これはひどいオルタネイティヴ502001年12月13日 早朝――――横浜基地・白銀少佐の個室へと続く通路にて。≪コッコッコッコッ……≫「(……今日から本当の意味で、私の新しい一日が始まる……)」≪んなっ!? 七瀬、貴女また勝手な行動をして……!!≫≪敵機2体撃破、このまま一気に潰します≫≪クッ……(相変わらずの協調性の無さね)≫≪それよりも部隊の展開が遅いですよ? その程度では話になりません≫「(今迄の私は本当に自分勝手だった。何時も敵を作ってばかりで……)」≪おい、アイツ……"七瀬 凛"だぜ?≫≪確か武家の人間だって言う物好きなヤツだろ? 只の小娘に見えるが≫≪見た目はな。だが戦術機の"適正"はトップクラスだったらしい≫≪……だが ありゃ早死にするぞ。訓練部隊の評判は最悪だったみたいで、上も配属に困ってるそうだ≫≪あァ。イザと言う時じゃ~誰も命を張って守ってくれんだろ≫≪別に本人が構わないと思ってんならソレで良いんじゃないか?≫「(それなのに今回の情けない結果で、今頃 私は帝国軍の笑い者になっているでしょうね)」≪だから伊隅さん……あの時は有難う。これからは気持ちを切り替えて頑張るわ≫≪え、えぇ~っ?≫≪では白銀少佐≫≪わ、分かった。早速 訓練中の俺達の部隊の所に案内するよ≫「(けど私は白銀少佐や伊隅さんの御陰で変われた。今度からは心機一転して頑張らないと!)」≪コッコッコッコッ……≫「(だから……わ、私が朝から白銀少佐を部屋の前で待っていても不自然じゃ無いわよねッ? ……そう…… 帝国軍からワザワザ私の事を引き抜いてくださったんだもの。むしろ、朝の御挨拶をするのは当然だわ!)」≪――――カツンッ≫(到着した凛)「そ、それでは今日は私が最初に入りますので……」「どうぞ篁中尉……あらっ? 七瀬少尉」「!? ピアティフ中尉と篁中尉……ど、どうして 御二人が其処にッ?」「それは……私は武さッ、いや白銀少佐が心配なので毎朝 様子を見に……」「し、心配?」「(間違っては無いけど何か誤解を招きそうね……)私も似た様な理由です」「ゴホン。では七瀬少尉は何故 此処に?」「え、えっと……私は白銀少佐に朝の御挨拶を出来ればと思って伺ったのですが……」「ふむ……"朝の挨拶"と言っても昨日話した"待ち合わせ場所"でも行えると思うが?」「うッ。ま、不味かったでしょうか?」「そ、そう言うワケでは無いんだが……(武さんの部屋を訪ねる女性はコレ以上 増えて貰いたくないわッ)」「まあ仕方ないでしょうね。七瀬少尉は白銀さんに御執心な様ですから」「!? ぴ、ピアティフ中尉ッ!」「ふふふっ、違いましたか? 恩を受けたと言う意味で述べたのですが」「あぅうッ」「(や、やっぱり七瀬少尉も……武さんを?)」「(それにしても"あの評判"の彼女を早くも此処まで……白銀さんの魅力は無限大ね)」――――コレにより必然的に起きた十数秒の沈黙の後、呼吸を整えた七瀬少尉が口を開く。「ともかく……私が此処に居ても宜しいのでしょうか?」「決めるのは私では無いが、白銀少佐は何も言わないと思う」「では篁中尉」「はい。起きられる前に入室しましょう」「えぇっ!? も、もしや部屋の中に入るのですか?」「――――ユウッ!!!?」『!?!?』×3「今のは……た、武さんの声!?」「間違い有りませんね(……初めて聞く名前ね、一体 誰の事なのッ?)」「し……白銀少佐の身に何か有ったのでしょうか?」「分からない。それよりも、早く確認しないとッ!」≪……ガチャッ!!!!≫………………――――もう20年以上も前になるだろうか?「(はやくかえって、今日こそはカン●タを やっつけるんだ!!)」俺がガキんちょの頃、既に"テレビゲーム"と言うモノが非常に流行っており当然 自分も例外では無かった。