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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ26
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/11/22 04:34
これはひどいオルタネイティヴ26




2001年11月23日 午後


「あの~」

「…………」


≪カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ
 カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ≫


継続する音を背景に、俺はタジタジとしながら ゆーこさんに声を掛けた。

けど ゆーこさんは俺が眼中に無いのか、微塵にも反応せず作業を続けている。

何かタイミング悪かったかな……こりゃ"仕事"を貰えそうな雰囲気じゃないぞ。

表情はディスプレイで隠れて見えないんだけど、今 迂闊に邪魔したら殺されそうな気がする。


「ん~☆」

「…………」


……よって その場で首を捻る俺。 だが道化師のノリと言う、遊び心は忘れない。

一方 俺が入室して30秒経過しようが、案の定ゆーこさんは俺を空気としか思っていない様子。

ワザと無視されてる可能性は低いと思うけど、もし そうだったら相当 切羽詰まってるって事になる。

だとしたら原作の白銀より"俺"の行動の方が彼女に貢献できていなかったって事になるんだよな……

それはマジで無いと思いたいけど、俺が来た時点で原作とは"別"となったオルタの世界に"確実"は無い。

きっと普段の ゆーこさんが"今の彼女"なのかもしれない。 原作でも彼女の深い内面なんか晒されて無かったし。

かと言って自問自答しても、勝手に自分の満足のゆく答えを無理矢理 探し出すに過ぎない。

けどソレはソレで良いって事で考えるのは中断する事にしたんだけど、"今これから"はどうしよう?

邪魔しちゃ悪そうな雰囲気とは言えど、このまま退室するのはちょっとなぁ……なら、こうするか。


≪――――ボフッ≫


俺は相変わらず続くリズムの良いタイピング音を聞きながら、ソファーの方へ歩くと無造作に座った。

……そう、彼女が"作業"を終えるまで待つ事にしたのだ。 何をしてたのか気になってたしね。

その後 何か"仕事"を貰えれば、篁達に訓練を無理矢理 切り上げた言い訳もできるってワケだ。


「はぁ……」

「…………」


良い座り心地なので無意識のうちに溜息をつき、パソコンに隠れている ゆーこさんの方向を見る。

でも全く"作業"が終わりそうな様子も無く、今度は天井を仰ぎ続け目を閉じ……そのまま数分。

タイピング音は未だに続き、凄まじいブラインド・タッチ……良く手が疲れないな、ゆーこさん。

しかし暇だ……暇すぎる。 もしかして、このまま彼女には良く有りそうな徹夜ってパターンですか?

だったら いずれ諦めて戻る事になるんだろうけど……それなら此処で暇を潰すより篁達の所へ……

いや、まだ体感的には5分だ。 見切りをつけるには早すぎるし、せめて1時間は待ってみよう。

ソファーの感触が気持ち良いから寝てしまうかもしれないが、そんな俺に対する彼女の反応も"イベント"になる。


「んっ……戦術機のカタログ?」


されど理想は ゆーこさんの作業終了後、俺が何食わぬ顔で"仕事が欲しい"と告げる事だ。

よって起きている必要が有り、何か暇を潰すモノが無いかと辺りを見回すと資料の山を発見。

ソレを漁ってみると流石は娯楽の無い世界、俺の関心を惹くようなモノは殆ど無く、読んでも眠気が増すダケだろう。

少なくとも現代日本の新聞の方が100倍楽しめる。 それ以前に文章の書き方が漢字が無駄に多くて"古い"。

けど唯一 俺が興味を感じたモノが戦術機のカタログ……では無く設計資料の様な分厚い本が数冊。

これも正直"文章"では楽しめないだろうけど、戦術機と言う人型メカの作り方が細かく載っている。

腕のパーツはこうなっていて、足のパーツはこうなってる……みたいな、
プラモデルの説明書を死ぬ程 バージョンアップさせた様な内容で、ペラペラと捲るダケでも面白い。

もし現代に持ち帰ったら何か賞でも貰えるかもね。 ンなワケで、俺は暇を潰すモノを手に入れたのでした。




……




…………




――――2時間後。


≪パラッ≫


「……むっ?」


何度か一瞬タイピング音が止まる事が有り、その度に ゆーこさんの方を向いた俺だったけど、
彼女が意識していないにせよ全てフェイントで、冷めた(と思われる)コーヒーを口にしたり、
トントンを自分で肩を叩いたりしていたダケで、謎の"作業"が終わったのでは無かった。

