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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30
Name: Shinji◆b97696fd ID:1391bf9d 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/11/03 14:34
これはひどいオルタネイティヴ60




2001年12月19日 午前


――――俺の気持ちは纏まったと言わせて貰おうッ! この気持ち……まさしく愛だ!!


「一晩で作戦とか纏められたのかなぁ? 香月先生」

「ソレを聞く為に今、こうやって向かってるワケだろ?」

「そうだね」

「まァ……あの人が考えた内容なら何の問題も無いって」


昨日の朝と同じ様に純夏と並んで通路を歩き、地下19階の執務室を目指す中 考える。

終日シリアス路線で往くと決めながら、結局 頻繁にPoemや肖りを挟んでしまったが……

夜に御褒美(キス☆)を謙虚(遠回し)な"つもり"で催促して来た時の純夏の様子を見た瞬間。

あれっ? コレって押し倒しても全く問題無いんじゃね? ……と思ってしまったワケで有ります。

だってホラ……上目遣いで見つめる瞳と、非炭素擬似生命体ながら湯気すら感じた染まった頬。

何かしら期待しているのだと察せないハズは無く、後は俺の押し次第だった~って事だ。

だがクリスマス・プレゼント……"サンタウサギ"の事が どうも引っ掛かって一歩を踏み出せなかった。

既に純夏はOKとは言え(今更だが)原作に沿ったイベントを起こしてからの方が、彼女は喜ぶだろう。

それに ゆーこさんに"告げてしまった"情報の件も有るし、作戦内容を聞いてからの方が良いってね。

……しかしだ……純夏の白銀に対する想いは理解 出来ているとは言え、何か引っ掛かるモノを感じる。

脳味噌に成る過程で大変なメに遭わされた事や、自分が人間では無い事での劣等感・及び嫉妬では無く……


「……信用……してるんだね?」

「純夏に対して、程じゃ無いさ」

「えっ?」

「えっ?」


我が突撃機動部隊・そしてA-01を初めとする、国連軍衛士・及びオペレーターの面々ダケでなく。

今見たく ゆーこさん や霞みたいな娘達にも思うトコ有るっぽいんだが……正直 良く分かりません。

昨夜は結局 頬にキスしたダケだったが、ガッカリした感じながら案外アッサリ納得し寝床に着いた純夏。

妙に思わないのかと言われれば嘘になるけど……其処までの蟠りでも無いし、深く考えるのは止そう。


≪ガシューーーーッ≫


「ども~ッ、お疲れ様で~す」

「お邪魔しますッ!」

「……来たわね? ……丁度良かったわ」

「……すぅ……」


思考タイムを終え挨拶しつつ執務室に入ると、デスクの前には目にクマを作った ゆーこさんの姿が。

そして視線を移すと手前のソファーには舟を漕いでいる霞の後頭部が見え、眠気と格闘しているのだろう。

そんなウチに既に ゆーこさんは立ち上がって此方に近付いて来ており、右手には用紙の束が握られている。


「アンタはコレを読みなさい。特別に見せてあげる」

「ど、どうもです」

「鑑はコッチよ。余計な所は覗くんじゃないわよ?」

「分かりましたッ」

「はァ……ちょっと休憩……」


≪――――ボフッ≫


俺は ゆーこさんから作戦の資料っぽいのを受け取ると霞の左隣に腰掛け、反動で自然と肩を預けたウサギ。

対して正面のソファーに腰を落とした美女のスカートの短さはソレで良いのかと、若干 現実逃避をしつつ。

デスクの方を見ると純夏が情報を得る為に、椅子に腰掛けパソコンと向かい合っていたので俺も資料を読む。

……とは言え……分かってはいたが相変わらず"こっち"の文章は読み難くて、理解が難し過ぎるんだぜ……

ゆーこさんが作った不知火S型のマニュアルは見易かったけど、フィルターが掛かると此処まで読み辛いのか。

恐らく"この資料"を上層部に"このまま"提出する故での内容だから当然なんだろうが、己の頭の悪さが憎い。


「……うぅむ……」

「何なら英語版も有るけど~?」

「要らぬ心配でゴザル」

「そう」

「……~~ッ……」

「何か思う所は有った?」


ちょっ!? ゆ~こさん無茶振りし過ぎッ! 初っ端はペラペラ捲って見たけど、まだ目次の段階だって!!

