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No.3960の一覧
[0] これはひどいオルタネイティヴ(ぶち壊し注意)[Shinji](2008/08/24 12:52)
[1] これはひどいオルタネイティヴ2[Shinji](2008/08/25 11:13)
[2] これはひどいオルタネイティヴ3[Shinji](2008/08/25 11:11)
[3] これはひどいオルタネイティヴ4[Shinji](2008/08/26 04:35)
[4] これはひどいオルタネイティヴ5[Shinji](2008/08/26 23:24)
[5] これはひどいオルタネイティヴ6[Shinji](2008/08/27 20:54)
[6] これはひどいオルタネイティヴ7[Shinji](2008/08/28 16:19)
[7] これはひどいオルタネイティヴ8[Shinji](2008/08/29 20:22)
[8] これはひどいオルタネイティヴ9[Shinji](2008/08/30 23:24)
[9] これはひどいオルタネイティヴ10[Shinji](2008/08/31 22:48)
[10] これはひどいオルタネイティヴ11[Shinji](2008/09/01 21:59)
[11] これはひどいオルタネイティヴ12[Shinji](2008/09/03 08:21)
[12] これはひどいオルタネイティヴ13[Shinji](2008/09/05 10:13)
[13] これはひどいオルタネイティヴ14(+用語ver1)[Shinji](2008/09/07 08:57)
[14] これはひどいオルタネイティヴ15(+伊隅戦乙女隊ver1)[Shinji](2022/04/20 02:22)
[15] これはひどいオルタネイティヴ16[Shinji](2008/09/11 14:52)
[16] これはひどいオルタネイティヴ17[Shinji](2008/09/13 17:38)
[17] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)[Shinji](2008/09/16 23:33)
[18] これはひどいオルタネイティヴ19[Shinji](2008/09/19 22:36)
[19] これはひどいオルタネイティヴ20[Shinji](2008/09/23 02:45)
[20] これはひどいオルタネイティヴ21(+用語ver2)[Shinji](2008/09/26 21:20)
[21] これはひどいオルタネイティヴ22(+第207衛士訓練部隊)[Shinji](2008/10/02 22:28)
[22] これはひどいオルタネイティヴ23[Shinji](2008/10/09 19:42)
[23] これはひどいオルタネイティヴ24[Shinji](2008/10/23 01:55)
[24] これはひどいオルタネイティヴ25[Shinji](2008/10/31 02:49)
[25] これはひどいオルタネイティヴ26[Shinji](2008/11/22 04:34)
[26] これはひどいオルタネイティヴ27[Shinji](2008/11/25 18:05)
[27] これはひどいオルタネイティヴ28[Shinji](2008/12/14 03:54)
[28] これはひどいオルタネイティヴ29[Shinji](2009/01/11 03:35)
[29] これはひどいオルタネイティヴ30(前編)[Shinji](2009/01/17 04:11)
[30] これはひどいオルタネイティヴ30(中編)[Shinji](2009/01/21 01:11)
[31] これはひどいオルタネイティヴ30(後編)[Shinji](2009/01/28 12:16)
[32] これはひどいオルタネイティヴ31 2009/02/08 00:31[Shinji](2009/05/17 17:57)
[33] これはひどいオルタネイティヴ32[Shinji](2009/02/19 03:33)
[34] これはひどいオルタネイティヴ33[Shinji](2009/04/10 04:03)
[35] これはひどいオルタネイティヴ34[Shinji](2009/03/26 08:07)
[36] これはひどいオルタネイティヴ35[Shinji](2009/03/30 03:38)
[37] これはひどいオルタネイティヴ36(前編)[Shinji](2009/04/08 22:44)
[38] これはひどいオルタネイティヴ36(後編) 2009/04/14 04:28[Shinji](2009/05/17 17:53)
[39] これはひどいオルタネイティヴ37 2009/04/24 06:26[Shinji](2009/05/25 00:10)
[40] これはひどいオルタネイティヴ38[Shinji](2009/05/10 00:10)
[41] これはひどいオルタネイティヴ39(前編)[Shinji](2009/05/12 20:01)
[42] これはひどいオルタネイティヴ39(中編)[Shinji](2009/05/14 23:55)
[43] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)①[Shinji](2009/05/17 05:05)
[44] これはひどいオルタネイティヴ39(後編)②[Shinji](2009/05/25 02:35)
[45] これはひどいオルタネイティヴ40①[Shinji](2009/06/01 01:54)
[46] これはひどいオルタネイティヴ40②[Shinji](2009/06/05 02:47)
[47] これはひどいオルタネイティヴ40③[Shinji](2009/06/11 02:49)
[48] これはひどいオルタネイティヴ40④[Shinji](2009/06/14 06:03)
[49] これはひどいオルタネイティヴ40⑤[Shinji](2009/07/02 03:10)
[50] これはひどいオルタネイティヴ41(前編)[Shinji](2009/07/13 01:30)
[51] これはひどいオルタネイティヴ41(中編)[Shinji](2009/07/28 19:03)
[52] これはひどいオルタネイティヴ41(後編)[Shinji](2009/08/16 04:00)
[53] これはひどいオルタネイティヴ42[Shinji](2009/08/27 00:58)
[54] これはひどいオルタネイティヴ43(前編)[Shinji](2009/09/10 23:51)
[55] これはひどいオルタネイティヴ43(中編)[Shinji](2009/09/20 09:43)
[56] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)①[Shinji](2009/10/07 07:49)
[57] これはひどいオルタネイティヴ43(後編)②[Shinji](2009/10/10 22:26)
[58] これはひどいオルタネイティヴ44(前編)[Shinji](2009/11/11 20:38)
[59] これはひどいオルタネイティヴ44(後編)[Shinji](2009/11/17 03:24)
[60] これはひどいオルタネイティヴ45[Shinji](2009/12/04 11:35)
[61] これはひどいオルタネイティヴ46(前編)[Shinji](2009/12/07 06:52)
[62] これはひどいオルタネイティヴ46(後編)[Shinji](2009/12/20 00:54)
[63] これはひどいオルタネイティヴ47(前編)[Shinji](2010/01/26 07:13)
[64] これはひどいオルタネイティヴ47(後編)[Shinji](2010/01/29 14:19)
[65] これはひどいオルタネイティヴ48(前編) 2010/02/20 03:44[Shinji](2010/02/23 04:16)
[66] これはひどいオルタネイティヴ48(後編)[Shinji](2010/03/04 12:24)
[67] これはひどいオルタネイティヴ48.5[Shinji](2010/03/06 20:21)
[68] キャラクター注目度ランキング(~2010年03月09日)[Shinji](2010/03/09 18:23)
[69] これはひどいオルタネイティヴ49 2010/03/14 07:03[Shinji](2010/03/15 12:47)
[70] これはひどいオルタネイティヴ50 2010/04/08 07:58[Shinji](2010/04/10 03:15)
[71] これはひどいオルタネイティヴ51(前編)[Shinji](2010/04/18 14:51)
[72] これはひどいオルタネイティヴ51(中編)[Shinji](2010/05/25 05:31)
[73] これはひどいオルタネイティヴ51(後編)[Shinji](2010/06/26 00:51)
[74] これはひどいオルタネイティヴ52[Shinji](2010/07/27 04:27)
[75] これはひどいオルタネイティヴ53[Shinji](2010/10/06 05:34)
[76] これはひどいオルタネイティヴ54[Shinji](2011/03/29 08:19)
[77] これはひどいオルタネイティヴ55[Shinji](2011/04/02 07:48)
[78] これはひどいオルタネイティヴ56[Shinji](2011/05/16 11:26)
[79] これはひどいオルタネイティヴ57[Shinji](2012/08/02 01:56)
[80] これはひどいオルタネイティヴ58[Shinji](2012/09/01 14:35)
[81] これはひどいオルタネイティヴ59 2012/10/29 15:03[Shinji](2012/11/03 14:33)
[82] これはひどいオルタネイティヴ60 2012/11/02 17:30[Shinji](2012/11/03 14:34)
[83] これはひどいオルタネイティヴ61[Shinji](2012/11/07 21:35)
[84] これはひどいオルタネイティヴ62[Shinji](2013/02/17 10:44)
[85] これはひどいオルタネイティヴ番外編[Shinji](2009/04/14 02:45)
[86] これはひどいオルタネイティヴ番外編②[Shinji](2009/10/15 18:11)
[87] これはひどいオルタネイティヴ番外編③[Shinji](2010/11/04 17:45)
[88] これはひどいオルタネイティヴ(登場人物+用語)[Shinji](2010/10/10 03:07)
[89] これはひどいオルタネイティヴⅡ(原案)[Shinji](2022/03/24 21:32)
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[3960] これはひどいオルタネイティヴ18(+伊隅戦乙女隊ver2)
Name: Shinji◆9fccc648 ID:37b9b89a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/09/16 23:33
これはひどいオルタネイティヴ18




