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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
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[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ38
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2009/05/10 00:10
これはひどいオルタネイティヴ38




2001年12月04日 午前


「さてと早速 飯に……って、霞は来ないんだっけ?」

「はい、昨日 白銀さんがテストしてくれたデータを参考に調整を……」

「大変だな~、じゃあ頑張ってくれよ?」←頭を撫でながら

「は、はい」


今日も下着姿で進入して来なさった霞。んでもって外で待っていてくれた篁&イリーナちゃん。

これは現実では当然ながら、原作でも有り得ない展開。鑑に勘繰られなければ良いんだけどね~。

まぁ、ヤバいと思ったら白銀(俺)の愛を必死にアピールしよう。……でも……それで良いのか?

自分で決めて置いて己の女々しさに嫌気がさしちまうけど、何だか鑑の事を考えると切なくなる。

これもループを繰り返している白銀の精神……そして、原作でマジ泣きした俺自身の影響だろう。

さて置き。少し照れた様子で霞は自分の"仕事"を行う為、その場を走り去ってゆくんだけれども。


「……んっ?」

「……ッ……」×2


何故か訝しげな表情で、俺を見つめて来ている篁&イリーナちゃん。……な、何事ですか?

速瀬や涼宮(姉)を初めとして、妙に最近こんな目で見られる事が多い気がするんだけど……

でも この2人は違う理由だと思うし、此処は既に人目のある廊下だから迂闊な行動だったんだろう。


「あはははっ……そんなワケで、3人で行こうか?」

「は……はい」

「御一緒します」

「(羨ましく思ってしまった……やっぱり、私は白銀少佐に……)」

「(思えば私は……白銀さんに頭を撫でて貰った事が無いのよね)」


――――こうして俺は、当初の予定とは全く違う面子で御剣とのイベントに臨む事となる。




……




…………




……雑談しつつ歩き数分後。3人でPXへとやって来ると、俺はB分隊の面子を探し始める。

すると即 見つかり、何時もの席に榊・珠瀬・鎧衣のみの姿が有った。予想通り人数が少ないな。

原作と人数が合っているかは覚えて無いけど、御剣と彩峰が居なかったのは記憶に有るので無問題。

つまり例のイベントの進行は可能だろう。俺は心の中で軽く気合を入れると、足を踏み出した。


「(……良しッ)」

「あっ、白銀少佐」

「どちらへ?」


そんな俺の行動を意外に思ったか篁&イリーナちゃんが声を掛けてくるが、俺は止まらない。

申し訳ないが、俺が彼女達に声を掛けるのは必然的なモノ。だから、こればかりは譲れんのさ。

悪く言えば後ろの2人の方が規格外なのだ。背中の視線が痛いけど許してください。(土下座)