でも天才の彼女や霞は勿論の事、今の純夏も"この程度"の資料なら簡単に概要を把握しちゃうのかもね。

……とは言え俺は戦術機の技量と知識は有れど、一般の解読スキルはTRPG的に初期値なので所謂 素人。

どう頑張っても ゆーこさんの期待に応えれる様な意見は出せない筈だったんだけど……おかしいぞ……?

日本語オンリーの筈なのにイマイチ理解できない資料だが、目次を見た時点で俺でも気に成る点が有った。

それが"気の所為"では無い事を再確認する為に、何度もペラペラと資料を捲くる事で無駄に時間が過ぎてゆく。

だけど ゆーこさんは静かに俺の様子を見守ってくれており、その配慮に感謝しつつ動揺を隠して口を開く。


「作戦は……3日後……12月22日で確定ですか」

「そうよ。都合が悪い?」

「いぃえ特に。シミュレーターでの戦果は上々ッスから」

「らしいわね。伊隅とウォーケンから報告は受けてるわ」

「突撃機動部隊は、被害無しで反応炉まで行けた事も?」

「えぇ。そのデータは今回の作戦をより現実的なモノにさせた。反抗勢力を黙らせる大きな素材にも成ったわ」

「結構な事です。まァ2日も有ればA-01も同様の戦果が期待出来るかと」

「それは頼もしい限りね。全く今迄の戦術機は何だったのかしら?」

「此処2ヶ月で変わったモンですな」

「ホント僅かな間でね。他人事みたいだけど大体アンタの御蔭で」

「ゆーこさん達の要領が凄まじく良かったのもデカいッスよ」

「ありがと」

「ともかく。現状の横浜基地に駐屯する国連軍の特殊部隊2個中隊+α……つまり榊達の戦力が有れば、
 在日国連軍 及び帝国本土防衛軍の大規模 共同作戦により、佐渡島ハイヴの攻略は十二分に可能だと」

「そう言う事」

「……だから……"XG-70"の運用は今回は無しって訳ですか?」

「そうよ。期限の24日の前でも有るし無理に使う必要も無いのよ」

「へぇ~(やっぱりかよ!? ……冗談じゃねぇ……)」


――――そう。目次ダケに有らず資料には"スサノオ"の事なんぞコレっぽっちも記されちゃいなかったんだ。


「詳しくは伏せてるけどアンタの意見を採用して、作戦前に鑑のODL浄化の際にはダミーの情報を覆わせる。
 効果が有るかは全くの不明瞭だけど……それは別にドチラに転んでも関係無いわね。問題は"その後"の展開」

「……と言いますと?」

「BETAが此方の情報を読み、ソレを踏まえた"戦術"を活かした侵攻をして来るという事が本当か否か……
 ダミーが通用しようが・しまいが今回で明らかになる。後から気付くより事前に予想 出来る分 始末が良い」

「仮に"ダミー"が通用しなかったとしたら?」

「佐渡島のBETAの数は従来通り。アンタ達には結構な負担が掛かるでしょうね。死人も出るかもしれない」

「……ッ……」

「まァ其処は許容の範囲って所かしら? でも得られる戦果は計り知れないわ」

「ぐ、具体的には?」

「"XG-70"の存在を察してるなら隠す必要は無いわね……って言うか、今の時点で教えるつもりだっけど。
 アンタの言う"凄乃皇・弐型"は佐渡島ハイヴ攻略。"甲21号作戦"終了後の鉄原ハイヴ攻略に試験投入する」

