これはひどいオルタネイティヴ36(前編)2001年12月01日 午後――――いきなりだが戦闘が終わり仮眠を始める前の遣り取りで、こんな事が有った。「要撃級・撃破ッ! ……これで終わりか?」『ヴァルキリーマムより各機へ。残存BETA殲滅完了、全戦術機・帰投』『り、了解!』『ふ~っ、やっと終わったねェ』『あうぅ~……怖かったよぉ~』『でも作戦時間は15分だったよ』(麻倉)『えぇ~、それダケだったの~?』(高原)バズーカの発射から僅か5分後、全てのBETAを片付け今回の作戦は終了した。やっぱり"この瞬間"が一番 安心するね。特に涼宮(妹)達にもなると相当な達成感が有るだろう。ついでに"(地球)国連軍圧勝"とデカデカと投影してくれると更にテンションも上がるんだけどな~。むっ!? でもこれって、ひょっとすると良い案かもな。シミュレーターだとヤる気に繋がるかも。例えば俺と篁に負けて"A-01敗北or完敗"とか出されたら、伊隅や速瀬なら凄い悔しがるだろう。勿論 俺もね。完敗した時の悔しさなんて尋常じゃない以前に、"実戦"じゃとっくに死んでるしね。そんな事を考えてるうちに、元A分隊の安堵の会話が続く。皆のバストアップを見るからには健在だ。そのうち最も落ち着いているのは麻倉であり、唯一 誰とも2機連携を組まずに支援に徹していた。築地は柏木に助けられていたので言わずともながら……涼宮(妹)は高原と組んでいたので、自分の判断で動いていた麻倉は彼女の性分も重なり、時間を気にする余裕が戦いながらも有った様子。『それと撃墜数は茜がトップ……』『わ、私!?』『勿論、少佐と中尉を覗いてだけど』『しっかし終わって早々 撃墜数 云々だなんて、余裕だねェ遼子~』『遼ちゃん凄~い』『違う……これも少佐と中尉の御陰』『!?』×4『2人が居てくれたから……私達は生き残れて、"こんな事"も言えてる』『……(確かに少佐達やお姉ちゃんが居てくれたから、凄く安心して戦えた……)』『ふむ……(それは私も同じね、白銀少佐とエレメントを組めたから"あの数"相手に……)』「はははっ。随分と旨い事を言うじゃないか、麻倉」『す、すみません』――――視線を逸らすクール系の麻倉。ヴァルキリーズの一員だけあって、やっぱ可愛いなあ。『だが皆500以上のBETAを相手に立派なモノだ。戦い様も初の実戦とは思えなかったぞ?』『そうですね。みんな、良く頑張ったよ?』『有難う御座いますッ』×5「うんうん。誰も漏らして無かったみたいだし、次回も期待できそうだな~」『!? そ、そんな事を言わないで下さいよ少佐ッ』『アハハ。まぁ、自然じゃない? 聞いたところによると結構"そういうの"って多いらしいしさ』『…………』←築地『私は普通に平気だった』『私も私も~。何ソレって感じだよね~?』実戦後に続く他愛も無い会話の中で、つい彼女達が余裕そうに見えてオモラシ云々の話題を出した俺。原作だと まりもちゃんすら漏らしたとか言ってた気がするけど、やっぱり平気だったっぽいな~。別に漏らそうが"この世界"だと初の実戦を乗り切ったダケで十二分に凄いんだけど、漏らさないに越した事は無いので、まさに大健闘。素の俺なら漏らす以前に100%死んでた筈だ。実を言うと"この話題"は言い出してから後悔してしまったんだが、引かれてなくて良かった~。……と安心して何となく視線を移してみたら、涼宮(妹)が何だか意識してしまった様だ。『全くもう、白銀少佐ったら……』「悪い。不愉快に感じたなら謝るよ」『!? あッ、いえ……私の方こそ失礼な事を……』『だったら"そんな顔"しないでよ茜~、こっちまで恥ずかしくなってくるよ』『は、晴子ッ』「まぁ~今のは忘れてくれ。とにかく皆、良く頑張ったぞ~?」