2001年11月14日 午前


昨日の事も有ってか少しだけキョドっていた霞に起こされた俺は、例の如くPXを目指した。

最近は段々と合成食の味にも慣れて来たので、多少は麺類以外にも挑戦している。

それはそうと今日は まりもちゃんでは無く、A-01の8名と鉢合わせしてしまい……


「敬礼ッ!」

『――――っ』


先頭の伊隅が即座に敬礼して下さり、残り7名も同じような動作をとった。

人通りの有る通路で大袈裟な……いい加減 慣れて来たから良いんだけどね。

でも8人同時は流石になぁ……初日の時、イキナリ佐官にしてくれて素直に喜んじゃってたけど、
シミュレーターの結果の前に、ゆーこさんに最高位は大尉にしてくれって言っとくべきだったかな~。


「御早う御座います、白銀少佐」

「んっ? あ、あぁ……おはよう」


まぁ 敬礼されたからには、俺も依然としてヘタクソながらも敬礼を返さねばないので行う。

そんな中、必然的に正面の伊隅と左右の速瀬&涼宮(姉)と目が合ってしまうのだが、
3人とも妙に顔が赤い気がする。 特に速瀬には即座に視線を逸らされてしまったではないか。

……霞みたいに風邪なのかな? 恐らく流行っているのだろう、俺も気をつけないとね。

ともかく、これで敬礼は済んだ。 ボロが出る前に さっさと立ち去ることにしようッ!

速瀬の件も有るし ほとばりが冷めるまで、必須である訓練以外は関わらない方が良い気がする。

俺は一瞬で そう考えると、クルリと向きを変え背筋を伸ばしながらスタスタと歩き去った。

そして角を曲がる際にチラッと彼女達を見てみると、まだ8名はその場におり、
おずおずと涼宮(姉)が伊隅に何か話し掛け様としているトコロだった。


『そう かんけいないね』

『きかせてくれ たのむ!』


――――勿論、クールな俺は前者を選んだ。

べっ、別にA-01の俺に対する評価が気になってたワケじゃ無いんだからね!?