「!?!?」

「本来なら25日に佐渡島での試験投入後、結果次第で継続して甲20号でも運用するつもりだったけど……」

「今回の結果次第では、直ぐ様"オリジナル・ハイヴ"の攻略も余儀無くされるって事ッスか?」

「えっ? ……アンタ……見上げたモノね……もう其処まで読んでるワケ?」

「(原作知ってるし)御互い様ですよ。それより甲20号を先に攻略する理由を聞いても?」

「そうねぇ~。朝鮮半島一つを開放するダケで、最終的に残り20年が25年にも増えるとすれば?」

「(確かに桜花作戦の後……人類は完全に勝ってない……)遣らない手は無いって事ですか……」

「御手柄よ? BETAの先手を取る。白銀の情報が無ければ此処まで先を見据えるなんて、不可能だったし」

「さ、さいですか。つまり"計り知れない戦果"ってのは其の辺の事までを考えての結果って訳ですね」

「えぇ。それ以前に……本来なら後5日で あたしの戦いは完全な敗北で終わったんでしょ? 冗談じゃないわ」

「全くですよ。ともかくッ! ちょっとばかし気合を入れる必要が有りそうスね。主にフルスロットルで」

「まァ……どんな結果で有れBETAに遅れは取らせないから、今のアンタは目先の事だけ考えてなさい」

「了解しました」

「鑑~ッ。そろそろ見終えたかしら?」

「あっ!? ハイッ! それは直ぐに済みましたけど……その……」

「どうしたの?」

「……純夏?」

「何で所々に"顔文字"が入ってるんですか?(しかも可愛いのが多いよ?)」

「あ"ッ!?」

「ははははっ。寝不足ってのは怖いモンですね」

「う、五月蝿いわよッ!!」


作戦の内容は原作と同じ通りの作戦概略が有力なので、特に気にしない以前に資料を見ても違いが分からん。

それに原作での流れも詳しくは全然覚えてない為、ブリーフィングでのイリーナちゃん辺りの説明に期待だ。

いやソレよりもデスよ……甲21号作戦で、スサノオの投入無しなんぞ全く予想してなかったんですけど!?

ゆーこさんが決めた事だから、最初で勝負が決まってるのが戦争だし……戦力的にも問題無いのは分かるさ。

でも絶好調な純夏のスサノオのラザフォード場を盾に、ヒャッハー出来ると思った俺の予定が大幅に狂った。

BETAが偽の情報に釣られてくれれば其処まで苦労はしないと思うが……まともに遣り合うとすれば……

突撃機動部隊・A-01・快速反応部隊……皆が五体満足で、勝利の祝杯を挙げる事が出来るのだろうか?

……とは言え純夏が無事なら俺さえ生き残れば……って、間違っても そんな考えは持っちゃいけない!!

