これはひどいオルタネイティヴ132001年11月08日 午後≪――――バタンッ≫「お待たせ 霞、行こうか。」「……はい。」日本に戻ったのは明け方だったので、俺は昼過ぎまで寝ていた。B分隊の皆は器用にも、ヘリの中で寝れてたみたいだけど、俺は行きと同様になかなか寝付けないどころか、一睡もできていなかったのよね。だから まだ寝てようかな~と思ったんだけど、昼過ぎに霞が俺を起こしに来てくれる。どうやら俺達の戦術機が搬入されて来たらしいので、折角だし見に行く事にした。………………――――副司令はね、ビニールを破くのに夢中なんだ☆「ふふふ~ん♪」――――ホラね?≪ビリビリビリ~~ッ≫――――ヒャッハッハッハッハ!!「ふ~ふふ~ん♪」――――自然に体が動いちゃうんだ☆≪ビリリリリリーーッ≫「おぉ、やってるやってる。」「…………」俺はくだらない事をイメージしながら、ハンガーの柵に寄りかかり、ゆーこさんが不知火S型のシートのビニールを破く様子を眺めていた。何気にこれって"オルタの世界に行ったら見てみたい事"の一つかもしれない。ちなみに 俺の真横には霞が黙って立っており、同様に ゆーこさんの様子を眺めている。「ふ~、良い汗かいたわ~。」「汗かくまで夢中になる事ですか? ソレは。」「五月蝿いわね、人の趣味にケチつけんじゃないわよ。」「趣味って……」「それよりもどう? 不知火S型。」「……すごく……大きいです……」「そんなの見りゃ解るわよ。」――――また、このネタを使ってしまった。口に出すのは始めてだったって事で、勘弁して下さい。「ん~……何と言うか……圧巻ですよね。」「そう? 戦術機なんてアンタにとっては珍しい代物でも無いでしょ?」「新型だと そう見えるんですよ。」「ふ~ん。」「整備班の人達は随分と気になってるみたいッスね。」「そうね、搬入直後にずっと取扱書を回し読みしてるわ。」「新しい概念の武装がイキナリ来たんですしねぇ。」「まぁ、あたしの用は済んだし戻る事にするわ。 アンタはどうすんの?」「折角ですし、新OSのテストでもして来ようと思ってます。」「それって明日からじゃないの? 帰った直後は"頭痛い~"とか言ってたし。」「大丈夫ッス、もう治りましたから。」「……そ。 まぁ、程々にしときなさい。」「は~い。」「(社……後はアンタ次第よ~。)」ビニールを破けて満足したか、ゆーこさんは軽い足取りで去って行った。それにしても新型……俺だけの戦術機。 ついに完成したんだな。なんだか嬉しくなってきた、白銀がアンリミでワクワクしてたのも今なら分かるぜ。同時に俄然やる気も出たし、実戦もそろそろ近いしで今日は頑張るとするかな~。「…………」「じゃあ、シミュレータールームに――――」「……!!」≪……ぐっ≫「うわっ! どうした? 霞。」その場から歩き出そうとしたら、突然 何者かに袖を掴まれた。あぁ、そう言えば忘れていた……霞が横にずっと立っていたのを。当然 振り払うワケにもいかないので、俺は動きを止めて彼女を見下ろす。「…………」「霞?」「……寂しかったです。」「ぉあ?」≪BETAを倒すッ、BETAを倒すッ、BETAを倒す……ッ!!≫「……っ……」「ちょ……か、霞っ?」≪世界の平和ッ、世界の平和ッ、世界の平和……ッ!!≫「判っています……白銀さんは、遊びに行ったんじゃ無いって事は……」「……!!」――――思いっきり遊びに行ったんですけど。 霞ッ、君は勘違いしているぞ!今ので何だか罪悪感が湧き、悲愴っぽい表情になってしまった気がする。そんな俺の顔を見て、霞の表情が更に曇ってしまう。 しかも、涙目だし……≪頑張れ純夏っ、頑張れ純夏っ、頑張れ純夏ああぁぁ~~ーーっ!!!!≫「……っ……それでも、寂しかったんです……」「……かすみ……」スタッフーッ、スタッフゥー! これって どう言う事ですかっ!?なんか涙を零しながら"寂しかった"と申しておられるんですが……もしかして、気付かずにシミュレータールームに行こうと思ったのがヤバかったのか!?!? ……そうだ"御土産"だ! よく覚えて無いけど、白銀と何か約束してた気がするッ!し、しまった……南の島にウカれ撒くって、霞とのイベントを疎かにしてしまうとはっ。毎日"念じる"のは欠かさずやってたんだけど、とにかく何とかするしかないのかな……「……ぅ……くッ……」「――――すまない。」「……っ?」「悪かった、寂しい思いをさせて。 だから、今度は霞も一緒に海へ行こう。」「ほ、ほんと……ですか?」「あぁ、また行くって"約束"は ゆーこさんとしたから大丈夫だ。」「……ありがとう……ございます……」「礼なんて要らない。 だから泣き止んでくれ、俺まで泣きたくなっちまうからさ。」「す……すいません。」「――――良し! 気が変わった、今日は霞と遊ぶ事にしようッ。」「良いん……ですか?」「あぁ、ど~してか そんな気分になっちゃったんだ。 "あやとり"も良いけど……トランプで神経衰弱とかでも良いかもな!」「……っ……」こんな感じで俺は霞を宥めながら、脳味噌の部屋でトランプを楽しんだ。