これはひどいオルタネイティヴ30(前編)2001年11月26日 午前様々な訓練(?)でマブラヴ世界の女性達に対して耐性を付けてきた俺だったが。流石にスケスケ・エロスーツ姿の御剣・彩峰レベルが近距離に居るとキツさが否めない。……いや、普通の反応だろ? むしろ大丈夫な男連中や開発者の頭の中を知りたいんですけど。でも一人で興奮してたとして、俺ダケが奇特な反応をしているとに思われるんだろう。少佐なら尚更で"この世界"だと、例外は有るだろうけど全ての国連軍の女性衛士が、スケスケ・エロスーツを着る運命だと言う常識が有る事から、俺は頑張って耐えねばならない。何度もループしているハズの俺が耐性が無い振る舞いをし、ソレが ゆーこさんの耳に入れば、勘の鋭い彼女が"俺そのもの"の存在に勘付き、信頼の二文字を失う可能性も有るんだ。考えてみれば、榊達はスケスケ・エロスーツを着た当初は恥ずかしがっていたし、完全たる常識では無いんだろうけど、今は既に受容している事から、やはり軍人と言ったトコロ。今は俺&篁が突然乱入した事から多少、動揺している様子だけど、傍からまりもちゃん指導による訓練を見た限り、恥ずかしがっている様子は既に見えなかった。「それじゃ~最初は……珠瀬の様子から見るよ」「にゃ!?」「軍曹は設定とかを御願いします」「了解しました」――――そんなワケで俺は最初に見てあげる娘を、最も無難と思える珠瀬にした。「篁はどうしてる?」「特に御指示がなければ、指導の様子を見せて頂こうかと思いますが」「オッケー。 暇だったら自主トレしてても良いからね?」「!? そ、そんな事をする訳には……」「なら早速始めよう、珠瀬・駆け足!」「は、はい~っ!」珠瀬 壬姫:俺的 難易度 ★★☆☆☆☆☆☆☆☆………………――――15分後。「白銀機、命中~」『珠瀬機……命中しました~っ』『た、互いの命中を確認。 それでは標的の位置を更に50メートル延ばします』お互いに別の筐体に乗り込んだ俺&珠瀬だったけど、ぶっちゃけ"指導"は行っていなかった。では何をしているのかと言うと、互いに吹雪F型に乗り込んだ事を想定して"対戦"を行っている。勿論……普通に戦えば俺が間違いなく勝ってしまうので、狙撃限定による戦果を競っていた。内容としては平地に要撃級の"的"を無造作に配置し、互い狙撃して命中させる度に、更に50メートル距離を延ばして、どちらが先に外してしまうかと言うモノだ。狙撃は片膝を着いた態勢で行い、流石に実際の戦況的な理由で伏せ撃ちはしていない。「アレも当てたのか? やるな~珠瀬」『し、少佐こそ凄いですッ』そんな今現在、既に常識的にオカしい射程まで伸びてしまっているので、まりもちゃんは焦りながら設定を続けている。 見ている篁と榊達も驚いてるんだろうか?「(信じられない……)其処の、確か……榊と言ったな?」「は、はい。 何でしょうか?」「あの珠瀬と言う者は、本当に"訓練兵"なのか?」「その通りです。 狙撃の腕に関しては、私達は足元にも及びません」「ふむ……狙撃のみとは言え、白銀少佐とあそこまで競える訓練兵が居るとは……」「……(私は白銀少佐にあそこまで"狙撃"の腕も有ったのが驚きだけど)」――――そして淡々と互いの狙撃が続く。 そろそろヤバいぞ、外してくれ珠瀬~ッ!「良しッ、命中した!」『あ……当たりました~』ちなみに狙撃合戦を選んだのは、只単に俺の腕が珠瀬にどれだけ通用するのか知りたかったからだ。俺が負けても相手は極東一のスナイパーで有る珠瀬なので悔しくないし、勝った珠瀬は自信に繋がる。また珠瀬が"本調子"で俺に負ける事は有り得ないけど、"緊張"によって負けたとしても、相手が少佐であり自分の実力を過信していない珠瀬であれば悔しくも何ともないだろうしね。でも狙撃が続くに連れて少しだけ勝ちたくなってきた。次は当てれるか微妙だけど、適当に頑張ろう。『目標を配置。 