結局2時間も経っちまったけど、幸い設計資料を見つけた御陰でガン●ム好きな俺は時間を潰せてたが……

たった今 流し読みし終えた資料の次に手にした本を開いた直後、俺は本を裏返しにしてタイトルを確認する。


「この本、前に読んだなぁ……」


言葉の通り、全部 読み終えちゃったみたいなんだ☆ くっそ~、2時間も待ったのに終わらねぇのかよ。

携帯が有ればネットで幾らでも時間を潰せるのに、これ以上 何をして待ってれば良いんだッ?

此処まで待つと逆に引っ込みがつかなくなってしまい、勝手に一人でムキになっていると……


≪――――カタンッ≫


「ふぅ……」

「!?」


トーンの違うタイピング音をラストに"続いてた音"が途切れ、ゆーこさんの溜息が漏れた。

そうか、とうとう終わったんだッ……タイミングが絶妙に良くて助かったよ。

よって立ち上がると、ゆーこさんは ようやく俺に気付いた様で顔をこちらに向けてきた。

……やっぱり無視してたんじゃなくって、眼中に無かったのね……複雑な気持ちだけど安心したZE。


「あっ、白銀。 居たの?」

「居ましたよ~、2時間も前からね」

「そう……気付かなかったわ」

「あんなに夢中になって何をしてたんですか?」

「ふふんッ、見てみなさい」

「はい」


彼女は疲れた表情を僅かに含めながら その場で胸を張ると、近付くよう催促する。

対して俺は言われた通り ゆーこさんに近付いて彼女の後ろに回り込んだ。

そして何やら表示されているディスプレイのモニター。 なんだコレはと覗き込んでみると――――


「アッラァー!!」


≪――――ガタンッ!!≫


「白銀、何ズっこけてんの?」

「ちょっ! こ、これって……!!」

「戦術機よ?」


アーロッ!! ソレが何か判明した直後、俺は道化師のノリで盛大にズッコケてしまった。

何故ならメモ帳の様なファイルには"アスキーアート"で不知火S型の様な戦術機が描かれていたからなのだ!

ちょっ……おま……どんな"重要"な作業をしてんのかと思ったらAA作ってたのかよ!?

しかし凄い進歩だなオイ、5日前に3行使って作るウサギのヤツを教えた ばっかだって言うのに……

絵はヘタクソな筈の彼女が、もう50行以上使って戦術機のAAを完成させるか普通に有り得ないんですけど。

しかもAAの職人は基本的にエディターを使って作るのに、手打ちでヤるとか尋常じゃ無いZE。


「す、凄いな~……何時の間にこんな……」

「気分転換に試してみたら、なんか旨くいっちゃったわ」

「"気分転換"?」

「察しが良いわね」

「は?」

「"並列処理装置"って言えば解る?」

「ぇあ? あぁ~……もしかして、行き詰ってます?」

「癪だけど、その通りよ……アンタと会って暫くしてから どうしてか急に進展したんだけど、
 最後の最後で止まってるの。 後ひとつ"何か"を閃けば全てが整うって言うのにッ」


≪――――ドンッ!!≫(デスクを叩く音)


