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No.40509の一覧
[0] 【オリジナル】火焔舞踏会【完結】[hollow](2015/07/14 23:03)
[1] 第一章・表の面[hollow](2014/09/22 23:22)
[2] 第二章・裏の顔[hollow](2014/11/10 00:45)
[3] 第三章・真の力[hollow](2014/10/06 00:56)
[4] 第四章・日常への帰還[hollow](2014/10/13 00:59)
[5] 第五章・真実の通達[hollow](2014/10/20 01:20)
[6] 第六章・刺客との遭遇[hollow](2014/10/28 01:42)
[7] 第七章・現実の死闘[hollow](2014/12/15 23:53)
[8] 第八章・未熟の力[hollow](2014/12/15 23:49)
[9] 第九章・戦闘の傷[hollow](2014/12/15 23:47)
[10] 第十章・不意の密偵[hollow](2014/12/15 23:41)
[11] 第十一章・強敵の襲来[hollow](2014/12/29 00:53)
[12] 第十二章・真打の間[hollow](2014/12/15 23:34)
[13] 第十三章・束の間[hollow](2016/06/26 01:54)
[14] 第十四章・突然の訪問[hollow](2014/12/20 19:31)
[15] 第十五章・誘いの言葉[hollow](2014/12/29 22:33)
[16] 第十六章・蝉の声[hollow](2015/01/12 00:44)
[17] 第十七章・裏切りの刃[hollow](2015/01/22 23:16)
[18] 第十八章・緊張の糸[hollow](2015/01/22 23:15)
[19] 第十九章・疑惑の目[hollow](2015/01/27 19:58)
[20] 第二十章・真相の露見[hollow](2015/02/03 19:50)
[21] 第二十一章・背徳の刃[hollow](2015/02/08 01:22)
[22] 第二十二章・記憶の棘[hollow](2015/02/16 01:12)
[23] 第二十三章・静寂の敵[hollow](2015/03/01 02:06)
[24] 第二十四章・夏の夜[hollow](2015/03/01 02:18)
[25] 第二十五章・訓練の朝[hollow](2015/03/16 00:16)
[26] 第二十六章・獣の出陣[hollow](2015/03/16 00:15)
[27] 第二十七章・毒の餌食[hollow](2015/03/24 02:58)
[28] 第二十八章・漆黒の鞘[hollow](2015/04/04 00:22)
[29] 第二十九章・闇夜の声[hollow](2015/04/08 00:26)
[30] 第三十章・暁の光[hollow](2015/05/23 11:56)
[31] 第三十一章・攻勢の刻[hollow](2015/04/19 01:14)
[32] 第三十二章・出陣の前[hollow](2015/04/26 01:19)
[33] 第三十三章・存在の虚[hollow](2015/05/04 01:09)
[34] 第三十四章・出撃の日[hollow](2015/05/10 00:54)
[35] 第三十五章・霧原の刃[hollow](2015/05/18 02:10)
[36] 第三十六章・瀬女の妹[hollow](2015/05/23 01:02)
[37] 第三十七章・組織の業[hollow](2015/06/03 02:12)
[38] 第三十八章・叶の友[hollow](2015/06/07 09:29)
[39] 第三十九章・煉士の敵[hollow](2015/06/16 01:41)
[40] 第四十章・月詠の兄妹[hollow](2015/06/22 00:16)
[41] 第四十一章・焔の子供たち[hollow](2015/06/29 01:09)
[42] 第四十二章・世界の破滅[hollow](2015/07/03 00:40)
[43] 終章・事の結末[hollow](2015/07/14 22:47)
[44] あとがき 後の祭り[hollow](2015/07/14 23:02)
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[40509] 【オリジナル】火焔舞踏会【完結】
Name: hollow◆2545f819 ID:e74754d3 次を表示する
Date: 2015/07/14 23:03
※注意事項

本作は、別サイトで作者が書いていた作品の『リメイク』です。そのことをご理解していただけた上で、読んでいただければ、と思います。

なお、完結次第、元のサイトからは作品を削除しますので、ご注意ください。

以上のことを踏まえた上で、どうか拙作におつきあいいただけたなら、幸いです。

忌憚なきご意見、お待ちしております。



序章・森の中

「っはぁ、はぁ……!」

時刻は午前二時半。
比較的地方に位置するこの街では、もはや人気はなく、住宅街も商店街も、ただひっそりと静まり返るだけだ。

「っく、はぁ……!」

そんな街の一角、外縁の雑木林。
人目をことさらはばかるようにして、一組の男女が潜んでいた。
年のころは二人とも三十代の入りばな、というところだろうか。

女性の腕には、黒い布に包んだものが抱かれていた。

「……大丈夫か?」

男性の、気遣うような声。
それもかなりひそめられて、夜の静寂に溶けていくような、小さな声。

「……ええ。大丈夫」

応える女性の声も小さい。
何かに怯えるような声音は、噛みしめられた唇と、黒い包みに落とされた視線がその背景を物語る。

なるべく視線だけの会話と、気配を探るような緊張感。
何かに怯え、逃げているものの仕草である。
しかし、漂うのは逃亡者の悲壮感と焦燥感だけではない。
二人の瞳には、確かな決意と、力強い光が宿っている。
その光は、主に黒い包みに向けられている。

そっと男性が雑木林から外を覗き込んだその時。
暴力的な光が、男性と隠れていた雑木林の一部に突き刺さる。

「な……!?」
「は、逃亡ご苦労。どうだった? 二人きりのハネムーンは満喫できたかね?」

その光を背負った人物が、傲慢に、高飛車に、嘲弄に言い放つ。
勝利を確信している者だけが取る、優越の態度。
それでも男性は逃げ道を探すことをやめない。

可能性だけは絶対に手放さない、とでも言いたげに。
しかし、もはや四方を囲まれていて、どこにも逃げ出すような隙間はない。

「無駄だよ。君たちがここに戻ってくることは分かっていた。だが残念ながら、君たちのつてはすべて崩させてもらったよ。……封殺だ、さっさと“種”をこちらに渡して死ね、反逆者の愚図どもが」

冷酷な言葉とともに、幾百の銃口が二人に向けられる。
男性が前に立ち、女性をかばうように周囲を睨み返す。
だが鉄の銃口は冷徹にその視線をそらさず、火を噴く瞬間を待ち望んでいる。
その鉄量の前には、何物も無力である、と言いたげに。

進退窮まったその時。
女性の腕の中で、黒い包みが動いた。

もぞりと動いたその包みの中には、赤ん坊が一人いた。




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