『――――はいッ』×4『……~~っ……』『多恵、どうしたの? こんな時 一番 喜びそうなのって貴女なのに』『ぅえっ!? ち、ちちちちゃんと喜んどるっとよッ? あまり言葉に出ないダケで――――』『なら良いんだけど』『わ、わーいっ、勝った~生き残れた~っ!』「…………」……だけど俺は見逃さなかった。築地は俺が話題をだしてから、ずっとダラダラと汗を流していた事を。元A分隊は仲良しの為か、いちいち互いのバストアップを表示させずに会話してるっぽいけど、俺はエロスーツの魅力に更に慣れる為にも、会話の時は大抵 相手の姿を表示させていたのだ。ともかくコレで今夜のネタは決まったな……だけど自粛してたんだった、霞の為にも我慢せねば。『(うぅううぅ、やっぱり私だけ……恥ずかしくって死んじゃいたいよ~)』――――今夜は自重する予定だけど築地の表情に萌えて、つい白銀はボッキしちゃったんだ☆………………2001年12月01日 深夜『白銀少佐』「んっ……涼宮中尉?」『間も無く横浜基地に到着します』「ようやくか~。わかったよ、有難う」『い、いえ』「涼宮少尉達は?」『まだ眠っている様です。最初は色々と話していたんですけど……』『まぁ、致し方ないでしょう。何せ初の実戦を経験した後なのですから』「全くだよ」『と言う事で……あの娘達にはギリギリまで寝て貰おうと思っています。 それでは、白銀少佐と篁中尉は先に戦術機をハンガーに納めてください』「おっけい」『了解』……戦術機の中で揺られる事、数時間。そろそろ日付が変わろうとしている時刻。行きは急ぐ為にブッ飛ばしてたみたいだけど、帰りは この通り車両の移動は遅かった。御陰で半分 寝かけていたが……涼宮(姉)の言葉に目を覚ますと俺は戦術機の機動準備に入る。涼宮(妹)達とは一緒のグループで戦場に向かったんだけど、彼女達は遅れての収納になる様子。だからリンクも切っており、今の会話は聞かれていない。涼宮(姉)の優しさが伺えますな。≪――――トッ≫「それじゃ~S型の事は任せますよ?」『はっ!』愛機をハンガーに納めコックピットから出ると、直ぐ様 整備を担う人間達が戦術機に取り付いた。完全に余談だけど……俺の機体を整備してくれる人達は、選びに選び抜かれた人材らしい。整備の腕は勿論ながら機密保持の徹底が出来たりと、別の意味でも信頼の置ける頼もしい人達だ。けど皆が揃って男性なのが残念。……って冗談は置いといて、ようやくの帰還に溜息を吐く俺。「ふ~っ」「白銀少佐!」「篁」「……ッ」←無言で接近中……すると今までの訓練と同様に、黒と青 主体のエロスーツ姿の篁が小走りで近付いて来た。彼女の(本当は まりもちゃんの)機体は俺の真横に納めてたし、予想通りの行動ですな~。とは言え……篁も無事で本当に良かった。生で彼女を見て今更ながら嬉しくなってきた俺。よって"俺の価値観"では当然な行動……右手を上げて"ハイタッチ"をしようと篁に歩み寄るが……「HEY!」「……え?」「…………」「…………」≪ひゅううぅぅ~~っ≫なんとォ!? 篁は意味が分からなかった様で、俺の前で立ち止まるとハテナマークを浮かべた。ソレにより右手を上げた俺と首を傾げる篁……両方エロスーツ姿なので傍から見るとシュールだろうね。そのまま10秒経過……う~ん、どうしよう? 高く上げた右手を どう持ってゆくべきなのか。誤魔化したら誤魔化したで訝しげな視線を向けられそうだし、こうなったら"この手段"しかないッ!!「……!!」≪――――ぽんッ≫「!?!?」「…………」「ぅあっ……」俺は丁度良い位置に有った篁の頭に右手を乗せ、そのままナデナデと撫で始めた。柔らかい黒髪の感触が心地良い。対して篁は最初に驚愕した後、何故か顔を真っ赤にしていた。ひょっとして恥ずかしいのかな? そりゃ~そうだよね、年下の男に頭を撫でられてるんだから。いくら相手が上官だとは言え……誰かに見られたら恥ずかしいと思うのは仕方ないだろう。