「行っちゃいましたね」

「……そうだな」

「釣れない方ですよね。 こんな美女達を前にして、食事にも誘わずに立ち去るなんて」

「ふざけるな宗像、少佐は色香などが効く様な方では無い。 当然 お前が相手だろうとな」

「それは手厳しいですね」

「何なら試してみるか? 骨は拾ってやるぞ」

「ふむ……今のところは遠慮しておきましょう」

「い、今のところはッ?」

「妬いたのか? 祷子」

「もう、美冴さんったら……」

「…………」

「水月、どうしたの?」(小声)

「えっ? な、ななななんでも無いわよ?」(辛うじて小声)

「そう……(見惚れてたんだよね、白銀少佐に)」

「は、遙ぁ~……何よその目~? ホントに何でも無いんだからねッ?」

「わかってるよ(……私もちょっとだけ、そうだったかもしれないけど……)」




……




…………




白銀の好物とされる鯖味噌定食(大盛り)を持ってPXの席を見渡す。

すると まりもちゃんが珍しくB分隊の娘達と一緒に朝食を摂っていた。

……ふむ……成る程。 総戦技評価演習も終わったし、付き合い方に変化が出たんですね。

言葉遣いは相変わらず厳しいのだろうけど まりもちゃんの表情には優しさが有り、
B分隊の皆も彼女を信頼して居る事から、俺に対しては有った緊張の色も感じられない。

まりもちゃんってば……本来なら白銀が担うべき役割を負ってくれちゃってまぁ~。


「フッ……羨ましくなんか、無いねっ」


≪すたすたすたすた……すとっ≫ ←歩行&着席


「……ッ……」




――――白銀の……うそつきーーーーっ!!!!




そうトレ●ン先生の様に心の中で涙しながら適当な場所に座ると、俺は一人で食事を始めた。

くっそー……気分がナーバスだと合成食は余り美味く感じないんだぜ……

よって遅いペースでチマチマ食っていると、何となく移した視界に入ったのは"天使"だった。

即ちイリーナちゃんであり、彼女は同僚と思われる2人の女性に背中を押されている。

"友達の居ない少佐が一人で寂しがってるんだから行きなさいよ!"とでも言われて居るのだろうか?

なんかイリーナちゃんってば嫌そうな顔してるし、地味にショックだけど無理に来なくても……

そう思っていると、イリーナちゃんは何故か顔を赤くしながらも俺に近寄って来てくれた。

今更だけど恥ずかしいんだと思う。 だって佐官の俺に近寄ってくる人なんて全然居ないんだもん。

まりもちゃんや伊隅は自分の志が勝る様なんだけど、普通の軍人から考えると、
いくら白銀の"潜在能力(恋愛原子核)"が有るとは言え、俺が若い容姿なのに佐官だから、
不気味orチートと思われているんだろう。 どちらにしろ孤独で俺 涙目と言う事ですな~。


「少佐……また御一緒しても宜しいでしょうか?」

「当然ですよッ、どうぞ~」

「で、では」

「…………」


しかしイリーナちゃんは、俺のお友達だ。 シミュレーターに付き合うのをOKしてくれる位だしね。

でも他人の目が気になるトコロとは言え、友人の俺を気遣って食事と共にしてくれるのは有り難い。

そんな事を思いながらイリーナちゃんの同僚っぽい2人の方に、何となく視線を移すと、
気付かれた直後 慌てて違う席に向かって行ってしまい、解っていたケド悲しくなってしまった。


「もッ……申し訳ありません。 あの娘達が行けと言うモノですから……」

「えっ? どう言う事ッスか?」

「少佐と2人で……し、食事をする様に……と……」

「むぅ……」


……成る程、やはり"正解"だったか。 これで辻褄が合うってモンだ。

あの2人は寂しがっている俺を助ける為に、イリーナちゃんを派遣してくれたのだ。

どうせなら3人で来て欲しかったが、周囲の視線が痛く感じるのを恐れたのだろう。

嫌がっているイリーナちゃんダケを犠牲にしたのは減点だが、俺は嬉しいので許す事にしよう。


「迷惑であれば、失礼させて頂きますが――――」

「いやいや! 待ってくださいってッ。 行っちゃう必要なんて全然無いです」

「そ、そうですか?」

「……嬉しいですよ、少なくとも俺は」

「!?」

「イリーナ中尉?」

「う……嘘でも嬉しいです……」(小声)

「ぇあ?」

「な、何でも有りませんッ」


……やっぱり周囲の目が気になったのかな? 席を立とうとしたイリーナちゃん。

彼女は真面目だからなぁ……むしろ、尉官と飯を食う俺の事を心配してくれたのかもしれない。

けど俺は まりもちゃんと進んで食事をする位だし、気にする事なんて有り得ないZE。

だから慌てて引き止めると、細かい事は気にしないで 雑談しながら食事を進める事にした。

小声で何かを言っていたのは周囲が喧しくて聞き逃してしまったが、気にしない方向で行こう。


「(神宮司軍曹は本来であれば少佐に成っても可笑しく無い事を、誰もが知って居る……)」


≪……嬉しいですよ、少なくとも俺は≫


「(それなのに、白銀少佐……そんな事を言ってくれるなんて……)」


――――さておき午後の訓練に誘ってみたら、快く引き受けてくれた。 やったぜッ!!




……




…………




朝食を終えた俺は、適当に間を置いてシミュレータールームにへと向かった。

すると今日も207B分隊が訓練に明け暮れており、まりもちゃんも頑張っている模様。

ちなみに たった今 昨日の夜の訓練の時に、伊隅&涼宮(姉)と付き合った彼女に聞いた話によると、
本日のA-01は俺と まりもちゃんの2機連携によるヴォールク・データのログを元に、
機動概念の勉強会を行う予定の様で、少なくとも今日は速瀬に絡まれる心配は無さそうだ。