俺は気分転換で あんなAAが作れる事が凄い……と思った意味で言ったんですけど。

どうやら違う捉え方をされた様だ。 まぁ、俺にとっては都合の良い展開だけどね。

しかし帰還イベント無しで"最後の最後の方"まで進んだって凄くないか? 何が彼女をそうさせたんだろう。


「まぁ、後 一歩なんですよね?」

「言った通りよ」

「其処まで進んだんなら、焦る事なんて無いんじゃないスか?」

「ふん、アンタは気楽で良いわね……むしろ完成しそうだからイライラするのよ」

「ですよねー☆」

「ひっぱ叩かれたいのッ?」

「サーセン」

「妙ね、何で謝られてるのにムカつくのかしら?」

「気のせいですって~、きっと疲れてるんですよ」

「まぁ……そうかもしれないわね」

「そうですって」

「……ッ……」


……少しだけ、妙な沈黙が続く。 こりゃ仕事とか貰えそうな雰囲気じゃないな~。

でも"その為"に2時間も待ったんだし、空気を読まずとも言っちまうしかないってね。

だから俺は ゆーこさんの論文に対する"必死さ"を、ひとまず置いておく事にしたんだけど。


「あの……ゆーこさん」

「――――ハッ!?」

「うわっ、びっくりした。 どうしたんです?」

「……そう言えば白銀……あんた前、"量子電導脳"とか言って無かった?」

「え、えぇ。 そんな事を言った気がしないでもない気が」(19話参照)

「"あの時"は単なる誤魔化しだったとは言え、聞き流した私はどうかしてたわね」

「どう言う事です?」

「"量子電導脳"の存在は"並列処理装置の理論"の完成を無しに絶対に有り得ない。
 あんたがソレを口にしたって事は、あたしが知らない"何か"を知ってたって事なのよッ!」

「そ~なのか~」

「"そうなのか"じゃ無いでしょォ!?」


≪――――ぐぃっ!!≫


「おわっ!」

「よくも隠してたわね!? さっさと吐きなさいッ! "量子電導脳"を知ってるアンタが知らないハズ無いわ!!」

「ご、誤解ですって! 無意識で自然に口に出たダケの単語だったんですよ~っ!」

「無意識ッ? 何でよ!?」


≪ガクガクガクガクッ!!≫


「き、ききききっとループの"記憶"が混ざってるるるるんだと思います~っ!
 ししし知ってたらあああ会った時に、いいい言ってますって……って言うか揺らさんといて!」

「だったら その"記憶"の中から思い出しなさい! 早くッ! さっさと!!」

「そ……そんな直ぐ出てくるモンじゃ無いですってば~!」

「うるさいッ! 何とかしなさい!! アンタが少しでも思い出せば"完成"するのかもしれないのよ!?」


そういえば言っちまってたなぁ……ゆーこさんの気を逸らす為に何の考えも無く。

此処で"白銀の元の世界"の事を告げれば原作のイベントが進むんだろうけど、俺は言う気にはなれなかった。

何せ帰還イベントには一週間以上早いし、数式を持ち帰るのは更に先になるからだ。

だからこのタイミングで"往く"のは俺にとって賭博になる。 だから誤魔化すしかないのさ。

……それはそうと、どうですか? 今の状況。 そういや興奮してる ゆーこさんって斬新。

彼女は両手を俺の両肩に置いてガクガクと揺さ振っているのですが、白銀のガタイを考えてください。

ゆーこさんの両手ダケで動くハズもなく、カラダ全体を使わないと揺らす事などできません。

よって密着されており、大きなおっぱいが某(それがし)に ぼよんぼよんと当たっているので候。

ちなみに俺は早漏。 ……いや今のは洒落だけど、このままだと普通におっきしちゃうんだお( ^ω^)

もはや理論の事など何処へやら。 どうにかして"この状況"を全力でスルーしなければならない。

しかし傍から見るとドラマの修羅場。 同年代と思われる美女が必死に俺にしがみ付いて体を揺らしてくる。

正直……限界です。 んっ? そんなウチに疲れたのか揺らすのが止まったぞ? 今がチャンスだッ!