それでは状況開始』「……さてと」『……ッ……』相手の吹雪F型の狙撃の様子は見えず、"別の空間"でシミュレーターに挑んでいる俺と珠瀬。当然 弾数は初っ端から1発であり、時間制限は30秒。 命中の有無は自分から告げていた。設定を担当している まりもちゃんは射撃直後に結果が分かっているんだろうけど、空気を読んで俺と珠瀬の口から結果が言われるまで黙っており、こうして今に至っている。≪――――パアアァァンッ≫ふ~む……硬い前腕だけど、適当に撃ったら一応 当たってたみたいだ!さて、珠瀬はどうなったかな~? 次は間違いなく失敗するだろうし、出来れば外して欲しいけど。そう考えながら、俺は あくまで無難に当てたように装いながら汗を拭って言った。「うしっ、白銀機 命中ッ」『…………』「珠瀬~?」『うっ……あ、あぅあぅ……』この反応……どう考えてもハズレです、本当に有難う御座いました。普通に"外れた"と言ってくれて全然 構わないんだけど、珠瀬は恐縮してしまったらしい。演技だったら俺に相当な精神的ダメージになるんだけど、彼女に限ってソレは無い。今は見えていない顔も拝めれたら更にバレバレなんだろうけど、声ダケで外れた事は察せる。ソレを良い事に、俺は再び"自重"と言うリミッターを外して珠瀬に"ある台詞"を言う事にした。「ふふ……珠瀬さん……結果を教えてくれませんか? ……ハズレ、なんでしょ?」『!? は、はい……外しちゃいました~』「ははっ……やっぱりね。 見当はついてたけど、案の定 引いた撃ち方……」『うぅッ』「周囲の目を気にしてばかりの発想――――猫な考え……」『ね、猫って?』「いわゆる"緊張し過ぎ"って事だよ。 珠瀬は まだまだ あんなモンじゃ無いんだろ?」『……そ、そうですね~。 あと200メートルくらいはいけたかもしれません』「だったら今度は頑張って、俺を負かしてくれよ~?」『にゃっ……は、はいッ。 頑張ります~!』――――マジかYO!? 俺は無理、絶対 次で外してた自信あるし。「むぅ、やはり白銀少佐の勝利か……」「流石の珠瀬でも無理だったみたいね、"緊張してた"なんて理由に成らないわ」「でも……普通はやらない」「だよね~、みんなの中で何の要素が白銀少佐や軍曹に勝てるかって言ったら、 唯一 考えられるのが壬姫さんの"狙撃"の腕ぐらいだもん」「!? それなのに、あえて最も負ける可能性が高い勝負に挑んだ……それが白銀少佐の"狙い"か?」「その通りで御座います、篁中尉」「恐縮ですけど、軍曹も珠瀬のスナイパーとしての技術は並の衛士の実力を遥かに凌いでいると仰います」「……けど訓練兵には負けれない」「うん。 士気やメンツにも関わっちゃいますから、普通はやりませんよね~。 それ以前に、少佐ぐらいの階級の人がボク達を相手にしてくれる事 自体 無いのが普通ですけど」「しかしリスク承知で挑んだ……と言う事か(……それだけ自信が有ったのね、流石は白銀少佐だわ)」計画通り、珠瀬はあんまりヘコんでないな。 俺にとっても彼女に勝つのは自信に繋がった。……となると勝負は終わったし、ちゃんとした指導に移る必要が有るな~。ちょっと不安だけど珠瀬が相手なら余裕だろう。 そう考えながら俺は、珠瀬のバストアップに告げる。「良し。 前座はこれ位にして、今度は"操縦"について見るよ」『お、御願いしますッ』「珠瀬は一旦、筐体を出てくれ。そうしたら――――」『はい?』「――――俺の筐体の中に入って来てくれ」『え……ええぇぇ~~っ!?』………………――――更に15分後。「……落ち着いたか?」「は、はひっ」「そんなら珠瀬、ジャンプ・スナイプを見せてくれ」「はぃい~!」今現在、俺の膝には珠瀬が乗っかっている。未だに顔が紅いけど、これでも落ち着いた方だ。勿論 指示した直後、彼女は驚愕して まりもちゃんも何故か焦り捲ってたけど、訓練兵に即席で俺の操縦技術を教える方法なんぞ、コレしか思い浮かばなかったのよね。