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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/05/25 05:31
これはひどいオルタネイティヴ51(中編)




2001年12月14日 午前


≪ガオオオオォォォォンッ……≫


「(脳内BGMは"魔界●想"も捨て難いなァ)」 注:無印Ⅱの曲である

「(ハァ。白銀少佐……私と一つか二つしか違わないのに、国連軍の少佐だなんて……)」

「(うぅ、私が案内以外で白銀少佐の役に立てる事って有るのかなぁ?)」


若干 現実を突き付けられてブルーな気分に成り掛けながらも、俺は他に する事が無いので外を眺め続けていた。

すると帝都が近付くに連れて、冥夜も口にした"難民キャンプ"と呼ばれる集落っぽいのを幾つか通り過ぎる。

流石にテントなどでは無く仮設住宅(プレハブ)っぽい家で暮らしているみたいだけど、やっぱ悲惨なんだなァ。

それと比べてみると……横浜基地の衛士生活の方が まだマシな環境な気がする。BETAと戦う事を除けばね。

しっかし北日本 以外の生き残りの日本人は皆、あんな生活をしてるのか? だとしたら同情せざるを得ない。

また国連軍とは違って一度ズタズタになった帝国軍の衛士達の環境も気になったので、俺は視線を七瀬に向けた。


≪――――くるっ≫


「(誰もが気にしてると思うけど一体、どれ程の道を……) あっ!?」

「んっ? どうしたんだ~?」

「な、ななな何でも有りませんッ」

「だったら良いんだけど……七瀬」≪キリッ≫

「はい?」

「君は……ッ……いや、悪い何でも無い」

「えっ? そ、そうですか……」


振り返ると七瀬と合う目線。普通に驚いてしまったが、耐性の有る今 全く顔には出ていないのは何時もの事。

とは言え やはりマブラヴのキャラは可愛い過ぎて目と目が合う~瞬間 好きだと気付きそうになっちゃったんだ☆

さて置き。俺は先程 思ったとおり七瀬に訓練兵時代の生活などを聞いてみようと思ったけど、直ぐに考え直す。

何故なら俺は少佐な上に ゆ~こさんに特別な待遇を得ているので、衛士達の中では かなり恵まれているっぽい。

でも給料は一体どうなってるんだよ!? ……と聞きたいが俗に言う入社後の"試用期間"さえ過ぎていない上に、
買ったら何十億もしそうな戦術機を預けてくれているのに加えて、SⅡの腕を壊してしまった経験が有るし、
極めつけは ゆ~こさんに給料をくれる様に言うのが怖いので年収が今のトコロは0円なのも保留する事にして。