だけど両親は厳しかったのでファミ●ンをプレイできるのは一日長くても2時間 程度でしかなかった気がする。……とは言え友達たちも同じ条件だったので、その日もライバル達と少しでも差を付ける為に急いで帰宅した。そして家の中に転がり込むと躾に五月蝿い母の小言をスルーして、高鳴る胸の鼓動をそのままゲームを起動する。――――しかし俺を待っていたのは大冒険では無く、幼い当時にはキツ過ぎた"トラウマ"であった。『おきのどくですが ぼうけんのしょ1は きえてしまいました』初めてその音楽を聞いた時、全身に寒気が突き抜け……当時の俺には理解できない"鳥肌"と言うモノがたつ。しかし本当の問題は其処では無く……手塩に掛けて育てた、自分の分身が帰らぬモノになってしまったと言う事。勇者の平仮名は"ゆうしゃ"故"ゆう"と言う単純な名前を付けたが、それでも俺には掛け替えの無い存在だった。よって俺は お菓子を手に"どうしたの?"と首を傾げる背後の母親の存在に気付く事も無く悲痛な叫び声を上げた。≪がばっ!!!!≫「――――ユウッ!!!?」「!?!?」「はあっ、はあっ、ハアッ……ゆ、夢か……?」「し、白銀さん?」其処で夢は終わったが内容が内容だったので体を勢い良く起こしてしまい、額からは汗が滴り落ちるのを感じる。う~む……一昨日生身でBETAを相手にしたからだろうか? 初代トラウマとも言える夢を見てしまうなんて。思えば"こう言う事"はこっちに来てから初めてだな~、今考えると微笑ましい記憶だから別に堪えてないけどね。……とは言え"悪夢に魘(うな)されて目が覚める"と言うシチュエーションに、ウサギの存在を忘れ自重を怠る俺。「指先がッ……チリチリする」「えっ?」「口の中は、カラカラだ……」「……ッ?」「目の奥が熱いんだッ!」「……!?」――――頭を抱えつつ成り切ったキャラは、台詞の通りエア●スを殺された金髪トンガリ頭である。「……あ"っ」「……ッ……」その朝の肖りが終了したので満足気に視線を移してみると、瞳を大きく見開いていた霞さんと目が合ってしまう。今日も黒いスリップ姿が可愛いな~、まかり間違えば大事な部分も見えちまいそうで……って違うだろ俺!?寝ボケていた所為で今に至るまで霞の存在をスッカリ忘れていたッ、これでは再び痛い奴だと思われてしまう!「か、霞……おはよう」「……おはようございます」「/(^o^)\」「……(魘されていたダケでも問題なのに、やっぱり白銀さんは……体に途轍もない負担を抱えている?)」「……(ヤベェ!! い、今ので絶対に"寒ッ"とか思われてますよ!?)」「……(夢と負担に関連性が有るかは分かりませんけど、これは大変ですッ。どうして其処まで無茶を……!)」「あのな? 霞……今のは元の世界で流行った"中二病"ってモンから来る冗談で……」――――故に何とか今迄の様に、可哀相なモノを見る様な視線を向ける霞の誤解を解く為 務めようとするんだが。≪……ガチャッ!!!!≫「武さんっ!」「白銀さんッ」「白銀少佐!」「……皆さん」「\(^o^)/」場の空気を読まず唯依・イリーナちゃん……そして何故か七瀬が入室して来た事で俺の言い訳の機会は潰えた。恐らく"ゆうしゃ"の名を叫んでいたのを聞いていたんだろう。そりゃ~何事かと思いますって常識的に考えて。されど只でさえ霞の事でテンパっていた俺に気の利いた挽回など出来る筈もなく、無言で着替えて退室しますた。故に俺は自室に4名の女性を放置すると言う謎な行動を取る事になり、涙を拭いつつ まりもちゃん達と合流した。………………「や、社。一体 武さんの身に何が有ったの?」「……率直に言えば……白銀さんは夢で魘されていました」←既に着替え済み「では"ユウ"と言う人物に心当たりは?(流石に香月博士の事では無いでしょうし)」「分かりませんピアティフ中尉……でも問題は其処では有りません」「ど、どう言う事なのですか?」