ゆーこさんの事だから100%犠牲を前提としてそうだけど、此処が正念場……俺の実力の魅せドコロ。

そう……"この世界"に原作以上のテコ入れをしてしまった責任は、全力で取らなくちゃならないんだぜ……

自分でも不思議なモンだ……最初なら仕方無いで誰かを諦めてたかもしれないが、今は一人も死なせたくない。

極力 犠牲は無くとは最初から思ってたけど、何処かで流石に無理だ・間違いは起こると感じていたんだ。

だけど今は皆 俺に付いて来てくれるし、他の部隊の皆の訓練の戦果は上々……卓越した技量を持つ面々。

後は俺の采配で幾らでも死亡フラグは回避出来る筈……それを信じて本番に備えるしか無いってワケさ……

さて連日の徹夜で精神に支障を来たしていたのか、ゆーこさんが純夏の指摘に顔を真っ赤にさせたりする中。

純夏は色々な意味で重要なODLの浄化の為に連れて行かれ、俺は霞を別室で横にすると執務室を出て行った。












――――Now Loading












なあ、どうして?
息がつまる
せつなく輝くSakuraの吹雪
魅せられた衛士、数知れず












――――Completed












2001年12月19日 午後


≪――――コトンッ≫


「完成したのさ……」


やがて各部隊に先程の作戦の説明が有る事から、俺は言葉を濁して唯依達には自主訓練の指示を出した。

それに対して各々は何故か俺の辺りをウロウロする素振りを見せていたが、やがて立ち去って行った。

更に唯依とは何故か目が合わず、避けられている様な気がしたが……確かに昨日は調子に乗り過ぎたかもね。

対して俺はテクテクと自室に戻ると、一人で作業に集中し紙粘土で"ゆっくりたける"サンタverを作り上げた。

無論 純夏に渡すプレゼントであり……放り投げられたら潔く土下座し謝って、サンタウサギを作るとしよう。

さて置き。時計を見ると既に時間が近付いており、俺がブリーフィングルームに着いた頃には13時5分前。

尚 其処は凄い人口密度であり、部屋の入り口で後姿を晒していた まりもちゃんが ふと俺に気付いた模様。


「(……良い尻でゴザルな)」

「白銀少佐ッ!」←以下小声

「ま……神宮司中尉」

「えっと……一体 今から何が? かなりの人数が集まっていますけど」

「早い話が人類の反撃。とうとうハイヴの攻略に移るってカンジです」

「!?!?」

「それよりも整列しましょう。ホラ皆も早く~ッ。A-01が前列・俺らは その次・最後は榊達で!」

「り、了解」


そして13時。正面にはラダビノッド司令・ゆーこさん(+化粧)・イリーナちゃん・ウォーケン姉妹の姿が。

ついでに俺も何故か ゆーこさんの横に立ってるんですけどね……純夏はA-01に紛れてるのに何でやねん。

……しっかし……改めて見ると此処に来るまで、相当な戦力を残せた&増やせたと言うのを実感できるな。

原作だと此処の時点で俺・涼宮(姉)・純夏を入れても14人だったけど、今は2倍以上の衛士が立っている。


「諸君。本日未明……国連軍第11軍司令部及び、帝国軍参謀本部より"甲21号作戦"が発令された」


――――先ずは原作では最初で最後の白銀の部隊とも言えるヴァルキリーズこと"A-01"。


ヴァルキリー01 迎撃後衛 A小隊長 伊隅 みちる

ヴァルキリー02 突撃前衛 B小隊長 速瀬 水月

ヴァルキリー03 迎撃後衛 C小隊長 宗像 美冴

ヴァルキリー04 制圧後衛 C小隊員 風間 祷子(バズーカ持ち)

ヴァルキリー05 突撃前衛 C小隊員 一条 優理子(元 強襲前衛)

ヴァルキリー06 突撃前衛 A小隊員 神村 亜衣(元 強襲前衛)

ヴァルキリー07 打撃支援 C小隊員 葛城 綾乃

ヴァルキリー08 強襲掃討 B小隊員 涼宮 茜

ヴァルキリー09 砲撃支援 B小隊員 柏木 晴子(ライフル装備)

ヴァルキリー10 強襲掃討 B小隊員 築地 多恵

ヴァルキリー11 打撃支援 A小隊員 麻倉 遼子

ヴァルキリー12 制圧後衛 A小隊員 高原 水鳥(バズーカ持ち)


この面子にCP将校の涼宮(姉)と純夏を加えた計14名構成で、全機が不知火S型と言う最高クラスの中隊だ。

言わずともながら既にズタボロだった11月11日以降、戦死者が一人も居ない為メンバーの入れ替えは皆無。

更に2機がフォールディング・バズーカを装備し、ヴォールク・データ完全攻略も後一歩まで迫っている所だ。

また以前 俺を仕留めた腕を買われたのか何時の間にか拵えられたライフルが柏木の機体に配備されてるし……

原作通りの流れで進んでいれば、俺 要らないんじゃね? ……と言う戦果を十分に叩き出る部隊と言えよう。


――――さてラダビノッド司令が有り難くも作戦の事を何やら仰っているが、俺の(脳内)部隊整理は続く。


アルカディア01 強襲制圧 白銀 武(不知火SⅡ型+バズーカ持ち)

アルカディア02 突撃前衛 篁 唯依

アルカディア03 突撃前衛 神宮司 まりも

アルカディア04 砲撃支援 イルマ・テスレフ(ライフル装備)

アルカディア05 突撃前衛 ライト・ラーニング

アルカディア06 強襲掃討 フレア・フレイドル

アルカディア07 強襲掃討 ブリザ・スリーブス

アルカディア08 制圧後衛 七瀬 凛(バズーカ持ち)

アルカディア09 制圧後衛 伊隅 あきら(バズーカ持ち)