既に何人かの人間(整備する人)には目撃されてるし、咄嗟な事だとは言えアホな事をしたモンだ。しかし撫でてしまったのは仕方ないので、半ばヤケクソになって篁の頭を優しく撫で続ける俺。少なくとも、何か言葉を返してくれるまではコレを続けているつもりだったんだけど……≪なでなでなでなで≫「(ひょっとして……白銀少佐は私を労ってくれているの?)」≪なでなでなでなで≫「(少し恥ずかしいけど、心地良い……ッ……しかし、物足りない気もする……)」≪珠瀬は一旦、筐体を出てくれ。そうしたら――――≫≪はい?≫≪――――俺の筐体の中に入って来てくれ≫≪え……ええぇぇ~~っ!?≫「(……とは言え彼に、私も"あの様な訓練"を行いたいと言い出せないのは勿論……)」≪確保ォ~ッ!≫≪なっ! 何をするだァーッ! わからんッ!≫≪待って水月~っ≫≪ちょっ、離せって!!≫「(速瀬中尉や涼宮中尉の様に、大胆な行動をとれる勇気も……私には無い)」「????」≪なでなでなでなで≫「(だから、私が少佐に"望める事"と言ったら――――)」「……篁?」「あ、あのっ!!」「なんだい?」篁の頭を撫で始めてから約30秒。未だに何も反応が返ってこなかったんだけども。ようやく何か言ってくれる様で、俺は彼女の頭から手を放した。少し名残惜しいZE。対して俯いていた為 前髪に隠れて表情が見えなくなっていた篁は、しっかりと俺を見ながら言う。「……も、もっと……撫でて……くださいッ……」「!?」「(――――これくらいの事しか無い)」「は、はははっ。そんなの御安い御用さ」≪なでなでなでなで≫なんか予想外だけど……篁は頭を撫でられるのが御気に召していたらしい。しかも御願いされた時の表情が超可愛かったんですけど。場所が場所なら抱きしめてましたよ?まぁ、きっと撫でられた事で叔父でパパでもある巌谷さんを思い出してしまったんだろう。何だか俺も恥ずかしくなってきてしまったが、上官として篁のホームシックを温和してあげるか。「…………」「…………」≪なでなでなでなで≫――――そのまま1分程、ハンガーに佇む愛機の前で篁の頭を撫で続ける俺。そろそろ整備の人達から変な噂が立ちそうな気がしたけど、触り心地が良いので止める事は無い。篁も その場から動こうとしないので、もう暫く今の状況が続きそうな気がしたけど……「……ッ……」「あっ、軍曹」「えぇっ!?」何時の間にか篁の後方に エロスーツ姿のまりもちゃんが立っていたのに気付いた。よって頭から右手を離すのと同時に、驚きながら勢い良く後ろを振り返る篁さん。う~ん、今は治ってるけどまりもちゃん……俺が気付いた直後はレイプ目だったんですけど。イリーナちゃんと言い涼宮(姉)と言い流行ってんのか? 横浜基地症候群ってヤツだったり?だがソレは勘繰り過ぎってヤツだろう。よって俺は当たり前の反応を まりもちゃんに示す。「(や、やっぱり……進展してしまっているのね……)」「どうしたんです? こんな所で」「(うぅっ……神宮司軍曹に見られてしまうなんて……)」「!? そ、そろそろ帰還されるとの事でしたので、不躾ながら御迎えにあがりました」「へぇ」「白銀少佐、篁中尉ッ! 御無事で何よりです!!」≪――――ビシッ≫ ←敬礼の擬音「有難う」「感謝します」凛々しく敬礼する まりもちゃんに対し、俺と篁も軽く敬礼を返して礼儀に応える。その後の遣り取りで、まりもちゃんがエロスーツ姿だったのは出撃の可能性が有った為と解った。よってB分隊もエロスーツ姿でスタンバってたらしく、今は着替えて自室に戻っているとの事。だけど俺らが出撃していた事は知らなかったが、まりもちゃん のみ知っていたので迎えに来たと。つまり彼女が此処に居るのは独断であるらしく……休んでくれて良いのに真面目な人だよね~。