これはひどいオルタネイティヴ342001年11月30日 午前今日も例の如く霞に起こして貰ったけど、今朝の来客は"3名"だった。お気付きの通り霞に加えて篁とイリーナちゃん……我ながら妙なフラグを立てちまったモンだ。考えてみれば、既に何人かを抱き締めたダケじゃなくキス☆までしちゃってるんだよね。でも前者は上官として部下を励ます為・後者はスキンシップだし問題無いだろう、多分だけど。いや……大丈夫じゃないと鑑を怒らせてしまうし、ベットインだけは避けないといけないな~。彼女達は頼れる上官とは思ってくれてるみたいだけど、流石に"抱かれたい"とは思って無いだろう。初の実戦を終えての祝勝会の翌日、大慌てした速瀬の態度を思い出せば理解は容易い。(17話参照)そんな裸で迫られた"あの時"は勿論、ゆーこさんやイリーナちゃんにキスしちまった時は、本気で押し倒そうと思ったぐらいだから、要は俺が極力 欲望を抑える必要が有るってワケだ。"あっち"じゃ女性に襲い掛かって犯罪者になるアホがニュースで良く晒されてるけど、自分は絶対にそう言う区別が出来てる人間だと信じて疑わなかった。だけどソレは自意識過剰だったのか? そもそも唐突にキス☆しちまう時点で異常だしな~。そう考えると速瀬や涼宮(姉)も一緒だからマシとは言え、とにかくオルタ世界はヤバすぎる。BETAが暴れてるって時点で十分ヤバいが、女性陣が美人・美少女ばかりってのが特にね。横浜基地の外の人間は知らんから良く分からんけど、少なくとも基地内は醜い人間 自体居ない。心が汚いって意味じゃ御剣の武御雷(紫)の件で絡んで来た2人組みを考えれば存在するが……冷静に考えてみると、BETAや戦術機 云々より最もサプライズなのが人間達の容姿なのだ。さておき。俺は3人を部屋の外で待たせて、さっさと着替えるとPXを目指したんだけども。「…………」「…………」――――この日イキナリ、俺は予想外なイベントに直面する。「ちょっ、霞?」「……どうぞ」霞が何故か"PXまで付いて来た"時点で、何だか嫌な予感はしていたんだよ。その予想通り、彼女は俺の注文した鯖味噌定食を食べさせようと箸を突き出して来ている。オーマイゴッドッ! 有るのは知ってたけど、対策を考えるのをすっかり忘れてたYO!!このイベントが起きたって事は、霞は少しは 俺の事を慕ってくれてるってワケなんだが……そうだった。ゆ~こさんの計らいで彼女との"共同生活"が始まってしまうんだよね~。まぁ、先にベッドに侵入されなかったダケ良しとしよう……と言いたいトコロなんだけども。「い、いや霞さん」「……食べてください」「だから、その」「あ~ん」「……うぅッ……」「あ~~ん……」――――俺は素直に霞の"恩恵"を受ける事が出来なかった。「…………」「…………」何故なら、同席している篁とイリーナちゃんが居るからなんだもんっ!!ちなみに正面に2人は座っており、霞は当然 俺の直ぐ左で食い物を挟んだ箸を伸ばしている。もし篁とイリーナちゃんが普通に飯を食っていれば、躊躇い無く食い付けるんだが……「(や、社のこの行動は"お兄さん的な存在"な白銀少佐に対するモノなのかしら?)」「(……ッ……ど、どうしてこの娘が白銀さんに"こんな事"を……!?)」篁の方は普通に驚いて こっちを見ていると言った感じなので、まだ良いんだけども。イリーナちゃんの方のショックが大きかった様で、何でレイプ目みたいな顔してんですか!?始めは"嫌な予感"がしたにせよ、霞の実際の行動を見て嬉しかった気も多少はしたんだけど、今となっては未然に防げば良かったと後悔しちまっている自分が居る……オルタでも素直に食い付けなかった白銀の気持ちも解るぜ、何か原作と違う空気なカンジだけどね。ともかく! 白銀も結局 食ったハズだから俺がするべき行動なんぞ一つしかないワケであって。「ぱくっ」「!?」×2「……ッ……」――――素直に食べさせて貰うしかなかったんだ☆「どうした? 霞」「い、いえ……何でも無いです……」「そうか?」