それはそうと、モニターを見上げる俺の顔は唖然としていた。 何故なら――――


「なんか……随分と進歩してますね」

「はい、現在は連携による戦いを教えて居る所です」


一昨日は飛んだり跳ねたりしてたダケなのに、既に武器を持って戦っているからだ。

これって俺よりも進歩が早いんじゃないのか? 何だか劣等感を抱いてしまった。

……そう言えば……どっかのサイトで見た"うろ覚え"のデータによると、
榊達は戦術機に触れてから一ヶ月もしないうちに、ベテランパイロット以上の技量になるんだよね。

それどころじゃ無くて、例えば珠瀬の最も苦手な能力でさえベテラン並って感じで……

まぁ、ア●ロやカ●ーユだってそうだったし、空想のバランスは現代レベルを超越してるよな~。

でも俺としては有り難い限りだけどね……何て言ったって彼女達の技量が俺の命に関わるから。


「こりゃ~将来が楽しみですね」

「私も そう思います」

「アハハハ、明日には実機訓練って言ったトコロっすか?」

「流石ですね。 その予定です」

「!? じ、冗談だったのに……」

「ふふふっ、これも少佐の御陰ですよ」


……んっ? 何か違う気がするけど、少佐がイキナリ来たって事でヤる気に成ってるんだろうか。

そう考えると少佐になって良かったって素直に思えるね、チームワークも良くなったみたいだし。

反面 まりもちゃんに美味しいトコロを持って行かれた様な気がしないでも無いけど……まぁ良いさ。


「此処まで来ちゃうと俺の出る幕、無さそうですね~」

「そんな事は有りません、少佐が居るダケで今日の皆の取り組みも変わると思います」


そりゃ~少佐が訓練を見に来てれば頑張りもしますって、俺が訓練兵で有ってもハッスルするよ?

まぁ……それで捗(はかど)るなら願っても無い。 午前中は ずっと見学して居ようかな~。

決めたぞッ、まりもちゃんには悪いが此処は少し俺の株を上げさせて貰おうではないかッ。


「それじゃ~後で軽くアドバイスでもさせて貰いましょうかね」

「はい、宜しく御願いします」


――――くっ、余裕だな まりもちゃん。 だが……俺は生きる為にも出しゃばるのさッ!




……




…………




……数時間後。


「先ずは前衛から。 御剣は長刀の腕に頼り過ぎだ、もう少し射撃を多用したほうが良い。
 地上戦では2分程度 味方が持ち堪えさえすれば補給の余裕は幾らでも有るんだ」

「――――はっ」

「でも、納得いかないよな? 顔に書いて有るぞ?」

「…………」


訓練の様子をボケ~ッと眺めながら、俺は無い知恵を絞って考えを纏め終えた。

そして今現在は整列した5人の訓練兵を前に、上官面してアドバイスを始めている。

先ずは御剣……流石に少佐の言う事に反論はしない様だか、俺もソレだけで終わらす気は無い。


「さっきのシミュレーターでは同じ数の戦術機のAIが相手だったけど、
 BETAはハイヴの内部になると物量は数千倍だ。 格闘をする余裕など無いと言っても良い。
 特に低フェイズの攻略だと突破優先だから、無駄遣いさえしなければ弾倉は余裕で余るんだ」

「はっ」

「……けど、格闘をするなとは言わない。 御剣にはその実力が有るしね。
 しかしながら短所を伸ばす事も必要だ……次からは それを特に心掛けてみてくれ」

「承知致しましたッ」

「今のOSだと、射撃で牽制して格闘に繋げる事を当たり前と考える方が良い。
 勿論 逆に格闘から射撃に繋げて離脱する事もな。 特に頭部バルカン砲で牽制するのなら、
 長刀に持ち替える必要すら無いんだ。 だが御剣はそれすら殆ど 行ってなかったし、
 それだと吹雪F型に乗って訓練する必要すら無い。そんなの勿体無過ぎるだろ?」

「!? な、成る程……未熟でした。 お許し下さい」

「良いって良いって、じゃ~次に彩峰」

「はい」


――――流石に まりもちゃんの目も有って、彩峰も畏まっている。

俺的には"にゃに?"って応えられても別に良いんだけどね……しかし胸デカッ。


「……彩峰は御剣と逆だな。 良い感じで斬り掛かる前に、射撃で牽制して戦っていた。
 ディレイ時にオートによるサブ射撃も多用してたし、マニュアル操作を覚えれば更に化けるだろう」

「はい」

「けど反面、自分の力を過信している。 御剣とラインを合わせずに前に出ている事が多い」

「…………」

「勿論 それが悪い事とは言わない、榊・珠瀬・鎧衣のフォローを信じて居るんだよな?」

「……ッ!?」

「だが、前に出過ぎれば危険な事には変わらない。 俺はそれで死んだ奴を何人も知っている。
 彩峰が同じ様に倒れれば、皆も死ぬ可能性が飛躍的に高まる事を忘れるな」

「はい」

「御剣が彩峰の様な戦い方を覚える様になれば、自然とラインも上がるだろう。
 実力を付ければ更にラインは上がってゆく。 急ぐ事は無いんだ、クールに行こう」

「わかりました」


素直な彩峰ってのも良いな。 佐官ってのも やっぱり良いモンですな。

……ちなみに、当然"死んだ奴を何人も知っている"ってのは嘘っパチだ。

白銀大佐は知ってるだろうけど、そうでも言わないと危なっかしい戦い方は治りそうに無いしね。

ゲームとは違って一発で致命傷になる命掛けの戦いで、御剣の様にロクに射撃もせずに、
長刀をブンブン振り回したり、彩峰みたいに出過ぎた戦いを見るのはマジで心臓に悪いんだ。

俺が白銀と言う存在で有りながら、いざ実戦で格闘を恐れるのと同じ要領で、
御剣と彩峰が桜花作戦迄 五体満足だと判っていても、傍観するのは怖いのさ。


「次は榊」

「はい!」

「指揮能力は文句の付け所が無い。 俺でも、あの要領で皆に指示を出すのは無理だと思う。
 ……だけど、その指揮の内容は"彩峰が出過ぎる事"が前提となっている」

「うっ」

「榊達 後衛のフォローを信じている彩峰の行動を買ったんだろうが、もう一歩と言ったトコロだ。
 それで支援の甘くなった御剣が倒れれば本来転倒。 ラインは常に合わせて指揮しないと、
 大きな状況の変化に対応出来ない。 しかし、それが前提なら榊は完璧な指揮をすると信じている」

