Promise 0
皇暦2010年8月10日
あの夏の日。世界の三分の一以上を支配する神聖ブリタニア帝国は日本に対して宣戦布告した。
ブリタニアの新型兵器ナイトメア。日本で言う所の自在戦闘装甲機の実戦投入と圧倒的な物量によってこの国はわずか一ヶ月で亡国と化した。
かつて日本と呼ばれたこの国は自由と権利と誇り、そして名前さえも奪われた。
エリア11―それがこの国。否、かつて国だったこの列島の新しい名前。
イレヴン―それがかつてここで栄えていた日本人という人々の新しい呼び名。
その後に待っていたのは支配者ブリタニアによる一方的な統治。イレヴンは荒廃したゲットーへと追いやられ当のブリタニア人は安全で快適な租界を造り、そこに君臨した。
しかしこの国は徹底的に破壊された訳ではなかった。いくら新兵器と圧倒的な物量をもってしても世界有数の先進国だった日本をほんの一ヶ月で壊滅させる事など不可能。この戦争がこんなにも早く終わったのはいったん敗北しておいて後の抵抗活動に望みを託した者がいたから。
それが成長した僕の熟慮の末の答え。その証拠にこのエリア11には他のエリアでは考えられないほどの数と規模の抵抗勢力が存在する。日本解放戦線がその代表だ。そこまではそれを考えた者の思惑通り。だが・・・。
想像以上に敵は強大だった。大量に配備されている第五世代ナイトメア・サザーランド。ブリタニア軍では当たり前のように存在するそれは量産型としては間違いなく世界トップクラスのナイトメアだろう。中華連邦のガンルゥやEUのプァンツァーフンメルには相当荷が重い相手だ。そんな国から武力でもってこの列島を取り返すなど不可能。今何とか持っているのは総督がクロヴィスだから。もし名将として名高いシュナイゼルやコーネリアが総督だったらとっくに駆逐されているだろう。
僕と同じ考えの人はたくさんいる。その人達は未来を諦め、ただ今と言う時間を漂っている。
人によってはそれは死んだも同然だと言うだろう。確かにそうかもしれない・・・。
(でも・・・僕は違う。僕はあの時彼らに約束したんだ。この世界を変えてみせると!)
そうして僕は拳を握り締め、目の前に立つ私立アッシュフォード学園を見据える。門の横には
『私立アッシュフォード学園入学試験会場』と書かれていた。
深く深呼吸すると僕は会場へと向う。
この先にはいったいどんな未来が待っているのだろうか。一筋の希望?さらなる絶望?
今はまだ誰も知らない・・・。
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これが私の記念すべき第一稿です。友達から聞いてアルカディアを見始めて一ヶ月。ついに書く側になる決心がつきました。至らぬところが多いと思いますができる限り頑張ります!