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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ61
Name: Shinji◆b97696fd ID:1391bf9d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/11/07 21:35
これはひどいオルタネイティヴ61




2001年12月20日 午前


――――純夏に告白しようと思ったら、逆に告白されていた。(例のテンプレ略)


"あの時"は冷静に考える様な余裕が無かった以前に、思考停止してしまったので記憶も曖昧。

只ひとつ覚えているのは、純夏が余りにも愛おしくて自制が効かなくなり抱き付いてキスした事ダケだ。

それも意識していた唯一の女性と言う事で、今迄の女性達と違って萌えによるヒートアップが半端なかった。

だけど"その際"の純夏の台詞を覚えてない俺……今 改めて考えて見ると締まらなかたってレベルじゃねーぞ。

対して純夏も凄まじく恥ずかしかったみたいだが、彼女は正確には人間では無い為 記憶障害とは無縁だ。

00ユニットが"白銀の他の娘とのアッー!なループでの経験"を読む事で起こる症状は例外なのは さて置き。

純夏の告白を受け入れた後は冷静には成れた為、無駄に知識ダケは有ったので無難にエスコート出来たが……

余りに詳し過ぎても純夏に誤解されそうなので、其の辺は当然 気を付けて抱きましたとも。ウェヒヒヒ。


≪コッコッコッコッ……≫


「……ッ……」

「純夏~。早く機嫌直せって」

「ふんだ! 知らないもんッ!」

「悪かったって言ってるだろ~? だから何を言ってたのか、もう一回 教えてくれるダケで良いんだよ」

「"あんな事"2度も言いたくない!」

「其処を何とか」


さて惚気はコレ位で止めて置くとして、無事(?)朝チュンを迎えた俺と純夏だったのだが。

昨日 覚えていなかった"告白"での内容を真っ先に聞いた所、何故か滅茶苦茶 機嫌を悪くされました。

幸い一発 腹パンを食らったダケで済んだとは言え、最初はフラグ的な意味でヤバかったのかと動揺した。

だが純夏の膨れっ面の表情からは明らかに"激怒"ではなく、恥ずかしさが大半を占めると読み取れた。

よって渾身の告白を相手が覚えてなかった事が癪だったのかと、悪くは思うが其処まで気しない様にして……

今は恋人とも言える純夏の反応が、只単に面白くて可愛いのでプリプリと横を歩く彼女に再度 言うのだが。

そろそろPXが近くなる今頃になって、純夏は俺の正面で此方を向きつつ後ろ歩きして不機嫌そうにも言う。


「なら簡単にしか言わないッ。私ばっか構っちゃダメって事だよ!」

「はぁ?」

「後は自分で考えてね? ホラホラッ。部隊の皆が待ってるよ!?」

「お、おいィッ? 押すなって!」


≪――――ぐぃぐぃっ≫


あまり自分を構い過ぎるな……だと? 純夏は告白の時にワザワザ"そんな事"を言ったのか~?

要約されていると言う事なので、俺ばっかり頼りにしないで頑張る……とでも解釈すれば良いのだろうか?

そう認識しつつ考えて見れば、其処まで純夏に付きっ切りだったのかなァ? 思わず足を止めて考える。

しかし何時の間にか俺の後ろに回り込んでいた純夏が、グイグイと背中を押して来やがりました。

遠くに唯依達 突撃機動部隊の姿が確認できてるって言うのに……俺かッ? 足を止めた俺が悪かったのか?

