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No.40233の一覧
[0] 【チラ裏からの一発ネタ】 怪獣大戦争 1941[一陣の風](2014/08/19 16:21)
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[40233] 【チラ裏からの一発ネタ】 怪獣大戦争 1941
Name: 一陣の風◆5241283a ID:e1de2eae
Date: 2014/08/19 16:21
【その、たくさんの星の降った夜の事を覚えている】



  「怪獣大戦争 1941」 - INVASTON of ASTRO MONSTER 1941 -


1941年12月8日。
南雲機動部隊から飛び立った、第一次真珠湾攻撃隊(戦43、爆51機、攻89機、計183機)は、午前7時49分。
真珠湾上空に達していた。
しかし彼等が見たものはー

「なんや、いったい」
総隊長である淵田美津雄中佐が呻くように言った。
その異変には早くから気付いていた。
攻撃隊に先立って重巡「筑摩」から飛びたった偵察機は『在泊艦は戦艦10、甲巡1、乙巡10』との報告を送ってきた後、沈黙していた。
淵田は偵察機は撃墜されたものと考えていた。

 ーならば強襲か?

そう考え、身を引き締めた淵田はしかし、唖然とする事になる。
近づく真珠湾。
そこからは遥か遠くからでも分かるほどの、幾条もの黒煙が上っていたからだ。

 -事故でも起きたのか?

なんらかの事故。
例えば給油タンクの爆発。あるいは在泊中の艦船に火災でも起こり、それがあのような黒煙を上げているのだろうか。
しかしその考えも近づくにつれて、さらなる疑問に変わる。
黒煙は真珠湾だけではなく、島全体から上っているようだ。

 -島全体が燃えている……

「総隊長。高橋少佐から発光信号。 『イカガサレルヤ』」
それは艦爆隊指揮官である翔鶴飛行隊長、高橋赫一少佐からだった。
「村田少佐も同様に問いかけています」
雷撃隊を率いる赤城飛行隊長、村田 重治少佐も困惑しているようだ。

「水木。両飛行隊長に『トツレ(突撃準備隊形作れ)』発光送れ。強襲隊型で進撃続行」
通信員の水木 徳信一等飛行兵曹にそう告げる。

 -ともかく何が起こっているのか、この目で確かめなければ。

 そしてー
「なんや、これは」
渕田は再び絶句した。
真珠湾が炎に包まれている。
黒煙が港を覆い隠している。
「アリゾナ」「オクラホマ」以下の戦艦群。
自分達がここまで目標にしてやってきた米太平洋艦隊が。
ある艦は炎を上げ、ある艦は黒煙に包まれ。
壊滅していた。

いや戦艦だけではない。
その脇にいる巡洋艦や駆逐艦。
タンカー。小さな哨戒艇や艀にいたるまで。
その全てが燃えていた。

「総隊長。飛行場からも煙が上がっています」
操縦士の松崎 三男大尉が言う。
見れば、隣接するホイラー、ヒッカム両飛行場からもおびただしい量の黒煙が上がっていた。

「総隊長。これはいったい……」
水木が呻くように言った。
「誰かに先を越されたって事でしょうか?」
松崎が当惑気味に問いかけてくる。
「先を越すって……誰がや」
「……例えば独逸軍とか」
「ぬう……」
確かに自分達以上の戦力を持ち、真珠湾を攻撃できるだけの軍事力を持っている盟邦は、ドイツ第三帝国だけだろう。
だが、ドイツは基本的に陸軍中心だ。
海軍の主力はUボートと呼ばれる潜水艦で、水上艦艇はごく少数しかない。
空母も建造中のものが一隻だけと聞いている。
ましてや、今のドイツはイギリス、ソビエトと二正面戦闘中で、こんな遥か遠い太平洋のハワイ諸島まで戦力を送り込む余裕などないはずだ。

「ドイツでは有り得んな。ましてやイタリヤでもあるまい」
「それではいったい何処の誰が……」
当惑する彼等の前に、突然ソレは現れた。

「総隊長。あれを!」
「なんや、あれは」
水木が指差す方向を見た渕田は三度絶句する事となる。
米艦隊(の残骸)が停泊している位置に、何かが居た。
炎と黒煙の中に何かがいた。
黒く。
巨大な。
何かが。

 ーバアッ!