でも方法が方法なので10分間は珠瀬を宥める必要が有ったけど、ようやく状況開始となる。≪……ブワァッ!!≫なんだかヤケクソと言った感じで珠瀬は吹雪F型を飛び上がらせる。そして降下直前に、既に構えていた両手の支援突撃砲で、中距離で佇んでいる3体のうち1体の要撃級に36ミリを1発命中させた。直後 着地すると、再び跳躍して同じ事を繰り返し、3体全ての要撃級を仕留めるに至った。その後 的を小型である"光線級"にしてみると、同じ要領で3発とも各光線級に命中させた珠瀬。ぶっちゃけ普通に凄い。 小型の光線級に至っては俺でも百発百中は困難なのは間違いないのに。「……ほほ~」「ど、どうでしたか~ッ?」「流石だな、見事なジャンプ・スナイプだよ」「でも今のは~」「分かってる、空中で"1度に3発 当てる"のは無理なんだろ?」「は……はい。 今の方法だと一番 失敗しないので……」「珠瀬」「えっ?」(びくっ)「君は何か勘違いしているぞ?」「????」「まぁ、見ていなさい」「あっ……あわわわ」恐らく今から俺が披露する技術は既に まりもちゃんから教えられているだろう。だけど百発百中の自信が無いから3回跳躍して披露した……その気持ちは理解できる。しかしながら珠瀬は賞金稼ぎのスナイパーでも無いし、BETA相手に求められるのは弾幕だ。ソレは支援突撃砲でも例外では無く、俺は珠瀬の両腕を包み込むように操縦桿を握る。「フッ……」「少佐?」「おっと、なんでもない。 じゃ~俺がやって魅せるぞ?」「は、はい(……今の少佐白銀、何か嬉しそうだったけど……)」「それっ!」「……ッ……(さっきの私の技術が、少しは白銀少佐の目にかなってくれたのかな~?)」余談だけど今の俺の"笑み"の意味は、珠瀬と密着しても全くムラムラと来なかったからだ。故の余裕の現れ……だけど可愛いことは可愛いな~、髪を落としてたりしたら少しはヤバかったか?いやイカんイカん、白銀は珠瀬ともイクとこまでイクし、余計な事を考えるのはよそう。よって気分を改めつつ俺は吹雪F型を跳躍噴射させると、フットペダルをベタ踏みしながら連続発砲。「オッケイ、全滅」「あ、あれっ?」≪――――ズシンッ≫俺は空中に浮きながら、10発以上の36ミリを3体の光線級に放っていた。百発百中? 何それ美味しいの? ……まさに、そういった感じでの射撃だったのだ。だから2~3発ほど外しているし、珠瀬のとった行動とは正反対のモノだったと言える。「俺は なにも1発を確実に当てる事を考えてるワケじゃない、これで良いんだよ」「そ、そうなんですか?」「実戦だと必要なのは弾幕だしね、そもそも要撃級にもなると頭にでも当てないと、 36ミリ1発じゃ倒せない以前に、浮きながら百発百中は無理だろ?」「は……はい」しかしながら珠瀬は要撃級に対しての射撃では、全て顔面に36ミリを命中させていた。マジ凄いんスけど珠瀬さんッ、でも俺の顔に出なかったのは何時もの通りであります。ま、まぁ……ワシャワシャ迫って来る要撃級には流石に無理だよね? だから気にしないのさッ。「考えてもみろって、チェーンガンならバカスカ撃つんだ、無理に節約する必要なんて無いさ」「成る程~」「それじゃ~今の要領でやってみてくれ」「わ、わかりましたっ」……こんなカンジで俺は珠瀬の指導を行っていった。 居心地が悪そうな まりもちゃんスマソ。けど御陰で珠瀬は非常に集弾率の高い空中での狙撃支援の技術を身に付けてくれたようだ。さて置き、支援突撃砲ってホント豆鉄砲だよな……距離が伸び過ぎると威力も下がるし。こりゃコストが上がるけど支援狙撃銃ってのも提案してみるか。 珠瀬みたいな当てれる衛士専用で。「んじゃ~次は鎧衣、入って来てくれ」「はいっ!」鎧衣 美琴:俺的 難易度 ★★★★☆☆☆☆☆☆………………「敵は3機、この状況だと どうする?」「え~っと……前衛の敵2番機を頭部バルカン砲で牽制しながら後退しつつ、 中衛の敵1番機を120ミリで仕留めます。 