本来なら腕をキめてやる所だが、純夏に対する罪悪感の為か此処は素直に前進するしか無かった。

すると案の定 唯依達が少佐+新任少尉の様子を妙に思う素振りを見せているが、既に後の祭と言えよう。


「それじゃ~タケルちゃんは、早く神宮司先生達の所に行くッ」

「えっ? お前は どうすんだよ?」

「私は伊隅さん達と朝ゴハン食べて来るよ。まだ色々と改善点が有ったから言う事 沢山有るし」

「だ、だったら しゃ~ないが……(既に俺の立場が無いんですけど)」

「分かってくれた? 私 頑張るからタケルちゃんも、ちゃんと仲間を引っ張ってアゲなちゃ駄目だからね?」

「!? まさか純夏から"そんな言葉"が聞けるとはなァ」

「それって どう言う事だよ~?」

「褒めてるんだよ。目覚めて間も無いのに立派なモンだ」

「ち、調子狂うなぁ……とにかく、また後で会おうね?」

「おぅ。無理はするなよ?」


……驚きだ……原作では白銀にベッタリな純夏が、この段階で他の人間の為に自分から勤めてくれるとはね。

そんな笑顔で手を振りつつ俺の元を去り、ヴァルキリーズの集団へと走ってゆく純夏。

やがて聞こえてくる元気な挨拶……強ち"構い過ぎるな"って俺の解釈は間違ってなかったのかもね。

こりゃ~A-01は純夏に任せて置けば当日までに滞り無いシミュレーターの戦果を残してくれそうだ。

一方 俺と純夏との関係の誤解(実際には正解)は突撃機動部隊の面々に既に誤魔化し不回避に陥っているが。

此処は潔く腹を括ろうと考えつつ表情を(真面目に)改めて唯依達に近付き、朝の挨拶を交わすのだった。




……




…………




……十数分後。今現在は速瀬に背中をバシバシとされている純夏を遠目に、PXにて絶賛朝食中である。

メンバーとしては俺を含めて何時もの9人の衛士+ウォーケン姉妹の11名に加えてイリーナちゃんが居る。

けど霞は居らず……睡眠を挟んで未だ ゆーこさんの手伝いをしてるらしく、ブリザ少尉が残念がっていた。

対してイリーナちゃんも同じような理由で忙しかった様だが、今回はテレサ中尉が朝食に誘ったらしい。


『……ッ……』

「(うぅ~む)」


それにしても……何ですか? ……この空気……冗談じゃねぇ……やっぱり俺と純夏の関係が気になるのか?

朝の挨拶の際にキリッと表情を替えた為、必然的に"言えない空気"と成り余計な心配だったかと安心したが……

いざ飯を食い始めると……皆が揃って口数少なくチラチラと此方を窺っているでは、あ~りませんかッ。

普段ならテレサ・フレア・伊隅(妹)辺りが無意識に、なんだろうが会話を弾ませてくれてたんだけど……

比較的 冷静っぽいセレナ・フレア・イルマを除きイリーナちゃん迄もが凄く何か言いたそうにしているのだ。


「……伊隅」

「は、はぃいっ!?」

「何か俺に言いたい事でも有るのかい?」

「!? それは~ッ」

「なら七瀬は?」

「え……ぇえとッ……」

「別に遠慮は要らないんだけど」

『…………』

「では私からっ!」

「どうぞ。テレサ中尉」

「あのですねッ? そのぉ~、鑑少尉が白銀少佐の"幼馴染"と言う噂は……本当なのでしょうか?」

「俺とアイツが……ですか? 何処でソレを?」

「専ら噂になっておりまして。ですから先程のマウァ……いえ鑑少尉との遣り取りで確信を……」


――――遠慮がちそうに告げるテレサ中尉の言葉に、隣のイリーナちゃんも おずおずと続いた。


「成る程。まァA-01に彼女が"そう紹介した"事で、直ぐ様 広まっちゃったんでしょうねェ」

「……と言う事は……や、やはり……武さんの……?」

「うん。アイツは俺の幼馴染で、まァ腐れ縁ってヤツですな」

「それが……何故 今に成って軍にッ?」

「俺はノウハウを実戦で学びましたが、アイツは"ある兵器"をモノにする為ずっと英才教育の日々でしたから、
 今のイママデ任官が延期されてたんですよ。神宮司中尉。BETAにヤられた傷が深かったのも有るかな?」