まりもちゃんは教官の仕事ダケじゃなく自主トレも毎日してるので、俺より断然 睡眠時間は少ない。そうなれば……さっさと休んで頂くに限るな。丁度 篁も居るし、彼女にも休息が必要だ。「じゃ~篁、軍曹と着替えて今日はもう休んでくれ」「よ、宜しいのですか?」「部下を差し置いて、俺が先に休むワケにもいかないしな」「ですが――――」「それにS型を実戦で初めて乗った事から、軍曹に伝える事も色々と有るだろ?」「!? そう言う事であれば……」「では白銀少佐、私は篁中尉と?」「えぇ、篁に色々と教えて貰って下さい。生とシミュレーターじゃ手応えも違いますからね」「了解しました」「それでは……白銀少佐も、しっかりと御休みになってく下さいね?」≪――――ずいっ≫ ←武に接近する唯依「篁?」「……どうか、御願いします」「わ、分かってるよ」「有難う御座います。では神宮司軍曹」「はい」篁は去る前に俺の右手を両手で包み込み、哀願する様に休めと言うとハンガーを立ち去った。そんな彼女に まりもちゃんも続き、俺の事を相変わらず気遣ってくれる篁には感謝ですな~。今度はもっとジックリ頭を撫でてやるとしようか。できれば違うトコロもナデナデしたいけどね。そう無表情で邪な気持ちを抱きながら、俺も帰って寝ようかな~とか考えていると……≪おおおおぉぉぉぉ……っ≫「!? A分隊か」≪パチパチパチパチ……ッ≫遅れて涼宮(妹)達のS型5機が戻って来た様で、ソレを迎えた整備の人達から歓声が上がる。しっかりと5機健在……しかも殆ど無傷で帰還したんだ。そりゃ~大健闘だし喜びもするよなァ。そんな事を思いながら遠方からA分隊の機体を眺めていると、涼宮(妹)達が姿を現してくる。何だか恥ずかしそうにしていて微笑ましいな。……まぁ、ルーキーだし仕方ないんだけどね~。ンなうちに整備の人達の賛辞から逃れた涼宮(妹)は、他の仲間と合流しようとしてたっぽいが……「あ・か・ねェ~っ?」≪――――がしっ≫「きゃっ!? は、速瀬中尉ッ?」「先輩を差し置いてA-01の隊長として出撃した気分はどうだった~? んン~ッ?」「ち、ちちちちょっとッ! そんな所を掴まないでくださっ」「何処を掴もうと揉もうと勝手でしょ~? それより質問に答えなさいよ~っ?」「ひっ! そんな所ダメッ……ふあっ!?」イキナリ現れた(一応)エロスーツ姿の速瀬に襲われ、先ずは背後から抱きしめられた。次に速瀬の両手は涼宮(妹)の両胸に伸ばされ……モミモミと容赦なく揉みまくられる。対して涼宮(妹)は何とか逃れ様とするが、俺でさえ抜けれない速瀬を抗うのは無理な様子。全く速瀬め……出撃できなかったからって涼宮(妹)を苛めるとは。良いぞ、もっとやれ!!「まぁ、詳しくは更衣室でジックリ聞かせて貰おうじゃな~い?」「わ、分かりましたから"こんな所"で止めてください~っ!!」「ふむ。やはり面白いモノが見れたな」「ご愁傷様ですね、涼宮少尉」――――涼宮(妹)達を迎えたA-01は速瀬を含めて宗像と風間のみ。後者2人は何故来たんだ?「あ、茜ちゃん……ハァハァ……」「多恵~、そんな事より助けてあげれば~?」「無理だよ晴子」「そうそう、ああなった速瀬中尉を止められる人なんて居ないってば」「ダメ、ダメだよ……そんなにしたら茜ちゃんが壊れちゃうよぉ……」「あははは、アレを見て興奮する多恵もどうかって思うけどね」「でも、今の多恵なら何とか出来るかも……」「あっ! 多恵!?」――――んっ? 涼宮(妹)を無理矢理 連行しようとする速瀬の前に、築地が立ちはだかった。「待ってください!!」「ん~っ? 何よ多恵?」「それ以上 茜ちゃんの おっぱいを揉むなら、私のを揉んでください!!」≪ドオオオオォォォォンッ!!!!≫「は、はァ~? 何 言ってんのアンタは」「ダメなんですか? だ、だったら脱げば良いんですとねッ? 