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No.41025の一覧
[0] とある幻想の弾幕遊戯Ⅱ(とある魔術の禁書目録×東方シリーズ)[ベリーイージー](2017/07/15 20:30)
[1] 第一話 学園都市悲喜こもごも・一[ベリーイージー](2015/04/29 22:53)
[2] 第一話 学園都市悲喜こもごも・二及び二の裏[ベリーイージー](2015/04/29 22:55)
[3] 第一話 学園都市悲喜こもごも・三[ベリーイージー](2015/03/28 14:27)
[4] 第一話 学園都市悲喜こもごも・四[ベリーイージー](2015/03/28 14:28)
[5] 第一話 学園都市悲喜こもごも・五[ベリーイージー](2015/03/30 16:03)
[6] 第一話 学園都市悲喜こもごも・六(終)&六の裏[ベリーイージー](2015/04/11 20:13)
[7] 第二話 幻想の命・一[ベリーイージー](2015/04/17 22:21)
[8] 第二話 幻想の命・二[ベリーイージー](2015/04/17 22:22)
[9] 第二話 幻想の命・三[ベリーイージー](2015/05/09 19:47)
[10] 第二話 幻想の命・四[ベリーイージー](2015/05/11 20:10)
[11] 第二話 幻想の命・五[ベリーイージー](2015/05/11 20:11)
[12] 第二話 幻想の命・六[ベリーイージー](2015/05/30 20:33)
[13] 第二話 幻想の命・七[ベリーイージー](2015/05/30 20:33)
[14] 第二話 幻想の命・八[ベリーイージー](2015/05/30 20:34)
[15] 第二話 幻想の命・九[ベリーイージー](2015/06/01 00:59)
[16] 第二話 幻想の命・十[ベリーイージー](2015/07/11 19:32)
[17] 第二話 幻想の命・十一[ベリーイージー](2015/06/06 19:52)
[18] 第二話 幻想の命・十二[ベリーイージー](2015/06/20 16:56)
[19] 第二話 幻想の命・十三[ベリーイージー](2015/06/20 16:56)
[20] 幻想の命・エピローグ&第三話序章[ベリーイージー](2015/07/11 19:33)
[21] 第三話 無自覚な迷子達・一[ベリーイージー](2015/07/16 00:54)
[22] 第三話 無自覚な迷子達・二[ベリーイージー](2015/07/27 19:51)
[23] 第三話 無自覚な迷子達・三[ベリーイージー](2015/09/05 14:25)
[24] 第三話 無自覚な迷子達・四[ベリーイージー](2015/09/05 14:26)
[25] 第三話 無自覚な迷子達・五[ベリーイージー](2015/08/10 21:11)
[26] 第三話 無自覚な迷子達・六[ベリーイージー](2015/09/05 20:51)
[27] 第三話 無自覚な迷子達・七[ベリーイージー](2015/09/05 20:50)
[28] 第三話 無自覚な迷子達・八[ベリーイージー](2015/10/02 20:55)
[29] 無自覚な迷子達・九(終)[ベリーイージー](2015/10/02 20:55)
[30] 3話エピローグ&3.5話『再会』[ベリーイージー](2015/10/02 20:56)
[31] 第四話 希望を求めて・一[ベリーイージー](2015/10/16 00:09)
[32] 第四話 希望を求めて・二[ベリーイージー](2015/10/22 00:04)
[33] 希望を求めて・三[ベリーイージー](2015/11/08 18:43)
[34] 希望を求めて・四[ベリーイージー](2015/11/08 18:48)
[35] 第四話 希望を求めて・五[ベリーイージー](2016/12/23 19:09)
[36] 第四話 希望を求めて・六[ベリーイージー](2015/11/19 00:15)
[37] 第四話 希望を求めて・七[ベリーイージー](2015/11/28 20:29)
[38] 第四話 希望を求めて・八[ベリーイージー](2015/11/29 01:29)
[39] 幕間&希望を求めて・九[ベリーイージー](2015/12/05 13:59)
[40] 希望を求めて・十(終)[ベリーイージー](2015/12/05 14:00)
[41] 第五話 狂信と敬心・零 [ベリーイージー](2016/11/06 23:47)
[42] 第五話 狂信と敬心・一[ベリーイージー](2016/10/29 16:04)
[43] 第五話 狂信と敬心・二[ベリーイージー](2016/02/05 20:59)
[44] 第五話 狂信と敬心・三[ベリーイージー](2016/10/29 16:06)