敵3番機の狙撃は頑張って避けます」「じゃあ やって見せてくれ」「はいッ」――――15秒後。「残念、1番機には当たらなかったな」「避けられちゃいましたね~」「2番機が接近して来てるけど、どうすんの?」「敵1番機の36ミリが怖いので、無理に動くよりは長刀を盾で防ぎます」「そんで? ……まぁいいや。 軍曹、動かしちゃってください」『了解』――――15秒後。「成る程、防いだら頭部バルカン砲でメインカメラを狙って無力化させたか」「この距離だと外しませんからね~」「誤射を避けてた1番機が思いっきり36ミリで狙ってるけど、次は?」「開いた右手を使って敵2番機を盾にします」「あぁ……何故か右手の突撃砲を背中に納めたのは その為か!」「はいッ」「でも、どうやって反撃すんの?」「え~っと」「まぁ、それも楽しみにしておくか。 軍曹、時間 時間~」『はい』――――15秒後。「へぇ~、衛士の命が心配で射撃を中止した瞬間に、2番機を離して120ミリで応戦か」「あはは……また外しちゃいましたけどね~」「気にしなくて良いさ。 でも、何時の間にか3番機が左に回りこんでるけど?」「構わずに敵2番機を狙い撃ちます」「当たるのか?」「両手でしっかり狙って、当てますッ」「硬直を取れば当たりそうだけど……左の3番機は無視できないぞ?」「それはですね」「!? いやいやいや、言わなくて良いや。 軍曹~」『……了解』――――15秒後。「うは……左手の盾をパージして左肩に立て掛けて3番機の36ミリを防ぎつつ、 両手でしっかりと2番機を狙って撃破とか……そいつの反撃も寸前で避けたし旨く動いたモンだな」「どっちかって言うと、ボクは避ける方が得意ですからね~」「確かに120ミリ1発くらいなら今の盾で防げるし、良い判断だったと思うぞ?」「有難う御座いますッ」「残りの3番機はどうする?」「此処まで来たら、頑張って撃破するしかないです」「だよな~、じゃあ軍曹」『は、はい』……そんなワケで、鎧衣は無事 吹雪F型を操り高AIのノーマル不知火3機を単機で全滅させた。戦術機相手じゃ有り得ないと思うけど、制圧支援 仕様でミサイルを撃ち切った武装での戦いだ。いわゆる武器は突撃砲(36ミリ/120ミリ・予備弾倉2/2)と短刀2本のみってワケだからね?んで何をしていたのかと言う詳細は、彼女は俺の膝の上でシミュレーターに勤しんでたのは同じだけど、15秒が経過する度に まりもちゃんに時を止めて貰い、"次の行動"を どうするか聞き出していたのだ。珠瀬に対してと同様に、鎧衣の"判断力"に興味が有ったからなんだけど、今の発想は無かったわ。「どうでしたか? 白銀少佐」「……ッ!」「少佐?」「んっ……いや、今のは感心してたダケだ、他意はないぞ?」ぐおっ……鎧衣がイキナリ"ぐるん"っと振り向いて、めっちゃビックリしたんですけど。さっきの珠瀬と大きな差は無いスタイルだから油断してたけど、やっぱ美少女なんだよなぁ……珠瀬は振り向いて来なかったからドキッとしなかったけど、同じ事をされたらヤバかったZE。よって俺は一瞬 体を強張らせちまったけど、誤魔化す様にして鎧衣を褒めてあげたんだけれども。「そ、そうなんですか!? 有難う御座いますッ!」「おわっ! ちょっと自重しろ、顔が近いぞ!?」「あっ、すいません」「……分かれば宜しい、じゃ~本題に移るか。 何か教えて欲しい事は有るかい?」「えっと、それじゃあ……やっぱり少佐の機動を……」「任しとけ!」だけど流石は鎧衣。 少佐様に褒められて嬉しかった様で、興奮気味に顔を寄せて来た。くそっ……俺は多少は意識してたのに、鎧衣は全く"密着"する事に動揺してなかったみたいだなあ。思えば会って間もない白銀に人工呼吸したり・裸で暖めたりした娘だし、仕方ないんですけどね。「(ふぅ~、凄く緊張したけど……何とか動けて良かったあ~)」≪んっ……いや、今のは感心してたダケだ、他意はないぞ?