「…………」篁のプレッシャーは無いから良し、んでイリーナちゃんの事は悪いが気にしない事にしよう。でも更に予想外の事が起こる。無表情だった霞が、俺が食い付いた直後に瞳を見開いたのだッ。もしかして霞の恥ずかしかったのかな? ……と思ったら再び無表情で二口目を出してくる。だったら気のせいかもしれないね~。 そんなワケで、パクパクと何口か食べていると……「……ッ!!」≪――――ガタッ≫「あれっ? イリーナ中尉」「し、失礼しますっ」≪たたたたたたっ……≫「あっ、ちょっと!」「ピアティフ中尉ッ! どちらへ!?」体感で一分後。唐突にイリーナちゃんが席を立ち上がり、その表情は何故か悲痛なモノだった。直後 俺と目が合うと軽く頭を下げて、手を付けてない料理をそのままPXを後にしてしまう。そんな行動に俺は勿論、篁も意外だった様で声を掛けるけど、今や遅しと言ったトコロだ。一方 霞は手の動きを止めた様で箸を何時の間にか置いており、眉を落として俺を見上げている。「……すみません」「ぇあ?」「怒らせてしまいました」「!? いや……大丈夫だよ」霞は何故か俺に謝り、イリーナちゃんが怒ってしまったという衝撃の事実を告げる。何故に!?少佐が公の場であるPXで謎の少女に対し、安直に飯を食わせて貰う迂闊さがヤバかったのか?ワケが分からんけど、リーディング能力を持つ霞の言う事が間違っているハズが無いのは明白。よって彼女を追いかけたい気にもなったけど、残念ながら今は霞とのイベントの最中なのだ。そうなると……此処は頼れる"部下"にフォローを御願いする他は有るまい、我ながら名案だね~。「白銀さん?」「……篁」「は、はい」「悪いが、彼女の事を頼む」――――要は部下に丸投げとも言う。だけど俺は真面目な表情で誤魔化している。「!? わ、わかりました」「悪いねホント」≪霞は……俺の妹みたいなモンだからかな?≫「御気になさらないで下さい(……彼女は"あの事"を知らない為に勘違いしてしまった)」「有難う。そう言ってくれると助かるよ」「いえ(……私も"知らなかった"事を考えると、白銀少佐も酷な事をするわね)」「霞、食わせるのは もう良いよ。ソレだと自分のが食えないだろ?」「……迷惑、でしたか?」「(でも今の真剣な表情……彼はピアティフ中尉の存在を間違いなく大切に思っている)」「いやいや。"同じ事"をしてくれてたんだろ? 迷惑なんかじゃ無かったって」「そ……そうですか」「(だとすれば白銀少佐の部下として、彼女の蟠りを取り払わなければ……)」「――――うわっ」俺は霞を納得させると、彼女のペースに合わせてゆっくりと食事を再開する。その様子には……リスが木の実を頬張るような、何とも言い難い愛くるしさを感じてしまう。一方 素早く食事を口に流し込んだ篁は、イリーナちゃんが残した食器をも持って立ち上がる。少しダケ目を放した隙に素早いな……そういう意味で自然と驚きを口に出してしまった。「それでは白銀少佐、私はこれで失礼しますッ」「うん」敬礼と共に篁は お盆を両手に立ち去ってゆく。話の分かる部下でホント助かるね~。それにしてもイリーナちゃんの立ち去り様……考えてみればオルタの榊達のような雰囲気だった。……って事は彼女一人ダケとは言え原作の再現になったのか? そうなると俺の事を……あれっ?「白銀さん」「!? ど、どうしたんだ? 霞」「……お箸が進んでいません」「あぁ~悪い、少し考え事をしていてね」何となく良い答えを導け出せそうだった時、霞に声を掛けられて正気に戻った俺。むぉっ!? なんだか再び眉を落としていらっしゃるし、ちゃんと彼女の相手をせねばッ!不安になるのも仕方ない、何と言っても霞は"此処"で食事をするのは初めてなんだしね~。よって鏡で練習しているウザそうなスマイル(0円)で微笑み掛けた俺なのでしたが……「そう……ですか(……やっぱり、ピアティフ中尉の事を……)」「と、ところで霞……設計の仕事は順調か?」「あっ……はい、今のところは滞りありません」「そうか。だったら午前は――――」やっぱり元気が無い様に見えるので、午前中は霞と再びトランプ等で遊ぶ事にした。