今の事を質問された七瀬は階級の違いから快く応えてくれそうに無いと思ったので、結局 問わなかったのでした。

よって七瀬にお馴染みのウザ・スマイルをしつつ謝罪すると、ちゃんとした反応も見ずに再び視線を外へと移す。


「(い、いけない……さっきから白銀少佐の横顔を見ていた事は、当に気づかれていたんだわッ)」


≪――――君は俺の過去が気になるのかい?≫


「(それに経緯を気にしていた事まで……やっぱり私なんとかとは背負っているモノが根本的に違うのね)」

「七瀬」

「!?!?」

「今の事は本当に気にしなくて良いからね?」

「……ッ……わ、分かりました。こちらの方こそ……すみません」

「有難う」


――――しかし数十秒後チキンな俺は何か挽回したくてウズウズしてしまい、その一言を最後に口を閉ざした。


「(そうよ……他の人間達と同じ様に少佐の過去など気にせず、仲間として内面を知るようにしないとッ)」

「…………」

「…………」

「あっ、白銀少佐……見えて来ました。アレが帝都です」

「!? ……すごく……大きいです……(遠くで聳える城が)」

「勿論ですよッ。何せ日本の象徴ですから!」

「成る程……それじゃあ帰る時は記念撮影しとかないとねェ」

「ほ、ホントですか!?」

「(とはいえ白銀少佐は面白くも有る人ね……わ、私も見習った方が良いのかしら?)」

「肝心なカメラが無いけど」

「ガクッ(……だったら見得張らないで、素直に美凪から借りて置けば良かった……!!)」

「(それにしても……神代少尉って"こんな性格"だったの?)」




……




…………




……第一帝都東京に進入するも、周囲の建物を通過し(一応)俺の車は一直線に殿下が待つと言われる城を目指す。

ソレを最初は只の城だとバカにしていたけど、実際 戦術機が出入りするダケ有ってアホみたいにデカく広い。

流石に横浜基地の広さには負けるが、コレは最早 城ではなく要塞と言って良いかもしれない。凄いモン見れたぜ!

そんな殿下城(命名)は以前にクーデター軍とドンパチやった事も有ってか、多少は相応の損傷が残っている様子。

しかし歯車は元に戻って居るのか殿下城の敷地に入り、多くの戦術機や車両の脇を通過すると、車は停車する。


「白銀少佐、御待ちしておりました」

「……真耶さん」

「!?!?」

「ぇあッ、いやいや! すみません。出迎え有難う御座います月詠中尉」


車を出ると真耶さんが俺を出迎えてくれたが、殿下城の凄さに興奮していたか唐突に彼女を名で呼んでしまった。

対して凛々しかった真耶さんは少しダケ目を丸くさせたけど、俺は何事も無かった様にキリッとして敬礼する。

ま、マズった……昨日ゆ~こさんと真耶さんが現れた時も名で呼んだけどツッコまれなかった事に油断してたぜ!


「そう言えば昨日も名で呼ばれた気がします。あの時は副司令の雰囲気に呑まれ些細な事と認識しましたが」

「すみません、ウッカリしてました(……其処は敬礼ダケで流して欲しかったんですけど)」

「ふふふっ。あの者の事を考えれば"ややこしい"でしょうし、場を選ばれれば許容 致しましょう」

「そ、そりゃどうも」


――――なんだか真那さんと比べると早く打ち解けてしまった気がする。違和感はAFの性格の所為だろうなァ。


「……七瀬少尉も良くぞ参られた」

「よ、宜しく御願いします」

「神代少尉も案内 ご苦労だった」

「はっ!」

「では御案内 致します……此方へ」

「は~い」

「(し、白銀少佐って凄いなぁ……真那様ダケでなく"この人"にも此処まで信用されるなんてッ)」

「(敵ばかり作っていた私と違って、人望も途轍もなく有るみたいね……本当に自分が情けないわ)」




……




…………




……斯衛軍はクーデターが有ってか未だに忙しい様で、大して俺達は注目される事も無く城内を歩めている。

正直なトコロ国連軍は嫌われてそうだったので幾つもの敵意を向けられたら失禁すると思ってたダケに安心した。

よって思ったよりも早い殿下との"再会"が間近に迫っており、俺のワクワクは留まる事を知らないんだぜ?

何せ説得での出撃前に別れた限りだから最悪 原作と同様クリアまで会えないだろうし、このイベントは嬉しい。

それに殿下の事だから負傷した俺を心配してくれてる筈。色々と密着しながら話したり戦ったり……あれっ?




≪(見たいお、殿下の裸体を この目で見たいんだお……)≫




≪(これも殿下のオシリの感触が気持良過ぎるからなんだお、まさに日本一の尻だお……)≫




≪ふ~む、恐らく殿下は"世間知らず"の様ですね≫




≪……っ!?≫←大便フラグ☆




≪――――耳元で怒鳴るなっ!!≫




≪勿論さあ☆≫←ウザスマイル




……いや、今 考えてみれば非常に無礼な事の連続だったかもしれない。先ずは常に股間はバーニング状態を維持。

また世間知らず呼ばわりした上に、一対一の際は護衛を放棄してトイレに行く為に彼女の元を離れてしまい……

聖戦士を肖っていた時は暴言を吐いてしまったダケでなく、極め付けはドナ●ドのノリで阿呆な別れ方をした。

振り返れば普通に無かったですよね~? 嗚呼。殿下も考え直したら"白銀ってやっぱキモくね?"とか感じるかも。

ソレが当たっていれば新たなフラグなんて期待 出来ず、淡々とした謁見にしか成らないじゃあ~りませんか!!