光った。
青白い光が走った。
と、見る間に。

 ードゴオォォォォ!

大音響と共に攻撃隊の前方を飛んでいた零戦の編隊が爆発した。
あっという間に1コ小隊、三機の零戦が炎に包まれ砕け散る。
戦闘機隊指揮官の赤城飛行隊長、板谷 茂少佐が、むしろ無造作に近い操作で機首を下に向け、突撃体制に入る。
つられたように。
高橋少佐が率いる艦爆隊も高度を下げ、そのナニかに向かって行く。

「ま、待て!」
渕田は思わず叫んでいた。
状況不明の中。
正体不明のナニかに。
軽々しく攻撃をかけるべきではない。
そう思ったからだ、
だがその声は届かない。
だがその声は彼等には届かない。
もともと無線電話などないのだ。
いくら渕田が叫んだところで、その声が板谷や高橋に聞こえるはずもない。

しかし。
むしろ彼等の反応は当然の事といえた。
状況不明とはいえ。
正体不明とはいえ。
ナニかに攻撃されたのだ。
ナニかに僚機が墜とされたのだ。
軍人として。戦友として。
反撃するのは当然の行為といえた。

「総隊長。どうしますか」
「仕方あらへん……」
松崎の問いかけに、渕田は苦虫を噛み潰したような顔で答えた。
「水木。ト連送。全軍、突撃せよ」


 ****

ハワイ北方海上を航行中の南雲機動部隊では、誰もがじりじりと時を過ごしていた。
第一次攻撃隊が出撃してからすでに二時間。
そろそろ真珠湾に攻撃を開始する時刻にもかかわらず、攻撃隊からは何の音沙汰もないのだ。

 ー 敵の待ち伏せを受け、報告をする間もなく全滅してしまったのでは

そんな不安が艦隊司令部の中に渦巻いていた。

「攻撃隊からの連絡は?」
源田 実航空参謀が怒鳴るように訊ねた。
「まだ何もありません」
小野 寛次郎通信参謀が答える。
「航空参謀。焦るな」
草鹿龍之介参謀長が諭すように言う。
「それにしても遅すぎます。そろそろ何かしらの報告があってしかるべきです」
「現場には現場の判断もあろう。あの渕田の事だ。なにかしらの事情があるのだろう」
「しかし……」
「渕田も村田も貴様が連れてきた逸材だ。彼等を信じよう」
「……………」
そこまで言われては源田も沈黙せざるを得ない。

じりじりとした時間が流れる。
この間。司令長官の南雲 忠一中将はじっと目を閉じ、泰然とした態度で長官席に座ったままだった。

やがて7時59分(日本時間1時29分)
「ト」連送(全軍突撃せよ)が入ってきた。

「やったか!」
源田が叫ぶ。
「トラ電かトキ電か、どちらだ」
南雲がゆっくりと訊ねる。
「まだそのどちらもありません」
小野が報告する。

それは「奇襲」を意味する「トラトラトラ」か、それとも「強襲」を意味する「トキトキトキ」かを訊ねているのだ。
もちろん奇襲ではなく、強襲となれば被害もより多くなると考えられるからだ。

さらに時間が過ぎる。
続報はなかなか入らない。
司令部の誰もが耐えられなくなってきた頃、ようやく攻撃隊からの報告が入ってきた。 しかしー

「どういう事だ?」
誰もがその電文を見て首を傾げる。
そこには、こう記されていた。

『真珠湾壊滅ス。コレヨリ帰投ス。第二次攻撃ノ要ナシト認ム』
そしてー

 『ワレ【呉号災害】ヲ確認ス』


 ****

板谷は愛機を操る。
愛機を小刻みに揺らしながら接近する。
相手は不意打ちとはいえ、一瞬にして三機の零戦を撃墜したのだ。
油断はできない。
振り仰げば。
九九式艦爆隊が遥かな高みから、文字通りの急降下を開始してした。
隊長の高橋少佐を先頭に、見事な一本棒となって滑り落ちてくる。

