注意
このSSはとあるシリーズ(主に禁書、少し超電磁砲要素有り)と東方シリーズのクロスオーバーです
別記事に第一部があります、続編なので先にそっちをどうぞ
又とあるシリーズ側一部キャラに魔改造の可能性があります、ご了承下さい
最後に最大の注意点!……キャラ崩壊あり(流石に百話を超えると色々変わるので……)そういうのが苦手な人は注意してください
第二部 序章
「……不幸だ」
その少年は第一声でこんなことを言った。
だが、大袈裟ではない、何故なら同級生(全員男)に囲まれて詰問されていたからだ。
「……不幸だ」
「おい上条、夏休み無数の美少女と会っていたという情報があるんだが」
「許せないな、何か言い残すことは?」
「え、死ぬの、俺……」
少年、上条は自分の周りの者達、同級生の殺意に気づく。
思春期の男達にとってモテる同性は敵なのだ。
こうなったのも立派な理由がある、何故なら二人の美少女が彼に会いに来たからだ。
青い髪に氷の羽を持つ活発そうな少女と(羽は上条謀殺に夢中で誰も気にしてないが)白いシスター服で理知的な雰囲気の少女だ。
『夏休みのある事件』で仲良くなったチルノとインデックスである。
因みに購買で揃えたのか制服姿だ、尤もインデックスは心細いのか何時もの服を上に羽織っているが可憐さは損なわれていない。
「……ええと何かごめんね、かみじょー」
「ひ、暇だから学校に来たんだけど……不味かったかな、とーま?」
「ああ不味いかも、前以て言って欲しかった……」
「とりあえず逃げて、その人達殺気立ってる!」
「言われずとも!」
『待て、この野郎!』
上条は逃げ出し、当然同級生はそれを追う。
尚何故か先頭は事情を知っているはずの、魔術師兼学園都市暗部の土御門である。
数の差で直ぐに教室の隅に追い詰められた上条はせめて土御門と刺し違えようと殴りかかった。
「土御門、お前事情知ってるだろ!?」
「ははは、こっちの方が面白そうだにゃ」
「……良し、お前も死ね、俺と地獄に落ちやがれ!」
「はっ、しまった、追い詰めすぎたか、自棄になってるにゃ!?」
これにより一方的な狩りは決闘となった。
それまで殺気立っていた周りもドン引きする程の本気の殴り合いからクロスカウンターへ展開。
被害者と便乗犯の愉快犯のダブルKOでこの騒ぎは終わったのだった。
ケラケラケラ
この光景に本当の転校生である(どこか地味で陰のある)少女の肩に乗ったコウモリ(学校に興味が出て着いてきた)が爆笑した。
「おいそこのコウモリ、フランドールだろ、笑うな!?」
ケラケラケラ
上条は思わず苦情を述べるがコウモリ、に化けているある事件以来の付き合いの『問題児』は爆笑し続ける。
見かけ自分よりはるかに歳下(実際は逆だが)に笑われた上条は激しい屈辱感の中で肩を落とした。
「うう、本当に不幸だ……」
「どんまいだ、上やん」
「もうお前は黙ってろよ、土御門」
「ぎゃんだにゃ!」
「そうだぞ、あたいの友達に何すんだよ!」
「ぎゃんだにゃ!?」
とりあえず上条はこの騒ぎの原因の一人は踏み付けた。
更に、怒ったチルノにもう一度踏まれて彼は悶絶する。
だけど、誰も上条と違って心配しなかった。
多分人徳の差である。
「……相変わらずのようですね、上条ちゃん」
「小萌先生、止めてくださいよ」
「いやまあ面白かったので、後上条ちゃんにとっては何時ものことでしょう」
「畜生、何時ものこと扱いかよ、何でだ……」
上条に恩師、チルノと同程度の背丈の小萌が苦笑気味に笑い掛ける。
不思議なことに彼女は立派な大人である、酒も煙草もやる、七不思議の一つだ。
「……ああそうそう、上条ちゃんに言うことがありました」
「はい、何です?」
すると小萌は迷った様子で黙りこむ。
暫し悩んだ後上条に同情の視線と共に問い掛けた。
「風紀委員(ジャッジメント)が上条ちゃんを呼んでます、上条ちゃん個人を指名してます」
「え、風紀委員って、え、ええ?」
「……何かしたんですか、上条ちゃん?」
上条は凍りついた、小萌は悪いことしたなら楽になれと言いたげにポンポンと肩を叩く。
なお一層コウモリがケラケラと笑った。