だから期待する時点で殿下には失礼だったな……真耶さんの柔らかさを見るに他人に告げて無いのが幸いだね。

よって気を引き締めて"彼女"との再会に臨む事にしよう。そう思いながら歩み、目的地が近付いてくると……


「ほう、お前が"白銀 武"か?」

「!?!?」


≪ドオオオオォォォォンッ!!!!≫


「……中将……」

「あッ……わわ」


な、ななな何だか巨大なオッサンが出ちゃった~っ! 誰この人!? 神代は"中将"とか呟いて七瀬はビビッてる。

しかし斯衛で中将とか、どれダケ偉いんだ~? 月詠家の赤でさえ白に対してかなりの"壁"が有るってのに……

それより七瀬だ。彼女は斯衛を蹴って帝国軍の衛士を目指しており、今となっては国連軍の人間になっちまった。

よって背後に居る事から表情は見えないが僅かに漏らす声で、後ろめたさで動揺しているのを察する事が出来る。

されど目の前のデカいオッサンは俺達のリアクションを気にする素振りも無く破顔して言う。(俺は無表情のまま)


「儂は紅蓮 醍三郎。最近まで"煌武院 悠陽"殿下の護衛を担っていた者だ」

「(――――まんまグレ●ダイザーじゃねぇかッ!!)」

「最も……例の一件で再び"その者(真耶の事)"が側近に戻る事となったがな」

「恐縮です」

「始めまして紅蓮中将、以後お見知り置きを御願い致します」≪キリッ≫

「うむ……白銀よ、貴官の話は殿下から聞いておるぞ?」

「……はッ……光栄であります」


殿下が真耶さんには俺の"自重しない言動"を告げていない! ……と思い込む事で無理矢理 安心していたが、
紅蓮中将には言ってしまったのだろうか? あと侍女のオバハンも居るだろうし……再び不安になって来た。

しかし中将は相手が国連軍の少佐なのに"貴官"と言って下さったので、俺に敵意を感じてるワケじゃ無さそうだ。

さて置き。後から聞いた話によると真耶さんは以前から殿下の側近だったが、以前のBETA侵攻で配属転換。

けど殿下の護衛を兼任してた中将がクーデター時 彼女と脱出する余裕が無かった為 真耶さんが復帰したとの事。


「そして貴様は"神代"の者だったな?」

「はっ! 巽であります」

「ふ~む……先日 見た時と比べると、目の色も雰囲気も若干 変わっておる……(その雰囲気とは……)」

「ち、中将?」


≪――――チラッ≫


「(何故に俺の方をチラ見したし?)」

「成る程のう、女子たる者 それも成長の一環よ。くれぐれも後悔せぬ様 努めるが良い」

「!?!?」

「どうしたんだ~? 神代」

「えっ? あのッ、その……助言の程 感謝致します中将殿」

「わっはっはっは。大した事は言っておらんよ」

「(でも見たダケで気付かれちゃうなんて、流石は紅蓮様だ……)」

「ふむ……(恐らく僅かに先の"予定時間"までの時間稼ぎだろうが、紅蓮中将らしい計らいだな)」

「(ぐ、紅蓮中将……凄い威圧感ね……だと言うのに、白銀少佐は全く動じる様子が無い……)」

「――――となると貴様が"七瀬 凛"だな?」

「!? は、はいッ! 国連軍・突撃機動部隊 所属の"七瀬 凛"少尉であります!!」

「ほう……その威勢の良さは兄と良く似ておる。いや以前の噂を聞くに"元に戻った"と言うべきか?」

「お、お恥ずかしい限りです」

「な~に今更 文句を言う程 器の小さい人間は斯衛には存在せんよ。だが負い目を感じているので有れば、
 所属している軍が何処であろうと、精一杯 戦うのが貴様の役目だ……国民の為に果てた七瀬の為にもな」