「よォ、榊」

「何か……えっ? し、白銀少佐!?」

「あわっ、あわわわわっ」

「篁中尉にピアティフ中尉もッ?」

「け、敬礼!!」


≪――――ガタッ!!≫


「皆、お早う」

「お早う御座いますッ!」

「今日は朝飯を一緒に食いたいんだ、迷惑じゃ無きゃ ここら辺の席……良いかい?」

「め、滅相もありません」

「有難う。それじゃ~篁とイリーナ中尉も」

「わ、分かりました」

「……失礼します」



先ずは榊に話し掛けると、予想通り普通に慌て……珠瀬は しどろもどろになってしまう。

鎧衣は性格の為か多少 瞳を見開いたダケで、3人は揃って立ち上がると敬礼して下さった。

相変わらず彼女達は俺を慕ってくれているので有り難い。俺は全然 偉い人間じゃ無いのにマジで。

まぁ自虐はさて置き。俺が榊達に介入したのは御剣(+彩峰)のイベントを起こす為だ。

だけどB分隊はイキナリ俺が乱入して来たと思ってるダケだろうし、少佐っぽい事を言わなければ。

よって最初は誰も何も喋らず若干 重苦し気な雰囲気の中、俺は考えを纏めると口を開こうとする。

ちなみに完全に余談だけど、俺の左右に篁とイリーナちゃんが座り、正面に榊ら3人が移っている。


「榊」

「な、何でしょうか? 少佐」

「訓練の方は順調か?」

「あっ……はい。私の口から言うのも恐縮なのですが、それなりには」

「ヘぇ」

「今迄は叱られてばかりでしたけど……最近は軍曹からも、お褒めの言葉を頂いてます~」

「特に冥夜さんと慧さんの能力は、熟練の衛士を越える程だって言われてましたよ~?」

「ちょっと珠瀬・鎧衣ッ、調子に乗るんじゃないの!!」

「にゃっ!?」

「ご、ごめんなさいッ」

「いや、別に謙遜しなくても良いさ。B分隊が"往来の訓練兵"と比べれば、
 途轍もない訓練データを弾き出してるって事は、周知の事実なんだしね」

「あ、有難う御座います」

「…………」←唯依

「でもまぁ……調子には乗っちゃダメだぜ? 横の中尉にドやされるぞッ?」

「は、はあ」

「少佐ッ!」

「あははは、ゴメンゴメン……ところでなんだが」

「何でしょう?」

「皆、此処最近2度も佐渡島ハイヴからの襲撃を受けたって事は知ってるよな?」

「は……はい、存じております」

「その時なんだけどな、涼宮達A分隊……いや、元A分隊も出撃したんだ」

「――――!?」×3

「結果は見事5人全員が生還さ。だから、涼宮達には大きく差を付けられた事になっちまったな」

「そう……ですか。茜達がとうとう……」

「で、でも良かったですよね~?」

「うん、悔しいけど全員が"死の8分"を乗り切れたのは凄い事ですよ~」

「……そう言う事だ。だから訓練で幾ら調子が良くても、任官して実戦を経験する迄は、
 ずっと半人前のままなのは変わらない。それを常に念頭に入れて置いてくれ」

「…………」←腕を組んでウンウンと頷いている唯依

「……あと、明日にでも実戦に繰り出されるかもしれないって言う危機感もね。
 2度有る事は3度有るって言うだろ? BETAは時と場合を選ばない……良いなッ?」

「はいッ!」×3

「敬礼!!」


≪――――ガタッ≫


「おいおい、ソレは良いって」

「(流石は白銀少佐ね、今まで類の無い訓練兵への指導。一体何処でこの様な方法を覚えるの?)」

「(褒めたと思えばライバルでもある元A分隊の活躍をダシに更なる上を目指させる……成る程ね)」


俺の言葉に更に"やる気"を出した様子で、再び立ち上がって敬礼する3人の訓練兵。

特に榊はA分隊の途轍もない前進にかなり火が点いた様子。瞳に炎が見えますよマジで。

だけどスマン3人とも……俺は一ヵ月半前あたりは平和な日常に埋もれた腰抜けでした。

そんな俺が今更何を言ってるんだと再三思うけど、実戦も経験してるし勘弁してくださいッ。


「!? こ、コレは一体ッ?」

「おっ? 御剣か~」

「遅かったわね」

「す、すまぬ」

「彩峰は?」

「生憎 分からぬが……もう少しで来るだろう」

「そう」

「とにかく座れよ」

「はッ! し、失礼致します!」


――――そんなこんなで御剣さん登場。これでイベントは更に加速した!!




……




…………




「……モグモグ」

「…………」×6


俺が黙々と鯖味噌定食を口にしている事から喋らないので、再び沈黙が続く朝食の一時。

しまった。榊ら3人との会話は考えていたけど、御剣が来てからの話題を考えていなかった。

こんな事ならA分隊 云々の話は、御剣が来るまで取って置くべきだったのかな~?