次に成り行きで結成された上に、まかり間違って世界最強の(辛うじて)中隊とされてしまった突撃機動部隊。

正気かと思われるカイゼル・カラーの俺の不知火SⅡ型を隊長機に構成される、白銀と愉快な仲間達である。

一応 噂に違(たが)わず人数的に辛うじて世界初のヴォールク・データの中隊編成での攻略を成し遂げている。

実を言うと"この戦果"がスサノオ無しでの甲21号作戦の踏ん切りを ゆーこさんに付けさせた一番の理由だ。

当然 米軍は喧しかった様だけど、兵器は鉄原(チョルウォン)の攻略で活かしてやるって事で黙らせた模様。

それにしても……原作では まりもちゃん死んじゃってるし、本来 原作で戦うの俺ダケ……ハハッ、ワロス。

TEのヒロインっぽい唯依・イルマを初めとする米軍衛士4名・更に2人の加入は誰が予想 出来たのか?

……とは言え皆が大事な存在なのは変わらないし、千鶴達に仲間が大切と豪語したからには有言実行するさ。

ついでに捕捉して置くと、唯依の横には当たり前の様に巌谷さんが立っておりモニターを真剣に眺めている。


「(さっきから武者震いが止まらん……何気に俺は、歴史的な瞬間に立ち会っているのかも知れんな……)」


20701 強襲掃討 榊 千鶴(ツノ付き)

20702 突撃前衛 御剣 冥夜

20703 突撃前衛 彩峰 慧

20704 砲撃支援 珠瀬 壬姫(ライフル装備)

20705 制圧後衛 鎧衣 美琴(バズーカ持ち)


「(……遂に……遂に此処まで辿り着いたんだわ……!!)」

「(タケルに感謝せねばな。今の私に蟠りなど何も無い)」

「(上等。武に教わった技……必ず活かして見せる……)」

「(と、とうとう憧れの武御雷に乗って実戦……頑張らなくっちゃッ!)」

「(凄い人数だなァ。きっとタケルの御蔭で此処に立ってる人も多そうだね。今のボク達みたく)」


そして決して忘れちゃダメなのが、マブラヴの代名詞とも言える横浜基地"快速反応部隊"の5名である。

機体は僅かに見劣りするが桜花作戦を完遂 直前まで生き延びた事から、生存力はピカイチと言えよう。

原作とは違って立場的に"踏み込みが足りん"状態だった為、冥夜に例の告白を言わせる可能性は皆無だが……

あのイベント=死亡が確定する為に問題外で有り……出来る事なら留守番させたい程 好きな人達ですマジで。

……とは言え今回の作戦では自由に動けるポジの為、有効活用すれば被害を減らせる事は確定的に明らかだ。

此処で余談だけど彼女達のコールサインはまだ決まって無いらしいが……後に俺が決める羽目に成りました。

更に彼女達には今回の作戦を踏まえての最終 調整も必要な為か、此処には特別に真那さんの姿も有る。

つまり俺の正面に立っている衛士+αは総勢29名と成り……後にハブられた霞が不貞腐れてたのは内緒だ。


――――さて置き。面倒かもしれないが、大まかな作戦の内容も不躾ながら説明しなきゃね。


初っ端のフェイズ1は、国連宇宙総軍の装甲駆逐艦隊による対レーザー弾(AL弾)の軌道爆撃に続いて、
佐渡島周辺に展開する帝国連合艦隊第2戦隊が、同様にAL弾で長距離飽和攻撃を行い徹底的な面制圧を行う。

フェイズ2は、西側の真野湾より突入した帝国連合艦隊第2戦隊が艦砲射撃にて、旧八幡~旧高野、
旧坊ヶ浦一帯を面制圧したと同時に、帝国海軍・第17戦術機甲戦隊が上陸し雪の高浜から橋頭堡を確保。

更にウィスキー部隊(西部方面部隊)を順次揚陸させ戦線を維持しつつ、旧沢根へ西進し敵増援を引き付ける。

尚 橋頭堡(きょうとうほ)ってのは敵地 等の不利な地理的条件での作戦を有利に運ぶ為の前進拠点って意味ね?