今脱ぎますとから!!」「寝てろ!!」「むきゅっ!?」≪――――どさっ≫しかしパチュリーウッ。チョップを食らい遭えなく地面に倒れ、涼宮(妹)は連れ去られてしまった。その後をニヤニヤしている宗像と溜息交じりの風間が続き、倒れた1名と立ち尽くす3名が残される。恐らく他のA-01の面子も元A分隊を別の場所で待っているんだろう、PXや更衣室あたりでね。「多恵~大丈夫ゥ?」「予想通り無理だった」「さっきと言ってる事が逆だよ遼子~?」「(フッ……白銀 武はクールに去るぜ)」――――ともかく良い感じで涼宮(妹)が犠牲になってくれて良かった。ちなみに速瀬に気絶させられた築地は、柏木達が肩を貸しているし大丈夫だろう。速瀬が警戒すべき存在なのは相変わらずだが……ひとまず安心してハンガーを離れるのだった。………………≪コッコッコッコッ……≫さっさと軍服に着替え終えた俺は、自室を目指して通路を静かに歩いていた。時間が時間なので人影は殆ど無いな……既に日付は変わっているだろうしね~。とにかく寝よう。ナンダカンダで疲れたから、最低8時間は寝ていたいモンだが……「白銀少佐!」「ん?」「待ってください~っ」「涼宮中尉か」後ろから声を掛けて来たので振り返ると、涼宮(姉)がパタパタと走って来ていた。相変わらずエンカウント率に定評が有る白銀。生の彼女も少し苦手だけど、クールに対応しよう。俺は立ち止まって彼女の接近を待つんだが、若干距離が有った為 涼宮(姉)の接近は十数秒を要した。「はぁ、はぁ……良かった、間に合って」「どうしたんだよ? そんなに急いでさ」「あのッ。どうしても今 言って置きたかった事が有って……」「言って置きたい事?」「白銀少佐っ! 今回は茜達を助けて下さって、本当に有難う御座いました!!」≪――――ばっ≫そう言って勢い良く頭を下げてくれた涼宮(姉)。わざわざ追い駆けて来て有り難い限りだ。だけど大袈裟すぎじゃないか? ……と言ってみると、前例を考えれば全然 大袈裟じゃ無いらしい。そもそもA-01が一度の任務で一人も戦死者を出さなかった事が11月11日で初めてだったのだ。涼宮(姉)の境遇から例えると、総戦技評価演習で事故って衛士生命が絶たれたダケじゃなく、同期の仲間も死んで、その後の実戦にもなると速瀬以外の同期が一人も残らなかったとの事。A-01と言う特殊任務部隊に所属するに当たって、抜きん出た技量・手厚い整備とバックアップ……それらが有っても一度の任務で一人以上が死ぬ事が"当たり前"だったと……う~む、それなら納得だ。初の実戦を経験する5機を含めた、たった7機で500以上のBETAを被害無しで全滅させる……確かに涼宮(姉)の価値観から考えれば素晴らしい戦果だろう。ワザワザ礼を言いに来るのも頷ける。俺にとっては築地が多少ピンチだった時点で反省すべきなんだけど、ホント今迄 辛かったんだな~。ちなみに涼宮(姉)は車両を降りて直ぐ俺を追い駆けてきたので、まだ速瀬達とは合流していないとの事。「とにかく涼宮中尉も お疲れ。結構 走ってたみたいだし、ゆっくり休んでくれよ?」「は、はい。有難う御座います」「それじゃ~コレは御礼だよ」「……えっ?」俺にとっては涼宮(妹)達を生かすのは当然の事だったけど、褒められて悪い気はしない。だから調子に乗ってしまい、周囲の気配を確認しつつ彼女に"とある事"をするべく近付いた。対して警戒する涼宮(姉)だけど、何度も彼女に"されている事"なので今更 自重する気は無し。≪ちゅっ≫――――だから つい頬に、労いのキッスをしちゃったんだ☆「!?!?」「HAHAHA、それじゃ~御休み」「……あ、あう~ッ……」「涼宮中尉?」≪――――どさっ≫「…………」「ちょっ!? 涼宮、涼宮!!」だけど、どう言う事でしょう!? ダメージが大きかった様で、ブッ倒れてしまう涼宮(姉)。