「重要なのは……夢で魘される程 白銀さんのカラダに大きな"負担"が掛かって居ると言う事です……」「!? で……では、やはり武さんが無理に戦術機を操縦したりBETAを生身で相手した事が影響している?」「……いえ……白銀さんの"肉体そのもの"は……何度か行われた精密検査により極めてクリアな状況です。 兵士級を斬った事でさえ、確かに骨への負担を考えると危ない事では有りましたが……些細なモノと言えます」「となると――――」「はい……白銀さんは当初から大きな"精神的な負担"を抱えています」「せ、精神的な負担……?」「!? そんなッ、一昨日 初めて御会いした時から そんな素振りは微塵にも……」「篁さんと七瀬さんは御存知では無いですけど、白銀さんは先月の18日に過労で倒れた事が有ります。 それ以外にも……共に行動する事が多かった篁さんなら心当たりは多々有るのでは ないでしょうか?」≪は……はははっ、それじゃ~みっともないところを見られちゃったね≫≪!? そ、そんな……"みっともない"だなんてッ≫≪ともかく、今見た事は忘れてくれ。 何とも無いからさ≫≪……ッ……了解、しました≫「た、確かに……訓練の合間に血を吐かれていた事も有ったわ(……トイレで)」「なっ!? ほ、本当なんですか!?」「すみません中尉。武さんには口止めをされていたので……」「そ……それ程まで白銀少佐は……(それに引き換え私はッ)」「よって白銀さんは極めて危険な状況です……このままでは、いずれ命を……」『……ッ……』×3「ですから……今の白銀さんには、もっと休息が必要だと思います」「そ、それなのに武さんは今日も私達の為に訓練の指導を……?」「思ってみれば……立ち去る際の白銀さんは、何かに耐えるような表情が窺えましたね」「な、何て事なの……? 白銀少佐は更なる負担を承知で私を引き抜いて下さっていたなんて……」「とにかく今は白銀さんを追いましょう。無駄な心配も……あの人には負担にしかなりません」「わ、分かった」「それにしても今回は白銀さんの精神的 負担の軽減が課題ですか……由々しき問題ですね」「な……何か私にも出来る事は無いのでしょうか?」「(最も効果が期待できるのは00ユニットの完成なんですが……"純夏さん"になるまでの負担を考えると……)」……………………まりもちゃん達と合流して食事を始め、少し経つと霞たち4人が現れたので総勢13人での食事となった。メンバーとしては俺を含む中隊8人の衛士+イリーナちゃん+ウォーケン姉妹+ウサギの何時もの面子に加え。昨日 訓練に混ざった"伊隅 あきら"の姿も有り、多少 遠慮がちそうな仕草をしつつも朝食を共にしてたけど。(即ち俺+霞+唯依+まりもちゃん+イリーナちゃん+元米軍3人娘+イルマ+ウォーケン姉妹+七瀬+あきら)「神宮司 中尉の お話は本当に参考になりますッ!」「そ、そうかしら?」「はいっ! 流石は姉の教官を務められた方です!!」「コレとソレとは違う気がするんだけど……」「えっとえっと、今度は戦術機についての――――」「……(し、白銀さ~ん)」俺が"神宮司 中尉は伊隅(姉)の教官をしてたんだよ"とウッカリ暴露してしまうと、伊隅(妹)の様子が豹変!!何時の間にか まりもちゃんの隣の席にトレーごと瞬間移動(比喩)すると、瞳を輝かせながら質問攻めを開始した。よって まりもちゃんは食事を含む暇を殆ど与えて貰えず、かと言って突き放し辛い様で対応に困っている様子。その為 此方に情けない表情で助け舟を求めて来るんだけれども、笑顔で誤魔化して俺は視線を他の面子に移す。「ブリザってさ、何気に毎日 牛乳飲んでるよね~?」「流石に その年じゃ背は伸びないんじゃないかァ? ウリウリ」「ち、違うよ只の日課だもん……それより頭から手を離してフレア……」「諦めなさいよブリザ。