黒煙の中。
うごめくナニかが見えてくる。

「あれは……」
それは生物なのだろうか。
暗い灰色の体。頭部に光る二つの目。咆哮する大きな口からは、鋭い牙が見えている。
全長50mはあるだろうか。
圧倒的な存在感を持って、ゆっくりと文字通り「火の海」となった真珠湾を移動している。

「恐竜……いや怪獣か?」
昔見た雑誌を思い出す。
少年の頃によく読んでいた。
空想科学冒険小説。
その中で描かれていた南洋に住むという大怪獣。
空想上の。想像上の。
実際には居るはずもない。
不思議で不可思議な存在。
それが今、目の前にいる。

 -バァッ!

また光った。

「なにい!?」
その口から。
その真っ赤に裂けた口から、青白い光のようなモノが吐き出される。
とたんー

 -ゴバアアアッ!

今正に急降下しつつあった高橋少佐の九九艦爆が爆発した。
続く二番機、三番機もたちまち炎に包まれる。

「怪光線……」
まるで殺人光線のように。
まるでその空想科学雑誌に描かれていた怪光線のように。
その怪獣から放たれる青白い光は、九九艦爆を捕らえ、片っ端から爆散させていく。
瞬きする間に、半数が消滅した。
それでも彼等はひるまず、急降下を続行する。

「させるか!」
これ以上、艦爆隊はやらせん。
板谷はそう叫ぶと怪獣の背後からフルスロットルで迫る。
その暗い灰色の巨体が見る間に大きくなる。
「喰らえ!」
7.7ミリと、 20ミリ機銃の発射レバーを思い切り握り締める。
機首と翼から、四筋の帯が怪獣めがけて放たれる。

 命中! だがー

「駄目か」
板谷は低く呟いた。
7.7ミリはともかく。並の航空機であれば一撃でその機体を粉砕する20ミリ炸裂弾でさえ。
その怪獣にはなんの痛痒も与えていないようだった。
けれど牽制にはなった。
怪獣が板谷達、零戦隊に気を捕られている隙に、生き残った艦爆隊が25番(250キロ爆弾)を叩きつける。
怪獣が爆炎に包まれた。

「やったか」
30機ほどに討ち減らされたはいえ、それだけの爆弾が集中したのだ。
その命中率は80%を越えているだろう。
いかな怪獣といえども……

「なん……だと?」
思わず呻き声が漏れる
先に自分達が放った20ミリ同様。艦爆隊が放った250キロ爆弾も、なんの効果もなかったようだ。
怪獣は悠然と咆哮を上げている。

 -俺達の武器は、奴には通用しないのか?

「バケモノめ……」
絶望的な眼差しで怪獣を見据える板谷。
だがその目に。
真珠湾の海面を超低空で這うように突き進む、村田少佐が率いる雷撃隊の姿が映った。


「距離1500!」
村田が叫ぶ。
気合を入れるかのように。
己を鼓舞するかのように。
海上は炎と黒煙が渦巻き、視界を遮っている。
だが村田は自身の操縦する97式艦攻を、なんのためらいもなく超低空で突っ走しらせる。

「全機続いているか?」
「大丈夫です。全機健在。続行しています」
後席の偵察員が答える。
40機の97艦攻が整然と、一糸乱れぬ隊形で飛翔する。
流石は今日の日のために、訓練に訓練を重ねたきた搭乗員達だ。
これ位の炎や煙は、なんの障害にもなっていない。

「距離1200。 くっ!?」
気付かれた。
今まで零戦と艦爆隊に向けられていた怪獣の目がこちらに向けられた。
咆哮する。
まるで威嚇するかのように、怪獣が大音声を上げる。
それからー

