これはひどいオルタネイティヴ48(後編)2001年12月11日 午後「不知火3機(ライト達)の準備はまだか!? テレサ中尉ッ」『ま、間も無く終了するそうですっ!』「セレナ中尉……BETAの数は!?」『少佐機の索敵内で小型種含め約50ッ。戦術機の脅威となるのは、その半数以下の模様。 重光線級 及び要塞級の姿は確認できていませんが詳細は不明です! 現在 確認中との事!』「じゃあ早めに調査を宜しくッ!」『了解しました!!』今現在 味方が完全に後退する中で元B分隊と合流してたので、僅かながら交戦まで余裕が有った。その合間に考えるが、やはり"意図的"な奇襲ダケ有ってBETAの数は少なそうだ。精々100程度だろう。また流石にバカでかい重光線級・要塞級を運んでくるのは無理だった様子。……隠し通せないだろうし。いや、要撃級や突撃級を察せられずに横浜基地まで連れて来れた時点で凄い事だと思うけどNE。『(武さん……どうして、またそんな無茶をッ!)』『(……とは言え、あの白銀さんの自信なら……)』……さて置き。未だにリンク中である唯依と まりもちゃんのバストアップに視線を移してみると、苦虫を噛んだ様な表情で視線を泳がせていた。恐らく今の状況から飛び交っている情報を把握しているんだろう。2人のメイン武器は互いにペイント弾&ナマクラなので出撃できず、それ以外する事が無いとも言える。でも正直な話 実弾装備であればヴォールク・データをクリアできる2人の技量だと、単機でも殲滅が可能な筈。俺が11月11日に介入した事で、例え原作より奇襲してきたBETAの数が増えていようと……だ。されど実弾装備でなく、BETAの数が正確に分からない事から唯依と まりもちゃんは必要以上に焦っている。特に後者を考えれば仕方ない。もし生身で兵士級1匹と遭遇した時点で、周囲に100の小型種の存在を考える。しかしながら。俺は今の"奇襲"が人間の手によるモノだと言う事を知っているので、無謀と思える行動に移した。勿論 知っていない奇襲で有れば実弾装備に変更されるまで動きませんよ? 千鶴達の状況にもよったけどNE。……とは言え。射撃手段 皆無で出撃した事には変わらないので、今の俺の緊張っぷりは実はハンパじゃない。何せ実戦で白兵戦などした事は無く、今回は更に難しいと思われる格闘武器で戦うからな……当たり前の話だ。「草とか……食ってみようかな……」『えっ?』「いやセレナ中尉。ライト少尉達に繋げて貰って良いかい?」『た、直ちに』……ってイカン、ビビってギャグマンガ日和ってる場合じゃない。俺は援軍となるライト達の確認を急いだ。≪――――ヴンッ≫×3『(いきなり実戦なの!? ま、ままままだ心の準備が~ッ)』『(ひょっとして、これって"捨て駒"なんじゃないのか? やっぱり米軍の私達は……)』『(大丈夫、私達ならやれるッ! でも……やっぱり怖いよ兄さんッ……)』すると予想通り極めて緊張&焦っている様子のライト・フレア・ブリザの3人。これは無理もないね~。何せ新たな戦術機を宛がわれて慣れない故に調整している中、イキナリBETAが出たので抑えろと言われた。しかも数が分からず俺含めて僅か4機で初の実戦ともなると恐れるなと言う方が無理はハナシだ。流石に甘ちゃんだった頃の白銀よりはマシなんだろうが、リンクを繋げ3人のバストアップを見るに、ライトとフレアは まだマシと言ったトコロだけど、ブリザは歯をカタカタと鳴らしている。彼女の性分もBETAとの初戦では発揮されなかったらしい。リンクに入った俺も眼中に無いみたいだし。う~ん。今後の実戦より今回の方が安易だと思ったけど、奇襲って状況が相殺されちまったかな?