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No.40058の一覧
[0] 異世界の新人 Part1[Ling -k-](2014/06/16 00:06)
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[40058] 異世界の新人 Part1
Name: Ling -k-◆b1e364ea ID:6145d653
Date: 2014/06/16 00:06
これはとある世界の平凡な一般平均以下の青年のお話。


「はい、次の方どうぞ」

「失礼します」

「席に着きなさい」

「はい」

俺は言われた通り席に座る。

「神無月 一(かんなづき はじめ)です」

俺はそう名乗る。

「資料はこちらで預かっている」

そう言うと面接官はそういい紙を取り出した。

「高卒、18歳、フリーター・・・」

面接官は堂々と公表できないような俺のスペックを淡々と口にする。

わかってはいたけど泣きそうだ。

そう、俺はつい先月、高校を卒業したものの。

大学にも行かず職があるわけでもなく、ただただフリーターとして生活してきた。

ちなみにコミュ障により女性を避けて来た俺は女性経験が一度もない。

趣味は妄想。

目を閉じて自分の理想像を思い描き、ストーリーを作ることだ。

もちろんその妄想の中での俺はイケメンで頭も良くて身体能力も高い。

・・・現実はその真逆だ。

最近はネットゲームにハマっている。ついに現実逃避にまで至ってしまった。

そして今回、なぜ俺はバイトの面接を受けているかと言うと理由は簡単だ。

ネトゲに課金するための資金が必要だからだ。

俺はまだ18歳、実家暮らしだから生活費は問題ない。

ただ、高校卒業して完全にニート状態になった俺に親からのお小遣いなど存在しなかった。

というわけで嫌々友達の紹介で・・・・

いや、嘘をつくのはやめよう。

俺に友達など居ない。

高校生の頃は少なからず居たが、卒業したらこの通り連絡などこない仲だ。

俺に友達と呼べる"知り合い"は居ない。


「あの、聞いてますか?」


俺は面接官のその言葉で我に返った。

「すみません、考え事をしていました」

面接官は呆れた表情でため息混じりにこう言った。

「きみ、やる気はあるのかね」

俺は答えられなかった。嘘でも「ある」と言うべきなんだが

俺は何故か口が開かなかった。

「はぁ・・・もういい、不採用。もう帰ってよし」

面接官はそう言ってあっちに行けという手の素振りを見せた。

「はい・・・」

椅子から立ち上がろうとしたその時、俺は足がもつれすっ転んだ。

クスクスと笑い声が聞こえる。

なんて惨めだ。




「ただいま」

俺は家につくと違和感に気づく。

「お母さん・・・?」

家の電気はついていなく、ベランダのカーテンから夕日の木漏れ日が漏れていた。

その風景は俺をどことなく寂しい気持ちにさせた。

どうやら家には誰もいないようだ。

「なんだ、帰ってないのか」

俺はそう呟いてみた。

「ん?」

机になにか置いてある。



親愛なる息子へ。
この時が来てしまいましたね。
あなたはこれから起きる事に驚くことでしょう。
ですが、それがあなたの運命です。
あなたを育てた18年間、とても幸せでした。
大変な事もたくさんあったけど、あなたの母親になれてよかった。
父がいない家庭でごめんね。頼りない母でごめんね。
あなたをお父さんと同じ道に旅立たさせるのは少し寂しいけど。
でもそれはとても誇らしいこと。
向こうに行っても私はいつまでもあなたの母です。
私はこっちであなたを見守っています。頑張ってね。
お父さんにもし会う機会があったら、よろしく伝えてね。
浮気しないようにちゃんと叱っておいてね?笑
はじめ、ありがとう。そしてごめんね。行ってらっしゃい。
                     
                    -ママより-

なんだよこれ・・・さっぱりだよ、母さん・・・。

なんで泣いてんだよ・・・。

母からの置き手紙はところどころ涙で滲んでいた。

俺はさっぱり状況がつかめないまましばらく放心状態になっていた。

すると突然後ろに気配を感じる。

「誰だ!!!」

俺はとっさに口を開き振り向いた。

そこにいたのは仮面をつけた紳士のような格好の男だった。

仮面の男は俺に向かって礼儀正しくお辞儀をし、口を開いた。

「この時をお待ちしておりました。はじめ様」

はじめ・・様・・?

俺は突然の出来事にあっけを取られただただそこに立ちすくんでいた。

仮面の男は頭を下げたまま手を差し出し、俺を見上げるように見る。

「さぁ、行きましょう。はじめ様」

俺はまるで操り人形になったかのよう無意識に手が伸びる。

相手の手を掴むと俺たちの周りが円を描くように光りだす。

まるでゲームやアニメで見る魔法陣のようだ。

俺の意識は朦朧として視界が徐々に暗くなってゆく。

意識を失う寸前、仮面の男は口を開いた。

「ようこそ。インティミニアへ。」


Now loding ...



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