篁&イリーナちゃんが喋ってくれるのにも期待してたんだけど、今回は活躍してくれない様子。


『――――ニュース速報をお伝えします』

「(来たッ!?)」

『中部地方に位置する天元山の火山活動の活発化に伴い、不法帰還者の救出作戦が――――』

「……ッ……」←冥夜


そう"どうしたモンか"と思う中、PXに置いてあるテレビから待望のニュースが流れて来た。

お気付きの通り、アンリミでは白銀らB分隊が初めて戦術機を使った任務を行った大きなイベント。

だけどオルタでは民間人・全員が強制退去を食らい、御剣が不満を露にしていたのが印象深い。

よって俺が考えている対策とは、俺の階級を考えて彼女が何も言って来なければソレで良し。

もし何か不満が有るようであれば……ちゃんと最大の敵・BETAを蔑ろに出来ない事を諭す。

オルタの時の白銀は実戦経験が無かったし説得力が無かったけど、今は少佐だし違うしね~。


「(少佐……これで一安心ですね)」

「(そうだね)」

「(かなり心苦しい気はしますが……)」

「(だけど、篁は解ってるよな?)」

「(はい。2度目のBETA上陸から2日も経っていないと言うのに……)」

「(不法帰還など許されないと言う事ですね)」

「(その通りッス、イリーナ中尉)」


……ニュースが流れる中、住民が保護された事実が流れると真横の篁が小声で話し掛けてくる。

実を言うと、昨日(3日)の朝に霞に不知火・カスタムの"お披露目"をして貰った時、
ついでと言ったカンジで ゆーこさんに天元山の噴火の件について聞かされていたのだ。

その時"国連軍には強制退去させるよう指示しちゃったけど良いわよね~?"と言われ、
当然 俺は良い判断ですね……と頷き、ソレを巌谷さんと篁にも打ち合わせの際に口にしたとの事。

故に篁は今回の件を知っており、若干 住民に対する同情も有った様だけど、
巌谷さんみたいな人の娘(仮)であれば どちらを優先させるべきかは当の昔に理解している。

しかしながら住民が無事保護された事には安心した様で、今の様に俺に話を振って来たのだろう。


『――――再三もの避難勧告にも応じない、不法帰還者に当たっての対応に関し、
 内務省の一部からは、放置も已む無しとする意見も上がりましたが――――』

「ふんッ(この状況で気楽なモノだ)」←唯依

「……ッ!?」


≪――――ダンッ!!≫


「御剣?」

「み、御剣さん?」

「冥夜さんッ?」

「……ッ……」


……そんな中、とうとう御剣が反応を示す。意外にも、かなり御立腹の様だった。

たった今は偽善ぶった内務省の意見を鼻で笑ったっぽい篁の態度を"別の意味"で捉えた様で、
御剣さんは口に含んだ後のコップを勢い良くテーブルに叩き付け、その勢いで水が散った。

その行動を目の当たりにして、残りのB分隊3名は焦りを感じながら彼女に視線を移す。

少なくとも上官が3人も目の前に居るのに取る態度じゃない。……やれやれ、仕方ないですなァ。

こりゃ~しっかりと諭してやるしかないね。ちゃんと説明して置けば分かってくれるだろう。

俺はそう考えると、機嫌が悪そうに飯を再開している御剣に話し掛けるタイミングを伺うが……


「どうした? 何か言いたい事が有るなら言ってみろ、御剣 訓練兵」

「(なぬッ!?)」

「どう言う事です? 篁中尉」

「言葉の通りだ。今のニュースで何か思う所でも有ったのだろう?」

「……ッ……」

「そうでなければ、直ぐ今の行いを白銀少佐に謝罪しろッ!」


俺が何か言い出そうとする前に、篁が険しい顔をして御剣に今の行いの指摘をした。

あちゃ~……考えてみれば、彼女にとっては黙って置けない事だったね今のヤツは……

何だか嫌な予感がする。そう焦りながら御剣を見てみると、しっかりと篁を見つめ返しながら言った。


「では、言わせて頂きましょう……篁中尉は、今の報道が真実だと御思いで?」

「何が言いたい?」

「軍は国民の生命財産の保護を第一とする立場を、あくまで貫き任務に当たるべし。
 昨日の帝国軍・国連軍との共同作戦にて、その様な人道的 救出は行われたのですかッ?」