「よっ上条、呼ンだの俺だ……学園都市のイメージアップに風紀委員に協力して街を回れって話が来てな。
所謂ボランティアっていうのか?……面倒なンで手前ェも手伝え、頭数が増えれば単純に仕事も半分だろ?」
「……紛らわしいことすんじゃねえ、先生や同級生に色々言われたぞ!」
「がはァ!?」
バキィ
呼び出された上条を迎えたのは学園都市において頂点に立つ白い少年だった。
とりあえず勝手言っているこの男、一方通行を上条は相手が超能力者であること等構わず殴った。
「何しやがる、殴ることは無ェだろ!?」
「お前さ、前から面倒事は俺に押し付けるよな!?止めろよそういうの!?」
「いや頼りになる知り合いは他に居るが……借り作りたくねェンだよ、高く付きそうだし」
バキィ
「ぐはァ!?」
「俺の事情を考えろ、一位で色々融通利くお前と違って大変なんだよ!」
もう一発殴っておいた、もんどり打って一方通行は倒れる。
が、脆そうな細身に似合わず彼は立ち上がる、『幼馴染筆頭』に『面倒な女』に振り回されてきただけのことはあるというべきか。
「手前ェ、流石に二度は許さねェ……這いつくばらせて謝ってもらうぜ!」
「おおやってみろ、出来るなら……だがそうなるのはそっちだ!」
最強の能力者と無敵の異能殺し、そんな二人が下らない理由で殴り合う。
事情を知る者も知らない者も呆然とするしかなかった。
「ええと、どうしよっか、インデックス?」
「巻き込まれたくないし応援でもしてよ、チルノ」
「そうだね、飽きたら終わるか」
「な、何ですの、この状況……何で協力頼んだ相手が乱闘起こしてるんですの!?」
何となく着いてきたチルノとインデックスは戸惑いつつも流した、この手の騒ぎは何時ものことなので落ち着いた物だ。
それに対して風紀委員の一員である白井黒子は何がなんだかわからず困惑する。
そんな彼女にもう一人の関係者、ゴーグルの代わりに頭に人形を乗っけた茶の髪の少女が宥めるように言う。
「酷いようならミサカが止めます、だから安心して、黒子さん」
「お姉様の妹様がそう言うなら!」
学園都市で最も有名かもしれない人物の妹の(正確には妹的存在の)言葉に黒子が落ち着く。
まあ落ち着いたというより、黒子の同室で先輩だった『姉』が大好きでその妹を無条件に受け入れただけだが。
「……あれ、ミサカも呼ばれたの?」
「いえ正確にはミサカ達が本命でそっちがついでというか……」
「どういう意味?」
「一方通行は最初協力を断るつもりだったようですが……皆の刺激になるかと協力を受け、それに誘ってくれたんです」
ああとチルノとインデックスが納得する。
『ある理由』で殺す実験から『演算を融通し合うという実験』に移行、それを一方通行とシスターズと呼ばれる者達は行っている。
今では計画の立派なスタッフであるシスターズを一方通行が世話をしていることを二人は知っていた。
今回のことも一方通行がシスターズの為に計画したようだ。
「とりあえずミサカと成長段階の進んだ者が参加し……他の姉妹達へリアルタイムで流す予定です」
「へえ……ああ本当だ、あっちに次女達が居る」
「……まあ事務方ですけどね、このミサカ程には外に慣れていないので」
『一方通行ともう一人の悪巧み』でミサカ10032号は他より遥かに多くの経験を積んでいる。
次いで00001号、それよりやや下に00002号と00003号が続く、その後者の二人、通称次女と三女が今回は裏方をやるようだ。
「……ねえ、あたいも参加したい!」
「私も何だよ、まあ荒事駄目だから裏方だけどね……次女達の方を手伝おうかな」
「おやこれは何とも賑やかになりそうな……」
ミサカにチルノとインデックスが自分達も参加することを告げる。
共に『恐るべき敵』から逃げ続けて、その結果友人と成った三人はにっこりと笑い合った。
やはり友人と一緒に居るのが良いのだ。
「それじゃ風紀委員らしい格好を用意しましょう……黒子さん、着替えたいんですがお願いできます?」
「はい、喜んでー、ですの!」
「手伝うよ、ミサカちゃん!」
「……小悪魔はGOホーム、関係者以外は出て行きなさい」
「そんなあ……」