「は、はぁ……」

「本来 軍に入ったからには私情を挟むのはアレだったんで黙ってたんですけど、言っちまったみたいですね。
 そんなワケで改めて宜しくしてやって下さい。七瀬と伊隅は年も近いだろうから……友達にでも成ってくれ」

「断る理由は有りません」

「はいッ。何だかBETAに散々なメに遭わされたみたいですけど、一緒に頑張りたいですね!!」

「(まさか00ユニットで有る彼女に、そんな境遇が有ったなんて……運命とは残酷なのね……)」


――――伊隅(妹)の言葉に皆が頷くが唯一 純夏の正体を知るイリーナちゃんは、少し複雑そうな表情だ。


「戦術機やBETAの事にも滅茶苦茶 詳しいから、機会が有ったら聞くと良いですよ? セレナ中尉」

「フフフッ。それは興味深い限りです」

「そ、それにしてもォ」

「あァ。鑑少尉って凄いんだな……大将に其処まで信頼されてるなんてね」

「う……羨ましいな~」(小声)

「ともかく。白銀少佐の幼馴染と言う事で同等……若しくは それに近い実力を持っていると言うのなら……
 人類の切り札……失礼ながら初めは半信半疑でしたが信憑性が沸きました。非常に頼もしい存在の様ですね」

「う~ん……そうなんですけどイルマ少尉。煽てると調子に乗るんで程々に~ッ」

「("あの女性"をマウアーと言う人だと思っていた私……だからこそ白銀さんには……もう失って欲しくない)」

「(アイツ呼ばわりしながらも、無条件で信頼する様な間柄か……私も……早く武さんと出会えていたら……)」


――――結局"こんな感じ"で純夏を改めて紹介した俺だが、恋人と言えなかった女々しさを許して頂きたい。




……




…………




……気を取り直して更に十数分後。

何気に久し振りに冒頭から参加する(最終)訓練を行う為に、一人寂しく着替えて更衣室を出てくると。

シミュレーターの端末の前にはセレナ中尉が居て何やら操作を行っており、安産型の後姿が眼に入る。

また彼女と同様 着替える必要の無いテレサ中尉が、少し離れた場所に有る長椅子に腰掛けていた。


「あッ、武くん! 早かったね~」

「ど~やら一番 乗りみたいスね」

「男の子だしねェ」

「そう言う事です」

「とりあえず、面倒臭い事は姉さんに任せて此処に座って」

「かしこまり~。ところでテレサ中尉は手伝わないんで?」

「私はコレから予定が有りますからね」

「予定……?」

「22日の突撃機動部隊の管制は姉さんが遣りますけど"快速反応部隊"の方は私が担当する事に成ったんで、
 もう少し経ったら月詠中尉と打ち合わせを するんです。だから私は手を貸さなくて良いからって姉さんが」

「成る程~ッ」

「ところで。御暇そうですし姉さんのスカートでも捲りましょうか~? 面白い反応が見れると思いますよ?」

「あ、後が怖いので遠慮して置きます」

「だよねぇ~」

「残念ながら」


――――何言ってんのテレサさん!? 是非とも御願します……と言いたい所だが、冗談を真に受ける訳にも。


「だったら……暇ついでに私の独り言でも聞いて貰っても良いかなァ?」

「御安い御用ですよ」

「私こんな性格だから、結構ハッキリとした事 言うかもしれないけど?」

「独り言を咎める気は無いですよ」

「では遠慮無く。ゴホンッ」

「(今の俺はObjectさ……)」

「……以前の……2ヶ月くらい前の私って……もう何と言うか、全部 諦めてたんですよねぇ……」

「…………」

「此処まで人類が追い詰められた時点で、もはや勝ち目は無い。地球がBETAに支配されるのは時間の問題。
 香月副司令は私達に伏せて何やら大事な計画を立てていた様だけど、知りたい気は勿論 聞く気も無かった。
 失敗に転んでオルタネイティヴ5に移行しても、私の家族は拒まない限りは宇宙に旅立つ事が出来るから」