[45] 狂信と敬心・四[ベリーイージー](2016/02/25 21:37)
[46] 狂信と敬心・五[ベリーイージー](2016/02/25 21:57)
[47] 第五話 狂信と敬心・六[ベリーイージー](2016/03/11 18:54)
[48] 第五話 狂信と敬心・七[ベリーイージー](2016/03/11 18:55)
[49] 第五話 狂信と敬心・八[ベリーイージー](2016/03/14 21:08)
[50] 第五話 狂信と敬心・九[ベリーイージー](2016/03/26 18:52)
[51] 第五話 狂信と敬心・十[ベリーイージー](2016/04/04 20:43)
[52] 第五話 狂信と敬心・十一[ベリーイージー](2016/04/24 16:45)
[53] 狂信と敬心・十二(完結編・上)[ベリーイージー](2016/04/24 16:46)
[54] 狂信と敬心・十三(完結編・下)[ベリーイージー](2016/10/29 16:07)
[55] 閑話 不和と不安と一[ベリーイージー](2016/06/04 18:20)
[56] 不和と不安と・二[ベリーイージー](2016/06/10 17:24)
[57] 不和と不安と・三[ベリーイージー](2016/06/19 19:08)
[58] 不和と不安と・四[ベリーイージー](2016/07/17 15:54)
[59] 不和と不安と・五[ベリーイージー](2016/07/17 15:55)
[60] 不和と不安と・六[ベリーイージー](2016/12/23 19:10)
[61] 不和と不安と・六の下[ベリーイージー](2016/10/29 16:06)
[62] 閑話乃二・ご無体な無頼たち[ベリーイージー](2016/08/31 17:04)
[63] ご無体な無頼たち・二[ベリーイージー](2016/09/10 17:41)
[64] ご無体な無頼たち・三[ベリーイージー](2016/11/17 17:06)
[65] ご無体な無頼たち・四[ベリーイージー](2016/11/17 17:06)
[66] ご無体な無頼たち・五[ベリーイージー](2016/11/17 17:07)
[67] ご無体な無頼たち・六[ベリーイージー](2016/12/23 19:07)
[68] ご無体な無頼たち・七(完)[ベリーイージー](2016/12/30 00:01)
[69] 第六話 祭りの夜に星は散る・一[ベリーイージー](2017/09/10 11:30)
[70] 第六話 祭りの夜に星は散る・二[ベリーイージー](2017/01/22 16:02)
[71] 祭りの夜に星は散る・三[ベリーイージー](2017/03/06 00:05)
[72] 祭りの夜に星は散る・四[ベリーイージー](2017/03/06 00:05)
[73] 祭りの夜に星は散る・五[ベリーイージー](2017/03/06 00:06)
[74] 祭りの夜に星は散る・六[ベリーイージー](2017/03/06 00:07)
[75] 祭りの夜に星は散る・七[ベリーイージー](2017/03/15 17:29)
[76] 祭りの夜に星が散る・八[ベリーイージー](2017/03/15 17:30)
[77] 祭りの夜の星が散る・九[ベリーイージー](2017/04/23 20:35)
[78] 祭りの夜に星が散る・十[ベリーイージー](2017/05/13 11:32)
[79] 祭りの夜の星が散る・十一[ベリーイージー](2017/05/31 18:35)
[80] 祭りの夜に星が散る・十二[ベリーイージー](2017/06/25 21:49)
[81] 祭りの夜に星が散る・十三[ベリーイージー](2017/08/24 23:54)
[82] 祭りの夜に星が散る・十四[ベリーイージー](2017/07/30 23:29)
[83] 祭りの夜に星が散る・十五[ベリーイージー](2017/07/30 23:30)
[84] 祭りの夜に星が散る・十六[ベリーイージー](2017/09/01 19:22)
[85] 祭りの夜に星が散る・十七[ベリーイージー](2017/09/28 21:49)
[86] 祭りの夜に星が散る・十八[ベリーイージー](2017/09/28 21:49)
[87] 祭りの夜に星が散る・十九[ベリーイージー](2017/12/03 21:35)
[88] 祭りの夜に星が散る・二十[ベリーイージー](2017/12/03 21:35)
[89] 祭りの夜に星が散る・二十一[ベリーイージー](2017/12/03 21:31)
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[41025] 第一話 学園都市悲喜こもごも・四
Name: ベリーイージー◆16a93b51 ID:307da9d2 前を表示する / 次を表示する
Date: 2015/03/28 14:28
ジュワワアッ