「……ッ……畏まりました」

「では紅蓮中将」

「むっ? そうであった。これより先"煌武院 悠陽"殿下が御待ちである……粗相の無い様になッ」


こうして紅蓮中将は一通り 俺達4人に話し掛け終えると、襖を開け視線のみで奥に行くように促して来た。

そうならば進んでゆくしか無いワケだけれども、背後に気配を感じるので後を付いて来ているみたいだなァ。

ハァ……敵意が無い様で安心したZE。そう言えば名前で分かったが、この人もマブラヴのキャラでしたね~。

逆に名無しの背景とかで"こんな人"が居る方が恐ろしいと思うから、ある意味 此処で出てくれて良かったな。

ともかく。更に通路を歩いてゆくと既に開いた襖が見えたので通り抜けると……其処には神々しい姿が有った。


「おぉ~っ」

「……綺麗」


その殿下の姿を見て思わず息を漏らしてしまった。クーデターの時とは違い頭に簪(カンザシ)をした正装だし。

また左右がオルタのラスト辺りで彼女が外の景色を見ていた様な造りになっており、吹き抜けになっている。

そんな正面には侍女のオバハンを横に控えさせ殿下が直立していて、此方が跪くと彼女はニコやかに言った。


「白銀に七瀬……そなた達を 待っていました」




……




…………




……30分後。

俺・七瀬・神代・真耶さん・紅蓮中将・殿下・侍女の人……の僅か総勢7名で臨む事となった殿下との謁見。

でも俺達は ともかく……殿下側の護衛は実質 紅蓮中将と真耶さんの2人ダケなので少ないと思う。(神代は別)

だけど紅蓮中将さえ居れば"別に良いんじゃね?"と感じてしまうのが"こう言うキャラ"の怖いトコロですね~。

さて先ずは堅苦しい挨拶から始まり、クーデターでの功績による賛辞を俺の怪我の気遣いを交えて告げられると、
次に3年前のBETA首都圏進行時に七瀬家の当主を失わせてしまった事を、殿下が頭を下げて七瀬に謝罪する。

対して七瀬も"自棄になった自分にも非が多々ある"と慌てながらも返した事で、殿下の注意は俺の方に向いた。

ゆ~こさんが言ってた様に、武家として認められてる七瀬の命をトライアルで救ってくれた事の礼に繋げたのだ。

勿論 俺などには勿体無い言葉なので謙虚に受け止めたけど……肝心の問題は"その後"殿下が申し出た事だった。

今後の話は"戦術機"関連……即ち交渉みたいなモノとなるので、この様な神聖(?)っぽい場所で話す事じゃない。

故に期待 出来そうな昼食の賄(まかな)いを挟み、場を改めて話す事にする様で一旦 お開きになる筈だったが……




「……白銀」

「で、殿下」




\ デデーン /




――――何故か今 現在 俺は殿下と"2人っきり"で殿下城の一室で見詰め合っています。




「皆には我侭を言ってしまいましたね」

「いえいえ、気になさらないで下さい」

「そなたに感謝を」

「では殿下……私に御用とは何なのですか?」≪キリッ≫


俺達3人が真耶さんの案内で立ち去ろうとした際、殿下が"俺と2人切りで話をしたい事が有る"と言ったのだ!!