「…………」

「だから失礼ながら必死で戦ってる衛士の人達は……何 無駄な努力をしてるんだろって馬鹿にしてましたよ。
 特にXFJ計画やクーデターでBETAを無視して戦術機同士で戦って何の意味が有るのかって呆れました。
 どんどん状況は悪い方向に進んで行ってるのに、足を引っ張り続ける人類。地球を奪われて当然ですよね」

「…………」

「だけど兄さんと姉さんは反攻に協力的だったし、私も只食いする気は無いから仕事は無難にしてたけど……
 そんな釈然としない消化試合の中で出会ったのが"白銀 武"と言う若い衛士。あの時の驚愕は、忘れない」

「(驚愕?)」

「地球上にハイヴは26存在し、うち一つのハイヴは奪還したモノの犠牲は大きく人類に大きな蟠りを残した。
 つまり根本的な解決には成っておらず、ヴォールク・データの戦果は相変わらず平行線で成長していない。
 だから相変わらず私の考えは変わっていなかった。正直 横浜基地に移る様に言われた時は面倒でしたよ」

「…………」

「脱線しちゃいましたね。ともかく全然 遣る気が無かった私は目を疑いましたよ。正直濡れちゃいました」

「!?!?」(19話 参照)

「姉さんに"その事"聞いた時は半信半疑でしたけど……単機で反応炉まで辿り着ける事が出来るなんて……
 今迄の価値観が粉々に砕け散った瞬間でしたね。現金な話ですけど、今の私が在るのは全て彼の御蔭です」

「…………」

「何せ彼は期待を全く裏切らずに、次々と今の常識を覆してくれましたから。普通 武御雷3機に勝てますか?

 不知火単機で。有り得ないですよね? くだらないと思ってた戦術機同士の戦いも……アソコまで極端なら、

 素直に賞賛せざるを得ません。同時に反抗の糸口も見えた所か、ハッキリと広がってゆくのを感じました」

「…………」


――――恐らく彼女は頭が良過ぎるから諦めも早かった。ゆーこさん みたいな超天才なら別だったっぽいが。


「だから今は最期まで抗おうと決めた。最後まで地球に残って、彼が何処まで辿り着けるか見てみたいから。
 生憎 見守る事しか出来ないけど……彼なら大丈夫だろうと信じてます……ッと以上で独り言は終了です!」

「ふぅ~む」

「怒っちゃったかな? やっぱり」

「いえいえ。独り言なら仕方無いですよ」

「……あぅッ……(この笑顔が反則……)」

「それにしても何で唐突に?」

「今迄の私ってサイテーだったけど、良い機会だし武くんには私の本心を知って貰いたかったからかなー?」

「さ、さいですか」

「あッ。そんな事を言ってるウチに皆が来たみたいだよ?」

「えっ?」

「(ままよ~ッ!!)」


――――右隣の彼女の言葉に釣られる様にして視線を左に向けるが、それと同時に右頬に何かが触れた。


「ちょっ! テレサ中尉!? 誰も来てないって言うか今のって……!」

「それでは私ッ。そろそろ待ち合わせの時間なので失礼しますね~!」

「テレサッ!? あぁああ貴女 武さんに何て事をッ!」

「セレナ中尉!?(何時の間にッ)」

「こんなのはタイミング次第だよ? 姉さん。じゃあ頑張ってね!? 武くん!」

「お、おうよッ」


≪たたたたたたっ≫


「すみません……妹が失礼な事を」

「別に気にしてませんよ~?」

「で、では隣……宜しいですか?」

「お構いなく」

「……ッ……」

「(近い!?)」


……最初から全部 諦めて生きていた……か。

例えば ゆーこさんなら限り無く絶望的とは言え、自分の計画が失敗すれば人類が滅ぶと分かってる。

一方テレサ中尉の様に"既に人類は抗う術が無い"と割り切って生きている人は どれだけ居るのだろうか?