 - 轟っ

再び青白き炎を吐き出される。

「第三中隊、三小隊、全滅!」
最左翼を飛んでいた97艦攻の編隊が消滅する。
続けさまに。
「第三中隊長機、自爆」
衝撃でバランスを崩したのか、第三中隊長機が海面に激突する。

「距離1000。もう少し、もう少し」
村田は歯を食いしばる。
いかに怪獣が巨大であろうとも。
その体は、全長150mを越える米戦艦よりは遥かに小さい。
よぼど肉薄しなければ命中は期待できない。

「第二中隊、二小隊。 続いて、一小隊、全滅!」
見る間に数を減らしていく雷撃隊。

雷撃は愚直だ。
ただ真っ直ぐに。
ただ直線的に。
いかに敵の攻撃を受けようとも。
いかに敵の防御火砲にさらされようとも。
ただ真一文字に。
ただ敵に向かって肉薄する。
それが雷撃機乗りだ。

「距離800。用意!」
目が合った。
怪獣と目が合った。
哂った。
必死に突撃する村田をあざ笑うように。
怪獣の目が歪む。
その口が大きく開かれる。
その中から青白い光が漏れ始める。

「くっ……」
これまでか……臍を噛む村田の目の前で。それは起こった。
突然。

 ードギャスっ

零戦が体当たりする。
怪獣の頭部。
まったく無防備に向けられたその後頭部に。
一機の零戦が体当たりを敢行したのだ。
零戦は爆発し、粉々に砕け散る。
もちろん搭乗員は跡形もない。
それは無力な己に対する怒りからなのか。
それとも村田達を救おうとした自己犠牲からなのか。
それは永遠の謎だ。
だがその瞬間。 怪獣の動きが止まった。

「……全機。 彼を忘れるな! 続け!」

いつもは「仏(ホトケ)のブーツ」と呼ばれるほどの温厚な村田が、鬼の形相で叫ぶ。
剣呑なほどに目を細め。奥歯を噛み締めながら。
村田は突進する。
そんな村田機を先頭に、生き残った雷撃隊が突進する。
ただ真一文字に突進していく。 そしてー

「距離600。てぇーーーっ!」
烈迫の気合と共に、村田は雷撃桿を引いた。
真珠湾の浅深に合わせて改良された九一式航空魚雷が投下される。

 -ふわり

850キロの重量を失って、浮かび上がろうとする機体を、村田は素早く押さえ込んだ。
そのまま海面すれすれに離脱していく。
「命中! 命中です、隊長!」
歓喜の叫び声が上る。
素早く振り返った村田の目に、大きな水柱が写り込む。
二本、三本と。
次々と水柱が立ち上る。

「よし!」
怪獣がもんどりうって、ひっくり返っていた。
撃ち込まれた魚雷に足をすくわれたのだろう。
もがいている。
手で水を跳ね上げ、身もだえしながら叫んでいる。
仕留める事はできなかったが、かなりの打撃を与えたようだ。

もっとも怪獣をそれた数本の魚雷は、すでに沈まんとする米艦艇に命中。
新たな炎をも吹き上がらせていたが。


 突然。
新たな水柱が上った。
それも一本二本ではない。
数えられない程の大量の水柱が。
太く、分厚く。巨大な水柱が。
怪獣を包み込むように沸き上がっていた。

「総隊長……」
見上げる村田の目に。
高空を悠然と飛ぶ一群の航空機の群れが見えた。
それは。
総隊長。淵田中佐率いる水平爆撃隊の姿だった。


「どうや」
淵田が覗き込む。
49機からなる水平爆撃隊が一斉に爆弾を投下したのだ。
800キロ爆弾1発、または250キロ爆弾2発、もしくは250キロ爆弾1発と60キロ爆弾6発を搭載した49機の97艦攻が一斉に爆弾を投下したのだ。
その凄まじい破壊力であたりは白く濁っていた。

「やったか」
だがその希望はすぐに失望へと変わる。

 ー ゴバァッ!