……とは言え今を切り抜ければ今後の大きな自信になるのは間違い無い。此処は抗って貰うしか有るまいッ。こうなったら恥ずかしいけど……俺の為にも・彼女達の為にも、此処は"熱血"展開で往くしか無いよね!?よって迫り来るBETAを待つ一瞬の間に考えを纏めた俺は、大きく息を吸い込むと迫り来る敵に吠えた!!「来いいいいぃぃぃぃっ!!!! BETAああああぁぁぁぁーーーーっ!!!!」『!?!?』×3うん。キング・オブ・ハートを肖ってつい叫んじゃったんだ☆ 既に来てるだろってツッコミは無しだぜ!?されど効果は有った様で、米軍3人娘の瞳に間違いなく"光"が灯ったのを確認できた。一方 俺の方には現在進行形で数体の要撃級がドカドカと地面を踏みしめながら距離を詰めて来ている。相手に感情なんて皆無なのは分かっているが、多少は挑発になったのかもしれないNE。また要撃級に目が行きがちだが先陣として戦車級も接近中であり、ナックルでコイツらを捌くのは無理が有るな。「ここから先は行かせはしないッ! キング……いや国連軍少佐の名に掛けてぇ!!」『た、武さん!?』『白銀さんッ!!』「みんな纏めて叩き潰してやるッ!!」――――ソコで俺は戦術機の左手からハンド・グレネイドを戦車級の群れに放り投げつつバック・ステップした。≪ドゴオオオオォォォォンッ!!!!≫『な、何なの!? あの武器は……!!』『さっき2人(ウォーケン姉妹)に言ってた"例の兵器"って……』『へぇ~、何時の間にか持たせてたのねェ』今更なのだが実はコッソリと ゆーこさんに"ハンド・グレネイド"と言う兵器を開発して貰っていた。しかし状況が状況なのに他人行儀だな ゆーこさん……されど彼女らしくも有るので気にしない事にして。コレは早い話 転がすタイプの手榴弾。時間差でタイミング良く爆発させる事でザコ(戦車級)を蹴散らすのだ。要撃級は一体 撃破できりゃ上等だけど、不知火・カスタムは左手に武器を持たないので丁度良い兵器と言える。左腕にはガドリング・ガンが装着されてるけど、今はペイント弾なので戦車級に対する手段が皆無だったしね。いかんせん左膝あたりに数個しか装着できていないんだけど、緊急用の兵器として今後も重宝するだろう。メインとして使ってゆくには数が少なすぎるとは言え……今回 程度のBETAの数なら全く問題無いZE。ともかく。文字通り戦車級らは"叩き潰せた"ので、今度は俺は要撃級を抑えるべくカスタムを前進させる!!「ぬううぅぅん……とォりゃぁあッ!!」≪――――ズドオオォォンッ!!!!≫要撃級は前腕が厄介でガドリング・ガンで牽制もせずに正面から殴りに行っても間合いの問題で厳しいだろう。故に前者の台詞で素早く先頭の要撃級の側面に回り込んでおき、後者の叫びで攻撃したのは言うまでも無い。されど側面もゴツゴツした印象が有りピンポイントに殴る箇所を定める必要が有ったが、効果は抜群のようだ。短距離ながら思い切り加速しナックルが命中した直後、逆噴射で反動は殺したモノの要撃級の肉は弾け飛ぶ!!「ヒュ~ッ、凄ェよ殴ってるぞ!? 何なんだアレッ!」「あ、あんな戦い方 初めて見たわ……!!」「ミュン。お前は驚いて声も出ねぇって感じか~?」「……(あと5分で"予約"した時間だったのに……)」――――俺の戦い方を多くの衛士達が見ているのか、通信越しにザワつきが聞こえてくる。『ライト機・フレア機・ブリザ機 準備完了。発進せよ』『り、了解ッ』×3「(もう済んだのか!? はやいッ!)」一方ライト達がテレサの指示の元 出撃した様で、レーダを見るに各々の戦術機が此方へと近付いてきていた。