涙子が音を立てる油にニヤと笑った。

「さあ召し上がれ……差し入れ第二弾を!」

ワアアアアッ

本日も支部にやたら豪勢な差し入れが届けられた。
というか宿直室の器具を借りて作った出来たてで、周りの反応は前回以上だ。

「今回は旨味と香り付けメインです……食材は秋刀魚とかの秋魚の適当チョイスですが」

出されたのは旬の魚の煮付けだった。
皮はパリッと、身はフワッと、そして香りはスウッと入ってきて空きっ腹を刺激する。
それを同じく出来立てのご飯の上へ放って、醤油を垂らす。
そして、涙子は自分だけ更に食中酒を気取って盃も付ける、学生だから駄目と初春達に取り上げられたが。

「ちぇ、勢いで飲めるかと思ったけど無理か……まあ仕方ない、皆食べるわよ!」

ワアアアアッ

「……で今回もこんなに人気者に成ると小悪魔に刺されるんじゃない?」
「ふっ、それは対策済みよ、インデックスちゃん……見るがいい、今回は共同調理者であるあの人を」
「ぐふふ、ミサカちゃんの姉妹が私の料理を目を輝かせて食べている……これはポイント高いよ!」
「あー嫉妬避けに手柄を分けたんだね……」
「……うん、怖かったんだもん、後今日のは所謂プレゼ(蒸し煮)で洋食の調理法だし」

満面の笑みでシスターズの食事風景を見守る小悪魔に、涙子とインデックスは苦笑する。
因みに話しながらもインデックスが他を圧倒する勢いで片付けている。
これは不味いと涙子は自分の分を確保、更に数人分確保すると小悪魔に声を掛けた。

「ほら小悪魔笑ってないで、ミサカちゃん達のお弁当を用意しましょ」
「……おっと、眼福だけど詰めないと、ミサカちゃん待ってなよう!」
「……言っとくけど、ミサカちゃん以外の分もだよ、持ってく頃には幾らか冷めてるからチルノちゃんも食べられるし」
「ふふ、ミサカちゃん喜んでくれるかなあ……」
「聞いちゃいねえや、他は私がやっとくか」

今回は前回の果物と違って熱物なので届けることにする。
といっても小悪魔はミサカの分だけやたら丁寧に弁当箱に詰めていく、涙子は一度大きく嘆息した他の者達の分を用意した。

「……届けに行く時私も行くか、小悪魔だけじゃ心配だ」

やれやれとゲンナリした顔で彼女は小悪魔を見た。
どうやら今日はまだやることが有ったようだ、色ボケ悪魔への突っ込みという役目が。
もう一度嘆息した彼女は煤けて見えた。



学園都市悲喜こもごも・四



グウウ

小さくお腹が鳴る、つい先程学園都市の空港に到着したばかりの少女は顔を赤くする。
黒い肌の少女だった。

「ううっ、上層部の馬鹿……」

その口から上への不満が漏れた。
武闘派の同僚が失敗したせいで彼女の仲間は学園都市への干渉に及び腰に成っていた。
結果この地での活動に様々な制限を上から言い渡されている。

「でもだからって……経費削ること無いじゃないか、しかも飛行機代で大半が消えるほど」

これが飢えてる理由だった。
少女は上への恨み言を呟きながら学園都市を歩いて行く。

「うふふ、ミサカちゃん、待っててねえ」
「私が突っ込みっておかしくね?」
「……畜生、泣きたい」

途中通りがかった二人組の持つ弁当箱がやたら良い匂いをさせてるのは拷問だった。
殆ど泣きながら彼女は目を逸らす。
殆ど走ってすれ違った後涎を拭き、もう一度組織を呪った。

「帰ったら経理担当に苦情入れてやる、いや顔ぶん殴ってやる」

もう涙目だった、ここに来るんじゃ無かったと思い始めていた。
だけど少女にはここに来る理由があった。

「ショチトル、エツァリ、無事かな……」

片方は年の近い友人で、もう片方はその兄貴分でありこちらもそれなりに親しい。
武闘派の失脚を報告した二人組、今も尚この地で任務中である二人が心配だった。
その様子を見ようとここに来たが少し後悔し始めている。