再び青白い光が放たれる。
それはまるで見当違いの所を薙いでいたが、その怒りを具現化するかのように。
何度も何度も空に向かって吐き出されていた。

「まだ生きとる……アイツはいったいなんなんや」
淵田が呻く。
そんな彼の耳に。
「呉爾羅だ……」
放心したような声が飛び込んできた。
「水木?」
「あれが呉爾羅……」
「おい、水木。今、貴様なんと言った」
「あれは呉爾羅です。総隊長」
水木が絞り出すように言った。

「呉爾羅?」
それは確か18年前の。
しかし。
「……水木。貴様、何故そんな事を知っている」
渕田のその疑問に、水木は蒼白な顔で答えた。
「総隊長。自分は大戸島の出身です」
「大戸島……ゴジラ……『呉号災害』」
今度は渕田の顔がこわばっていく。


「総隊長、あれを!」
松崎が一点を指差しなら大声を上げた。
見れば呉爾羅の吐き出す真白き火炎が、石油タンクに近づいていく。
「あかん、やばい。水木。 全機に通報。 全速力で退避せよ!」

 火を噴いた。
貯蔵量450万バレル(60万t)といわれる石油タンクが爆発した。
 あおられる。
その爆発の襲撃波で、飛行機が木の葉のように揺れ踊る。
自分達が投下した水平爆撃など児戯に思える程の、猛烈な炎と衝撃波が吹き荒れる。
松崎が必死になって体勢を立て直そうとしている。
水木が電信機にしがみつくようにして体を支えている。
 そんな中。
淵田は目を離す事ができなかった。

徐々に離れていく真珠湾。
その炎と黒煙にまみれ、地獄のようになった地から。
淵田は目を離す事ができなかった。

 -奴はまだ生きているのだろうか

ひょっとして今の爆発で、倒す事ができたのではないだろうか。
そうすれば「呉号災害=帝国『甲』事件」と呼ばれたあの惨劇はもう……
だがー

「生きとる……のか」
絶望的に呻く。
淵田の口から絶望の声が漏れる。

立ち上る炎の中から。
立ち上る黒煙の中から。

またあの青白き光が沸き立つ。
何度も何度も。
まるで全てを焼き尽くし、全てを灰と化す、煉獄の炎のような美しい、青白き光が。

「水木。司令部に打電……『真珠湾壊滅ス。コレヨリ帰投ス。第二次攻撃ノ要ナシト認ム』」
そしてー

 『ワレ【呉号災害】ヲ確認ス』



 *****

「おのれジャップめ。 俺が叩きのめしてやる!」

第8任務部隊(TF-8)を率いる、ウィリアム 「ブル(猛牛)」 ハルゼーは。
空母「エンタープライズ」の艦橋でそう叫ぶと、ただちに索敵機を放ち、全速力でオワフ島へと進路をとった。



         ‐終‐



 *****

          おまけ
   (推奨BGM 「科学兵器攻防戦」 by 伊福部 昭)


 SE:ジャジャジャジャアーーーーーーン ♪
 
 【 特報 】

 闇の中を蠢く、黒い影。

「あれが呉爾羅」
「ジュラ紀から白亜紀にかけて生息していた、海棲爬虫類から陸上獣類に進化しようとする中間型の生物」
「原始生態系の頂点に君臨する、いわば『神』」
「ヤツがまた来る……」
蘇る悪夢。

「台風なら避けられるけど、ゴジラは何処に来るか……」
「私は確かに見ました」
「退避ぃ、退避ぃぃぃ!」
恐怖する帝国臣民達。

「第11航空艦隊より入電。空襲失敗。被害甚大」
「鳥やぁ」
「山下第25軍より報告。我、怪奇生物と交戦中」
「蜘蛛やあ」
混乱する戦局。

「ノーサンキュー!」
「許セ許セ許セ」
「HMS・ジュピター。 『さよなら』を打電し続けています」
沈みゆく大艦隊。

「異常事態は世界各国でも起きているようです」
突如現れる怪獣の群れ。
ロンドンが。
パリが。
ニューヨークが。
ベルリン、モスクワまでもが炎に包まれる!
そして我が日本にも。