「……違うだろうな。全ては"強制退去"という言葉を霞ませる為の御託に過ぎんだろう」

「!? それが分かっておいて、何故 中尉は今の様な態度をされたのですかッ!」

「……貴様」

「み、御剣……幾ら何でも失礼よッ?」

「そうですよぉ」

「冥夜さん……」

「(し、白銀さん……どうするんですか?)」

「(少し様子を見ましょう)」 \(^o^)/

「……この"日本"には……代々この国を必死で守り続けてきた方々がおられました。
 その方々は誰に頼まれたワケでも無く……自らが住み続けるこの国土の為に、
 時には命を掛けて尽くして下さったのです。時には自分を犠牲にする事も厭わず……」

「…………」

「それ故、私が守りたいのは人々です。日本の魂を……志を守りたい。人居ない国は無いのだから」

「しかし何もせず火山を噴火させれば、貴様が守りたい人間は死ぬぞ?」

「――――私は避難された方々が亡くなるかどうかは、正直あまり問題では無いと思っています」

「なんだと?」

「命が有れば良いと言う単純な問題では有りませぬ。彼らは危険を承知で、あえて戻ったのです。
 選択は彼らに委ねるべきであり、そもそも死ぬならば旧天元町でと御考えだったのでしょう」

「…………」

「そんな彼らを避難させても待って居るのは、食糧の配給もままならない難民キャンプ。
 自分の最も大切なモノが、自分の意思とは無関係に奪われてしまう事が許される筈は有りません」

「……そうか、貴様の言いたい事は分かった」

「感謝を」

「では、私から問わせて貰おう」

「……はッ」


この辺の台詞については全く覚えてないけど、御剣らしいっちゃ御剣らしいな~。

しっかし、ぶっちゃけ過ぎだろ御剣。今の報道に何時もの冷静さを完全に失っている。

そんなうちに篁と御剣は立ち上がっており……もはや見守ることしか出来ない小心者な俺様。


「例え住民が果てる覚悟で故郷に戻ったとしても、放置できる筈は無い。
 そうなれば当然 軍が派遣されるが、命の危険に晒される兵達の事はどう考える?」

「軍人は民の生命を守る為に在ります。危険を冒すのは必然でしょう」

「都合の良い話だな。我々は故郷での死を望む国民の意思を尊重する上に、
 命を懸けても守り通す様、動かねばならん……と言う事か?」

「その通りです」

「先日BETAが2度目の上陸を果たしたのは周知の事実だろうが、
 それでも尚……敵に背を向けながらも民を救わなければならんと言うのだなッ?」

「……はっ」

「この……大馬鹿者がァッ!!」


≪――――バコッ!!!!≫


「がっ!?」


≪ガシャアアアアァァァァンッ!!!!≫


「み、御剣さん!?」

「冥夜さんッ!!」

「ぅあ、ぐっ……」


最後の問いに御剣が若干 躊躇して頷いた直後、かつてない怒り顔で彼女を殴り飛ばした篁さん。

結果 椅子やテーブルをブチ撒けながら吹っ飛ばされた御剣は、何とか上半身を起こす。

……凄く……痛そうです。そして当然ながら、周囲の人間達は何事かと俺らを見てやがります。


「今後 貴様のような衛士ばかりが生まれれば……人類の負けは見えているな」

「!?」

「そんなチンケな考えで国民の魂と志が守れる程、BETAとの戦いは甘くないッ!!
 国民の汗と涙の結晶で生まれた一機一機の戦術機が……一人一人の衛士が恐怖と葛藤しながら、
 必死で仕留めた一匹一匹のBETAが積み重なり、必ずや人類に勝利を齎すのだ!!」