兵器の設計についてはXM3の開発よりも楽らしく、快く承諾してくれた彼女に感謝だZE。反面 篁を放置する事になってしまうが勘弁してくれッ! 霞とのイベントの最中なんだよ~。「……それ、ダウトです」「ぐふうっ!?」――――白銀に電流走る!! まぁ……相変わらずトランプは全敗したワケなんだけども。何度か霞が俺のジョーク(例:霞はホント可愛いなァ等)で照れてくれたりしたので手応え有り!無事に午前のイベントを消化できた様なので、気分良く地上へと戻ってゆく俺なのでした。「(白銀さん、甘えてばかりで御免なさい……でも、凄く暖かいんです)」……余談だが後日。さっき一口も飯を食わずに食事を放置したイリーナちゃんなんだけども。偶然 京塚のオバハンに怒られているのを目撃し、彼女はペコペコと頭を下げていた。要は折角 作った食事を残すなって事であり……流石に頭が上がらない様子に萌えますた。………………2001年11月30日 午後地上に上がって一人で飯を食った俺は、篁の姿を噂を頼りに探して歩き回った。すると案外 早く見つかり、彼女はイリーナちゃんと月詠さん達を交えて訓練に励んでいる様子。場所は当然シミュレータールーム……ソレを確認すると俺は安心して その場を立ち去れた。……ちなみに後日。イリーナちゃんのフォローをしてくださった篁に、"社は白銀少佐の妹の様な存在である為なのです"と彼女に述べ納得させた事を聞く事になる。「良~し」ソレはさて置いて。俺はコソコソと広いグラウンドの前にやって来ていた。以前は207B分隊がせわしなく訓練していた場所であるが、今は人影すら皆無である。今は何やら基地内での動きが活発だからな~、シミュレーター訓練も筐体の取り合いみたいだ。大方 S型やXM3や新兵器の事が何処からか漏れて噂になったのかな?それとも珠瀬事務次官が来たのがデカい? 巌谷中佐ってのも有るな、人目にはついてたしね~。まぁ、何でも良いや。正史よりも横浜基地がヤル気になってくれる方が俺も助かるしな。「いっちに~、さんし~」←実はコイツの御陰現在 俺が着ているのは国連軍の軍服では無く、寝巻きにも使う青のジャケット姿である。何故ならカラダを思いっきり動かしたかった為であり、その場で屈伸などを始める俺サマ。考えてみれば"大きな運動"をしたのは、初日に瓦礫の周りを走り回った時ダケなんだよね~。後は戦術機に乗る以外で……って言うか、乗るのと運動とは別だと思うので殆ど皆無だった。思えば速瀬に襲われた時は手も足も出なかったし、体はムキムキでも体術はからっきしかもしれん。よって今日は良い機会だし、肉体そのものを鍛えようかと一人でグラウンドにやって来たのさッ。銃の使い方は白銀大佐が覚えてたけど、カラダの使い方は俺自身も把握してないとヤバい。可能性は極端に低いとは言えど、生身で闘士級とかと戦う場面が有るかもしれないしね……伍長ズみたいには絶対なりたくないから、俺は俺なりの遣り方でカラダを動かしてみる事にしよう。ンなワケで立ったままの柔軟体操を済ませると、前後左右の安全を確認して最初の行動に移る。「ラン・ラン・ルー!!」――――1度はやってみたかったので、つい遣っちゃったんだ☆「最強☆トンガリコーン」――――そして意味不明な事を言いながらデングリ返しをする。「明日っからまた日・月・火ッほら、水・木回って金・土ッ! 日曜~、僕ら日々を楽しんで生きてこう!! ……もういっちょっ!」――――んでもって何系でもないCMの、うろ覚えのダンスを一人寂しく踊る。「ふぅ~……さてと」こんなカンジで"こっちの世界"では理解できない動作を続けている自重しない俺。されど手応えは十分であり、カラダの冴えが元の肉体よりは断然違うではないかッ。こりゃ~BETAにも武器次第じゃ勝てるかもしれないな、ビビらなければの話だけどね~。さて置き。今度は激しいのもヤってみるようかな? このカラダなら大丈夫だろうしな。俺はトントンと軽くジャンプをすると一直線に走り出す! ……気分は新体操の選手だ。