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No.399の一覧
[0] 平穏な生活[LD](2006/02/28 18:20)
[1] Re:平穏な生活[LD](2006/02/01 22:37)
[2] あとがき[LD](2006/03/01 18:06)
[3] レス返し[LD](2006/02/28 18:20)
[4] Re[2]:平穏な生活[LD](2006/02/15 23:00)
[5] Re[3]:平穏な生活[LD](2006/02/26 10:21)
[6] Re[4]:平穏な生活[LD](2006/02/28 18:24)
[7] Re[5]:平穏な生活[LD](2006/03/01 18:02)
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[399] 平穏な生活
Name: LD 次を表示する
Date: 2006/02/28 18:20
その日は、前日とかわらず快晴だった。
クリスマスまであと何日という冬のある日。
普段どおりに大学へ行くべく、人のまばらな道を歩いていた。

「は~。マジで鬱すぎ。
 このまんまどっか行きてー」

大学がつまらなくなってきていた俺は、そんなことをほざきながらうつむき加減で道を歩いていた。
ここまではよくある話だが、ここからが変わっていた。

『…の誓約に――て我が…―よ。――』

なにか声が聞こえてきた。
ずいぶん怪しげな文句だったので気になり、周囲を見てみるが、誰もいない。
幻聴だろうか?

『――のもと、―…―が命じる。…』

いや、しっかりと聞こえる。
しかも肉声じゃない!?
おお、これは典型的な異世界トリップの予兆!
ついに俺にもチャンス到来か。
さあこい、俺を呼べ!!
可及的速やかに!

『いでよ――って、ああ?! やべぇ!!』

え”
いやちょっとまてなにそのきになるせりふ。
やり直しを要求すると叫ぶまもなく、視界が光に包まれて、俺の身体から感覚が消えていった。
でだ。
誰か俺に状況を説明しろ?
思わずそうつぶやいてしまうほど、不親切な現状だった。
異世界トリップさせられるのはいい。
いつも望んでいたから、むしろ大歓迎である。
周囲が森で人里はなれた雰囲気なのも、まあ許せる。
トリップものでも、何割かは荒野に召喚される話がある。
幸いかばんの中に弁当とおやつが入っているから、町に出るぐらいは出来るだろう。
が、しかし。
目の前で人が死んでるってのはどうよ。
すんげー後味わるいんですが。
感覚がもどって視界が開けたら、目の前に人が倒れてるんですよ。
めっちゃビビリます。
とりあえず、応急処置の講習を思い出しながら、安定した姿勢にさせようと、うつ伏せになってる身体をひっくり返してみました。
が、大丈夫ですかと声をかけようとして顔を見た瞬間、ダメだと悟りました。
だって血を吐いて白目むいてるんですもん。
瞳孔がどうのって次元を超越してますよ。
義務感から呼吸確認と心拍確認してみましたが、やはり皆無。
そのとき分かりましたが、血が全然乾いてません。
状況的にみて、なにが原因かがはっきりしすぎていて嫌ですな。
確認のために言えば、俺の召喚。
召喚と死体の発生時刻と場所がこれほど重なっていれば、否定できないでしょ。
いや、穿って考えれば、全く別の場所にいる術者が事故って召喚場所を間違えて、この人も偶然この場所で偶然死んだだけとか考えられるけどさ。
ちょっと可能性が低すぎるでしょう、それは。
むやみに推測を固めるのもまずいだろうけど、この場合は斬って捨てるべき希望的観測だと思うな。
確かに俺は異世界召喚を望んでたけどさ。
その代償でだれかの死亡ってのは、かなり後味悪いよ。

ちょっとパニックになってから、やるべきことを思い出しました。
まず俺は殺ってないと両手を挙げてアピールしながら、周囲に誰何の声をあげてみた。
だれかが見ていて、後々冤罪になっても嫌だし。
それに、現地の人がいれば、状況確認が手っ取り早くできる。
しかし、数分ほど声を張り上げても誰も反応しなかった。
これは周囲に誰もいないか、隠れていて出て来る気がない、てことか。
あいにくと巷の夢主のように、超武術の心得があって気配が読める、とかいう特殊スキルはない。
常々身に着けたいとは思っていたんだが、なかなか勉学との両立が難しくて…。
…いやいや、暗くなる話題はやめ。
もう関係ないし。
でだ。
本当に周囲に誰もいないのかは俺には分からないし、相手に真面目に隠れる気があれば探しても見つからないだろう。
なら、周囲には誰もいないものとして振舞うほうが、いろいろと便利だ。
それが後で不利に働いても、どうしようもないことだし。
いまは今の安全を確保することが最優先です。