「……っ……」

「良いかッ!? 肝に銘じておけッ! 本来の目的を見失った人類に、決して栄光は無い事を!!」

「し、しかしッ」

「それ以前に……実戦経験すら無い訓練兵の貴様が、白銀少佐の前でソレを言うか!?」

「なっ?」

「既に全てを失いつつも尚、戦い続ける者の気持ちを……考えた事が有るのかと聞いているッ!」

「!!!?」


≪ひとつは"仲間"……もうひとつは"家族"さ≫


「どうした!? 答えてみろッ、御剣 訓練兵!!」

「うっ……(そう言えば、白銀少佐は故郷を……)」


≪けど今は……どっちも居ないんだけどね≫


「くっ……冥夜様」

「今は行かないほうが良い。彼女が殴られたのが癪なのは、百も承知だが……」

「しかし巌谷中佐ッ」

「娘には俺から言って置くよ。後は白銀少佐のフォローに期待しよう」


≪……お前の守りたいモノが、守れるのを祈っているよ≫


「み、御剣……大丈夫?」

「……ッ……(そ、それなのに私は……何と言う事を豪語してしまったのだッ!?)」


≪――――ダダダダッ!!!!≫


「あっ!? 御剣さん!!」

「冥夜さ~ん!?」

「はぁっ、はぁっ……」


……結果。立ち上がると その場を走り去ってしまった御剣と、肩で息をする篁が残される。

ナンダカンダで篁も興奮していたらしい。……って言うか、俺の名前をダシにしないで下さい。

それはそうと何ですか? この展開。彩峰もまだ来てないし手紙 関連のイベントが台無しじゃないか!

ともかく誰かが御剣を追う必要が有るっぽいんだけど、やっぱり俺しか居ませんよねぇ~?


「篁」

「!? し、白銀少佐ッ……あの、その……」

「うん?」

「どうやら大事にしてしまった様で、何とお詫びしたら良いか……」(おどおど)

「ん~」

「民を思う彼女の言葉も理解できるモノだったのですが、ついカッとなってしまって……」

「いや、良いって。ちょっくらフォローしてくるから、この場を治めたら適当に訓練しててね?」

「わ……分かりました」

「じゃあイリーナ中尉」

「はい。篁中尉と共に居ります」

「白銀少佐……」

「あわわわわっ」

「ぼ、ボク達はどうすれば~?」

「そうだったな。軍曹と一緒に指導をしてやってくれ、篁」

「了解しました……ですが、もう一人 訓練兵が居たと思いますが?」

「彩峰は時機に来ると思うから、合流したらしたで始めて置いてよ」

「は、はい」

「そんじゃ……行って来る!!」


≪それ以前に……実戦経験すら無い訓練兵の貴様が、白銀少佐の前でソレを言うか!?≫


「(本当は白銀少佐は気にしていなかったと思う。けど、私の方が彼を気にし過ぎて……)」

「(全く……篁中尉は白銀少佐の事を気遣い過ぎね。話だと"こんな人"じゃ無かった筈なのに)」

「(しかし私は"あの方"になんて事を……嗚呼、自分が撒いた種だけど……あ、頭が痛い……)」

「(これも白銀少佐に対する想いの成せる業? それは私も見習うべきなのかもしれないけど)」


――――くっそ~、予想外にも程が有るぜッ!? でもゾクゾクしちゃう、もっとやれ!!(涙)




……




…………




「此処か……」


俺は通行人(軍人)の情報を頼りに御剣を追い、彼女が自室に戻っている事を聞いた。

う~む……思った以上にヘコんでそうだよな……自分の志を全否定されちまったんだし……

しかし今のタイミングで御剣が使いモノにならないのは非常にマズい。何としてでもフォローせねば。


≪――――コンコンッ≫


「…………」


≪……し~ん……≫


「御剣、俺なんだけど?」

「!?」


≪――――ガタン! ガタガタッ……ガチャッ≫


「…………(何故に)」

「お、お待たせ致しましたッ」

「んんっ? おまッ、もしかして泣いて……」

「!? い、いえ……ここここれはですねッ」

「まぁ、それは良いんだけど……あんまり気を落とすなよ?」

「えっ?」

「篁にあんな事 言われたのはショックだったと思うけどさ」

「…………(何故 私の方の気遣いを……)」

「どうした?」

「し、白銀少佐は……不快には思われなかったのですか?」

「んっ? 何の事だ?」

「……ッ……お、お優しいのですね」

「それ程でも無い」(謙虚)