「貧乏って最悪、いや財布の固い上司が最悪なんだ……」

恨み、いや最早呪いを呟きながら彼女は学園都市を進む。
運悪くと言うか合流時間までまだ有る、その上近くである店が丁度開店準備したのが目に入った。

「はーい、出来たてだよー、美味しいよー」

ガララッ

屋台だ、下校時の学生狙いだろう。

「……」

少女は思わず止まった、航空機に使ったから無駄に使える金はない。
が代わりにこっちで活動する為の『東洋人用の変装セット』と『偽装の制服』はある。
躊躇ったのは一秒もなく、彼女は路地裏に飛び込んだ。
そして、一分後そこから別人が、女子学生が出てきて、屋台の方へと然りげ無く近づいていった。

「……くっ、私は悪くない、悪いのは世界だ」

飢えて追い詰められた獣の目をしていた。



風紀委員見習い四日目、ミサカや上条にチルノ達は町中で悲鳴を聞いた。

「食料泥棒だあー!」
「……は?」
「このご時世に食い逃げか、何つうか時代錯誤だなァ……」
「言ってる場合ですか、行きましょう!」

慌てて声の方へ向かう。
屋台の前で呆然とする店主、屋台に並べられた小売のパックが欠けている。

「店主、犯人はどんな奴ですの!?」
「学生だと思う、年齢は十代後半だ、でも少し片言だったような……」

慌てて一同は周りを見渡す。
氷のような翼を広げたチルノと同じく烏天狗自慢の羽で飛んだはたてはこの騒ぎにも頑なに目を向けず、立ち去る人影を見つけた。

『……あっち!』
「追うですの!」

一同は追いながら口々に推測する。

「片言、この国の奴じゃないのかな?……」
「外の奴で犯罪かあ、アステカの連中みたいにどこぞの非合法組織って線は?」
「いやそれにしちゃ食い逃げってのはケチだ、無ェだろ」
「……ですね、何かの事情で『金欠』な組織なら兎も角……」
「私は記事のネタになりそうだから何でもいいけどね」
「考え事はいいから、追うですの!」

話している一同へ黒子が言って集中させる。
彼女は人が多くて迂闊にテレポート出来ず、顔を顰めながら走っていた。
だが幸いこの辺りは一本道だ、それに人通りが少なくなって来てそれに紛れて逃げられる可能性は低い。
そして、行き止まり、開発途中で道の無い場所に来た。

「え、居ない?」

しかし、予想に反しそこには犯人らしき者は居なかった。
少なくとも店主から聞いた特徴の者、『十台後半の学生』は居ない、居るのは制服は着ているが十台前半の少女だ。

「あれ……見失ったのかな」
「……確かに見たよ、私!」
「うーん、どっかで曲がったとか?」
「一本道だった筈ですの、どこに……」
「……あっちのに聞くか、見てるかもしれないし」

唯一近くに居た少女に一同は話しかける。

「あーそこの通行人、風紀委員だ」
「……こっちの子だけど」
「ああこら、私が聞くですの……屋台で盗難が有ったですの、それらしき人物は?」

他の者を下がらせ黒子が問い掛ける、少しギョッとしながらその少女は答えた。

「……いや来てない」
「えっ、こっちに来た筈ですのに……」

この答えに一同は首を捻ってしまう。

「確かにあっちの角曲がったと思う、その後どこかで横道に行った?」
「いや横道なンて無かった気がするが……」
「ふーむ、可笑しいですね……」
「見間違いじゃ無かったと思う……考えられるのは?」
「あー、何かの能力で道以外のとこに行ったとかかな」
「もしくは透過とか幻覚とか……変装とか」

ああだこうだと一同は考える、変装の下りで一同は近くに居た少女を見た。
彼女はバッグを大事そうに、まるで命綱のように抱えていた。
また着ている制服も少しダブついている、例えるなら十台後半の学生なら標準サイズだ。
そして、更に観察すれば制服各所に痕跡が有った。

「あっ……服に油物の染み!」
「袖にも何か汚れ、調味料?」
「……確保するですの!」
「うわあ、しまった!?」

少女が慌てて逃げようとする、だが黒子が瞬間移動で素早く回りこんだ。
ならばと方向を変えればそっちにはチルノ、別を向けばはたてが待ち構えている。
逃げ道を無くしパニック状態に陥る、慌てて武器を取り出す。
それは『紐のような物』と『凹凸のある刃物』だ。
だが、左右から近づいた上条と一方通行がその手を抑える。
そこでうん?と二人は訝しんだ。