「少佐……」

「彩峰が俺のアドバイスを聞いてくれるなら、自然と実現するだろう。
 後は技量の問題ダケだ。 俺の強襲掃討のログを見るなりして精進してくれ、頼んだぞ?」

「は、はいっ!」


――――少佐に頼まれたからには、榊みたいな娘は頑張るだろう。 立場 利用してゴメンね。


「そんじゃ~珠瀬」

「はぃいっ」

「射撃の命中精度は……百発百中だな。 俺が敵に回したら素足で逃げ出す程 凄いと思う」

「ほ、ホントですかッ?」

「あぁ……それに、連携も問題無い。 だから、ジャンプ・スナイプ(JS)を取得して貰いたい」

「じ、ジャンプ・スナイプ……ですか?」

「狙撃は前衛が奮戦している事が前提だけど、射線に味方が重なる状況が多々有る。
 そんな状況で光線級が一匹も居なかったら跳ばずしてどうするのか?
 跳べば射線に味方が重なるBETAどころか、多くの敵を射撃できて味方の支援も安易。
 特に光線級が皆無なハイヴでのJSは、砲撃支援の必要最低スキルだと思うんだ」

「は、はぁ……」

「衛士の概念から跳ぶのに抵抗が有るのは判るけど、光線級の餌食に成る為に跳ぶんじゃない。
 生き残る為に明日へと跳ぶんだ。 以後 夕陽に向かって積極的に試して置いてくれ」

「わかりました~!」

「それと――――」

「ぅえ?」


≪――――ザッ≫


「"手紙の件"については大丈夫だよな~?」(近寄って小声)

「!? はわっ、あわわわ……もう……だ、だだだ大丈夫です~……」

「それは良かった」←ゆっくりと離れる

「はぅあうぁ……(な、何で判っちゃってるんだろ~?)」


――――手紙については さて置いて、ノリで恥ずかしい事を言ってしまったZE。


「最後に鎧衣」

「はいッ」

「君の判断力……状況に応じての武器の使い分け、フォローのタイミングは言う事無しだ、
 唯一サブ射撃のマニュアル操作をマスターしてしまったダケは有る」

「有難う御座いますッ」

「でも、珠瀬と同様 積極的に跳ぶ事を考えてくれ。 それで判断の幅が更に広がるだろうけど、
 鎧衣なら問題無いと思うし、いずれは新開発の兵器を任せる可能性も有ると思うから、
 楽しみにして置いてくれ。 今はまだ開発中だけど……近いうちに完成する予定だ」

「そ、そうなんですか!? 楽しみにしてますっ!」


――――今のは普通に了解とかで済ませるべきだと思ったけど、まぁ 鎧衣だしな~。


「……今回は以上だ。 軍曹、後は宜しく御願いします」

「はい、有難う御座いました。 ……少佐はこれから何を?」

「俺は俺で訓練しますよ、まだまだ やり足りない事が多いですからね」(本音)

『……!?』

「(さ、流石は白銀少佐ね……アレでまだ上を目指そうなんて……)」

「(貴方には感服されてばかりです、白銀少佐)」

「(何が……少佐を、そうさせるんだろう……)」

「(わ、私も少佐みたいな凄い衛士になりたいな~)」

「(う~んッ、開発中の新兵器ってどんなのなんだろ~?)」

「あれ……どうしました? 軍曹」

「えっ、いえ。 そ……そうですか。では……白銀少佐に対し敬礼ッ!」

『――――っ』


う~む、特に何も考えずに思った事を纏めてアドバイスしたけど、効果は有った……のかな?

とにかくこんなトコか……とは言え、こんな偉そうな俺でも、まだまだ自分の技量には自身が無い。

あんな進歩を見せられた直後だし、午後の訓練は気合を入れないとな~。

まぁ……昼食は朝と違って手堅く麺類にして置くか。 ――――だけど、その前に。


「そうだ……言い忘れてたけど」

『――――っ』

「"個別指導"はちゃんと行う予定だから、忘れないでくれよ?」

『……ッ!!』


何となく畏まった空気を壊してから去ろうと思ったんだけど、
そんな あからさまに嫌そうな顔をしないでくれよ君達~っ……ちくしょう。

ちくしょおおおおぉぉぉぉ……っ!!!!(Cv若本)……あ~っ、スッキリした。


「(あ、茜ちゃ~ん。 本当に後で聞くの~?)」

「(無理に目を付けられない方が良い気もするけどなぁ……)」

「(それでも言うッ。 私達が少しでも長く生き残る為には、少佐の指導が必要なの)」

「(指導なら伊隅大尉がしてくれてるのに~)」

「(私達も頑張って訓練してると思うけど?)」

「(ともかく私、御願いしてみる。 あんな動きが出来る人なんて、今迄見た事が無かったし……)」




……




…………




2001年11月14日 午後


昼食を摂った俺は、再びシミュレータールームに向かうとロッカーで強化装備に着替えた。

イリーナちゃんは まだ来てない様だけど、先に一人で訓練するのも良いかな~?

そう思ってB分隊が頑張っているのを遠目にスタスタと歩いていると、
まるで狙っていたかの様に俺の行く手を塞ぐ者が現れた。


「し、白銀少佐ッ!」

「んぁ?」

「あのッ……お話が有るのですが、宜しいでしょうか?」

「……君は?」

「207A分隊、涼宮 茜少尉です!」


――――超人 スズミヤ アカネ が1体出た!!