「大きな卵だって?」
海岸に打上げられた巨大な卵。
「見ろ。木の根元から火が上がってるぞ」
頻発する山火事。
「どうも震源地が移動しているようなのです」
「うわああああ」
調査団を襲う怪ロボット。
霊峰、富士の裾野に突如現れる不気味なドーム。

「最後です、いよいよ最後です」
「幸セダッタネ。幸セダッタネ……」
「お父様の所に行くのですよ」
炎に包まれる帝都、大東京!

 目撃される未確認飛行物体。
 降るように落ちてくる流星群。

「盟邦ドイツから送られてきた、不死の命です」
「婆羅陀魏山神?」
「卵を返してください」
「一億五千万年前から七千万年前の三畳紀に生息していた恐竜で」
「Massive Unidentified Terrestrial Organism  ムート……」
「ギャオ、ギャオって鳴くから……」
恐るべき生物達。

「あなたは美しい女性に憧れないか?」
「我々は地球人女性との結婚の自由を要求します」
それは地球全人類への警告なのか。

「全ては計算通り……ん?」

 平和を祈る、乙女達の謳声。
 響く、小美人のハーモニー。

「奴等は送っちゃくれないからな」
「おあいにくさま。誰も死んじぇいねぇよ」
「おいグレン。なんか変じゃないか?」
「勝つのは、地球人でも奴等でもなく科学です」
団結する人類。
結成される地球防衛軍。

「これは素晴らしいものです」
「芹沢と申します」
「黒木特佐、命により出頭しました」
「錆び付いた鎧は脱ぎ捨てたよ」
「帝都防衛機動要塞はどうした!」
「ただ今、発進しました」
今、出撃する超兵器。

 「我々はただ今より、敵帝国撃滅の為に出撃します!」

「怪獣達が終結しつつあります」
「急げ、急げ!」
「怪物ゼロ。及び01、02を出撃させよ」
「古代金星文明を滅ぼした、最悪最凶の宇宙怪獣」
「このテープの指示によって、奴等は世界中を破壊する」
「こいつがお前と同じ性能だと思ったら大間違いだぞ」
激突する大怪獣達。


 「撃ち方始めぇ!」

ついに火を吹く「大和」の主砲。
「ミズーリ」が。
「KGV」が。
「テルピッツ」が。
「ヴィットリオ・ヴェネト」が。
「リシュリュー」が。
巨艦の群れが、人類の敵に向かって咆哮を上げる。

「こちらは加藤。黒江。若松。上坊。穴吹。行くぞ!」
「われ笹井。坂井。西沢。岩本。杉田。続け」
「ガーランドから各機。攻撃開始」
「ルーデル。ハルトマン。マルセイユ。了解」
「ハロー、ドックス・バディ。グレイ・キャップ。フィルム・スター。スクリューボール。準備よし」
「こちらバーダー。ジョンソン。クロステルマン。バーリング、突入せよ!」
「ヘイ、ボング。マッキャンベル。イェーガー。ついて来てるか?」
「OK!ボイントン中佐」
「嗚呼、ついてない、ついてない」
「黙れ!カタヤイネン」
「行くよ、アンナ。カーチャ。男共なんかに遅れをとるんじゃないよ!」
「ええ、リディア。奴等より先に蹴散らしてやりましょう!」 
「ダー!」

 「よう相棒。まだ生きてるか?」


 そしてー
「パンツァー・フォー!」
「アバンティ!」
「行け!行け! ガンガン行け!」
「全車前進。一滴たりとも紅茶をこぼしたりはしませんわ」
「ヴィハジーラ ナビェリェーグ 『カチューシャ 』  ナー ヴィソー キー ベリェク ナクルトーイ ♪」
「Ob's sturmt oder schneit, Ob die Sonne uns lacht ~ Es braust unser Panzer Im Sturmwind dahin. ♪ 」
砂塵を巻き上げ、突進する大戦車軍団。

海で。
空で。
陸で。

富士の裾野で繰り広げられる、地球の命運をかけた、いち大決戦!