されど彼女らの表情には先程 灯った光が損なわれており、周囲の状況に流されて出撃したと言ったカンジだ。俺の肖りにより魅せたモノだけじゃ甘かったか? BETAの数は普段と比べれば極めて少ないけど拙いZE。既に十分 恥ずかしいんだけど仕方ないか……俺はライト達が合流して来る前に"新たな行動"に移る事にする。それは現在 相手にしている最中の残りの要撃級(5体ほど)を放置し後方の突撃級の方に向かうと言うコトだった。奴等は一度か二度の"突撃"を既に逃れている衛士達に回避されたのか、要撃&戦車級より若干 後方に居たのだ。「バルカァァンッ!!」――――その際 素通りする要撃級にペイント弾の頭部バルカン砲を当て、真っ青にして置く事も忘れない。無論 BETAとの戦いに慣れないライトらに、敵の位置を分かりやすくさせる為だ。ほ、本当なんだからね!?いやスイマセン嘘つきました。されど意味の無い威嚇であれ効果が有った様で、増援を無視して俺を追う要撃級。『さ、流石に突撃級は"あの武装"ダケだと厳しいんじゃ……』『もう十分です白銀さんッ! 後は"彼女達"に任せて退いてください!!』『やはり その方が宜しいのでは? 白銀少佐ッ』「大丈夫ですよ、セレナ中尉。ここは士気を上げます」『し、士気を――――!? 突撃級5体、時速160kmで接近中!!』≪ドドドドドドドドッ!!!!≫「俺は此処だ……っ!!」此処は廃墟な為 若干スピードを落として突撃して来たデストロイヤー級の突撃をヒラりと跳躍噴射で回避し、自然と背後に回り込めたカタチとなった俺。ふ~む……やはりBETAは横浜基地 内部に興味は無い様だ。何せイキナリ解き放たれたみたいだし、とりあえず"対人探知"の網に掛かった戦術機を襲っているってカンジか?俺はタネが分かっている故にそう判断できるがコレは好都合。第三者には旨く奴等を引き付けてると思われる筈。……とは言え。まだBETAは増えるだろうし一匹一匹 殴り殺すのは無理が有る。集中力が絶対に尽きるだろう。ガドリング・ガンの実弾が有れば楽勝なんだけど、無いモノは仕方ないので今の俺には時間稼ぎしか出来ない。されど間も無くライト達が到着するので、彼女達が火力に物を言わせBETAを蹂躙すればソレで全ては済む。しかしながら生憎 現状では彼女達が奮えそうもないので、今まさに前述の通り"新たな行動"をするってワケだ。≪ズシイイィィンッ!!!!≫――――そんな事をジャンプ中に考え終え着地すると、俺は再び拳で語る熱血漢に変貌していた!!「俺の この手が真っ赤に燃えるッ!! 勝利を掴めと轟き叫ぶゥ!!」――――突撃級が此方に再び向き直ろうとする中、俺は不知火・カスタムの右前腕を意味も無く縦に構えさせた。「行くぞ!? ばああああぁぁぁぁくねつ!! パイル・バンカアアアアァァァァッ!!!!」≪ガコオオオオォォォォンッ!!!!≫直後 地面を蹴り突進させると突撃級に急接近し、タイミング良くトリガーを引き針先を側面の装甲に突き立てる。されど36ミリの一点集中や120ミリの連射でもなければ通らない装甲は尋常では無く貫通とはいかない様子。俺に来る今の反動による衝撃もハンパじゃないが、この程度で怯んでいてはキング・オブ・ハートは語れない!!「ヒイイイイィィィィト・エンドッ!!!!」≪バガアアアアァァァァンッ!!!!≫『!? と、突撃級の装甲が……!!』『話は白銀さんに聞いていたけど、本当に殴ったダケでッ』『へぇ~(社も なかなかの機体を設計したモンね)』≪うおおおおぉぉぉぉっ!!!!≫「うっわ~、何なのアレ!? あんな倒し方 聞いた事 無いよ~ッ」「そうだね……水鳥。