「はぁ……はぁ、はぁっ……」

「……ッ……」

「し、白銀……さっさと思い出しなさい、思い出すのよッ」

「……ま」

「ま?」

「マホトォーーッ!!」

「――――んんっ!?」


彼女が疲労した今……この状況で俺がするべき事は、なお衰えない口を封じる事。

だから白銀は、つい ゆーこさんにキスしちゃったんだ☆ 口を塞ぐなら他に方法が有るだろって?

冗談じゃねぇッ! こんな美女に(違う意味で)迫られて此処でキスさえしない奴なんて原作の白銀一人で十分だ!!

もし ゆーこさんに体を迫られたら俺は鑑の存在と格闘しつつも、身を委ねてしまうかもしれないけど、
責め側となった俺に"キス以外する気がない時点で"進展はしないから、得意何も問題は無いさ☆

しかし大人のキッスUMEEEEE!!(味的な意味で) 速瀬には悪いがレベルが違いすぎるんだぜ。


「…………」

「んっ、ちゅ……んぅっ」


キスしてしまった直後から数秒は、ゆーこさんは雰囲気に飲まれてしまった様で俺に唇を弄ばれた。

そりゃブチュっとイかれるとは思って無かっただろう、仕方無いとは言え彼女もオンナなのですな。

けど10秒ほど経つと彼女のカラダが一気に堅くなり……"しでかされた事"を理解したのだろう。


「――――っ」

「あっ」


そうなると噛まれたり引っ掛かれたり、股間に膝の一撃を食らう前に離れるに限る!

初めて会った時は、引き際を誤って強烈なビンタを貰っちゃった事だしね~。(2話参照)

よって唇を離し無事に距離を取ると、いかにもタイミングを外した様子の ゆーこさんの姿。

いわゆる口を開き"鳩が豆鉄砲を食らった様な顔"をしている。 これも貴重なワンシーンかもしれない。

しかし彼女の表情が怒りを表すのも時間の問題だろう、切羽詰ってた質問に唇で応えてしまったんだからな。

ぶっちゃけ非戦闘員のクセに ゆーこさんって迫力有って怖いんだよね……ソレに押されたら最期。

此処で更なる判断を誤ってはヘタすると脳を解剖してでも俺の記憶を探り出す暴挙に出てくるかもしれない。

だったらどう回避するのか? ……答えは簡単。 彼女の怖い顔を見ない様にすれば良いのだッ。


≪――――くるっ≫


「ゆーこさん」

「な、何よ?」

「少しは落ち着きましたか?」

「……ッ……一応はね」

「なら良いんですけど、俺はマジで覚えてませんから勘弁してください」

「……そう。 だったら、もう どうし様も無いって事?」

「違いますよ」

「えっ?」

「ゆーこさんの考えは半分は当たってると思います。 "量子電導脳"って単語が無意識に出たって事は、
 間違いなくループの記憶に有るって事ですから、いずれ何かの拍子で思い出すかもしれません」

「――――だったらッ」

「えぇ、勿論 真っ先に報告しますよ。 どんなに些細な事で有ってもね」

「ふん。 結局アンタ頼みって事なのね……もう少しだったのに」


今現在の俺は腕を組みながら、ゆーこさんに背を向けて喋っている。

恐らく今の彼女は非常に怖い顔をしているだろう、口調は落ち着いているが突き刺さる視線に冷や汗が垂れる。

でも意外と"マホ●ーン"の効果が有った様だ……再び捲くし立ててくる感じは無さそうだZE。

だから更に自分のペースに持ってゆくべく、俺は冷静を装いつつ変わらず背を向けたまま語り掛ける。


「そう一人で抱え込まないでくださいよ」

「!?」

「そんでもって"頑張り過ぎ"ですよ~? どれ位かって言うと、簡単な事に気づかなかった程に。
 俺が"量子電導脳"について漏らした事なんて、少しでも気持ちに余裕が有れば"あの時"問い質(ただ)せた筈です」