≫「(でも、やっぱりボクってダメだなぁ……褒めて貰ったからって、上官に"あんな態度"で……)」――――この後の操縦による指導では、意外と鎧衣は大人しかったりした。『状況終了します』「少佐、有難う御座いますッ」「ノープロブレム。 んじゃ~次は榊ね?」「は、はいっ!」……ちなみに、鎧衣の件で"新しい案"を思いついてしまった俺様。彼女が盾をパージさせて真横からの攻撃を防御してたけど、肩にシールドが有っても良いかもね。特に両手で武器を構える珠瀬みたいな娘が乗る戦術機には、両肩に有っても邪魔にはならなくないか?思い出してみれば不知火って肩にデッパリが有るから、前から其処に何か付けれそうな気がしてたし。そんな事を思いながら頭の後ろで両手を組んでリラックスしていると、中々 来ない次の人。「……??」「……ッ……」「どうした? 早く入って来いって」「や……やっぱりですか?」「うん」「り、りりり了解しましたッ」――――さぁ、これからが本当の地獄だ……ッ!! 下半身的な意味でね☆榊 千鶴:俺的 難易度 ★★★★★★☆☆☆☆………………珠瀬の狙撃・鎧衣の判断力は素晴らしかったので、もはや榊の指揮能力を測るダケ無駄だろう。勿論、良い意味で。 ……だから最初から操縦についての指導をする事になったんだけれど。榊のスタイルは珠瀬&鎧衣と比べると桁外れに良い。 だから、めっちゃ遣り難かったりする。俺に何処ぞの小説のボヤき高校生の様に、眼鏡属性が無いのが唯一の救いだったな~こりゃ。それ以前に榊の身長的に普通に操作性が悪い。こりゃ難易度にプラス1した方が良かったっぽいな。「オッケー、良い感じ。 もうちょいペダルを踏む感覚を早くすれば完璧かな」「は、はいッ」「ホラ、こんな要領で……空中で真横に水平移動する方が狙いも有る程度は定まり易いし」「成る程……ッ……こんな感じでしょうか?」「その方が断然 良いな、後は慣れだから とにかく練習だね」「了解」「じゃ~次は射撃も同時にやってみようか」「同時に……ですか?」「難しくは考えなくて良いさ、強襲掃討だと両手で定位置に弾幕さえ張れれば良いから」「そ、そうですか。 そう言う事で有れば……」―――― 一応、有る程度は我慢しつつ俺はポーカーフェイスを活かして指導するんだが。「……榊」「少佐ッ」「んっ……なんだい?」「えっ? あっ……それは少佐の方から」「いやいや、俺は後回しで良いから榊が言ってくれ」「いえ、少佐がッ」「……ッ……」「!? す、すいませんッ!」「いや、別に謝らなくて良いんだけど……きっと互いに同じ事を思ったんだと思うよ?」「だとすると、やっぱり……」「"遣り辛い"よねェ?」「は、はい……決して嫌では無いんですけど、この体勢では操作性が……」「だよな~、普通に悪いよね~」「も……申し訳ないです」「だから謝らなくて良いって、しっかし どうするかな~?」「それは何とも……」「ま~考えて置く事にするよ。 ところで、続けるか? 嫌だったら中断で良いけど」「いえ、あのッ! 本当に嫌だったと言う訳では無いので、止める必要はないですっ! あくまで私が本来の操縦をするのが普段より難しいダケで有って――――」「はははっ、分かってるよ。 それなら、もう少し続けようか?」「お、御願いしますっ!」榊は やっぱり真面目で良い娘だなァ、本当は嫌なのに必死で違うとアピールしてくれちゃって。俺の膝に座る時、妙に躊躇い続けてたし……相手が上官な事も有って妥協してたみたいだけどね。でも……そんな誤魔化し方だと"本当は嫌"って言ってる様なモンだぞ? 少し"おべっか"がヘタだな~。とは言え操縦性が悪いのは榊の魅力を差し引いても間違いない……これは考えて置く必要が有るな。「大体 こんな感じかな……お疲れ、榊」「はぁ、はぁっ……あ、有難う御座いました」「……ッ……」「!? し、白銀少佐ッ」「ぇあ?」