ありえないよ」「は、ハンガーで見た時は"まさか"って思ったけど……ホントだったんだべか……」「速瀬中尉が見たら小躍りしそうだよねェ」パイル・バンカーによるパンチの命中後、再びトリガーを引く事により更に射出された先っちょが、既に食い込ませていた突撃級の装甲を更に貫き、結果 側面の装甲をバラバラに砕いて対象を絶命させた!!それにより、どうと倒れた突撃級を見た直後……通信越しに物凄い歓声が聞こえ、俺の恥ずかしさが募る。興奮してくれるのは嬉しいがソレだけの数に見られてたって事なので、顔は真剣だが内心 泣きたいですマジで。しかし現実 逃避してしまえば原作の白銀の二の舞になってしまうし、俺は頑張って意識を保つと再び行動に移る。早い話 残った突撃級らから一旦 距離を取り、ライト・フレア・ブリザに効果が有ったかを確認するのだ。「三人ともッ!」『!?!?』×3「今のでBETAは怯んだぞ!? 一気に殲滅しろッ!」『り、了解っ! ライト・ラーニング少尉、行きます!!』『私だって……でやああああぁぁぁぁっ!!!!』『……ッ……BETA――――殺す!! 殺しますッ!!』『アルカディア04・05・06交戦開始しました』「みたいですね」『それでは白銀少佐……此処は もう無理をなさらずッ』「分かってますよ。これで"大丈夫"みたいですし後退しま~す(……正直チビりそうですしおすし)」『!? そ、そうですか(……やっぱり"士気"を上げると言うのはライト達の為だったのね)』「じゃあセレナ中尉は彼女達の管制をしっかりと御願いしますよ?」『も、勿論ですッ!(あの気迫であれば全てのBETAを倒せたでしょうに、もっと好きになっちゃった……)』「じゃっ」←彩峰調『あ、あの~っ!』「……何ですか?」『先程の鼓舞……す、素敵でした』「それほどでもない」(キリッ)『――――ッ!?』←唯依&まりもどうやら俺の恥ずかしい攻撃はライト達の士気の上昇に繋がった様で、彼女達は勇ましく吶喊すると……接触 直後からライトは斬り・フレアは舞い・ブリザは撃ち、物凄い勢いでBETAを蹂躙している様子。しかも"魅せる何か"も有り見ている衛士達の評価も良さそうだ。実戦もこなせているし、まさに完璧だぜッ。よって心底 安心した俺は労ってくださるセレナ中尉に対し、調子に乗ってキザっぽく振舞って居ると、何故か唐突にリンクに割り込んで来た唯依と まりもちゃんの2人。今ので驚いてホントにチビるトコだったYO。「うわっ、びっくりした。いきなり何事っすか~ッ?」『た、武さんッ! 私達にも出撃準備を最優先で御願いします!!』『このままでは"御披露目"どころか有耶無耶になってしまうじゃないですかッ!』「ゆ、ゆ~こさん……どうします?」――――ビビッてしまった故に露骨に副司令に助けを求める俺。汚い……流石 白銀 汚い。『副司令ッ!』『夕呼っ!!』『な、なんで あたしに振るのよ? まぁ、良いんじゃない? テレサ』『は~い。直ちに指示を出しま~す』「……(へぇ~、今の言葉からすると俺にはそんな権限すら有るのか?)」『(でも見事な采配だったわね……アイツの部隊は勿論、あたし側でも基地側でも利益ばかりの結果になりそう)』『(や、やっぱり露骨だったかしら? ……武さん……呆れてる……)』『(だけど"あんな勇士"を魅せられて見てるダケなんて御免だわッ)』「……(ウホッ! 良い階級!!)」『(また何よりの利点は白銀が"留まる意思"を更に残せたと言う事。これ程の結果もアイツは予想外でしょうね。 新兵器の開発や横浜基地の衛士達の監視で始まって、それら全てが良い影響を与えた事から出た今の結果は)』そんなワケでライト達3機に続いて唯依&まりもちゃんも準備完了後 出撃し、多少のBETAを撃破していた。