少し考えて見れば分かる事なのかもしれないが、そう思ってもない者は帝国と米国には非常に多そうだ。

例えば大きな地震が起ころうとも……まさか火山や津波に、自分が飲み込まれて死ぬとは思わないが如く。

また"滅びるのは分かってるけど戦ってor殺されて死ぬ"と言う覚悟を既に してる人もザラに多そうだよな。

唯依・まりもちゃんも初め、俺が知る殆どの衛士が"そんな人間"に含まれてるだろうし……何それ怖いッ。

しかしながらだ。今はオルタネイティヴ4の悲願を成した ゆーこさんと、鑑 純夏と言う切り札が居る。

そして色々と常識を破壊してしまった俺もオマケで付いてるし、明らかに2ヶ月で株価が変わっちまった。

よってテレサ中尉の染み付いていた価値観を拭えたので有り……今のキス☆は、御褒美だったと捉えよう。

だが一昨日の唯依と言い……教えてくれ純夏……俺は本編終了まで後何度 彼女達の魅力に耐える必要が有る?

少なくとも俺が衛士で在る以上避けては通れそうも無い為、其の辺のオルタの常識は受け入れるべきなのか。

ぶっちゃけ既に面倒だからイチイチ考えてないけど、未だに皆のエロスーツ姿は見るに耐えないエロい意味で。

……さて置き……今度は何時の間にか作業が終わったっぽいセレナ中尉が、俺の右隣に着席したのだが。

俺は何も無い正面を凝視しているが、僅かな息遣いがハッキリ聴こえる程 彼女の距離が迫ってるのが分かる。

一体何を始めるんです? ……とは言え俺が特に動かないのは、考えずとも何を されるか理解してるからだ。


「…………」←ノーパン+勝負下着(上だけ)

「(ゴクリ)」

「白銀少佐ッ! お待たせしました!!」

「!?!?」

「……伊隅と七瀬……か。そろそろ来る頃だと思ってたぞ?」

「流石に御早いですね……未だに強化装備には馴染めていなくって……」

「はははッ。俺も最初は似たようなモンだったから気にする事は無いさ」

「そ、そうなのですか?」

「当たり前。何なんだよコレ~ッて何度も頭の中で思ったね」


残念ながらフラグ追加ならず。しかし純夏に対する負い目を考えると、有難う&馬鹿ヤロウ神様。

まァ仕方無いので立ち上がり対応すると、恥ずかしそうにモジモジする七瀬の後ろにも他の衛士の姿が見える。

詳しく(胸以外を)観察すると、唯一ブリザが自分の体の一部を(無意識っぽいが)恥ずかしそうに隠していた。

う~む……此処で人間観察をしてれば当分は飽きそうも無いが、また速瀬に絡まれたりしたら嫌だし無理か。


「そ、それでは白銀"少佐"?」

「えぇ。始めるとしますか~」

「中隊整列!!」


――――俺がセレナ中尉と視線と言葉を交わすと、唯依の声で彼女たちは直ぐ様4人×2列に並んだ。


「あ~ッ。皆も周知の通り明後日には佐渡島に赴いてBETAと一戦 交える事に成った。出発は明日の夜」

『…………』

「よって今日中には荒削りな所は全て直して置きたい。午前中は主にハイヴ攻略を中心に攻めるから宜しく。
 だけど開幕は平地戦だから相場が違う事は忘れ無い事……AL弾で光線級は殆ど居なくなるは思うけどね」

『…………』

「此処で注意点を。今回はA-01と快速反応部隊との共同作戦になり、ハイヴに侵入するのは1中隊だ。
 でも対抗意識は絶対に持たない様に。あくまで共に協力する仲間だと言う事を念頭に任務に当たってくれ」

『…………』

「な、何か質問は有るかな?」

『…………』


ちなみに前列には左から唯依・まりもちゃん・七瀬・伊隅(妹)の日本人4名。

後列には左からイルマ・ライト・フレア・ブリザが前列の4名の隙間から見える様に立ってるんだけども。

何時もなら俺の どんな言葉にも威勢良く応えてくれてた面々が、揃って表情を硬くして黙っている。

コレは正直 予想外で有り、こう言う時は誰を肖れば……って流石に佐渡島を前にフザけられませんよ!?


