Promise 5
皇暦2010年 4月20日
「チェックメイトだ。いや日本では詰みだったけ?」
「うっ・・・」
敗北を突きつけられた僕は何も言えなかった。戦いは残酷だ。全てを得るか失うか・・・と言う話は置いといて僕は駒を片付けながら将棋の盤上に突っ伏す。今は土蔵で僕とルルーシュが将棋を指していた。結果は・・・聞かないで。
「またルルーシュの勝ちか。しっかりしろよ。」
スザクの要求は耳に痛かった。別に負けたくて負けてる訳じゃない。
「ふん。頭を使うゲームで僕が負ける訳にはいかないさ」
ルルーシュは不敵な笑みを浮かべる。スザクが頭でっかちと言っただけあってかなり強い。ルールーシュに将棋を教えたのは僕だと言うのに・・・。
「海斗。お前これまでで何回負けた?」
「17試合中カイトさんは4勝13敗です」
「僕の圧勝だな。まぁルールを教える為の試合以外でも僕に勝てたのは誉めてやるよ」
「うう・・・。惨めだなぁ」
「こんなチマチマした遊びで勝てなくても気にすんなって。お前には武道があるだろ?」
スザクはそう言って肩を叩く。そうだね僕にだって・・・。
「まぁ武道では俺の方が強いけどな」
台無しだよスザク。もうその笑顔は信じられない・・・。
「むしろそうじゃないと駄目だな。スザクから体力を取ったらただのバカだから」
「なんだとっ!」
その瞬間スザクはルルーシュの後ろを取って万力を喰らわせた。
「そらそら何とか言ってみろ!頭でっかちのもやし君!」
「痛たたたたっ!ナナリーの前で汚い言葉を使うな!」
「何度でも言ってやるよ。頭でかっちのもやし君!」
「ダメですよお二人とも」
僕も悪乗りしてみる。
「よしっ。僕も!」
「僕もって。あはははっ!止めろって。ちょっ、くすぐったいよ!」
僕は将棋の敵討ちだと言わんばかりにルルーシュをくすぐった。
「いいぞ海斗。もっとやれ!」
「ふふふっ。愉快なカイトさん♪」
四人の笑い声で暗い土蔵は一気に明るくなった気がした。
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同じ頃、太平洋上のある日本海軍航空母艦のブリッジで2人の軍人が険しい表情でTVニュースを見ていた。
『一昨日河口湖にて行われたサクラダイト生産国会議において神聖ブリタニア帝国のジェームズ国務次官補は執拗に分配率の増加を要求しました。これに対し日本の枢木首相は要求を断固拒否する発言をした為会議は紛糾し、予定日を過ぎた今日も会議は続いています。これらに対しEUと中華連邦は』
「まったくブリタニアめ。好き勝手しおって」
溜まりかねた様に一人が声を荒げた。隣の者も口には出さずとも思いは同じようだ。その軍人は話を続ける。
「こんな調子では本当に我が国も危ない。奴らから見れば富士山は宝の山だからな。お前はどう思う?藤堂」
「・・・私見を述べさせて頂くとこのままでは遅からず戦争になる可能性が高いでしょう。シャルル皇帝の砲艦外交は中世の植民地政策と殆ど変わりが無いですから。そしてそれが現実になった場合・・・」
藤堂は深刻な表情で押し黙ってしまった。その意味は言わずともわかる。
「勝てぬか?」
「!・・・。御剣大佐。残念ながらおっしゃる通りです。多少の戦術勝利は見込めても我が国とブリタニアでは物量が違い過ぎます。」
「そうか。やはり君もそう思うか。歯がゆい事だが私も同意見だ。中華連邦も反ブリタニア路線ではあるが共同戦線を張るとはまでは考えづらい。あの国の内政は芳しくないからな。EUも地理的な問題以前にブリタニアとは敵対したくないのが本音だろう」
御剣は某国連特務機関のあの人の様に手を組んでいたが何かを思い出したかのように手を崩した。
「話は変わるが海斗はどうしている?ちゃんと稽古に出ているか?」
「はい。海斗君はとても熱心に励んでいます。実力もスザク君と渡り合う程になりました」
「ほう。君が天才と評したあのスザク君にか」
それを聞いた御剣の表情は軍人から親になっていた。『太平洋の虎』と呼ばれる軍人も子の成長には素直に嬉しいようだ。
「私が行く度に大佐はいつ帰られるのか聞かれました」
「うむ。海斗には済まないが当分帰れそうに無い。父親らしい事の一つでもしてやりたいがこの情勢ではとても離れられんからな」
「大佐のそのお気持ちだけでも十分父親らしいです」
「君にそう言って貰うと救われるよ」
勇猛な軍人として知られている御剣がこうも素直に話せるのはそれ程藤堂を信頼している証なのだろう。その後も軍務とは関係の無い穏やかな会話が続いた。
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本当にお久し振りです。パソコンがポックリ逝かれてからようやく二代目が来てくれました。
アニメの最終回は感動しました。レクイエムって時点で死ぬかもと、思っていましたがホントにそうなると辛いです。そう言う意味ではいつもみたいに予想を裏切って欲しかった。
ところでCCのコードはどこへいったのでしょうか?あれから自分なりに考察してみました。
1、 現状維持
CCが持ったままという説です。ただそれだとCCの願いは叶えられないままになります。
まぁそれが続編へのフラグかもしれませんが。ちなみにCCの願いは死ぬ事です。笑って、という追加条件がありますが結果は同じです。あと、コードを移譲しても直ぐには死にません。シスターは一刻も早く死にたがってたのでおそらく自殺。VVは瀕死の重傷を負った状態で移譲させられたからです。移譲後は止まっていた時間が動き出して人として余生を送る感じだと思います。
2 ルルーシュ説
ルルーシュに移譲したと言うかなり有名な説。そもそもコードの移譲は一定のギアスを持った者に限るので移譲するとしたらルルーシュしか考えられません。まぁこれならルルーシュは生きてるしCCの願いも叶ってハッピーエンドになると思いますが。
ルルーシュも死=贖罪と言う考えはしないと思う。それにスザクにゼロの仮面と言う重荷を任せて死ぬと言うのも変だと思います。