フレアが人の話 聞かないのは何時もの事なんだから」「あはははっ。イルマ~、それって酷くない?」「う~ん。でも大将は胸がデカい方が好みなのかね~? 私タッパはともかく大きさには自信無いんだよな~」「は……話を聞いてよ……って論点がズれてるよ……」「何時の間にか身長の事がバストの話になってるわね」――――元米軍3人娘はブリザを中心に並んで座り、ライトとフレアが弄ってるのをイルマが傍から眺めている。「(ねェ姉さん。今日も履いてないの~?)」「(今日は薄いのは履いてるわよ、だけど貴女は違うんでしょう?)」「(!? で、でも私はストッキング履いてるから大丈夫だもんッ!)」「(ふふふ。見られても平気な様に小細工するよりは"必ず"見られない様に計算する方が興奮するわよ?)」「(さ、流石に其処までの度胸は無いわよ……そもそも想像だけで十分イケちゃうし……)」「(そうよね。ロクに計算しないで見られちゃったら貴女なら興奮し過ぎて病院送りになりそうだし)」――――またウォーケン姉妹は小声で何やら話しており、恐らく仕事関係の事に違いないZE。「…………」『( ´д)ヒソヒソ(´д`)ヒソヒソ(д` )』そして遅れてきた4人組の霞・唯依・イリーナちゃん・七瀬なんだが、何やらヒソヒソと話してるんですけど?普段なら霞と唯依が俺の左右に座るんだが、彼女達は途中参加 故に席の配置が何時もと変わってるとは言え……他の人が口を挿(はさ)めない様な独特な空間を4人で作っており、完全に俺は12人全員にハブられてしまった。霞ら4人を除く8人はともかく、きっと寝起きの事で"やっぱ白銀少佐って痛いですね"とか言い合ってんだろう。チクショーーーーッ!!!! こんな羽目になるんだったら、不躾でも良いから言い訳でもしときゃ良かった!!「あの……白銀少佐」「へぇあ?」「お早う御座います」「あァ。おはよ~です、伊隅大尉」――――そう絶望しつつ内心 号泣しながら飯を口に含んで居ると、お盆を持った伊隅(姉)が俺に話し掛けて来た。「……ッ……」←無言で片手の敬礼「お構いなく。それで、ど~したんですか?」「その、見知った顔がおりましたので」「成る程……って事はやっぱり……」伊隅に対応しつつ軽く視線を移してみると、離れた場所で朝食を摂っているA-01の面々が此方を見ている。恐らく動向を窺っているのだろう。ちなみに元B分隊の5名は、まだ合流していないので朝食は別の箇所だ。さて置き。伊隅(姉)の言いたい事は十二分に分かるので、俺は話に夢中になっている妹様の方に視線を移した。そして再び姉の方に視線を戻すと彼女は静かに頷いたので自分も苦笑しつつ頷くと、伊隅(姉)は妹に近付く。「(うぅ。何時まで経っても食事が進まない……)」「それではッ、次は内緒で姉の訓練兵 時代の事を御聞きしたいんですけど――――」「あきら」「えっ? もォ何ですか~? 今 大事な所なんだから……ってぇ、みちるちゃぁぁああん!!!?」「貴女 今、神宮司中尉に何を聞こうとしてたのかしらねェ?」(ニコリ)「う、ぅあァっ……あぅうッ」「聞き違いで無ければ、私の汚点でも探ろうとしてた様に思えるけど~?」「ひぃっ!? ご、ごめんなさああああぁぁぁぁい!!!!」≪ガタンッ!!!! ――――ダダダダッ!!!!≫「あっ……逃げた」「(た、助かった)」「白銀少佐ッ!!」「!? 了解~っ!」問い詰める伊隅(姉)の表情は笑顔ながら非常に怖く感じたのか、妹の方は立ち上がると一目散に逃げ出した!!対して まりもちゃんが安堵して俺がポカンと彼女の後る姿を見送って居ると、唐突に何かを叫んだ伊隅(姉)。その"何か"が自分の事であると認識した直後、俺は自然と立ち上がって伊隅(妹)の事を追い駆けてしまっていた。「待てぇ~ゐッ!」「えっ!? は、速……!!」――――シロガネが。