「特に無い様ですね。白銀少佐」

「そ、そうなのかい?」

『…………』

「尚シミュレーター開始の準備は全筐体 整っております」

「なら各員 中に入るんだッ! 報酬分くらいは働け!!」

『了解!!』


意味が分からないが此処で引いてしまってはダメな気がするので、せめてもの肖りの台詞を叫ぶと。

ようやくシラフ(?)に戻ったらしく唯依達は表情を改めると、敬礼の動作の後に筐体の中に入ってゆく。

その妙な様子に当然 違和感を得たので黙って彼女達の背中を眺めていたら、横からセレナ中尉の声がした。


「どうされたんですか? 皆さん行かれましたが」

「えぇ……何だか緊張してるな~って思いまして」

「本気で そう仰ってるんですか?」

「も、勿論。流石に明後日ってのは早過ぎますかね?」

「そんな事は有りません。武さんが いらっしゃる今。彼女達は多少の緊張はせど恐れ等は無いでしょう」

「だとしても妙に……」

「クスッ。其処まで心配なら、自分の顔を鏡で確認されると良いですよ?」

「!?!?」


――――其の言葉に慌ててトイレまで走って鏡を凝視すると、俺の頬には先程のキス☆の跡が残っていた。


「それでは早速ヴォールク・データを開始しよう」

『今回も"気合"で突っ切るんですねッ? 白銀少佐!!』

『ほ、本番でも……旨く出来るかなぁ……?』

「いや。アレは君達ライトやブリザの遣る気を煽る為に言った事だから冗談だよ」

『ガクッ! そ、そんな~っ』

『……ぁうッ……』

「はははっ。悪い悪い。でも特に2人は見違える程 動きは良くなってただろ?」

『代わりにボク達が慌てて撃破される事が多かったですけどね~』

『ライト少尉とブリザ少尉には恐縮ですが……少し安心しました』

「まァハイヴ内は直径100mから200mの広さだ。どんな状況に成ろうとも幾らでも対処方法は有る」

『だから間違っても自決はしない……(以前 白銀さんを錯乱させてしまった様に……)』

「そう言う事です。じゃあ先ずは軽く流そう! 何か良い方法や試したい事が有ったら遠慮なく言う様に!」

『――――了解!!』


≪人が持つ唯一絶対の力……それは自らの意思で、進むべき道を選択する事だ≫


『(武さんは既に殆どの概念や攻略を確立させながらも……更に上を目指しているのね)』←以下 日本人4名

『(そうよ。白銀さんにとって佐渡島の攻略は新たな検証に過ぎない。でも私達は只 戦うダケでは駄目)』

『(白銀少佐は私の様な新米の意見でも、真意に受け止めてくれる……本当に器の広い方……まるで……)』

『(ボクが今回の作戦の中心部隊に居るなんて未だ夢でも見てるみたいだよ……とにかく遣るしか無いね!)』


≪だから皆は常に仲間にとって最良の未来を思い、自由に選択していけ≫


『(私が遣ってしまった事は許されるモノでは無いけど……次の戦いの命で償うと言っても彼に怒られそう)』

『(自分が考え付いたアイデアが戦術機の歴史を可能性が有る。難しいと思うけど、白銀さんの為にもッ!)』

『(苦労して米軍に入ったのは良かったけど、堅苦しいったら無かった。大将と出会えてホント良かったよ)』

『(最初は祖国の為に死ねれば……良いと思ってた……でも今は少しでも長くタケルさん達と一緒に居たい)』

「ヴォールク・データ開始。反応炉を完全に破壊する! 出来るな!? 出来なければ……只 死ぬダケだ!!」


――――まァセレナ中尉の言葉を信じ余計な心配を止めた俺の采配は、無難なモノだったと言って置こう。




……




…………




2001年12月20日 午後


「純夏~、帰ったぞ~?」

「お帰りなさい、タケルちゃん!」