「…………」

「だから、もう少しは俺を頼ってください。 ループの中じゃ互いを支え合った仲でも有るんスからね?」

「し、白銀ッ!」


俺は首だけ左に向けると、流し目で一瞬ダケゆーこさんを見つめた直後にウィンクした。

正直 自分でも無いと思います。 ……でも調子に乗って冒(険し)っちゃったんだ☆

だけどコレも意外と効果が有ったみたいで、彼女の頬が何故か紅くなってしまう。

あっるぇ~? 何時もの様に皮肉と言う名の罵倒をされて、この緊張感を解きたかったのにッ!

そうか、きっと 今のゆーこさんはマジで疲れてるんだよ。 俺の"思いつき"の誤魔化しに翻弄されてるんだぜ?

シラフの彼女に"こんな事"したら間違いなく解剖されてただろうね、こりゃ良い教訓になったYO。


「まぁ……とにかく今は寝てください。 俺はコレで失礼しますから」

「そう言えば、アンタは何で訪ねて来たの?」

「……ッ……特に用は無かったんスけど……何か"心配"だったからですよ」

「!?」

「生憎、的中だったみたいですけどね~」

「…………」

「んじゃ~篁達との訓練に戻りますんで――――」

「白銀、あんた……(訓練を中断してまで?)」

「な、何ですか?」

「……いえ、いいわ。 行きなさい」

「(ホッ)ほいほいッス、バイバイキーン☆」


≪ガシュウウゥゥーーーーッ≫


誤魔化しに誤魔化しを重ね、俺はスタスタと歩いて執務室を出て行こうとする。

ラストの台詞は正直 自分でも死ねば良いと思ったケド、それだけ俺は調子に乗っていたのだ。

だって面白い様に ゆーこさんを誤魔化せれるんだもの! 不謹慎だけど彼女が疲れてて良かったZE。


「(……やっぱりホントなのかもね、あたしが"別の世界"の白銀に抱かれた事が有るのって)」


……でもスイマセン、ぶっちゃけます。 俺が"調子に乗ってる様に見える"のには理由が有ります。

俺のテンパりも尋常では無く、さっきからオティンティンがおっきしちゃってたからなんだお( ^ω^)

あんな美人とディープ・キスしちゃって おっきしないワケ無いんだお、同時進行でおっぱいも当たり続けてたし。

だから後ろを向いたのも、9割はオティンティンを見られない様にする為だったんだお、黙っててゴメンお。

でも男なら仕方ないんだお……きっと無駄にCOOLになれたのも、テンパりを通り越しちゃってたからなんだおっ!


「(だから頼っても良いのかしらね? どっちにしろ、白銀が"思い出して"くれないとダメそうだし……)」


――――勿論 執務室を出てから、俺が股間を押さえて全速力で その場を後にした事は言うまでも無い。


「……あっ、そうだわ。 寝る前に社に私の戦術機(AA)を見せてみようかしら?」


――――すまん ゆ~こさんッ、時期が来たらちゃんと"思い出してる"から解剖しないでねっ!?




……




…………




――――10分後。


「(えいしゃおらああああぁぁぁぁーーーーっ!!!!)」


無事 執務室を脱出した俺はエレベータで上層に昇ると、男性用トイレで"踏ん張って"いた。

その結果は快便ッ! "こっち"にやって来てから、最も御通じの"切れ"が良かったのだ。

実は今迄 便秘気味だったんですよね……"こんな世界"に飛ばされたら新陳代謝も悪くなりますって。

でも ゆーこさん相手に"ねんがん"の大人のキッスを味わえ、ソレを誤魔化し通せた事で、
俺の"ストレス"のパラメータ(ねーよ!)が今回のイベントで一気に減ったのだっ。

しかも結局 新しい仕事は貰えなかったとは言え、今日 篁達とまた訓練しちまっても良い程 清々しい気分だ。


「ふぅ……」


経験無いから分からなかったけど、人間って便秘が解消するダケでこんな調子良くなるんですな~。

ちなみに凄いテンションで力んでしまっていたが、勿論 心の中で叫んだんですからね?