「通常弾だけです!」
「見ろ。俺達の頭上に奴がいてくれるぞ」
「何故、我々が怪獣を援護せねばならんっ」

果たして人類に未来はあるのか。

「来年があれば……だがな」

地球に平和は戻るのか。

「我々は脱出する」

そして不気味に迫り来る「赤き妖星」

「まだ見ぬ未来に向かって......な」


 妄想10年。執筆10日。
総天然色。センサラウンド方式。
70ミリ、パノラマスコープでお送りする「怪獣大戦争 1941」シリーズ。

全『Arcadia』読者が、泣き(悔)笑った(鼻で)!

 執筆快調!
続編をしばし待たれよ! 待たれよ、しばし!!

「あの宇宙人が最後のひとりとは思えない。
 我々が愚かな行為を止めない限り、彼等は何度でも蘇る。
 彼等は、永遠に宇宙の放浪者なのだ。
 我々は決して彼等の轍を踏んではならない……」


 「あらあら。だってウチは、パン屋だもん」

 【いま予約すれば、もれなく、白くてニクいアンチクショー!の、ねりけしが貰えるよ!】

「うふふ」
微笑む白き妖精のアップ。


      「怪獣大戦争 1941」 la faim



   <><><><><><><><>

賢明なる読者の皆様はすでにお気づきのように。
本作は愛読する、横山 信義氏の名作「宇宙戦争 1941」に 【インスパイア】(お された作品です。
ですので、以下の文を謹んで掲げさせていただきます。

 「この『怪獣大戦争 1941』は、らいとすたっふルール2004にしたがって作成されています」

 ども。
無責任で泥沼作家の、一陣の風です。 
 嗚呼、泥沼だ……
最近『ダダイズム』にもハマっています(鹿馬)

 初めての方は「初めまして」
すでにお見知りおきの方は「またお会いできて光栄です」
本作は「ゴジラ 2014」公開記念として書かせていただきました。
本作はこれにて一巻の終わりです。

 続編?
そんなのあるわきゃない!
あんなに広げた大風呂敷。 とても畳めやしませんや。
おまけはオマケです(大鹿馬)

 だいいち。
なんでゴジラが(原水爆のない)1941年におるねん!?
いや実はマンハッタン計画は、この時点で完成していて。
いや実は宇宙人っていうのは「ジョン・タ〇ター」で。
いや実は時空の渦に巻き込まれた、ファイナル・なんちゃら・ダウンで……
 嗚呼。
泥沼だ泥沼だ。

 それに。
このお話しじゃあ、どうやったってオイラの大好きな「スー〇ーX」や「メー〇ー車」なんか出されへんやん!
「GOUTEN」だってオイラは金星に行くヤツが一番好きなんだゾっっ!!
 嗚呼。
泥沼だ泥沼だ泥沼だ(豚馬)

 そんな訳で。
こんなグダグダとした愚作に最後までお付き合いいただき、誠にありがとうございました。
読んでいただけた皆様が一度でも「にやり」とされたのなら、これに勝る「誉」はありません。
 そして。
「ゴジラ 2014」がヒットする(見るに価値ある)作品でありますように。
 さらに。
日本版「ゴジラ」の一日も早い復活を心から祈って。
そうさ私は日本(吊)特撮至上主義者!!(弩阿呆)


  それではいずれ、春永にー



 PS
ご縁が続いて、筆者の他愚作品にも御贔屓をいただければ幸いです。
一陣の風の……断末魔だ(土下座)



 「その他」への移行のごあいさつ。
8月19日。 いい気になりやがって「チラシの裏」から「その他」に移行しました。 やっぱり断末魔をお許しください。


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