「……いやおい待て……この武器、人皮の加工品だ」
「こっちもどっかで見たような鋸だなァ、ならこいつは……ミサカ!」
「はい、その変装暴かせてもらいます!」
「……あ、ああっ!」

バリっとバックアップに待機していたミサカが少女の顔に手を触れる。
まず一枚目の皮膚である今の顔を、次に十台後半の女性の顔を剥いだ。
出てきたのは黒い肌の少女だった。
持っていたバッグを開けると盗んだ食料入りパックと魔術関係の道具が入っていた。

「やっぱアステカの……」
「う、ううっ、だって……組織が学園都市に関わると問題ばかりだって活動費ケチって……」
「……うわあ、大分落ちぶれてる」
「何、食べ物持ち逃げする程お金無いの?」
「だって、航空機代すら減らされて……こっちに来た時既に素寒貧で、そんな時あの店の前を通ったらいい匂いがして」
「ああ、それでやっちゃったと」
「うう、せめてショチトルと合流出来たら……」

少女の余りに悲惨な言葉に、事情を知る上条や一方通行、ミサカ達は呆れと哀れみの目で見た。
唯一それを知らない黒子は小首を傾げたが。

「何ですの、その子のことを知っているですの?」
「あー白井さん、彼女の関係者を知っています」
「……ふむ、それなら関係者を呼び出すですの」
「少しお待ちを……」

少女を哀れんだ一同は仲間を呼んでやることにした。

「向こうの番号は……涙子に聞けばいいか」
「ミサカ、海原は?」
「面倒なので番号交換してません、彼に教えると常に顔を突き合わせることになりそうなので……」
『ああうん』

それはそれとして、ミサカの言葉には上条達は納得したのだった。



「水蛇ちゃん、私とアステカ、それにもう一つの組織との因縁聞きたい?」
「シュウシュウ!」
「……何してるんです、佐天さん?」
「シスターズに見せようかなって、劇の練習を……」

アリスの劇のことを聞いて触発されたのか、涙子が路上で歩きながら練習し始める。
イメージは学習番組の司会とマスコットだ。
肩に乗っかった水の蛇が涙子の言葉にに合わせ首を動かしたりする。
少し呆れた様子の小悪魔に構わず、涙子は話を進めていった。

「貴女も見ててよ、そういうの練習に成るだろうし……本番は紙芝居風にする予定だけど、今日は語りだけで」
「はいはい、それじゃあどうぞ」
「じゃ前振りから……人の顔掴んで熱病起こした銀髪のチビ、でも薄幸黒髪少女はそれに負けず、相手の持つ宝刀を奪ったのです」
(……そういや『道教関係者』と初めに会ったのはこいつか、それにしても自分で薄幸言うかな?)

前振りの時点で別のクライマックスが起きていた。
銀髪の少女によって涙子がダウンされた下りを口にし、それに合わせ蛇が大袈裟に倒れる。
が、隙を突いて相手が持っていた宝刀を奪ったという、これに蛇が喜ぶように体を揺する。
行き成り話が飛んでるが、ミサカが直接関わったアステカの呪術師の起こした事件に合わせているからだろう。

「そしてこの数日後二つの事件が起きました」
「シャ?」

この言葉に蛇が首を傾げる、こちらはリアクション担当のようだ。

「二つの事件の一つ目、ある組織の構成員で、仲間に裏切られ逃げる兄妹を自我に芽生え始めてる妹ちゃんが助けます。
……二つ目、銀髪チビの仲間が薄幸黒髪少女を見つけて宝刀を取り返しに来ました」
「シャッ!?」

涙子の言葉に蛇が大袈裟なまでに驚いた。
勿論蛇を操ってるのは涙子でこれは自演だ、良くやる物だと小悪魔は苦笑した。

(私が居たのは某兄妹を拾って様子の可笑しいミサカちゃんを調べにだけど……言うの止めとこ、便利屋扱いされそうだし)

涙子は密かに事実を隠ぺいする、この時期の前後では暗部との戦いからそういう扱いをされがちだった。
その二の舞を避けるべく通りすがりの体で、及びそこで偶然会った道教の仲間に襲われたことにした。

「薄幸黒髪少女は宝刀を取り返そうとする緑髪の雷娘、そしてその仲間の腹ペコ詩人の弟子と戦います。
……ですが主力である電撃攻撃が封じられ大ピンチ、慌てて彼女は攻撃を手段を切り替え水を主力にして対抗!」
「シュウシュウ……」