「ともかくッ! 先程は見苦しい所を御見せして、本当に申し訳有りませんでした!!」


≪――――ばっ!!≫


御剣の姿は服装(青いアレ)等は何も変わっていないけど、表情が明らかに沈んでいた。

少なくとも涙で枕を濡らしていたのは一目で分かり……ヘタクソな誤魔化しを図ろうとする御剣。

対して俺は軽くスルーして彼女を気遣ったりすると、御剣は勢い良く頭を下げて叫ぶように謝罪する。


「いやいや、全然 大丈夫だって。俺よりも、御剣はどうなんだ?」

「わ、私……ですか?」

「BETAは蔑ろに出来ないから国民は結局リスクを背負うだけ。それには納得できないんだろう?」

「確かにそう……なのですが、国や故郷・家族を失いつつも戦っている者が多いのは事実です」

「例えば俺みたいに?」

「は……はい。篁中尉の言葉で理解 致しました……当初の非礼に関しても……御許し下さい」

「だから俺は気にして無いって。だから、御剣も安心してくれ」

「し、少佐ッ!?」


≪――――ギュッ≫ ←抱き締めた音


「俺達は近いうちに佐渡島のハイヴを落として、必ず平和な日本を取り戻す」

「!?」

「勿論……いずれは全てのハイヴを落としてBETAを地球上から追い出すんだ。
 だから国民の皆には、もう少しの間 我慢して貰うダケだ。だったら御剣の目的も果たせるだろ?」