な、なんでやねん。 涼宮(妹)来ちゃったよ、しかもエロスーツ姿で。

全く警戒して居なかったので、ビックリしてしまった。 ……無論 心の中でだけど。

ここ最近 慣れてきた事の一つとして、俺のポーカーフェイスの強化も挙げられるだろうね。

さておき……凛々しく敬礼する涼宮(妹)。 何だか嫌な予感がするんですけど……


「俺に何の用だい?」

「それは、その~……」

「????」

「わ、私達に戦術機の機動についての云々を教えて欲しいんです!」


……少し遠慮しながらも告げてくる涼宮(妹)。 大方 予想してたけど……その通りだったか。

俺が一人で訓練するつもりだって~のは今迄 見てたから解るだろうに、この娘も志が強いねぇ。

ピアティフちゃんと二人っきりで訓練でき無くなるのが癪だが、別に付き合っても良いんだけど……


「ふ~む……」

「……っ!?」


このエロスーツがどうもなぁ……涼宮(妹)でコレなんだし、築地とかだと耐えれるのか俺?

まりもちゃんは慣れたし、伊隅は色気よりも真面目さの方が勝つ様に感じるからまだマシだが……

そう考えて ついボディをねっとりと眺めてしまうと、ビクリと涼宮(妹)のカラダが反応した。

描く表情は恐怖……ま、不味いッ! 俺の遠距離からの視線を警戒する位だ、正面で視姦はヤバいだろ。

5人の美少女+イリーナちゃんとの訓練は嬉しいけど、相手の気持ちを考えるべきだったね。

此処はA分隊との訓練は諦めるか……いずれ伊隅に教わるだろうし、俺が教える必要も無いさッ。


「……悪いが遠慮して置こう」

「えっ?」

「俺が居る方が、君達は訓練に集中出来無い気がするのでな」

「(い、今の視線……まさか"試されて"いたの?)」

「じゃあ、俺は行くから――――」

「ま……待って下さいッ!」

「!?」


――――横を通過しようとしたら、俺の前に回り込んで来る涼宮(妹)。 なんだか必死そうだ。


「私達が少佐にとって取るに足らない衛士だと言う事は判りますッ、
 それでも……"私達"には少佐の指導が必要なんです!!」

「……ッ……」

「白銀少佐……どうか、御願いします!!」

「……分かったよ」

「本当ですか!?」

「うん」

「あ、有難う御座いますッ!」


実力を謙遜しつつ勢い良く頭を下げる涼宮(妹)。 此処まで御願いされると、もう断れないね。

"君が望む経験"には完敗だ、映画化決定。 俺は表情を崩すと諦めたように両手の掌を返した。

すると涼宮(妹)は顔を上げて表情を綻ばせた。 可愛いじゃないか……勘弁してちょ。


「なら……イリーナ中尉が来るまで待って居てくれ、彼女にオペレーターを任せたいんだ」

「はいっ、では皆にも言っておきます!」


敬礼すると興奮気味でアホ毛を揺らしながら走り去る涼宮(妹)。それだけ嬉しかったんだろう。

思ってみれば速瀬にも1本、涼宮(姉)には2本生えてた様な気がしたなぁ……何が?

……さておき、俺としては彼女達の魅力に耐え切れるか厳しいトコロだが、
引き受けたからには仕方無いし、特に築地のバストアップだけは直視しない様にして置こう。

そんなワケで俺は大きな溜息を吐くと、小走りでやってきたイリーナちゃんに手を振った。




……




…………




……15分後、成り行きで始まってしまったA分隊への指導。

彼女達の技量は涼宮(妹)を除いて全体的にB分隊を下回ってはいたが、
今のところ連携力は遥かに凌いでおり、それが早期の演習の合格に繋がったんだろう。

ちなみに3人に続いて4人目が黄色い髪の"麻倉"、そして5人目が緑の長髪の"高原"と判明した。

そんな彼女達と真っ先に行ったのが"俺vsA分隊"であり、伊隅と同様 無理に頼まれた。

全く~……教わる側の彼女達は負けても何も問題は無いけど、
俺が負けると言い訳のしようが無い事から、超プレッシャーだし勘弁して欲しいんですケド。

だから ぶっちゃけ必死になって戦ったけど、思ったよりも簡単に勝てて良かった~。


『涼宮機 致命的損傷、大破。 A小隊全滅……状況終了』

『つ、強過ぎるッ……』

『やっぱり止めとくべきだったんですかねぇ……』

『うぅ……そんなぁ~、五人掛かりで手も足も出ないなんて~』

「はははっ、OSさえ無いノーマルの不知火だし仕方無いさ」


戦場は平地戦を選択し、先ずは水平噴射で近付きながら射撃してくる5人のうち、
フワジャンでA分隊の120ミリを避けながら、適当に晒された噴射の切れ目や着地の硬直を狙い、
こちらが放った120ミリを直撃させて、麻倉と高原の2機を真っ先に仕留める。

例え旧OSであれど距離が有れば、硬直を確認してから撃っても当たらないので、
弾の誘導を期待して硬直の1秒前位に撃ってみたら、旨く誘導してくれて命中したのだ。

そうなると僅か1分で残りは涼宮(妹)・柏木・築地ダケとなり、後は根性で何とかなった。

今の表情はニヤけているが、心臓はバクバク。 俺のポーカーフェイスよ、まだ持ってくれ!!