あっ……(ストッキング越しに)パンツ見えてる。いや、それはそうと 放っておくのはマズいなコレは。瞳を鳴門にして倒れている様子は可愛いが、やはりCPとして神経を磨り減らしていんのだろうか?それに加えて俺を追ってのダッシュだ。だから俺のキスは些細なキッカケだったんだよ、たぶん。ともかく彼女の部屋に送り届けないとな……でも鍵はどうする? カラダを弄って探すのもアレだし……「!?」そんな事を思って涼宮(姉)を見下ろしていると……整備の人達なのか、或いは衛士達なのか?複数の話し声が接近しているのに気付き、一刻も早く倒れている彼女をど~にかしなくてはならない。当然 今回の襲撃で俺達 以外で出撃した国連軍の衛士も存在するのはさておき、俺は腰を落とすと……≪――――ひょいっ≫「思ったよりも軽いな……良しッ!!」直ぐ様 涼宮(姉)を"お姫様抱っこ"し、見つかる前に"この場"を全速力で走り去ったのでした。見られた時点で俺の評価がゴッソリ下がりそうだしね~。そりゃ必死になりもしますって。よってRED ZONE……いやTAKERU ZONEっぽいMADを脳内で流して駆ける俺だった。………………≪――――ぼふっ≫「ふぅ~」「…………」……数分後。 無事 誰にも見られずに自室に辿り着いた俺は、片手で器用に鍵を開ける。そしてベッドに涼宮(姉)のカラダを丁寧~に降ろすと、溜息をついて汗を拭った。う~む。つい連れ込んでしまったが……判断は間違っていない筈とは言え、これから どうしよう?俺は腕を組みながら、いずれ目を覚ました彼女にどう対応しようか考えつつ見下ろしていると……「んんッ……」≪ごろっ≫「……ッ……」「むにゃ……」≪くねくね≫「うぐっ……」涼宮(姉)の気絶は睡眠に変わった様で、息を漏らしながら"もぢもぢ"と寝返りをうっている。そんな彼女の下半身 辺りがエロく……少しだけムスコが反応してしまったじゃないですかッ!何気に国連軍のスカートって短いからなァ、ストッキング率が高いのは"この為"なんじゃなかろうか。……さて置き。こうも無用心な寝顔を晒されると、何だか悪戯したくなっちまったんだぜ?「んぅ……白銀……少佐……」「!?」「……本当……に……むにゃ、有難う……ございました……」「す、涼宮……」……だけど涼宮(姉)の寝言を聞いて俺は良心を取り戻すに至った。マジで自重しろよ俺ッ。セクハラなんてバレたらフラグ・ブレイクも良いトコロだ、コレばかりは我慢しないとね。よって涼宮(姉)には このまま寝て貰う事にし布団を掛けると、俺は上着を脱いで椅子に腰掛ける。そしてバスタオルを羽織ってデスクに突っ伏し、学生時代を思い出しながら眠るのでした。「……それと……すぅすぅ、少佐の事……好き、です……」――――ちなみに涼宮(姉)が今の言葉を嘆いた時、武は既に夢の中だったと言うオチ。「そう言えば大尉~」「何だ速瀬?」「遙が なかなか戻って来ませんね、どうしたんでしょうか?」「さてな。ひょっとすれば既に休んでいるのかもしれん」「だったら私達も そろそろ休みません~?」「ふむ、そうするか。……涼宮達は本当に良くやった。それでは解散ッ!」『――――はっ!!』×11*神宮司軍曹とピアティフ中尉は嫉妬心を抱くとL5状態になりますが無害です。*速瀬中尉と涼宮中尉は2人揃うと危険ですが、1人で白銀と遭遇するとデレデレになります。●戯言●思ったよりも長くなったので前後半に分ける事にしました。次回は早めに更新します。一応 涼宮(姉)のターンですが、大したフラグは立ちません。しかしクーデター3日前でコレかよ!余談ですが作者は戦場の絆を3月一杯で引退する事にしてます。やっぱ500円ってのがちょっと……VerUp後の戦績は676勝476敗18分(全て連邦将官戦)。残念な故に野良だと全然勝てないので泣けます。