それを聞いて侍女のオバハンが真っ先に反対したが、紅蓮中将と真耶さんは殿下の意見に肯定的な素振りだった。

また俺もクーデターで一緒だったと言う事でOKを出すと、適当な近場の部屋に案内され今に至るというワケだ。

無論 征夷大将軍で有る彼女に邪な気持ちを抱く気は一切 無いし、何処で誰が潜んでいるかも分からないので、
早くイベントを消化してしまおうと思っていたが……何で照れた素振りを見せるんだろう? 可愛いじゃないかッ。

それに何か距離が近くない!? だけど下手したら首が飛ぶので、冷静な表情を維持して言葉を待つんだけれども。


「それが……分からないのです」

「えぇ~っ?」

「以前から そなたに"何か"を告げたくて仕方なかったのですが、不思議と言葉には表せないのです」

「???? ど、どう言う事ですか?」

「すみません。白銀の顔を近くで見れば……自然と出て来る様な気がしたのですが……」

「結局 出て来なかったと?」

「は、はい」

「(……やだ……なにこれ……どう言う事なの……?)」

「しかし喉まで出掛かっている気はするのです」

「ふ~む……」


――――つまり出て来そうで出て来ない"何か"を俺が表すのが今のイベントの達成条件と言う事か!?


「困りました」

「だからと言って私が殿下と2人で居ても良かったんですかねェ?」

「それに関しては問題有りません。ああ見えて"あの者"も そなたの事は評価していますから」

「さいですか……(侍女の人の事かな~?)」

「しかし未だ表せないとなると、白銀に機会を設けて貰った意味が……」

「殿下ッ」

「はい?」

「その"表せない事"に関して、何かキーワードは有りますか?」

「きーわーど?」

「喉まで出ていると言う事は重要な単語の一つ位は有るでしょう?」

「そ、それは……そうですね……しいて言えば"友"……でしょうか?」

「ホモ……いや"友"ですか……」≪キリッ≫

「はい」


――――この時点で何故か殿下が頼り気な視線を送って来ているので、彼女の姿とのギャップを感じてしまう。


「その"友"と言う単語から真っ先に連想する"更なる単語"は?」

「……憧れ……」←半ば無意識に

「!?!?」

「……ッ……どうしたのです? 白銀」

「い、いえ何でも……それよりも、何となく仰りたい事が分かってしまったかもしれません」

「ま……誠ですかッ?」

「はい(……何せ少佐の俺が冥夜の件で、既に経験済みだからな~)」


≪お前 同い年ならず、年上からも何時も敬語 使われる奴の気持ち考えた事ありますか?
 ……マジで泣きたくなる程 悲しいんで、止めて貰えませんかねぇ……?(リアル話)≫


「では、わたくしが"告げたかった事"と言うのは……?」

「ソレって私の口から述べてしまっても宜しいんですかね?」

「構いません。むしろ……そなたから言って欲しい気もします」

「そうですか」

「……ッ……」


此処で気付いた人も多いだろうが、彼女の立場……友と言う単語への憧れ……俺が以前 冥夜に述べた事。

それらを考えると、殿下が"言葉で表せなかった事"とは"言いたくても口に出せなかった事"とも例えられる。

しかし彼女は少し考えれば簡単に出て来そうな内容だとは言え、脳の一部が口に出す事を抑制していたのだろう。

ならば俺が変わりに告げるしか有るまい!? よって俺はリミッターを解除すると、某 第3部の高校生を肖った。


≪┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨┣¨……≫


「……貴女"煌武院 悠陽"は……いわゆる征夷大将軍のレッテルを貼られている……
 生まれた時から必要 以上の教育を受け、未だ日本を背負う人間として努める日々が続いている現状……
 威張るダケの能無しなんて日本に沢山存在するが、貴女が そんなんじゃ日本は2度と立ち上がれねェ。
 なのに自分の命が可愛いからとヘコヘコと頭を下げに来る様な、汚い人間の相手は しょっちゅうよッ!」

「し、白銀……」

「だが、そんな貴女にも憧れと言う物が有ったッ! "友"とは損得 関係無しに言いたい話が出来る相手の事だ!!
 されど殿下だーっ! 簡単に作れるモンじゃ無ェ!! あァ~~ん……貴女の"立場"は征夷大将軍ってワケで、
 年の近い人間は皆 揃って謙(へりくだ)るし、何よりソレが当たり前だしで難しかった……だから――――」