んでフェイズ3は、東側の両津湾沖に展開した国連太平洋艦隊と、帝国連合艦隊第3戦隊が制圧砲撃を開始。

同時に帝国海軍・第4戦術機甲戦隊が旧大野を確保……続いてエコー部隊(東部方面部隊)を順次 揚陸させる。

その先行部隊が戦線を構築し、主力は北上して旧羽吉からタダラ峰跡を経由し旧鷲崎(佐渡島の最北)を目指す。

此処でフェイズ4と成る事で司令の声の元、説明役は ゆーこさんに代わり第6軌道 降下兵団が再突入を開始。

降着した後 佐渡島ハイヴ内部へ突入、第4層への到達を確認後ウィスキー部隊を順次投入して占領を目指す。

一方エコー部隊は突入作戦の支援に当たり、海底からのBETAの再上陸に備える。(広さは半径10キロの為)


「作戦の段取りは以上よ。詳しくは資料に目を通して頂戴。それを踏まえて何か質問は?」


此処で原作の話も含まれるが、突入部隊が成功すれば俺達は情報収集が任務との事だが反応炉はどうすんの?

恐らく"その時"に指示が出るっぽいから質問はしないけど、流石に破壊無しでの占領は無理だと思うのですよ。

だけど誰もが"無理"だと思っていても口には出さないダケっぽいから、俺も空気を読む事にしましょうかね。

んで原作通り予想外のBETAの数の場合は、本来スサノオが荷電粒子砲を地表構造物にブッ放す訳だが……

今回はスサノオ自体を使わないので、強引にバズーカでBETAを薙ぎ払って反応炉をテロって帰る感じか。

改めて考えると最悪な展開に成ったら骨が折れそうってレベルじゃねーぞ……そう考えつつ、黙っている俺。


「……副司令」

「はい。伊隅」

「少々脱線し恐縮なのですが、鑑少尉は作戦に参加させるのでしょうか?」

「う~ん。流石に今回は不知火S型の配備が間に合わなそうだから、後方で控える事に成りそうね」

「畏まりました」

「ざ、残念ですね~」

「(ワザとらし過ぎるぞ純夏ェ……)」

「でも鑑の衛士としての知識は作戦に役立つ筈よ? 形振りなんて構わず、この娘の意見は糧としなさい」

「了解ッ!」×13

「……(持ち上げ過ぎだよぅ……)」


――――無論"甲20号作戦"では大いに役に立って貰うだろうが、一応 何らかの役目には担わせるとの事。


「他に質問は有る?」

「……はいッ」

「何かしら? 篁」

「我々2個中隊・及び1個小隊の内……ハイヴに"直接"突入するのは"1個中隊"との事ですが……コレは?」

「記しての通りよ。A-01か突撃機動部隊……BETAとの交戦後に、損害の少なかった方を突入させる」

『!?!?』

「尚 技量は認めるけど"快速反応部隊"は2個中隊のバックアップに当たるから、ハイヴ突入の予定は無いわ。

 つまり2個中隊の壊滅は"甲21号作戦"の失敗に直結すると言っても良い。だから精々死力を尽くす事ね」

「り、了解しましたッ!」

「ふふん。まァ訓練通りに動けば朝飯前の筈よ。それで……他にも何か有るかしら?」

『…………』

「無い様ね。それでは司令?」

「うむ。諸君らの健闘に期待する!! 以上 解散ッ!」

「敬礼!!」

『――――ッ』


俺を含め皆 何か言いたい事は有るだろうが……既にサイは投げられちまったんだ……とにかく遣るしか無い。

よって恐縮ながらの俺の言葉に ゆーこさんを含め全員が凛々しく敬礼すると、言葉通り解散と成りました。

すると直ぐ"3日後は突撃機動部隊との共同戦線か~! 負けてられないわねッ!"と言う声が響いたと思うと、
"速瀬中尉は獰猛で一番に足を引っ張る筈……と鑑少尉が言っています"って煽りも聞こえたが放置するとして。

俺は俺で突撃機動部隊の面子を集めると、資料を(俺も踏まえて)熟読する事を指示し再度 解散したのでした。


「ね、ねぇ……茜ちゃ~ん……」

「白銀少佐。凄く険しい顔してたよねェ?」

「やっぱり普段は温厚な人だけど……(アレが白銀少佐の本来の……)」

「とにかく水鳥……正念場……」

「うん。鑑さんのアドバイスも有るし、絶対に間に合わせないとッ!」

「ほぉらアンタ達ッ! 遅れるんじゃないわよ~!?」

『……了解ッ!』












――――Now Loading












汚く、えげつない敗戦なんか
忘却の彼方へ葬り去りてえ。
……誰しも眠れない夜を体験するものさ。
そんな時はhamaへ来な。
FIGTING ALL NIGHT TOGETHER!!