『(やっぱり、白銀少佐は格が違う。 この人に付いて行けば、私達はきっと……)』


――――こんな感じでヤバかった時も有ったが、俺は頑張って指導してやったのでした。




……




………




「白銀少佐、今日は有難う御座いましたッ!」

「いやいや、お疲れさ~ん」

「敬礼!!」

『――――っ』


……結局 俺は本日の午後、4時間に渡ってA分隊に指導を行っていた。

何だか教えるのにも慣れて来た気がするな……詰まった時も白銀大佐が的確に助言してくれるし。

まぁ、涼宮(妹)達も まりもちゃんや伊隅と同じ様に物覚えが良かったのも有るけどね~。


「白銀少佐……ま、また御願いしても宜しいでしょうかッ?」

「んぁ? 良いよ、時間が合えばだけどね」

「ホントですか~? それは楽しみですねぇ」

「あのあのっ、本当に勉強になりました~っ!」


――――柏木&築地。 特に築地は目を輝かせているのが可愛いけど、こっちくんな。


「はははっ、それは良かった。 それはそうと近いうちに、
 さっき迄 使っていた"不知火S型"が君達にも配備されるハズだ。」

『え、えぇ~~ーーっ!?』

「んでもってイリーナ中尉にシミュレーターの制限も解禁して貰ったから、
 勝手に俺のログを見るなりヴォールク・データなりと、どんどん訓練して置いてくれ。」

「は……はいッ!(今回の指導で、私達を認めてくれたんですか? 少佐……)」


≪俺が居る方が、君達は訓練に集中出来無い気がするのでな≫


「ともかく……なかなか教え甲斐が有ったよ、俺も負けてられないな」

「……(危うく失望され掛けていたけど、勇気を出して良かったわ……)」

「茜ちゃ~ん、どうしたの~?」

「!? な、何でもないわッ」


……なんか……指導が終わった今、A分隊の俺を見る目が変わった様な気がする。

最初は視線に怯えてるような感じもしてたけど、優しく教えた甲斐が有ったってモンだ。

"優しく"は言い過ぎかも知れないが、まりもちゃんの指導を考えると随分と砕けてるんだろうね。

実際にはS型と新OSの御陰な線が強いんだろうけど、嬉しくなっちゃったから、
つい白銀は不知火S型の搬入について、口を滑らせちゃったんだ☆

すると今の驚き様……いずれ判る事とは言え、それを目の前で見れるのに悪い気はし無いぜ。

よってか、既に俺は佐官としての威厳を忘却し、頭を掻いてヘラヘラとして居ると……


「――――白銀少佐」

「はい?」

「私はこれで、失礼しますっ」

「え"!?」

「……ッ……」


なんかイリーナちゃんが寂しそうな顔で、その場から立ち去ろうとしていたのだ!

こ、これはヤバいっ! チヤホヤされるのに酔いしれて、彼女への配慮を忘れていた……

そうだよな~、若者同士の会話に貴女も入りたかったんですよね?

俺は実は違うのは内緒として、イリーナちゃんも十分若いとは思うけど、
流石に10代じゃ無いんだろうしな~。 ……ともかく、何か労う必要が有るだろう。

此処は例え野暮で有ろうと、数少ない俺の友達の為に引き止めざるを得ない。


「イリーナ中尉ッ!」

「――――っ」


≪……眉毛太いですよね? イリーナ中尉って何気に≫


「まッ、ま……いや……何でも……ないです……」

「……そう、ですか」


けど呼び止めたモノの、そう言うイカれた労いしか浮かばなかった俺は必死で言葉を飲み込んだ。

そ~言やぁ今回の礼は最後のシミュレーターが終わった直後、既に筐体の中で告げてたんだよね~。

その代わりが榊に劣らずの"ふとまゆ"についての指摘はマズいだろ、嫌われるドコロの話じゃねぇYO。

よって結局 何も言えなかったんだけど、イリーナちゃんは何故か少しだけ表情を綻ばせると、
浅く礼をして立ち去って行った。 そんな彼女の背中(特に尻)を苦笑いしながら眺めていると……


『…………』

「――――うぉっ」


A分隊全員が俺に注目している。 各々が好奇心いっぱいの表情で。

フッ……おいおい、見惚れるなよ~照れるだろ? なんちゃって。


『…………』


≪じ~っ……≫×5


「ご……ゴホン。 訓練は終わったし、君達は早く着替えて来なさい。
 追加の質問が有るなら、後でPXで聞く事にするからさ」

『は~いっ!』


築地の様なボディを見るのには当然 抵抗が有るが、実は見られるのにも有ったりする。

彼女達よりは断然マシだろうが、現代日本で生きて来た俺にとっては男用スーツでも恥ずかしいのだ。

よって退ける為にも妥当な指示すると、A分隊達は元気な返事と共に立ち去って行った。


――――何故か上目遣いで俺を眺め続ける、涼宮(妹)を残して。


「……ッ……」

「どうしたんだ? 着替え無いのか涼宮」

「し……白銀少佐は、ピアティフ中尉の様な女性(ひと)が好みなんですか?」

「え?」

「なッ、何でもないです!! それじゃ着替えて来ますッ!」


いや……イリーナちゃんは普通に好みだけど、何でそんな事を聞くんだ?

そう考えて首を捻ると、涼宮(妹)は顔を真っ赤にして走り去って行った。

対して俺は道化師のノリで、彼女の尻を眺めながら唸っちゃうんだ☆


「ん~」


ふむふむ……涼宮(妹)の尻は要チェックや。 イリーナちゃんと良い勝負だな。

それはそうと、彼女達は異性の好みが気になる年頃なのだろうか?

考えてみれば少佐とは言え、年齢が近い男は俺位だろうし思い切って聞いて来たのだろう。

流石の女性・高比率だぜ……まぁ~ひと仕事終えたし、美少女達との夕飯と洒落込む事にしますかッ!

俺は邪な考えと共に大きく背伸びをすると、人気の無くなったシミュレータールームを後にした。


≪イリーナ中尉ッ! まッ、ま……≫


――――また管制、御願いしますッ!


≪いや……何でも……ないです……≫


「(白銀少佐……あの娘達の前で"それ"を言おうとしてくれたダケでも、嬉しかったです……)」




……




…………




……そして夕食後は まりもちゃん・伊隅・涼宮(姉)の訓練に付き合った。

その際 案の定"俺vsまりもちゃん+伊隅"での戦いを挑まれたが、何とかスムーズに勝利!