「不甲斐ないミスも有って、本当に申し訳ありませんでした!」確かに状態が状態だったので、榊は思ったように動けない事が多々あった。でも俺も榊の肌の感触に耐える事ばかりを考えていたので、正直 失礼な指導だったかもしれない。それはそうと疲れた様子で振り返った榊も、ソレなりに色っぽくてヤバかったではないかッ。デカい眼鏡なのに、"ふとまゆ"なのに……これで眼鏡外して髪下ろしてたら絶対 耐えれなかった筈。「気にしないでくれ、今ので"良い案"が浮かんだしさ」「良い案……ですか?」「そう、良い案」「それは どの様な――――」「榊くん」「えっ?」「その前に重いし顔が近いしで、離れてくれると嬉しいんだけど」「えっ!? す、すすすすみません少佐ッ!」「はははっ、さっきから謝り過ぎだぞ~榊」「あうっ」……も、もうダメぽ……失礼な事を言ってしまったが、何気に膝が痛くなっていた。よって"良い案"の誤魔化しも兼ねて榊を退け、俺も一旦 筐体を出ると小休止する事にした。ちなみに その"案"とは、今までの様にカラダを密着した操縦・指導をしなくても、別の筐体で"同じ動き"をしてくれる様なシステムを開発するのが良さそう……って案なのよね。誤魔化したのは精神的な余裕が無く榊に説明するのが面倒だったダケで、他に深い意味は無い。「(はあぁ~っ、白銀少佐に鎧衣と珠瀬とは違う所を見せたかったけど……やっぱり無理よぉ)」………………「んじゃ~次は彩峰と御剣だな」「……うん」「ははっ!」ヘロヘロと筐体を出てきた後、二人を見て声を掛けると……彩峰は複雑な表情で静かに頷く。対して御剣は何故か直立不動になって敬礼のポーズを取り、互いのリアクションの違いが笑えた。それにしても次に指導するのは彩峰か……彩峰を個人指導……巨乳不思議娘と密室で訓練……だと?「ちょっとダケ休みたいから、二人は今のうちに心の準備でもしといてね?」「ん……大丈夫?」「何故 疑問系」「気のせい?」「だから何故 疑問……まぁいいや疲れる、んで御剣は平気かい?」「も、もももッも、問題 有りませぬッ!」「おま……」――――何で真っ赤なんですか御剣 冥夜さん……問題 有り過ぎそうで困るんですけど、主に俺が。「(な、何て羨ましい訓練なのッ? 私も御願いすれば、白銀さんに同じ指導をして貰えるのかしら?)」「(きっと神宮司軍曹も、私と同じ事を考えていると思う……でも流石に私が耐えれそうも……)」――――んっ? 何だか まりもちゃんと篁が視線が気になるけど、そんな事より話を戻して。「……ッ……」「(なんか……ドキドキして来たかも)」「(くぅ~っ、どどどどうすれば良いのだ!? こ、これでは間違い無く訓練にならぬっ!)」長椅子に腰掛けつつ、妙にソワソワしている彩峰と以前の涼宮(姉)の如くキョドっている御剣を見てい俺。当然 焦点を合わせているのは"おっぱい"であり、疲労している今……目を逸らす考えすら無かった。果たして俺は二人と肌を合わせて捌き切れるのだろうか? しかし答えは既に解っている……そうッ!「…………」彩峰 慧:俺的 難易度 ★★★★★★★★★★御剣 冥夜:俺的 難易度 ★★★★★★★★★★(計測不能)――――"☆・絶・対・無・理・☆"……と。●戯言●今回の訓練で白銀は たまで支援狙撃銃・美琴で肩部シールド・委員長で訓練での新システムを発案します。次回の彩峰と冥夜との訓練でも新たな武装を考え、以後の戦いで実装する予定です。(恐らく最後の発案)さておき今回は試験的に前後半に分けてアップする事にしました。本作においては初の分割になります。読者様的には"多少長いけど更新が遅い"のと"短いけど更新多少早い"のどちらが良いでしょうかね?最近は一日で一話~二話使うのが基本になっているので、後者だと今回の様に中途半端な所で終わるかも。以後クーデター編にもなると一日分が凄い遅れてしまうので、御意見を方向性に活かそうかと考えてます。