――――Completed












2001年12月19日 夕方


――――横浜基地 全体が黄昏色に染まる、何とも中途半端な夕暮れ時。


「うぉッ。思ったよりも寒いなァ」

「大丈夫? タケルちゃん」

「平気か? そっちこそ」

「大丈夫だよ~。そもそも風邪は引かないカラダだし」


唯依達に伊隅(姉)達に千鶴達……3日後の作戦に向けて、彼女達との関わりは欠かせない要素だろう。

だけど大規模作戦のプレッシャーは俺にも大きく圧し掛かっており……生きて帰る為の大きな糧が欲しい。

よって互いの部隊のミーティングを終えて自室で純夏と落ち合うと、やや恨みがましい視線を受けつつも。

俺は純夏を基地の外へと連れ出し、校舎裏では無いが事前に選んで置いた近場の"丘"へと共にやって来た。

白銀の記憶によると……純夏はサンタを待つ為に、こういう場所に通っていた時期が有ったみたいだ。

サンタウサギを渡したのも"その頃"らしく、作戦が近い現状……コレをプレゼントするのは今しか無い。

本当なら何日か早いんだろうが"こんな事"迄テンプレで良いのか!? 俺は俺で純夏の事を想っているんだ。

だから渡したいときに渡すッ! それで良い!! まァ純夏が受けて入れてくれなきゃアウトなんですけど。


「でも息は白いじゃんか。何なら羽織るか? 軍服2枚重ねだとシュールだが」

「アハハッ。大丈夫だよ。事前にタケルちゃんから貰ったマフラーが有るし」

「そんなら結構……とッ……ところで……リボンの調子は問題無さそうか?」

「えっ? えぇ~っと……確か"バッフワイト素子"だっけ? 良く分からないよ」

「そ、そうか。あと折角 調子が良いってのに、甲21号作戦の件に関しては残念だったな」

「んぅ? 張り切っては居たんだけどね……タケルちゃん達の方こそ、結果によっては大変みたいだけど……」

「まァ今の戦力なら大丈夫だから心配するな。データを把握してる純夏になら分かるだろ?」

「……だけど……」

「ともかく本題だと言わせて貰おうッ! 突然ですが此処で問題です」

「い、いきなり!?」←例のビックリポーズ

「そう構えるなって。ちょっと早いけど……純夏にとって"クリスマス"と言えば何だ?」

「クリスマス? ……えぇとッ……タケルちゃんとの……約束……かな……?」

「じゃ~その"約束"ってのは? 思い出して見てくれ。小さかった頃を」

「……プレゼント……」

「御名答。そんな訳で不躾だが進呈しよう。"ゆっくりたける"キーホルダー(クリスマスver)をッ!!」


――――実際の所 先日の腋巫女verの白銀フェイスに、サンタ帽子を被せたダケでしか無い。


「えっ? わッ、わわっ。可愛い~ッ!」

「な、なん……だと?」

「だってホラッ! このマヌケな顔……タケルちゃんソックリだもん!! すっごく面白いよ!?」

「おいィ?」

「あはっ! あははははっ! ふふっ……えへっ、えへへへ……」

「……気に入って貰えた様で何よりさ……」

「顔が笑ってないよ? タケルちゃん」

「へぇあ」

「とにかく……有難う……何でだろ……ヘンテコなプレゼントの筈なのに……凄く嬉しいよ……」

「生憎 作戦の時は別行動だからな。ソレを俺だと思って持って置いてくれよ?」

「……うん……言われなくても そうするもん……」

「勿論 戦いが終わったら真っ先に純夏の元に戻って来る」

「……ッ!?(やっぱり其処まで私ダケの事を……!!)」

「だ、だから……"その時"にだな?」(小声)


――――純夏の事を抱きたい。俺の都合だ苦情は勘弁。故に意を決して、そう告白しようと思った矢先!!