≪がばああぁぁっ!!!!≫――――捕まえて。「制圧ッ!」「うわわわわっ!?」――――画面端ィ~ッ!!≪びたんっ!!!!≫3行目は関係無いが俺は瞬く間に追い付いた伊隅(妹)に背後から飛び掛ると、覆い被さるように倒し確保した!それにより伊隅(妹)の逃亡はアッサリと失敗に終わり、俺は彼女を小脇に抱えて戻ると伊隅(姉)に差し出した。確保した際ウッカリ帝国軍の軍服越しに片方の胸を揉んでしまったが不可抗力だろう。そうに違いない!(キリッ)故に深く考えない事にするのでヨシとするとして、まりもちゃんはジト目で伊隅(姉)を見上げながら口を開く。「伊隅大尉。咄嗟とは言え白銀少佐を嗾ける様な言葉は感心できませんよ?」「うぐッ……そ、それに関しては謝罪 致します。白銀少佐」「いや、別に構わないスけど?」「有難う御座います。コホン……では あきら、久しぶりに姉妹で語り合いましょうか?」「へっ? で、でもボクは――――」「問題無いでしょう? 喋る事に夢中で食事には殆ど手を付けて無かったみたいだし、丁度良いと思うけど?」「し、白銀少佐~っ?」「いや折角だし話してきなって。神宮司中尉に聞いた事に関しては頂けないけど、会うのは久しぶりなんだろ?」「それは、そうですけど……」「だったら尚更だ。コレは良い機会だと思うべきだよ」「わ、分かりました……ごめんね~? みちるちゃん」「ふふふっ、判れば良いのよ。白銀少佐に感謝する事ね」……そんな会話を終えると、伊隅姉妹は2人で開いたテーブル席に移って向かい合うと何やら談笑を始める。しかし最初は伊隅(妹)が姉に対し後ろめたさを感じていた様だったけど、いずれは妹の方にも笑顔が戻った。ソレにより何事も無かった様に食事の一時が再開したので、適当に まりもちゃんと会話を進めていたんだけど。「何だか形容し難い空気になってるわね~? 白銀」「あっ、ゆ~こさんじゃないスか」「えっ? 夕……副司令ッ?」『!?!?』≪――――ガタッ!!!!≫『敬礼!!』「はいはい。そんなのは要らないから」何処からか ゆ~こさんが現れ彼女の名を漏らすと、皆が直立して敬礼したので俺と霞も若干遅れて敬礼する。ソレに周囲は何事かと視線を向けて来たが、ゆ~こさんが面倒臭そうに制したので畏まった雰囲気は消え失せた。故に皆が着席すると彼女は伊隅(妹)の居た席に腰を降ろし、足を組み俺に視線を向けながら何時もの調子で言う。「案外アッサリと見つかって良かったわ、A-01と同じ位 特定し易いわねアンタ達」「褒め言葉って事で良いんスか? それ」「好きに判断しなさい」「それよりも、どうしたんです? ワザワザPXに迄 来ちゃって」「勿論 用が有るからよ。そうじゃ無かったらイチイチこんな喧しい所になんて来ないわ」「ですよねー☆」「ハァ……以前 アンタが言ってた"携帯電話"とか言うの、ホントに作って持たせとこうかしら」「出来ればアイ・フォーンで御願いします」「実物 持って帰って来て出直しなさい」「!? あァ~、しまった。そう言えば何で色々と持って帰って来なかったんだろう」「全くよ。あたしも忘れてたけどね」「(ね、姉さん……2人とも何の事を言ってるの?)」「(サッパリ分からない……さ、流石は副司令と武さん……)」「でも ゆ~こさんが此処に来るぐらいなら、何時もみたく誰かに伝達を頼めば良かったのに」「頼むって誰によ?」「だ、誰にって……そりゃ~霞やイリーナ中尉に……」――――そう適当に答える俺に対し、ゆ~こさんは つまらなそうな表情をしながら足を組み直すと口を開く。「ソレが出来てれば苦労してないわよ」「へぇあ?」「社もピアティフも其処の姉妹も、み~んな朝食は白銀と一緒に摂りたいって言うんだもの」『!?!?』「なん……だと?」「朝食を終えれば動けるんだろうけど、それより早く伝えたかったから あたしが来てあげたってワケ」「でも別の人に頼めば良かったダケなんじゃ?」