「……ッ……」

「流石に気の遠い話かもしれないけど……希望はしっかり持ってくれ。
 御剣が考えていた事は未来を見ていない。BETAは必ず殲滅"する"んだ」

「そ、そうか……そう……ですねッ」

「良いかっ? 世界の平和は俺達 衛士が取り戻すんだよ!!」

「はい……はいッ!!」


な……何ですか? この熱血展開。自分でも臭い台詞を言ってると思うけど、乗ってくれる御剣。

彼女は みるみるウチに先程の沈んだ表情を感じさせない笑顔に変わり、俺のテンションも上がる。

それによりミッション・コンプリート……ついさっき抱き締めてしまった事は誤魔化す事にしよう。


「その意気だ。さて……元気が出た様で何よりだよ」

「!? こ、これも白銀少佐の御陰です」

「じゃあ……行けるな? 訓練。もう始まってると思うぞ?」

「そ、そうでした。急がなければッ」

「頑張れよ? んなワケで俺はコレで――――」

「し、白銀少佐!!」←真っ赤

「どした?」

「こ……これからは、私の事は"冥夜"と及び下さい!!」

「なぬ?」

「そそそそれではッ」


≪――――ダダダダッ!!!!≫


最後に何故か御剣は名前で呼ばれる事を望むと、恥ずかしいのか凄い速さで走り去っていった。

良く分からんけど気にしないで置こうっと。原作でも普通~に"冥夜"って呼んでたしね。

ともかく御剣……いや冥夜の事はもう大丈夫なのは間違いない。クーデターでも安心だろう。

よって俺は満足気にその場を後にしようとしたが……通路の曲がり角に差し掛かった時……


「!?」×2


≪――――ドンッ≫


「おわっ!?」

「あっ……すみません」

「……って、彩峰か~」

「少佐」

「何でこんなトコに居るんだ?」

「さっき……御剣が走っていったのを見て」

「見て?」

「見失った」

「ダメじゃん」

「そだね」

「その時は、どう見えた?」

「何だか……普通じゃなかった気がした」

「やっぱ そう見えたよな……けど、もう大丈夫だ。さっき落ち着いたってワケで訓練に向かったよ」

「そうなんだ」

「そうなのさ」

「…………」


≪じ~っ……≫


……何と彩峰が今のタイミングで登場。榊とは違う、本当の意味でライバルな冥夜が気になった様だ。

だから問題が解決している事を告げるんだけど、彩峰は何故か"その場"を動かす俺を見ている。

本当なら冥夜を追って訓練に行くべきなのは決定的に明らかなんだが、彼女の意図が理解出来ない。


「どうした? 彩峰」

「……噂で聞いた」

「えっ、何を?」

「新しい武器が開発されてるって」

「あ~……パイルバンカーの事か?」

「名前は判らないけど、殴るって兵器の筈」

「うむ、正解だな」

「…………」


≪じ~っ……≫


――――成る程、把握した。もう手紙のイベントなんてスルーだ、訓練イベントに置き換えちまおう。


「……彩峰くん」

「にゃに?」

「丁度良かった、不知火・カスタムの2度目のテストに付き合ってくれ」

「了解」

「即答かよ!」

「少佐……行こ?」

「!? 何故さり気なく腕を組む」

「気のせい」

「気の所為もクソも無い気がするんだが……」

「いいから、いいから」

「全く……今回ダケだぞ?」

「サーセン」


そんな訳で、手紙のアレを完全放置して急遽2度目のテストをする羽目になった俺。

まぁ……任官してる衛士に続いて、訓練兵が始めて使うってデータが有っても損は無いか~?

そう勝手に判断すると、素直に彩峰に腕を引っ張られてしまう俺なのでした。

えっ……人目も有るんだから少しは抗えって? そんな事を言われても、心地良いから無理なんだ☆


「申し訳有りませんッ! 御剣 冥夜 訓練兵、只今戻りました!!」

「御剣……(この表情、白銀少佐は彼女を元気付けてくれた様ね)」

「!? た、篁中尉……先程は……」

「こらッ、何をモタモタしている!? さっさと着替えて来いッ!」

「こ……心得ました!!」

「もうッ、全く。御剣ったら心配させて……」

「えへへへっ……でも安心しました~」

「それにしても、慧さん何処行っちゃったのかなァ?」

「(い、一体 私の居ない間に……何が有ったって言うのかしら?)」←まりも




……




…………




……十数時間後。


「月詠中尉。どうやら、我々の出番は無かった様だな?」

「はい……白銀少佐が、冥夜様の心の支えになり始めている事は確かな様です」

「う~む。しかし、白銀少佐か……果たして彼に欠点など有るのだろうか?」

「……(あれ程の男であれば、殿下が興味を持たれる可能性も有るかも知れんな)」


――――ちなみにクーデターは5日の何時 発生か覚えてないので、結局 自慰りませんでした。


≪俺達は近いうちに佐渡島のハイヴを落として、必ず平和な日本を取り戻す≫


「……ッ……白銀少佐ァ……ど、どうし……てっ……」


≪勿論……いずれは全てのハイヴを落としてBETAを地球上から追い出すんだ≫


「……わ、私は……こんな……事を……くぅッ……」


――――だけどンな事を知らない冥夜タンは、白銀少佐の事を思って自慰ちゃったんだ☆(人生初)




●戯言●
自分でも意外。篁中尉に御剣訓練兵を殴らせてしまいました。カミソリレターは勘弁して下さい@w@
まぁ2人の中尉がイベントに加わるのに同じ通りじゃアレなんで、変えようと書いていたらこの有様。
故に説教臭い内容になったので不快感を抱かれる方が多いと存じますが、その場合は面目有りません。


●追記●
同日20時、許容出来ない誤字が有ったので修正しました。時間を空けての修正上げ申し訳ないorz
……と思ったら20時で修正したと思ってた箇所が直っていませんでした。御迷惑お掛けしました。


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