「そうね、ごめんなさい」

「アハハッ・・・お姉さん、謝ってばかりだ」

女性は、涙を浮かべながら男の子を見遣り言った。

「私の名前は、玉藻、今は、人の姿をしていますが、実は、九尾という妖魔の一種なんです。
私の本来の役割は、この国を守ることなの、でも、ある時、私は、自分の子供達を全て失ってしまったのです。
如何な妖魔九尾といえど、自然の摂理に逆らう事は出来ません、だから、例え子供を殺されたとしても
弱肉強食の括りであれば、悲しいけれど仕方が無いと自分で、言い聞かせていました。
ですが・・・そんなある日、私の子供達は、ただただ、快楽を求められた末に殺されたと知ったのです。
その時、私の心は、憎悪や悲しみで満たされ、我を忘れて、あなたの街を壊滅にまで追い込んでしまったのです。
しかし、その最中、街の長が、私の前に立ち塞がり、必死に私を説得してくれたのです。
だけれど、我を忘れた私の耳には、その言葉は、中々聞こえて来ませんでした。
だから、その長は、私をある秘術によって、封印したのです。
ただ、九尾という妖魔である以上、並の器に封印する事は出来なかったの、だから・・・。
貴方の体内に、私が封印された。
だけど・・・、その封印術は、不完全であり、封印される筈が、貴方との融合する形になってしまったのです。
しかも、その術は、強力で、私の力を持ってしても、防ぐ事は出来なかった。
結果、私にあるのは、僅かに残った思念のみで・・・それ以外の全てが、貴方の体に融合してしまったのよ。
私の意識は、間も無く消えるでしょう・・・だから・・・最後に、あなたに会って置きたかった。
そして、あなたに会う機会を探していたのです、それが今・・・。
でも、本当にごめんなさい、私のせいで、あなたの様な小さな子供に、大きな負担をかけてしまった。
出来る事なら・・・」

男の子は、その女性、玉藻の言葉を遮り言った。

「待って・・・お姉さんが、やろうとしたのは・・・仇討ちでしょ・・・なら、悪いのは僕達人間じゃないか!!
お姉さんが、謝るなんておかしいよ!!だから、僕・・・お姉さんに謝られても・・・困る」

それを聞いた玉藻は、涙を流して男の子に言った。

「ああ・・・私の愚かな行為を許し、自分が暴行を受ける原因ともなった私を許してくれるとは・・・」

「だって・・・お姉さんが、原因じゃないでしょ・・・」

「ありがとう・・・」

「いいよ・・・でも、初めてだ・・・ありがとうって言われたの」

玉藻は、男の子を抱き締め神妙な顔で言った。

「あなたになら・・・頼めるかもしれない・・・」

「何?僕に出来る事なら何でもするよ・・・お姉さん、ここから出られないんでしょ?」

玉藻はそれを聞いて、頷き言った。

「ありがとう・・・では、お言葉に甘えて・・・先ほども言った通り、私の本来の役目は、この国を世界を守る事です。
それを貴方に引き継いで貰いたいの、私は、間も無く思念もなくなるでしょう。
だから、その前に・・・」

「お姉さんは、僕にこの世界を守れって言うの?」

「ええ・・・その通りです」

「でも・・・僕、まだ小さいし、子供だから・・・守るなんて出来ないよ・・・」

「もちろん、それは、わかっています・・・だから、私の力を使って欲しいの。
この九尾玉藻の力を・・・この夢が覚めた時、全てが終っていると思うの。
だから、その力を使って、あなたは・・・」

「この世界を守れと・・・」

「・・・いいえ・・・本当は、そうしてもらいたい・・・でも、貴方の意思に任せます。
だから、この力を全て自由に使って欲しい・・・」

「・・・わかった」

「そう・・・ありがとう・・・これから夢が覚めると、全てが変って見えるでしょう。
そして、力の使い方は、自然とあなたの頭の中に伝わる筈です・・・。
この世界をお願いね・・・小さな・・・英雄さん」



まるで、幻とも言える一時、それが醒めると玉藻の言う通り、全てが変っていた。
自分の頭の中に、膨大とも言える知識が、流入してくるのだ。
それと同時に、溢れんばかりに力が、体を駆け巡り、負傷した体が、瞬く間に回復していった。

その事に、男の子は、唖然と驚きの表情を浮かべた。

「凄い・・・力・・・これが・・・僕・・・」

そして、男の子は、暫く目を閉じてそこに立ち止り、頭の中を整理した。
すると、玉藻の経験してきた事なども全て、伝わって来たのだ。
夢の中で、玉藻が語った、深い悲しみまでもが伝わってしまった、
そこで思った、もし仮に自分が、その立場に立ったのならどうしたのかと・・・。

そこまで思った男の子は、このまま街に戻れば、自然と怒りが込上げてくるそんな予感があった。
今のこの力を持ってすれば、あの街全てを滅ぼせるだろう。
だが、それは男の子の願う所ではなかった。

だから、男の子は、当初とは違う意味で、この街を離れねばと思いついたのである。



男の子は、持てる力を使い、この街から立ち去ったのである。






男の子の名前を、うずまきナルトと言い、そして、彼の育った街を木の葉の里と言った。


木の葉に居る誰もが、気が着かなかった。
自分達が、守護神とも言うべき存在から、見放された事を・・・。



後日、木の葉の里では、男の子が完全に姿を消した事が知れ渡り、それを知った木の葉の長は、
原因ともなった忍び達に出頭を命じ、その者達に死罪を宣告したのである。
その後、長は、忍び達に命じて、男の子の捜索を指示したが、所在が知れることは、終ぞと叶わなかったのである。


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