「ほっ!」――――先ずは、そのまま勢いを殺さずにロンダート(側転の逆を向いて着地)し。「しっ!」――――直後、大きな跳躍によるバク宙して無事に着地。コレも大丈夫だったか……だけど一瞬の動作とは言え凄い集中力を使ってしまった。ようやくだけど厚着だし少し汗も出てきたな~。よって汗を拭って視線を移すと……「あ"っ」「!?」「ぐ、軍曹?」「……ッ……」少し距離を置いて、例の教官用のジャケットを着て立っていた まりもちゃんが目に入った。ま、まさか ずっと見てたのかッ? 初っ端 辺りのは目撃されてないだろうけど……とにかく確認が必要だな。 対して まりもちゃんは俺が気付いたと分かると此方に近付いてくる。「どうして こんな所に?」「B分隊の娘達には今日明日と整備訓練を行わせているので、午後は暇が出来まして……」「まりもちゃんも体を動かしに来たってワケですか?」「はい、教えるばかりでは体が訛ってしまいますから」「成る程~」「少佐……いえ、白銀さんは何故此方に?」「全く同じ理由ですよ。戦術機に乗ってるダケじゃ体が訛りますからね~」「それで"今の動き"……ですか」「何か思うところでも?」「は、はい。何と軽い身のこなしかと……」「大した事じゃないですって」「いえ、流石は白銀さんです」――――まりもちゃんはそう言ってくれるけど、オリンピック選手なら目を瞑っても出来る事だ。「俺の"動き"はどの辺から見てました?」「たった今のジャンプ? のような動き……だけですね」「そうッスか」(ホッ)「で、ですので……あの……」「何ですか?」「私にも普段、白銀さんが行っている生身での訓練を教えて頂けないでしょうか?」「え"ぇあ!?」「!? む、無理にとは言いませんけど……」危ない危ない教祖様の動きや、一部カットしたレスリングの動きは見られていなくて一安心。よって今度は彼女と走り込みやら簡単な事をして、デートと言う名の訓練にでも移ろうとした矢先。まりもちゃんは"俺の指導"を受けたい様で、そうとなったら話は違ってきてしまう。俺はインストラクターでも何でも無いのだ。戦術機ならまだしも、何を教えりゃ良いんですか!?実際確認はしてないけど、まりもちゃんって身体能力は抜群って聞くし……ベテラン教官だぞッ?何か適当に誤魔化して立ち去りたくなったが、上目遣いで見ないで下さい萌えるじゃないか。そうなれば期待に応えなくてはならないッ。故に何か、何か無いのか~と必死に考えた結果。「まりもちゃん」「は、はい?」「"ラジオ体操"って知ってます?」「いえ……何ですか? それは」――――ビンゴッ! 発端は1920年代らしいが、この世界には存在すら無かったか!!「いえ、忘れてください。じゃ~早速始めましょうか?」「あ、有難う御座いますッ! では何を教えて頂け……」「白銀体操 第一!」「えっ?」「腕を前から上にあげて、大きく背伸びの運動~っ」「えっえ?」「イチ・ニー・サンシ・ゴーロク、手足の運動~っ」「えっあッ」今の子供達は知らないが、現代社会の俺みたいな年の大人は誰でも知っているラジオ体操。だから在り来たりなモノなんだけど、こっちの世界には"無い"為か まりもちゃんは動けない。勝手に進めてゆく俺の動きを、何とか真似しながらギコちなく体操していると言ったカンジだ。ソレは俺にとって笑える……鬼軍曹である彼女が、ラジオ体操をまともに踊れていないのだから。概念がな無いから当たり前なんだけども、何だか霞みたいな愛くるしさを感じてしまった。「深呼吸~っ、大きく息を吸い込んで吐きます」「(見た事も無い一連の運動……しかも、一つ一つの動作に無駄がない)」「ゴ~・ロク・シチ・ハチ」「(自分で御考えになったのかしら? 流石は白銀さんだわッ)」――――こんなカンジで何度か繰り返すと、ラジオ体操第一を大体 把握した まりもちゃん。「どうですか? ラジオ体操……じゃなくて、俺の考えた体操は?」「幅広い人が行える非常に凡庸性の高い運動だと思いました。本当に素晴らしい発想です!」