普通に生活する中、口に出して踏ん張る事って無いでしょ? もし大声でしか踏ん張れなかったら変態だし。

……それにしても、横浜の基地のトイレでは思うところが有る。 何故なら洋式トイレが極端に少ないのだ。

此処 最近は今みたいな和式トイレなんぞ使った試しが無いので、足が正直疲れてしまうのです。

でも逆に"踏ん張り"易い感が有る……ってのは置いておくが、やっぱり洋式の方が良いよ……


「んっ?」


――――だが俺は極めて重要な事に気づく。 これらの和式トイレは、御剣や篁達も使うのだ。


「有りだな」


≪ジャアアァァ~~ーーッ!!!!≫


俺は短い思考でそうボヤくとトイレの水を流し、手を洗うとトイレをCOOLに後にした。

えっ、大声で踏ん張ら無かろうとお前は変態だって? すまん、許してくれ自重する。

オカズにはスるかもしれないけどなッ! 逝き過ぎた趣味は無いから、御小水の方ですけどね?




……




…………




何食わぬ顔をしてシミュレータールームに戻って来ると、やはり午後でも篁達は真面目に訓練していた。

戦域管制を付けずに攻略しており、今回は どうやら篁と神代のみを残して最深部に到達している。

しかもバズーカを持つ神代が残って居るので反応炉の破壊も成し遂げており、もはや俺 要らね~んじゃね?


『くっ……中々 旨くゆかぬモノだな』

『月詠中尉、やはり5機とも健在となると難しいですね』

『まだ戻って来ないのかなぁ? 白銀少佐……』

『さっきからソレばっかりね、巽』

『私達で3人の中で最も動きが良いのは貴女なのは認めますけど、そんな気持ちではダメですわ』

『わ、わかってるよ……だけど』

「呼んだか~?」

『白銀少佐ッ!?』×5


しかし何故かこの反応ッ。 普通に嬉しくて涙が出そうだったんですけど。

……まだボクには帰る場所が有るんだ、こんなに嬉しい事は無いっ!

よって抑えようとしていたテンションが更に増し、俺の自重と言うリミッターは再び解除されたのでした。




……




…………




――――30分後。


『!? 少佐、要塞級が!』←月詠

「月詠中尉は囮に、俺が仕留めますッ」

『了解』

「巴と戎は最低限の弾幕を張りつつ通過、BETA達は極力無視しろ!」

『了解!』×2

『わ、私は?』

「(俺の背後の)神代は……黙って俺に付いて来い!!」

『はいっ!』


もう管制は勘弁なので、俺以外の5名に安易な管制をさせつつヴォールク・データを攻略している。

現在インペリアル・クロスの中央は"強襲制圧"の俺で固定され、これは自分にも良い経験になってるのよね。

何故なら、バズーカ開発後のヴォールク・データだと"制圧後衛"仕様のS型ばっか乗ってたからだ。

そんな俺のテンションは前途を理由に最高潮であり、神代に引かれるんじゃないかと言う台詞を口にしたり……


「えいしゃおら、えいしゃああああぁぁぁぁぁーーーーっ!!!!」


≪ボヒュッ、ボヒュッ!! ――――ドゴオオォォンッ!!!!≫


"踏ん張った時"には心の中で叫んだ台詞と同じ様な掛け声で、要塞級に120ミリを放つ俺。

しかも一発目は外しているし……当てるだろ、この距離なら普通。 リミッターを外してるのに恥ずかしいZE。

いわゆる滑空砲が"要塞級に一発目で当たらず、誤魔化してニ発目で倒す国連軍の少佐"ってヤツですよ。

でも月詠さん達は華麗にスルーしてくれたので、俺は今のところは気にせず指導を行っていったのでした。


「(こ、これが白銀少佐の本気……? 操縦しつつ指導する様子は初めて見たけど、気迫が違うわ)」

『篁ッ! 声が止まっているぞ!?』

「す、すみません! 要塞撃破ッ、接近するBETA無し。 後方を警戒しつつ陣形を維持し前進せよ」

『了解!』×5


――――でも篁が少しだけ黙ってたって事は、俺のミスに気付いたか? 御願いだから引かんといて~っ!