次に、状況確認。
死体は怖いので後回し。
まわりを見回してみると、いくつか手がかりになりそうなものがあった。
まず足元。
なにやら魔方陣らしきものがある。
これは、俺を召喚した儀式のためのものと考えていいだろう。
踏み固められ、草一つ生えていない土の地面の上に、なにかの塗料で書いてある。
色からして、赤い血でかかれたものではないと思う。
いや、異世界人特有の漆黒の血とかいう可能性も捨てきれないからなんとも言えないけど。
とにかく、変に触って魔術的な回路を変えるとこわいから、なるべく触らないように陣の外に出た。
外側からじっくりと眺めてみたものの、残念ながら見覚えのあるものではなかった。
少なくとも、錬成陣とは特長が違っていたため、ここがハガレンの世界ではなさそうだということは分かった。
正直にいって残念だった。
良くも悪くも進歩した現代科学を知っているトリッパーにとっては、ハガレンの錬金術は比較的身につけやすい特殊技術だからだ。
すくなくとも、ドラゴンボールの「気」よりはよほど簡単だろう。
おまけにイシュバールでの戦乱の混乱から復興しきってないから、身一つで世界を渡ってきたトリッパーの身分詐称がやりやすい。
数あるマンガの中で、かなりトリップ向きの世界だった思う。
そんなことをつらつら考えながら、次の目標に目を移す。
布のシートにくるまれたかたまりだ。
四隅をそこらにあるような石で固定されたそれは、先ほどの死体の荷物のようだった。
布を持ち上げると、肩にかける小型の鞄、背負う形の中型の鞄、中ぶりのナイフ、開かれたままのノート、それからインクと羽ペンがあった。
どうやら儀式の邪魔になるものをまとめておいたらしい。
とりあえず、ノートを取り上げてみた。
ノートといっても、大きさはB5ほどもあるし、表紙はハードカバーだ。
しかし、いっしょにおいてある筆記用具と、四分の三が空白の見開きページを見れば、ノートやメモ帳の類だと考えられる。
ノートをざっと見て、分かったことが二つ。
一つは、ここの文字体系がみたことのないものだということ。
これで、ドラゴンボールのような英語圏の世界、ハンターハンターのような創作文字の世界、という可能性がなくなった。
もう一つは、なぜかその見覚えのない字が読めるということ。
ちょっとびっくりですよ。
朝起きたら、いきなりロシア語が読めるようになってたに等しいんですから。
でも、正直言ってあんまり喜べません。
統計的に、召喚されるときに記憶に刷り込みかけられるって、あんまりいいことないんですよね。
リアルバウトハイスクールとかだと、もともとの記憶の一部が欠損するし。
それに召喚先の世界が危険な可能性も高いんだよね。
最近シミュレーションRPGからアクションRPGに方針転換した最新作が発売された某ゲームとか。
あれなんて危険の代表格だよね。
ファンシーな絵柄と文字情報に終始してることに騙されるけど。
虐殺、スプラッタがちりばめられてるし。
閑話休題。
どうやらノートの中身は召喚に関する覚書らしい。
呼び寄せる系統の詠唱について、試行錯誤した感じだ。
数ページほどめくってみると、最近はそうした研究を中心にしていたようだった。
研究ノートではあまり一般的な情報はないと考え、目標を小さな鞄に変える。
あけてみると、中にはいくつかの結晶が入っていた。
一つ取り出してみると、無色で透き通っていた。
石英だろうか。
次に手に取ったのは、黒ずんだ色をしていた。
黒い色の結晶…なにかあったっけ?
次々と取り出してみると、どうやら主に無色と黒色が入っているらしい。
やがて底が見える頃になって、別の色が発見された。
赤と緑と紫。
…ルビーとエメラルドとアメジストかな、とかボケてもいいかな?
嫌な確信を抱きつつ、並べてみる。
赤、黒、緑、紫、そして無色。
ノートを取り出し、さきほどよりさらにさかのぼってみる。
ロレイラル、ビビアロイド、ディアブロ、などの単語が散見できた…。


やっぱりサモンナイトかよorz


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