「……あッ……」

「俺が裁――――いや自分と"友達"になりませんか?」

「!?!?」


≪バアアアアァァァァーーーーンッ!!!!≫


いやいや裁いて どうすんだ裁いて。それよりも殿下が"告げたかった話"とは俺と友達に成りたかったと言う事。

考えてみれば、こうも神々しい姿ながらも彼女は17歳。なのに友達が一人も居ないと言うのは確かに寂しい筈。

……とは言え自分の立場から考えを抑制していたが、歳 同じくして少佐の俺との出会いで望みが高くなった。

だけど実際に口に出すのは無意識のウチに躊躇われたが、相手の口が述べれば無問題と言うのが俺の推測である。

そんなワケで最後は殿下の手を取ったりしながら、彼女の一人目の"友達"になる事を促してみたんだけれども。


「ダメでしたかね~?」

「……ッ……」

「殿下?」

「そ、それなのですッ! それなのですよ白銀!!」


≪――――ぐいっ!!≫ ←白銀の両手を握る音


「うおっ?」

「わたくしの告げたかったのは、まさに"それ"だったのです!!」

「は、はあ」

「流石は白銀ですッ。私が口では表せなかった事を、こうも簡単に察してしまうとは……!!」

「では殿下……私と"友達"に成って頂けるので?」≪キリッ≫

「!? は、はい……不束者では有りますが、宜しく御願い致します」

「いやいや、ソレは友達に言う台詞では無いでしょう?」

「そ、そうなのですか?」

「先ずは名で呼ぶ事から始めましょう。私の事は遠慮せず"武"と呼んで下さい」

「……ッ……で、では……武様」

「まさかの様 付け!?」

「い……いけませんか?」

「そ、そうでは無いんスけど……(考えてみればAFだと殆ど全員に"様付け"だったっけ……?)」

「ならば わたくしの事も"悠陽"と呼んで頂けませんか?」

「えぇっ? 流石にソレは立場的にヤバ――――」

「武様」

「は、はい」

「"そなた"は わたくしの"友"なって下さるのでは無かったのですか?」


しまったッ! 場のノリで友達に成ろうと言ってしまったが名で呼ぶ事からのリスクを考えて無かった!!

それに思ってみれば妙に殿下の俺に対する言葉遣いが柔らかくなってるが……コレが彼女の素なので仕方ない。

ソレよりも、そんな哀願する様な視線を向けないで下さい……断れないじゃないか。良いぞ、もっとやれッ!


「……ッ……じゃあ"悠陽"」

「――――っ」≪ドキュン≫

「これから改めて宜しく頼むよ? 余り多く"今みたいな機会"が有るってワケじゃ無いけど……」

「ぞ、存じております。ですが武様と言う"友"が出来た事は、わたくしにとって大きな収穫となりました」

「それなら良かったよ……でも、お互い くれぐれも場は選ぼうね? 下手したら立場が危ないからさ~」

「ふふふっ。分かりました」

「じゃあ、友達になった事で一つ御願いが有るんだけど」

「何でしょう? 遠慮なく仰って下さい」

「なら先ず其処に立って」

「はい」

「そのまま両手を左右に広げて」

「こうですか?」

「――――"天津神 アマテラス"が一体 出た!!」(メガテン調)

「???? 天照?」

「いや、何か似てると思ったからさ」

「(こ、この わたくしが かの有名な"天照大神"などと……武様は其処まで わたくしの事を?)」

「悠陽?(今のギャグはウケなかったかな~? 原作を知ってる筈 無いし当然か)」

「アマテラス……アマテラス……アマテラス……」

「ちょっ!? 冥夜と被ってるけど何か違うッ!」

「!? す……すみません、わたくしとした事が」

「アハハハッ。じゃあ、そろそろ俺は行くよ? 何時までも2人だと流石に怪しまれるだろうし」

「そうですね。それでは武様……後ほど御会いしましょう」

「うん、またね~」


こうして俺と殿下……いや悠陽はノリで"友達関係"となってしまい、別れ際に見た彼女の笑顔が印象的だった。

荒んだ"この世界"にやって来てから、ひょっとしたら一番の笑みだったかもしれない。流石"征夷大将軍"だぜ!