「タケルちゃん!!」

「!? な、何だッ?」

「~~ッ……」

「大丈夫か? 顔が真っ赤だぞ?」

「え、えぇっと……突然で悪いんだけど……私の御願い……聞いてくれるかな?」

「俺に出来る事なら何でも」


空気を読まずに唐突な大声で、俺の言葉を(意図的にでは無いっぽいが)遮った純夏。

やっぱり流れ的に死亡フラグにしか成らないのがダメだったんですか!? あえてブレイクを狙ったのに!!

最悪やでカズヤぁ!! どうやら俺の葛藤も虚しく、直前の言葉は純夏には届いて無かった様である。

その為 内心では軽くヘコみつつも潔くキリッとして"御願い"を待っていたが、次の言葉に俺は耳を疑った。








「それなら……私の事……だ、抱いて下さいッ」

「!?!?」








――――その純夏の強烈なカウンターに、冗談抜きで思考が停止してしまった俺。しかし追撃は続いてゆく。


「あ、あはははッ……やっぱり驚いちゃったよね? ……でも……"御願い"は それダケじゃ無いんだ……」

「…………」

「私ね……少ない時間で分かっちゃったの……タケルちゃんは……多くの人達を支えているって事を……」

「…………」

「それなのに……タケルちゃんは……私ダケを見てくれている……それは確かに嬉しい……嬉しいけど……
 "以前"の私みたく……沢山の娘達が同じ思いをする……私ダケが幸せに成っても……それはダメだと思う」

「…………」

「だから……私以外の娘達も、出来る限り幸せにして下さい。それでも……私を一番最初に愛して下さい。
 ……巡り合えた幼馴染が……タケルちゃんの想いを全て受け取れない娘だった……それでも良ければ……」

「純夏ッ!」

「ふぇっ?」


≪――――ぎゅっ≫


「愛してる!」

「んぅっ!?」

「……ッ……」

「ぷっ、はぁ」


正直な所 目の前の純夏が何を言っているのか、この時点での俺は全く理解 出来て居なかったと思う。

だけど……顔を真っ赤にさせて告白する その様は誰よりも愛おしく……俺は自然と純夏を抱き締めていた。

同時に始めてのガチな口付けを行い……意外と互いの唇は早く離れたが、暫しの沈黙の後 純夏が口を開く。


「…………」

「タケルちゃん」

「うん?」

「……こんな私を好きに成ってくれて……有難う……」

「泣くなよ馬鹿(……だけど……)」

「でも……う、うぅう~ッ……!」

「(この気持ち……まさしく愛だ)」←再確認


――――俺は嬉し泣き(?)している純夏を再び抱き寄せると、途中まで肩を寄せ合い丘を後にしたのだった。


「……冗談じゃ……ないです……」

「社?(珍しい……寝言かしら?)」


――――尚 翌日、良く覚えてなかった告白の件(くだり)を聞き直してみたら、純夏(全裸)に殴られました☆


「グフッ……冗談じゃねぇ……」

「それはこっちのセリフでしょ!? 何で覚えてないんだよーッ!」








●戯言●
白銀28が今に掛けて部隊を魔改造してしまった事により、何と佐渡島はスサノオ無しで挑む事になりました。
原作考えると無理ゲーですが、御都合主義を働かせて無難に進めようと思います。すいません許して下さい。
さて此処で遂に白銀28が純夏と結ばれましたが、彼女が白銀の中の人に気づく事は100%有り得ません。
ですから欝な展開には間違っても成りません。それにしても案の定 締まらない2人……冗談じゃねぇ……
また純夏が彼の気持ち(愛)をグラハム並に受け止めた為、ハーレムルートの道が開通。本人気付いて無いけど。
ラグーン語は執筆に3倍の時間が掛かりましたが私が浅はかでした面目ない。Poemも今回限りで終了にします。


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