尚勝手に着いてきた赤毛の司書、『ある事件でミサカにべた惚れした』小悪魔が追い出される、完全涙目だった。
「……ぷぷっ、小悪魔残念だったね」
「姫海棠さんも出て行きなさい、ツインテ同士で黒子さんとキャラ被るんですよ」
「ええ、折角の記事が……」
後一方通行をネタにしたりされたりする馴染みの烏天狗も追い払われた、外で小悪魔と並んで座り込んだ、他の者は皆無視したが。
「さあ準備したら学園都市を一周りしてみましょう……夏休み会った方々と会うかもしれませんね」
「ああそうだね……『一番厄介』なのが今はいないから気楽に回れるかな」
「……ところで、とうまとミサカお姉さんの保護者さんはどうするの?」
「戻ってきて暴れてるようならミサカが止めます」
『……そうなると年上の威厳消えるねえ』
「……はっ、『鈴科君』を笑い者に出来る気配が!」
ピキンと何かを感じて紅白の巫女服に黒髪の少女が叫んだ。
因みに口にしたのは彼女だけが呼べる名だ。
「良いからお守り作る、奢って貰ってばっかじゃ格好悪いよ」
「そうね、自分の食い扶持は自分で稼がないと……」
「そうそう、だから私も手伝ってるんだぞー、私だけに仕事させんなー」
「はいはい、わかってるわよ、ルーミア」
巫女服の少女の隣で金髪に赤いリボンの少女がからかう、二人は少し身につまされる理由でお守りを作っていった。
地味な手作業だが巫女服の少女には貴重な収入源で、もう一人も『少し前の事件で』迷惑をかけたので素直に手伝った。
「上海、蓬莱、大江戸その他全員整列……人形劇用衣装、製作開始!」
ドガガガガッ
でも、そんな地味な手作業を圧倒する人形マニアかつ親バカのせいで直ぐに二人は微妙な表情に成った。
「何かやってられないわね」
「あれ見ちゃうとねえ……」
「……貸さないわよ、この街で開く人形劇の為の物を作ってるんだから」
『ちぇー……』
そんな三者を横目で見ながら短く纏めた黒髪の少女、どこぞで外に追い出されたのと同族の少女が作業をしている。
「ふう、もうちょいで終わるかな、外とわからないように多少削った郷用の新聞が……」
この数ヶ月学園都市で『立て続けの派手な事件』は何だかんだ言って良いネタになる。
起きたのが外とわからなければ某妖怪の賢者もお目こぼししてくれるだろう、彼女はラストスパートとばかりに気合を入れた。
「ようし、頑張ろうっと……ああそっちのお三方、適当なとこでご飯食べに行きません?
ああ因みに私は烏で雑食なのでなんでもいいです、そっちに希望があれば合わせますが……」
「そうね、それも良いか……ルーミア、アリス、前の占いブームで稼いだ残りあるから奢るわ、何か食べたいのある?」
「うーんとねえ、お肉食べたい」
「ケーキかしら、郷と違って自分で作らなくていいし」
「……面倒だしファミレスね」
『このドケチ巫女ー!』
間を取ったら文句を言われた(安くしようとしたのも少しあるが)、ちょっとイラッとした巫女は針を取り出し向ける。
ジャキン
「……文句あるかしら、二人共?」
『無いです、ごめんなさい』
鬼のような形相の巫女の恫喝に大小金髪娘が真っ青な顔で黙り込んだ。
「はは、お強いですねえ、霊夢さんは……ていうか鬼巫女?(ボソッ)」
針を向けられてない天狗まで身震いする、それ程に恐ろしい姿だ。
幻想からの来訪者は何時もどおりだった。
第二部第一話 学園都市悲喜こもごも・一 へ続く
こんな感じで一方通行からの無茶ぶりにより、主要メンバーでの風紀委員体験が始まります。
まあ二部始まったばかりなので軽い話というか・・・色々おさらいやりたいのでイベントにかこつけてあちこち行く予定。
一部で書いた予告、特に不幸同盟は後になります、先に書くことが出来てしまって・・・
因みに乱闘の結果は多分ドロー(決着前にミサカが止める)。
・・・風紀委員体験と平行し、『アリスの人形劇』とか『天狗達の記事』みたい形で一部の纏めを書くかも。
ああ後一部最後の回の感想見たけど・・・どう返すか(今書くのも変だし)悩ましく返信は保留します、感想書いた方すみません。
でもちゃんと読んではいます、感想ありがとうございます・・・