心配気に蛇が鳴く、微妙に細かい動作は調教の賜物だろう。

「同時刻……組織に追われる兄妹からもう自我芽生えてる妹、それに助けを求められた不幸な少年と生き人形が事情を聞きます。
ですがその最中……組織の人間に襲われ、兄妹を仲間と思って『謎の花屋の店員』が襲いかかってきたのです」
「シャッ!?」
「電子の拳に電子の砲撃、怒り狂う彼女に一同逃げ惑い……」
「待て、待って、それどう考えても第四位じゃ……」
「……シスターズのトラウマ的意味で、曖昧な表現なの」
「ああ成程」

夏休みのある時期暗部から反逆され野生化した某超能力者が居たが、刺激的過ぎるので曖昧な表現に留めている。
小悪魔が微妙な表情で納得したのを確認し、涙子は語りを再開する。

「この二つの戦いは……」
「シャ?」

僅かに貯めてから涙子は前半戦の決着の様子を口にした。

「薄幸黒髪少女は倒し切ることは出来なかったものの……腹ペコ歌人に手傷を負わせ、更に相手の足を奪い、何とか退けました」
「シャ!」
「逃亡者の兄妹及び拾った者達……姉妹持ちの点で兄妹に肩入れした妹が殿に、サポート役の人形と怒り狂う謎の女と戦います。
この戦いは相手の攻撃を逆手に取った妹によって謎の女は追い詰められ、そこへ人形がチェックを掛けたことで決着と成りました」
「シャアッ!」

ブンブンブン

二つの戦場の勝利に、蛇がガッツポーズの代わりに尻尾を振った。
まあ正確に言えば以前の因縁という意味で喧嘩を吹っかけた謎の女が勝手に満足して退いたともいう。
事実彼女はピンピンして兄妹を狙う攻撃兵器と戦っている、まあそれ程凶暴な彼女を満足させた時点で凄いが。

「自分の敵を退けた薄幸黒髪少女は近くにいた妹ちゃんに人形と合流、三人は先に行かせた兄妹と不幸な少年を追います。
すると……兄妹の様子が変でした、前以て組織の裏切り者が仕掛けた魔術書の暴走です」
「……その辺シスターズは知らないわよ、ぼやかしておきな」
「はーい、了解です」

涙子は忠告を受けて確かにそうだと納得する、この辺は暗示を掛けられたとかに成るだろう。

「三人は不幸な少年、それに様子を見に来た氷の羽の少女と合流……協力して止めようとします。
ですが……兄の方は抵抗したものの妹は耐えられず暴れだし、更にこの戦いに興奮した某姉妹も乱入してきます」
「あー、そうでしたね……『月』の兎だったか、夜族に関わりの深い魔力に当てられたんですよね」
「……この姉妹は弱点の水で攻撃できる薄幸黒髪少女が向かいます、まあ実際は効かなかったんですが」
「ああうん、貴女は薄幸名乗っていい、十分資格が有ったわ」

小悪魔が当時を思い出し涙子に同情する、彼女も思い出したかドンヨリしながら語っていった。

「薄幸黒髪少女が必死に時間を稼ぐ間に……妹に不幸な少年、氷の少女が暴走し暴れる兄妹を止めようとします」
「シャ……」
「……この騒ぎを聞きつけ飛んできた白いシスターと賢者にその使い魔達の助言で一時は無力化し掛けた……その直前でした。
実は裏で組んでいた、兄妹の居た組織と道教が乱入してきたのです」
「シャッ!?」
「……私、この段階のかなり前から居たのに一緒くたなのね、ていうかあいつら組んでたって言うの?」
「いや小悪魔が目立つのはこの後だから……某組織と道教に関しては尻尾出したの最後の方だし」

組織、アステカ側を組んでた筈の道教側が裏で盛大に裏切っていたのは何とも説明し難い。
というか後で聞けばチルノとインデックスが来たのだって道教、というか『参謀格の女性』の仕業なのだから呆れるしか無い。
この時で捨て駒にこそすれど本当に組む気は無かったのだとわかる。