午後の平地戦 中心による訓練をも終えた俺は、唯依達と別れると足早に住み慣れた自室に戻って来た。

仕上げは上々で、それなりに広くて光線級が皆無なヴォールク・データの攻略は ほぼ完璧とも言って良い。

逆に平地戦は不安要素は まだ残っていたりする。光線級の存在が有る限り完璧と言う事は不可能なのだ。

俺は何度も爆死させられた経験が有るから、何故か体が勝手に避けると言うチートが有るが基本は飛べない。

だけど原作の様に"想定の範囲外"の事が起こる場合に危険は限られ、其の場合の采配は白銀大佐に頼れば良い。

彼はハイヴ攻略の経験は殆ど無いが、防衛戦を中心とした市街戦や平地戦は誰よりも多く経験しているのだ。

幸い俺は少佐だし最終的な判断は委ねて貰えてるしで、最悪 純夏に泣きつけば俺達を導いてくれるだろう。

よって明日の午前はフリーと言う事にして有るので……俺は他の部隊の様子を見に行き、午後は機体の調整だ。

さて置き。俺が既に居た純夏に声を掛けると、どうやら またパソコンを見ていた様で笑顔で此方を振り向く。


「お互い御疲れさん。どうだった? 伊隅大尉達は」

「う~んと、ヴォールク・データは早めに切り上げて平地戦が中心だったね。バズーカの運用を確認する感じ」

「ありゃ? だったら対抗 意識を持っちまってたって具合か?」

「雰囲気的にはね。でも実際はタケルちゃんの部隊の負担を減らしたいって想いの方が強かったと思うよ?」

「ほほぉ」

「あっ! コレは別に読んだワケじゃ無いからね?」

「分かってるさ(……リボンの恩恵も有るしなァ)」

「まァ伊隅さん達は"ああ言う戦況"の方が慣れてたみたいだし、特に問題は無かったね」

「そっか。純夏が"そう捉えた"んなら大丈夫そうだ」

「でも何かとタケルちゃん(実際は達)の事を気にし無ければ、私も"こんな気分"に成らなかったのにな~ッ」

「???? こんな気分とな?」

「えぇいっ!」

「うおッ!?」


≪――――ぼすっ≫


最終訓練に立ち会った際の報告をしてくれていると思ったら、急に"その場"でモジモジとし出した純夏。

対して意味が分からず首を傾げていると、唐突に体当たりされてベッドに押し倒されてしまった。

コレって逆の方が絵に成ると思うんだが……性的な意味に限る……と無意味な事を考える空気を読まない俺。


「タケルちゃん?」

「うん?」

「こ、今夜も欲しいんだけど……良いかなァ?」

「!? エロエロな奴め」

「うぅう~ッ……だってタケルちゃんの事 大好きなんだもん……」

「冗談だって。むしろ望むトコロだ」

「だ、だったらエッチなのは御互い様だね?」

「カラダは十代だからなァ。それ以前に"この状況"で拒めるかっての」

「でも明日の事も有るし、程々にしないとダメだからねッ?」

「どの口で言ってんだっつ~の!!」


――――そんな訳でつい犯っちゃったんだ☆ 尚1ラウンド目が終了した後、訓練の詳細は改めて聞きました。


「……白銀少佐……今日も来てくれなかったか……」

「巽ッ。貴女 此処毎晩ずっと同じ事 言ってない?」

「ハァ。何だか佐渡島での作戦が思いやられますわ」








●戯言●
オルタ10年後の未来で斯衛の新米衛士になって月詠さんにセレン・ヘイズ並みに罵られるゲームをやりたい。
マブラヴやってるとセレン・ヘイズは純夏の髪型(リボン無)で灰色の髪をしているのだと脳内変換されます。
快速反応部隊のコールサインは無難に名称に準じて決めるか、AC関連 最後のチャンスな為 悩んでる段階。
ACはネタになる台詞が多すぎて構成に困ります。好きな台詞:こちらシューティングスター。あとは任せろ!


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