「そ、そりゃどうも」「それでは白銀少佐、"第2"も御教授 御願いしますッ!」「ぅえっ!?」「……ッ……(階級を考えると図々しいにも程が有る……でも……)」――――流石に第2は覚えていないので、今もTVでやってる"みんなの体操"で誤魔化しました。……………………30分後。俺は何故かまりもちゃんを押し倒す様に倒れており、顔が彼女のオッパイに挟まれていた。その直後の心境はP&Gの●ールドのCMの様に、ヘヴンな状態だったんだけども。「…………」「…………」しでかした事を理解し始めると緊張感が増す。何故こうなってしまったのだろうか?"みんなの体操"を教え終えると、まりもちゃんが相変わらず感心して褒めてくれたんだ。だから調子に乗って体操選手並みの側転やら宙返りを彼女に見せようと意気込んでしまった。よって彼女を正面に走り出すと、側転から前方転回(バク転の逆)を何度も繰り返し、まりもちゃんの直ぐ前あたりで着地して、格好良く終了しようと思った直後……「あ~っ、何してるんですか~!?」「よ、鎧衣?」「えぇっ!? ……うわっ、とっとっ!!」「きゃあっ!」≪――――ばたんっ!!≫マジで空気読めよ鎧衣。まりもちゃんに質問が有ったB分隊(ジャケット姿)が、彼女を探しに来てしまったのだ。よって驚いた俺は着地を失敗してバランスを崩してしまい、近くに居たまりもちゃんにダイブする。そして今に至るってワケで……胸の感触は非常に気持ち良いが、少し高い代償になるかもしれない。……けど案外まりもちゃんはアッサリと許してくれた。嫌われちまうかと思ったんだけどね~。されども"しでかした事"は誤魔化す為に、B分隊に言ってしまった"一言"がマジでヤバかった。――――これも良い機会だし、誰か俺と一勝負してみるか?「!? 白銀少佐ッ、是非1本御願い致します!!」「……私も勝負したい……」「ち、ちょっと待て。落ち着くんだ2人とも」予想以上の反応であり、御剣と彩峰が俺と生身の"模擬戦"をしたいと言い出して来たのだ。それを当たり前の如く止めてくれるハズだった まりもちゃんは、何故か戦力にならなかった。普通なら軍曹がダメって言うから別の機会ね~……で済むだろ? なのに何故かこうなる。「軍曹、恐縮ながら御許可をッ!」「……御願いします」「えっ? あ、あぁ……別に良いんじゃないのか?」「ちょっ、軍曹!?」「感謝を。 では先ずは私だ、構わぬな彩峰?」「良いよ」「白銀少佐、これを」――――そう言いながら御剣は模造刀を手渡してくる。何処から出したんだよソレ。「はぁ、仕方がない……相手をしてやるか」(メキボス調)「榊。合図を頼む」「え、えぇ」「お手柔らかに頼むよ? 御剣」「生憎、本気でゆくのが礼儀と思いますゆえ」「ですよねー☆」これって負けたら凄い格好悪いんじゃないんだろうか? 訓練兵に負ける少佐(笑)になってしまう。まぁ……最悪、何もかも優れてるってワケじゃ無いって事で旨く誤魔化す事にしよう。御剣は戦術機の剣術がアレだったし絶望的か? そう思って彼女との勝負に挑んだが……「はじめ!!」「……ッ……」(ピコーン)「(これは、どう言う事だ? 何も考えずに構えている様に見えるが)」「はあァ!!」[無拍子]≪――――どかっ!!≫「ぐっ!?」「!? い、1本……」「あれっ? 俺の勝ちだな~御剣」「そ……そんなッ……」意外にも意外。何となく"閃いてしまった技"を使ったら、簡単に一本を取れてしまった。技と言っても軽くステップして御剣が少し気を取られた直後、一気に踏み込んで胴を打つ。やっぱ白銀のカラダって凄ェわ……んで、次の相手は彩峰との格闘だったんだけれども。「ドリャッ!!!!」「……ぅっ!?」≪――――ピタッ≫面倒なのは嫌だったので鉄拳の最速風●拳の真似事をやってみると近い動きができ、右手(実際は右か左か知らないけど)のアッパーを彩峰の顎の寸前で止めた時点で俺の勝ちが確定。よって結論、白銀大佐てらスゴス。御剣と彩峰との生身の戦いで負ける事は、まず無さそうだ。普通に考えりゃ~100m走の時点で世界一の男性が世界一の女性に負けたりもしないしね~。