「暴走する兄妹、興奮のままに暴れまわる某姉妹……しかしこの危機を氷の羽の少女と薄幸黒髪少女は利用したのです」
「シャッ!」
「氷の羽の少女の広範囲弾幕が敵達を怯ませ……そこで薄幸黒髪少女が素早く某姉妹を誘導、乱入組の二組織連合軍を迎撃します。
これにより二大組織は壊滅、某姉妹も賢者と使い魔、黒髪少女の友人の山育ちの技術者……それに超能力者の手で沈黙したのです。
……そしてこれと間を置かず、兄妹を暴走させた原因を妹と不幸な少年達が止めました」
「シャアアッ」
「……まあこの時道教の連中に逃げられたのは一生の不覚だったけどね」
「それは貴女の問題でしょう、本番で言っちゃ駄目ですよ」
「うん、わかってる……」

涙子が最後ちょっと暗い空気を纏う。
この時アステカの援軍に来た道教の亡霊と僵屍には逃げられたからだ。
とはいえこの語りはシスターズの為の物、確かに自分の問題であるこれは言えないなと小悪魔の突っ込みは頷くしかなかった。
自分の不満を飲み干して涙子は最後のオチを口にする、どこかやる気なさげに言った。

「……オチ、妹ちゃんが兄の方に気に入られ、ストーカー二号が出来ました」
「何で最後投げやりなのよ?」
「察せ、ミサカちゃん人間関係に関しては不憫なんだよ」

涙子は一号こと小悪魔に呆れを込めた視線を送った。

「ブーブー、どういう意味よー」
「自分の胸に……あら?」

PRR

不満気な小悪魔をあしらっていた涙子の携帯が鳴った。
電源を入れ話を聞く、するとゲンナリ具合が悪化した。

「……はい、佐天です……は、はあ?……わかった、彼女に連絡するね」

頭を抱えながら涙子は小悪魔に寄り道することを告げる。

「少し寄り道するよ、あっちに連れてく子がいる」
「は?」
「……経費削減の原因の一端は私だろうし、流石に無視は出来ないわ」

アステカの残党を力の余っている一方通行と共に襲撃したのは他ならぬ彼女だった。



泥棒した黒い肌の少女を確保して凡そ十分後、涙子と小悪魔が二人組の男女を連れてきた。

「おいっす、ショチトル連れてきたよー」
「あ、涙子だ」
「ああ案内してくれたのですか」
「はーい、チルノちゃんにミサカちゃん、お久しぶり……お弁当持ってきたから休憩時間に食べちゃって」
『ありがとう!』

涙子はお弁当を渡した後ショチトルと泥棒の少女を引き合わせる。
ショチトルは友人、トチトリを見て驚き、何でこんなことに成ったと困惑する。

「……トチトリ、何でこんなことをしたんだ」
「だ、だって上が前の事件以来渋るんだもん」
「こら泣くな、はあ情けない……」

ショチトルは事情を聞いて呆れ、友人の頭を下げさせながら共に黒子に謝った。

「友人が済まなかった、商品は返すし迷惑料も払うから」
「ならばそれで手打ちに、そういう態度なら問題にしません」
「すまん、以後こんな事の無いようにする……行くぞ、トチトリ」
「うん、ごめんね、ショチトル」
「……上にもっと経費出すよう言っておくよ」
「そっちは金とか大丈夫なのか?」
「問題ない、暴走した連中を送り返した時に懐漁ったから」
「戦犯とはいえ素寒貧にされたのか……」

トチトリと違い余裕の有りそうな理由を聞けば、仲間からの分捕品と判明。
これには聞いていた方も苦笑してしまう。
二度の裏切りに彼女も大分頭に来たらしい。

「さて戻るか、涙子案内ありがとうな……エツァリ帰るぞ」
「……そのエツァリさんはミサカちゃんの手を握ってるけどね」

ふと見るとお約束な光景が有った、ミサカの片手を取った海原が居た、当然それに怒った小悪魔が睨んでいたが。

「ああこんなところで会えるとは……」
「……相変わらずですね、海原」
「風紀委員の腕章お似合いです、凛々しく見える!」
「あ、ありがとう?」

困惑するミサカを見かねて小悪魔が割り込む、書物による打撃が海原の後頭部を打った。

ドゴオォ

打たれた場所を押さえる海原を良い気味だと思いながら小悪魔がミサカを庇う。
それだけなら良いのだが然りげ無く手を握っていた。

「ぐわあ!?」
「……こらあミサカちゃんに気安く触れるな」
「小悪魔、そう言いつつ然りげ無くミサカの手を握らない」
「ちぇ、ドサクサ失敗か……」
「ああずるい、ならば僕は逆の手を!」
「ええい、二人共離れなさい、暑苦しい!?」
『そんな殺生な!?』