しかし"気を引き締めて彼女との再会に臨む"と言う話は何処へやら。変なポーズまで取らせちゃったし全くもう。

でも友達になってるし問題は無いよね~? 場所を選ぶのがアレだけど、彼女に元気が出たのなら良しとするか。

されど俺の何気ないネタは悠陽の心を大きく動かしていたらしい。原作には間に合わなかったみたいだけどNE。


「(天照大神……太陽の象徴。もし新たな戦術機を造る機会があれば、考えて見るのも良いですね)」

「殿下。奴めが出て来た故に参りましたぞ?」

「そうですか……紅蓮」

「何か?」

「そなたには世話を掛けてばかりですね」

「とんでも有りませぬッ。むしろ孫の成長を見ている様で生き甲斐を感じておりますよ」

「ふふふっ。ならば安心です……それよりも午後の交渉は旨く済ませなければ成りません」

「そうですな。可能であらば儂も誰もが評価すると言う"あの者"の腕を拝みたいと思っております故」

「では紅蓮はシミュレーター等の準備を滞り無く。どんな希望にも応えられる様にして置くのですよ?」

「畏まりました!」

「恐らく交渉次第では、今後 斯衛軍の未来が変わるかもしれません。それを念頭に交渉に臨むのです」

「ははッ(ふ~む。クーデターで大きく成長されたとは思ったが、奴に抱いていた蟠りが取れた事により更に?)」


――――"悠陽"の要望から15分後、ようやく戻って来た俺を七瀬と神代が心配した様子で待っていてくれた。


「あッ、白銀少佐!!」

「(一体 何を話してたんだろう?)」

「2人とも……そんな所(廊下)で待ってたのか?」

「はい、月詠中尉に待合室には案内して頂きましたが……」

「すみません」

「神代。謝る必要なんて無いって……それより変な目で見られなかったか?」

「あ、あはは……擦れ違った方達には多少ですけど」

「私は良いんですけど、七瀬少尉の方が それなりに」

「やっぱり!」

「ですが部下として当然の事だと思っていますから、白銀少佐は気に成されないで下さい」

「……なら何も言うつもりは無いけど……余り気を張りすぎるなよ?」


≪――――ナデナデ≫


「あぅうっ」

「……クッ……(羨ましい!)」

「んっ? 神代?」

「!? あッ……と、とにかく待合室の方に御案内 致します」

「有難う」

「それと昼食は今から45分後との事です」

「把握した」

「(ヘブン状態)……!? ま、待って下さ~いッ!」


待合室から2人が待っていた上層の通路までの距離はソレなりに有ったので、此処は2人の気遣いに感謝だ。

本来は真耶さんが迎えに来る筈だったが、彼女の手間を省く意味で七瀬と神代が代わりに来たって話だけど……

七瀬のリスクを考えると労ってやらせざるを得ない。だから頭を撫でちゃったのも仕方ない事だと思うんだ☆


「白銀少佐、再度 お迎えに上がりました」

「ご苦労様で~す」

「(こ、こここ今度は殿下との御食事だなんてッ)」

「(コレも滅多に無い機会だよ……でも、何で白銀少佐は平気そうなんだよ~?)」←友達だからである


――――そして待合室で暇を潰す事30分、真耶さんが迎えに来てくれた事で午後の予定が開始される。




●戯言●
先月は絆のイベント戦で休日の殆どを費やし、最近までは長期の風邪に掛かってしまって更新が遅れました。
未だに完治はして居ないので最近 何とか更新した作品と同様に非常に曖昧な出来です。面目有りません@w@
さて殿下とのフラグがビンビンに立ちましたが、JOJOネタが遣りたかったダケとも言う。だから満足!!


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