……




…………




「今日は有難う御座いました、白銀少佐」

「お疲れッス、月詠中尉」

「ふふっ。 結局 今日一日、シミュレータールームを使ってしまいましたね」

「気にする事 無いですよ。 むしろ頑張って貰える方が、国連軍である横浜基地の衛士達には刺激になります」

「それでは少佐の立場が……」

「そう思う連中には言わせて置きゃ良いんです、むしろ俺が黙らせてやりますよ(フラグ欲しいし)」

「……ッ……(やはり、冥夜様が惹かれるのも解る気がする様な……)」

「中尉?」

「い、いえ……何でも有りません。 では、これにて」

「はい」

「敬礼」

『――――っ』


既に夕飯の時間を過ぎた辺りで訓練は切り上げられ、俺は篁達5名と向かい合っていた。

訓練の結果は上々で、俺は管制を行わなかったので"俺以外の5名が健在"での攻略は無理だったにせよ、
俺を含める5機が健在での反応炉の破壊には何度も成功し、管制を行うのは4人のうち一人なので、
5機無事でのミッション・コンプリートは回数違えど、全員が経験していたと言うこの上ない戦果ッ。

こりゃ ゆーこさんも喜ぶだろうし、俺自身としても非常に良いスキル・アップになったZE。

よって良い雰囲気の中、月詠さんと斯衛トリオが凛々しく敬礼して颯爽と去ってゆく。

……何故か神代ダケが一度だけ振り向いて視線が合うと慌てて視線を逸らしたが、もっと訓練したかったのかな?


「篁、お疲れ~」

「白銀少佐こそ、本当に御疲れ様でした」

「……ッ……」

「し、少佐?」


さておきシラフに戻った俺は、正直 死にたかった。 まだ"少佐キモい"と言われる方が救いが有る。

あの有り得ないテンション……艦長以上に恥を振り撒いてしまった事を苦悩していたのだ。

だから苦虫を噛んだ様な顔で篁を見てしまうと、彼女は心配そうな上目遣いの表情で俺を見上げて下さる。

とっても良ぇ娘や、マジ今夜辺り妾で欲しい。 けど鑑の存在を考えると無理だし、その"優しさ"がやはり苦しい。


「そんじゃ~……着替えてくるよ」

「あっ……」

「また明日な篁ッ!」

「は、はい!」


≪――――ダッ!!≫


「まだ"認められていない"のね……だったら今日は、もっと訓練しないとッ」


よって俺は再び その場から逃げ出すと、コソコソとしつつさっさと晩飯を食う。

そして白銀(俺)は自分の部屋へ行きシャワーを浴びると2時間眠った。

そして……目を覚ましてから暫くして、"えいしゃおら"を思い出し……また泣いた……


「ゆーこさぁんッ、らめええぇぇっ!!!!」


――――けど白銀は泣いた後、ゆーこさんの おっぱいとキッスの感触を思い出して、つい犯っちゃったんだ☆




●戯言●
大変長らくお待たせしましたorz それなのに短いです、申し訳ありません。白銀28の変態っぷり炸裂。
本当はさっさと午後を終わらせるつもりだったのですが、先生とのフラグを立てたくてつい書いちゃったんだ☆
そんでもって例のネタをやりたかっらんだえいしゃおらああああぁぁぁぁーーーーっ!!!!


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