言い合う二人にミサカが苦言を呈し、それにミサカ大好きな二人はガーンと凍りついた。
彼女を見かねて、チルノと涙子が冷気を放ちながら周りに問いかけた。

「あー……やっちゃって良い?」
「とりあえず頭を冷やさせよう」
『どうぞ』

返ってきたのは快い返答、これには海原の妹分であるショチトルの言葉も混じっている。
チルノと涙子はニッコリ笑って追い掛け共の鎮圧に向かう。
チルノは氷の翼を大きく広げ、涙子は息を吸い込みそれに妖力を込める。

「それじゃ行くよ、涙子」
「うん、お言葉に甘えて、すう……」
『頭を冷やせっ!』

その瞬三月程早い大寒波が小悪魔と海原を襲った。

ビュオオオッ

「きゃんっ!?」
「ぐわあっ!?」

大寒波にゴロゴロに転がった二人を涙子とショチトルが確保する。
涙子は小悪魔を、ショチトルは兄貴分である海原をズルズルと引きずっていった。

「ふう、私は支部に小悪魔送ってくね」
「では私はエツァリを……では行こうか、トチトリ」
「う、うん」
「……ああそうだ、今日遊びにきなよ、ご馳走用意しとく」
「トチトリと共に行く、楽しみにしておこう」

二人はひらひら手を振って別れ、残されたミサカとそれを慰める一同は疲れた表情で見送ったのだった。

「ミサカ、何かああいうのばっかに縁有るなあ」
「言わないで、ミサカ泣きたい……本当に何でこんなことに」
「ごめん……」

ミサカは何故かあの手の人種に纏わり付かれることにガックリと肩を落とした。

「突っ込みが欲しいな」
「あくせらさん、突っ込み手当でも出せば?」
「……姫海棠、そしたら鬼巫女暴走で終わりだ、あいつの傍若無人さを甘く見るな」
「うん、ごめん、ありありと浮かんだ……」



「あ、今馬鹿にされた気がする!」
「わっ、行き成りどうしたの、巫女のお姉ちゃん?」
「……何かピーンと来ただけ、気にしないで、打ち止め」

外での占いやお守り販売が終わり今は休んでいた霊夢が何かを感じて叫んだ。
隣で同じように休んでいた打ち止めが驚き、慌てて何でもないと誤魔化す。

「……陰口でもされたんですかね、霊夢さんに言いたいこと有りそうな人は沢山居るでしょうし」
「うっさいわよ、文」
「おっと……」

下から、羽を枕にしていた文にからかうような言葉が掛けられ、霊夢は札を見せびらかし黙らせる。
その後うーんと唸った後彼女は勘で当たりを付けた。

「うーん、さっきのは……鈴科君ね、後で問い質さなきゃ」
「酷い勘だなあ、陰口も言えないか」
「……後で一方通行のお見舞いに行こうかな」

霊夢の言葉に、文達は彼女の勘(異変程に効かないがそれでも常人以上)に恐怖し、待ち伏せされる一方通行に同情するのだった。



悲喜こもごもの四終了、アステカ関係者(&同類の小悪魔)の話です。
そろそろこの話も終わりが見えてきました。
・・・次回は幻想郷側の話を少し書くかも、軽く流すだけかもしれませんが。

以下コメント返信

九尾様
あの話は何というか・・・留守番の面子から普通で穏便な展開が速攻で消え、もう開き直って狂信者さんをオチにすることで強引に話を収束しました。
中心だった天使とお嬢に聖に黒夜、周りを固める幽香早苗妖夢こいし、そこに交じる学園都市ゲスト・・・面子の時点で無理ゲー、今思うとあれしか無かったです。
佐天さんは知り合いに修験者やっててあの胸無いだろうと突っ込まれ・・・辻褄考えてたら何か筆が乗っちゃって。

いいい様
多分鹿猪に魚系の妖怪は一時期減ったと思われます・・・でも旨くなかったんじゃないかな、大半毒ありそう(妖怪化はこれかも)
柑橘類と合わせると旨いらしいです、でも日本酒が合うかは不明・・・まあ鬼の酒だからの絶賛ということで。

うっちー様
紅魔館の出番が多いのはまあ一部一話から出てますからね、でも後で出たお嬢様が目立つのは流石・・・小悪魔はもう特別枠です。


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