勿論 全機 損傷さえする事も無く、米軍3人娘ダケで7~8割のBETAを殲滅した。コレはマジで大きいZE。何せ実戦を乗り切ったダケでなく"突撃機動部隊"の元米軍衛士3名の評価そのものが大きく上がったのだから。話によれば此処には各地から多くの衛士が来ていたみたいだし、彼らが噂を広めてくれれば言う事ナシだな~。ぶっちゃけベテランの衛士であれば"今回の数"なら殲滅できたと思うけど、インパクトがモノを言ったのだろう。ちなみに俺もガドリング・ガンやらサブ射撃やらを実弾に変えたら再出撃したが、戦いは ほぼ終了してました。……………………戦い終結から5分後。俺は戦術機の中で唸っていた。「むぅ~」『た、武さん?』『どうしましたか?』「コード991が解除されたみたいですな」『その様ですね』『思ったよりもBETAの数が少なくて良かったです』傍に居るのは唯依&まりもちゃんの御披露目 戦術機。大活躍のライト達3機は既に基地に帰還している。此処で余談だが、2人の呼称が畏まっていないのは互いの会話は他に漏れていないから……なのは さて置き。いかんせん活躍し過ぎてしまったみたいだ。余りの余裕の勝利に ゆ~こさんは催しは再開させると言っていた。流石にトライアルは中止せざるを得なかったが、此処で油断していたからこそ"悲劇"は起きてしまったのだ。「いやいや。それでも、まだ油断は出来ませんよ?」『えっ?』『ですが少なくとも戦車級 以上のBETAは間違いなく……』「じゃあ――――小型種は?」『!?!?』『あっ……』「実機テストのついでに俺は哨戒を続けてます。2人も継続する事」『は、はい!』『り、了解ッ』「移動は常に2機連携で。それに戦術機からは絶対に出ない事……コレは命令だから此処一帯は宜しく~ッ」『はっ!!』×2「じゃっ」←再び彩峰調≪――――ブァッ!!!!≫『……くッ……私は斯衛の衛士でありながら、とんでもない過ちを冒すところでした』『これでは教官の経験も返上ですね……小型種であれ生身の人間にとっては脅威……』『それなのに武さんは圧勝であれ慎重に……(それなのに私は大事な実戦で嫉妬などッ)』『じ、自分が情けないです(きっと白銀さんは"今の油断"によって仲間を失った経験が有るのね)』正直な話 此処まで勝った挙句あのBETAの数なら油断するのも当たり前。そりゃコード991も解除されるわ。でも俺は"万が一"を当たり前の様に経験した白銀の事を知っているので、姑の様に思われようと哨戒を続ける。本来さっさと戻って彩峰の頭でも小突いてやりたい心境なんだけど、最大の欝イベントは絶対に回避せねばッ。ひょっとしたら哨戒中の歩兵が襲われたりしてるかもしれないし……正史とは関係ないけど死なせては勿体無い。よって唯依&まりもちゃんには嫌がらせの様な任務を与えてしまったが、今夜のオカズあげるから勘弁してね!?……………………1分後。「!?(あれは……帝国軍のッ?)」≪――――ズシンッ≫「(不知火が2機? ……何してんだ?)」不知火・カスタム(S型)の性能を楽しみ……いやテストしつつ哨戒していると、俺は意外なモノを発見する。何と廃墟のド真ん中で2機の不知火(帝国軍仕様)がスタンバイ状態で佇んでおり、コックピットが空いていた。そう言えば帝国軍からもルーキー・ベテランがトライアルに参加してたんだったな……絶対数は少ないけど。クーデターの一件で"それなり"に国連軍との関係は良くなったって事で、予定よりも多く来ていたらしいが……何をしているのか分からないので、俺は静かに不知火・カスタムを着地させると遠方から様子を伺う事にした。「……でも私はッ……のカタキを……筈だったのに……!」