市街戦に置いて伊隅機に隙を見て俺が斬り掛かったのだが、盾防御されたので"外し"に繋げると、
外した時のロックオンが丁度カットしようと接近して来た まりもちゃんのS型に良い感じで送られ、
36ミリの直撃を食らって まりもちゃんのS型は大破し、伊隅はそのまま俺に背後を取られる。

そして成す術も無く長刀の一撃で大破……即ち"回された"のだ。 ホント運が良かった勝負でした。

回すのは"こちら"での戦いじゃ無意味だと思ったけど、戦術機同士だとマジで有りだな。

さっきみたいに盾防御されたり長刀同士でカチ合った直後で外せれば、"回す"事に繋げられる。

こりゃ良い発見だったけど……見返りが特に何も無い、緊張感の有る一戦は癪だよな~。

今度勝ったら罰ゲームで全員にキスとか迫ろうかな……いや、出来る事なら一発……ダメ?

ンな事はさておき、伊隅によると翌日からA分隊はA-01と本格的に合流する事となるらしい。

同時に宗像を中尉に昇進させ、伊隅・速瀬・宗像がそれぞれA・B・C小隊の隊長になるとの事。

なんだかんだで、A-01の基盤がこれで整って来たってワケだ。 こりゃ期待できますな~。


「ふぅ……今日も頑張ったな~」

「…………」

「あっ、水月。 そんなトコで何やってるの?」

「遙っ!? い、いや……別に何でも~……」

「もしかして……夜の訓練の様子、ずっと覗いてた?」

「う"っ」

「もう……訓練を一緒にしたいなら、言って来れば良いのに。
 それに結局 今日一日、白銀少佐に声を掛けれて無かったみたいだし……」

「し、仕方無いじゃない……今更どんな顔して話しゃ良いのよ~っ?」

「白銀少佐なら、何も気にし無いで接してくれると思うよ?」

「うぐぐっ……それはそれで、納得いかないわよ……私の……う、奪っておいて……」

「~~っ……」

「ちょっ!? 其処で何で遙が赤くなってんのよッ?」

「あ、赤くなんか成って無いよぉ~」

「とにかくムカつく……アイツが平然としてるのがムカつく~っ……」

「あははっ。 水月ったら、すっかり白銀少佐に夢中だね」

「な、何で そ~なんのよぉッ!?」


≪今回の罰ゲームは、お前だけで勘弁してやるッ!!≫


≪で、でも少佐……5人分の相手なんて無理です……≫


――――今夜は悩んだ末 涼宮(妹)をオカズに、つい犯っちゃったんだ☆




●戯言●
ふとまゆ………否 閑話休題。涼宮(妹)のターンッ!ドロー勘違いフラグ、ドロー勘違いフラグッ。
今回はむしろA-01のポジションや新キャラ2名の名前を考えるのに手間取ってしまいました。
またど~でも良い話ですがA分隊の容姿を確認する為にインスコしたAFにてピアティフ中尉を
初めてビーチバレーで多用してみたら、何故か3回に2回は速瀬のアタックをブロックできたので、
簡単に勝つ事が出来ました。でも優勝の労いが"白銀君、やったわ!!"ダケなのが悲しいDeath。


●伊隅戦乙女隊●
ヴァルキリー01 伊隅 迎撃後衛 A小隊長
ヴァルキリー02 速瀬 突撃前衛 B小隊長
ヴァルキリー03 宗像 迎撃後衛 C小隊長
ヴァルキリー04 風間 制圧支援 C小隊員
ヴァルキリー05 一条 強襲前衛 C小隊員
ヴァルキリー06 神村 強襲前衛 A小隊員
ヴァルキリー07 葛城 打撃支援 C小隊員
ヴァルキリー08 涼宮 強襲掃討 B小隊員
ヴァルキリー09 柏木 砲撃支援 B小隊員
ヴァルキリー10 築地 強襲掃討 B小隊員
ヴァルキリ-11 麻倉 打撃支援 A小隊員
ヴァルキリー12 高原 制圧支援 A小隊員


●フォーメーション●
A小隊が右翼・B小隊が中央・C小隊が左翼に配置。
先ず速瀬をワントップに一条と神村が左右に展開。
一条の背後に葛城、神村の背後に麻倉が打撃支援。
速瀬の後方・左に涼宮(妹)・右に築地が強襲掃討で前衛と打撃支援をカバー。
その二人の間の後方に柏木が全域を見渡しながら砲撃支援。
葛城の左に宗像&背後に風間。麻倉の右に伊隅&背後に高原が配置。

■築地 多恵■
茜と同じポジションが良いと言うダケで強襲掃討を目指したミーハー。
しかし決めた後に同じ役割だと2機連携が組めない事が分かり涙目になる。
だが同じ小隊に配属され歓喜。 彼女のレズっ気が世界を救うと信じて……!!
今思うと、彼女達は人数合わせでリタイアしたみたいで不憫だ……

■麻倉 遼子■
キイロ(髪の色)ではベタ過ぎるので名前に2時間タップリ悩むも何も思い浮かばず、
結局 涼宮ハ●ヒの憂鬱に登場する某ナイフの人で妥協してみる。
遼子と言うのは打撃支援を行うと言う事で僚機的な意味合いから。
AFをプレイした時によると、被弾時は"……ヒット"とクールな感じ?

■高原 水鳥■
髪が緑っぽいのでミドリで適当に変換すると水鳥と出たので即採用。
制圧支援にしたのはA-01のバランスを考えた為であり、
後にバズーカを持たせたいから。当然麻倉とは仲良しで同小隊員。
AFをプレイした時によると、被弾時は"ヒットぉ~"とライトな感じ?


●おまけ●
http://sylphys.ddo.jp/upld2nd/game2/src/1221569923079.jpg
なんか適当に遊んでたら犯っちゃったんだ☆


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