戦術機の操縦にもなれば御剣と斬り合って勝てる気はしないけど、やはり男女の差はあるのかァ。だから流石にEXの鑑のパンチや月詠さんの忍術みたいなトンデモ能力は、オルタには無さそうだ。例外として速瀬の馬鹿力だけは本物だけどな……アイツなら闘士級を素手で殴り殺すんじゃね?「勝負アリだ、彩峰」「……ッ……」「これが実戦だったら御剣は内臓破裂どころじゃない。それに彩峰も顎が砕けてるな」「お、恐れ入りましたっ」「全然 動けなかった……やっぱり、強い」「そんな訳でだな。刀を使っての殺し合いも、己の肉体での決闘の訓練もカタを覚えるんじゃない。 "確実に殺せる一つの技"だけを極限にまで鍛えて置くんだ。勿論、戦術機同士の戦いでもね」『…………』×5「こら貴様らッ! 少佐の助言に対しての返事はどうした!?」←正気の戻った軍曹『り、了解っ!!』×5――――信じられるか? 確実に殺せる云々の台詞は、ギャルゲーのキャラの台詞なんだぜ?「(し、白銀少佐は本当に凄いわね……生身であれ御剣と彩峰が何もできずに負けるなんて)」「(今回は身の程を知りました、白銀少佐。それに、軍曹に嫉妬した己の愚かさを悔やむ限りです)」「(ちょっと、自信……無くすかな……でも、英雄って言うのは本当に居るものなんだ……)」「(はぅあう……パパったら、アソコまで凄い人と結婚だなんて…… 冗談でも言っちゃダメだよお……絶対に私が白銀少佐と釣り合う筈なんて無いし~)」「(昨日 会いに着てくれた父さんは白銀少佐の事を知ってるみたいだったけど、 ボクの所為で"ああなっちゃった"し、ちょっと聞き辛いなぁ……う~ん)」何はともあれ、B分隊の娘達は俺を見直してくれた様で良かった~ッ。これで まりもちゃんに"しでかした事"も霞んでくれると有り難いんだけどねェ。だけど今の2連戦ダケで終わらせるのもアレなので、俺は彼女達もラジオ体操を披露。結果 未だに完全には慣れていない まりもちゃんを加え、5名の素人が追加……と、非常にシュールな光景であろう"ラジオ体操教室"がスタートしたのでした。……………………1時間後。「またも御指導して下さった白銀少佐に対し敬礼ッ」『有難う御座いました!!』×5「まぁ~あの体操は一人でもできるし簡単なヤツだから、体を動かす前はやってみると良いよ?」『――――はっ!!』×5「本当に申し訳有りません少佐、折角 御一人で訓練なされていたのに……」「HAHAHA。全然 問題無いですって、それじゃ~また」「お、御疲れ様でした」まりもちゃんが凄く申し訳無さそうにしてたけど、俺にとっては楽しい一時でした。"こっち"で美人・美少女と励むってのは今迄 何度か有ったけど、今回は斬新だったしね~。んでオルタと違って佐官になってるから、B分隊と接する機会が少なかったし良い機会だった。よって俺は敬礼してくださる6名の元を満足気に後にする。……走るの頑張ってくれB分隊。『…………』×5「……さて、御剣・彩峰。私の言いたい事は分かっているな?」「はっ」「すみません」「本人の許可あれど、訓練兵が上官に……しかも佐官に勝負を挑むとは何事かッ!? 連帯責任としてグラウンド20周!! 当然 愚行を止めなかった私も走る。では開始だ!!」『――――了解!!』×5……………………んで俺は、合流した篁・イリーナちゃん・月詠さん+斯衛トリオと合流すると。一緒に飯を食いながら、彼女達が行った訓練の内容をフンフンと聞きながら質問にも答える。そして最後にイリーナちゃんの蟠りが解けた事を確認すると、安心して自室に戻るんだけど。≪白銀さん、気持ち良いです……もっと吸ってくださいッ≫「ハァハァ……まりもちゃんのオッパイ……チッチュしたいお……」――――例の如く、まりもちゃんの胸の感触を思い出して抜いちゃったんだ☆≪ホラ、まりもちゃんの此処……こんなにカチカチになってますよ?≫「(白銀さんに倒された時、頭が呆然としてしまった。やっぱり私は彼の事を……)」――――んでもって、白銀に押し倒された軍曹も白銀で自慰っちゃったんだ☆