どうやら2機の戦術機の付近に2人の女性が居るっぽくて、一人がもう一人の女性の肩に手を添えていた。何を言っているかは全く分からないけど、奇襲の影響で体調でも崩して仲間が気遣っているカンジかな?此処はエリア2では無いが多少はBETAが流れて来てたみたいだし……そうなると片方の娘は新米か~。あれれっ? だったら今の状況って何か似てないか? その答えを出すのに時間は掛からなそうだったが……≪ピピピピピッ≫「(――――兵士級!?)」"様子を伺う"と言う選択をしてた結果、網膜投影の情報がBETAの存在を唐突に示してくれた!! 数は2体。一方2人の帝国軍衛士は気付いていないので、咄嗟に助けるべくガドリング・ガンを兵士級に向けたのだが……この弾丸はバラけ易く"彼女達"を巻き込む危険性を白銀大佐が脳内で知らせてくれたので、俺は思い止まる。そこで俺は不知火・カスタムを前方噴射させ不知火(帝国軍仕様)との距離を詰めると、案の定2人が気づいた!「えっ……ひっ!? 嫌ぁぁ!!」「兵士級!? うわああぁぁ!!」――――幸い俺の機体に気付いた事で背後から接近する兵士級にも気付いた様だが、それダケでは抗えない。≪ズシイイイイィィィィンッ!!!!≫――――よって不知火・カスタムが到達した直後にコックピットを開け、反動そのまま刀を片手に飛び降りると。『!?!?』「(約束されたッ!)」≪ザシュウウゥゥッ!!!!≫――――先ずは俺の降下に気付いた片方の兵士級の顔面をブッた斬って絶命させつつ、強化装備の恩恵で着地し。『……!!』「(勝利ィィ~っ!)」≪ドシュウウゥゥッ!!!!≫此方に振り向こうとした兵士級の首を着地の反動を活かした全力斬りで跳ね飛ばして何とか切り抜けたのでした。欲を言えば斬った時の台詞は全力で叫びたかったんだけど、帝国軍の方々の前なので何とか自重しますた。しっかし生身でBETAと戦う事になるとは思わなかったZE……案の定、普通に漏らすところだったんだ☆ともかく不意打ちが成功して良かったな~。普通に対峙してたんじゃ腕の1本や2本どころか命の危機だった。それに流石はオルタ世界。もし俺が哨戒に力を入れていなかったら、この名無しの帝国軍衛士は死んでいた筈。コレは正史に影響は無さそうだとは言え……普通に可愛いし命が助かって良かった。素直に喜ばしい事だね~。……そんな事をBETAの返り血を拭いながら思い、咄嗟による肖りの"続き"を言おうと思っていたんだが……どっかで見た様な気がしないでも無い尻餅を着いている方の黒髪&長髪の女の子が、意外な事を言って来た!!「お兄様?」「へぇあ?」恐らく俺の目は点になっていたと思う。どうしてこうなった? どうしてこうなった? 何このイベント!?思えば この新たな"出会い"が空白にならずに済んだオルタ世界のイベントに繋がる羽目になったんだよな~。だけど今の俺は聞き間違いだと言い聞かせる事しか出来ず、気を取り直して何処ぞの英霊を肖っちゃったんだ☆「ゴホン。問おう……貴女が帝国軍のルーキーか?」――――ちなみに怪我が治ったばかりで再び無茶をした事で、霞&唯依に怒られてしまったのは言うまでも無い。●戯言●まさかのブラコン。そして、ようやく出せたFateネタ。彼女の登場で正史の空白が埋まってゆきます。位置付けはサブキャラですが良い所出の斯衛の方なので"あの方"が再び出たり。横浜は……紅く燃えている!!http://www.pixiv.net/member_illust.php?mode=medium&illust_id=9097420「唯依さん、真那さん!!懲らしめてやりなさい!!」の台詞でコレを描いてしまうタニシ氏に敬礼ッ!