「そうもいかないの。案外 少ないのよ? ピアティフ達と同じレベルの権限を持った人間って」「な、成る程~ッ」ゆ~こさんの言葉に納得しつつ視線を霞たちに移してみると……皆が恥ずかしそうに頬を染めて俯いていた。霞・イリーナちゃん・ウォーケン姉妹は仕方ないとして、他の面々も照れている仕草をしてるのは何故だろう?きっと仲間ハズレが嫌だったん だろうけどね~。気持ちは分からなくも無いけど、妙に皆 子供っぽいんですな。だったら俺が部隊の伝言役でも構わないんだが、隊長で有る俺と食事を摂りたいと言う心遣いは疎かに出来ない。「(な、なァ……ライト。大将と副司令って随分と仲良いんだな~?)」「(そ……そうね。何だか普通の友人同士みたいな気がするんだけど)」「(タケルさんは普段の調子。それが副司令相手でも同じなんて……)」「(ウォーケン少佐と話してた時も違和感なかったし、ホント凄いわ)」「ともかく。わざわざ伝えたい事って何なんですか?」「せっかちね……ちょっと待ってなさい」「(や、社。香月副司令は武さんに何を言うつもりなの?)」「(分かりません……ひょっとしたら、新たな任務かもしれないです)」「(!? そうなれば、白銀さんに更なる負担が掛かってしまう……)」「(で、でしたら私達が白銀少佐の変わりを担うようにしないとッ!)」――――ゆ~こさんに"待て"と言われたからには、そうするしか無いので そのまま待つ事 数分後。「香月副司令、食事をお持ちしました」「ようやくね。待ったわよ~?」「申し訳有りません。生憎 混み合っていた模様で……」「えぇっ!? あ、貴女は――――」(唯依)「月詠 真耶……さんですか?」「はい。7日以来になりますね? 白銀少佐」「今日は13日だから……6日ぶりですか~」「そうなります」ゆ~こさんに頼まれていたのか、自分と ゆ~こさんの食事を両手で持って来た"月詠 真耶"さんが登場した。……とは言え彼女をハッキリと分かるのは俺と、面会時に面識の有った唯依ダケなので他の皆は困惑の表情。だがソレも無理はない。真那さんの方なら ともかく新たな斯衛(赤)が現れるなんて予想できる筈もないしな~。当然 俺も面識が有るダケで彼女が何の目的で出現したか分からず、ニヤニヤとしている ゆ~こさんに言う。「どうして真耶さんが此処に居るんスか?」「それは極端な話"煌武院 悠陽"殿下がアンタに用が有るからよ」『!?!?』「ウボァーッ! そ、それは余りにも極端 過ぎるでしょう?」「それもそうね」「となると……真耶さんは殿下の遣いで横浜基地に来たって事スか?」「はい。先日のトライアルでの概要は殿下の御耳にも入っておりまして」「クーデターで殿下を身を挺して守ったダケじゃなく、トライアルでも革命と言える概念を多く見い出し、 あまつさえ武家でも有る七瀬を救ってくれた事を直々に御礼したいそうよ? 良かったわね~、オメデトウ」「で……ででで殿下が私なんかの事で頭を下げてくださるるるるなんてッ」(ふらっ)「!? し、しっかりしろ七瀬ッ!(……それにしても榊 総理の事と言い、武さんの影響力は本当に凄いのね)」「いやいや"オメデトウ"って……ど、どうすれば良いんスか~? オレ」「殿下は白銀少佐との面会を求められております。故に是非 帝都に赴き謁見をして頂きたいのです」「そう言う事~。どうするの? 白銀。アンタが決めなさい」「えっ? なら勿論 御受けしたいトコなんスけど……訓練とかは どうすりゃ良いのかな~と思いまして」「――――白銀少佐ッ!」「唯依?」「訓練の事でしたら私達に御任せ下さいッ! 白銀少佐は帝都にて殿下との御面会を!!」「……白銀さん……私も、訓練の御手伝いをしますから……」「霞ッ?」「そうです白銀さん。謁見を済ませれば何日か帝都でカラダを休めるのも良いでしょうし」「イリーナ中尉まで!?」「わ、わわわ私も今後 白銀少佐の足を引っ張らない様に訓練に務めますので……!!」「悪いけど七瀬~。アンタも白銀と一緒に帝都に行って貰う事になってるからね?」「がくッ」「また先程 真那の方と相談 致しまして、神代少尉が白銀少佐と共に行動します」「あの娘が? ……ど~してなんスか?」「私は一足先に帝都へと戻りますが、斯衛の案内役は必要でしょうから」「七瀬はあくまで"招待される側"だしね~(それと片方の月詠は御剣に御執心だし)」「う~む、納得。それにしても随分と速く来たモンですねェ」「一刻も早い白銀少佐の承諾の確認が殿下の御望みでしたから」「は、はあ」「……(私も斯衛なんだけど……今は国連軍の臨時中尉なのが悔やまれるわ……)」「まあ出発は明日って事になってるから、今のウチに訓練で伝えたい事は言って置きなさい」「了解です」――――そんなワケで俺の帝都訪問が決定してしまい、七瀬と神代が付いて来る模様。どうしてこうなった!?「あァ。そう言えば伊隅の妹の方」「はいッ?」「アンタも今日付けで既に"突撃機動部隊"配属になってるから、しっかり訓練に励むのよ?」「え、ええええぇぇぇぇ~~~~っ!!!?」「ゆ~こさん……い、何時の間にッ」「ま、まあ白銀さん。夕呼ですから」「把握」「ふふふっ。良かったわね? あきら」「うぅ~ッ。トライアルが始まってから何だか色々と有り過ぎて、夢でも見てるみたいだよボク……」「逃避は よしなさい。それより折角 白銀少佐が目を掛けて下さったんだから、無駄にしちゃダメよ?」「!? そ、そう言う事なら……白銀少佐の為にも頑張るよ~ッ!」「……ッ……どうして……こうなった……?」「ふじこ~」そして ゆ~こさんの計らいで伊隅(妹)も突撃機動部隊に加入し、俺の部隊の衛士は総勢9名となったのでした。しっかし七瀬はともかく、彼女は大丈夫なのかな~? まァ昨日の動きを見る限り大丈夫か、眉毛とかも太いし。また前述の通り明日 帝都に赴き殿下と面会する事になったので、今日も筐体に入らず訓練の指導を中心に行った。その際 唯依と七瀬の気合が抜群で、他の6名も負けじと頑張ってたのが印象的だった。オラに元気を分けてくれ。んで訓練が終わって ゆ~こさんに呼び出されると武御雷の一機や二機は貰って来いと言われました。無理だって!「あ、あああ明日は私が白銀少佐を案内すすすするんだなッ?」「ちょっとは落ち着きなさいよ巽……」「そんなに緊張するんでしたら私が変わってあげましょうか~?」「――――だが断る」「も、戻った!?」「んもうッ。こうなったら巽が居ない間に絶対ヴォールク・データの戦果を追い抜いて見せますわ~!」「お前達……此処はPXだと言う事を忘れるなよ? ……頼むからッ」●戯言●間が空いてしまった割には1日進んだダケですが、色々とイベントが発生。最も重要なのは伊隅(妹)の加入?また最近 会話の特徴を把握する為 再びAFをプレイし分かりましたが神代を今まで"かみしろ"と読んでましたorzhttp://www.nicovideo.jp/watch/sm10264423前回の戦●の絆のリプレイ動画に続いてPODの中を撮りました。機体は迷いましたが王道のガンダムで!!http://www002.upp.so-net.ne.jp/shinjigate/itadakimono-cg-buriza2.htm新たな絵師せきぐちさんによる国連軍の軍服姿のブリザ・スリーブス少尉です。わざわざ有難う御座いました。http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=9879725タニシ氏によるフレア・フレイドル少尉です。コレで米軍3人娘 全員の容姿が確定しましたね!(微エロ注意)