御土産については忘れていた事を悔やむ限りだが、海のイベントは消化できたしOKだろう。ちなみに"この日"から、俺は"念じる"のは止めた。 やっぱコミュニケーションが一番だよね。「次はこれと……これです。」「オーーマイゴオオォォーーッドッ!!」(ジョ●フ調)――――んでもって神経衰弱は、見事に全敗したのでした。「(白銀さん……私の我侭を聞いてくれて……ありがとうございました……)」………………2001年11月09日 午前近い未来にXM3となる新OSも、不知火S型と同様にテストが必要。それを行うのは、今のところ俺と まりもちゃん……そして、B分隊の5名だ。いずれA-01にも手配する予定だけど、彼女達は11月11日を過ぎてからの話になる。何故かと言うと、俺と まりもちゃんが今日 丸一日で新OS(α版)試し、明日のうちに ゆーこさんに調整して貰い、新OS(β版)を完成させてから使わせるからだ。そして11日に不知火S型の実戦テストをも兼ねる事で、A-01に纏まった形で新しい機動概念と戦術機をプレゼント出来ると言うワケだ。厳しい演習後って事で今日は休みであるB分隊においては、仮免許すら無い状態だし、αだろうがβだろうが最初は同じだろうし例外ね。「少佐、今日も宜しくお願いします。」「こちらこそ、軍曹。」「あの……白銀少佐、私も立ち会わせて頂いて宜しいのでしょうか?」「全然問題無いですよ。 この前は断っちゃってすんませんでした、ピアティフ中尉。」「い、いえ。 そんな……」「とにかく今回は大事なテストですからね、頑張りましょうか。」『――――はっ!』そんなワケで俺はシミュレータールームにて、2人の美女と向かい合っていた。まりもちゃんはB分隊への指導の為に、新OSに逸(いち)早く慣れて貰う為。ピアティフちゃんは以前 断ってしまったので、何となく声を掛けたらOKしてくれた。白銀大佐のお陰で用語は色々と理解できたし、もう一人寂しく訓練する必要は無いのさッ。それにしても両手に花……嬉しい限りだぜ。 俺はやる気マンマンで筐体に入っていった。んで着席すると、一呼吸置いて まりもちゃんとピアティフちゃんの顔が網膜投影される。う~む……まりもちゃんのバストアップは、相変わらず刺激が強過ぎるんだぜ……「軍曹。 俺は早速ヴォールク・データを流してみます。」『そうですか、では私も――――』「いえ、先ず軍曹は新OSに慣れるところから始めてください。 2機連携でのテストは午後にしましょう。 BETA相手に市街戦でも流してみてください。」『……了解です。』「中尉。 俺にはヴォールク・データをお願いします、仕様は強襲前衛で。」『はい……設定完了しました。 それでは私は……?』「管制は軍曹の方をお願いします。」『承知しました。』……こんな感じで新OSのテストは開始され、俺はハイヴを突き進んで行く。やっぱり壮快だ! 今迄はひとつひとつの動作が終わった後に、次の行動を瞬時に入力する必要が有り、全ての機動が非常に不便で非効率的だった。だが新OSでは先行入力が可能、ゲームではバランスを考えて での着地硬直さえキャンセルできる。当然 攻撃時にでも可能で、同じく追加要素の格闘によるコンボ→射撃と言うキャンセルも、跳躍噴射や水平噴射etc...と同時に可能であり、何と一回目で記録を塗り替えてしまった。「バカな!? この……俺が、落ちるだとッ!?」けど色々と格闘を試していたら、下層でミスって撃墜されてしまった。ハイヴの中で意味も無く長刀を振り回すなんて自殺行為だし、どう考えても脳筋だよな~。これは恐らくヤ●ン・ゲーブルを肖っていたからだろう、攻撃的な人ですからね。「ふぅ~っ、首尾はどうでしたか?」「信じられない戦果を出せましたッ、OSの違いでこんなに変わるなんて……!!」「神宮司軍曹の腕はお聞きしていましたが、あれ程とは……」――――4時間が過ぎ一度 筐体を出ると、まりもちゃんも外に出ていた。若干 疲れた様子。 そりゃそうだよな~……俺が奇特なダケであって、これが普通なんだろうね。けど彼女の瞳には活気があり、俺は苦笑しながら まりもちゃんのログを見る。「ふ~む……まだ機体に引っ張り回されてる感じですね、まぁ 俺もですけど。」「お恥ずかしい限りです。」「でも流石ですよ~、多くの記録を更新してるじゃないですか。」「少佐も素晴らしいです、単機で下層まで辿り着けるなんて……」「!? す、凄い……」「はははっ。 色々と試していたんで、一度も反応炉までは行けませんでしたけど、 頑張れば到達できると思いますよ。 ラストがちょっとキツいんですけどね~。」「だ、だったら今度は私と――――」「管制はお任せくださいっ。」「いやいや、ちょっと待って下さい。 その前に飯にしましょう、疲れてるみたいですし。」「あっ……そうですね。」「わ、私も御一緒して宜しいでしょうか?」「もちろんさぁ☆」まりもちゃんが興奮している。 新OSが それ程までに、希望を見出せる代物だったんだろう。それは俺も同じだったけど、彼女のお陰で逆に冷静で居られる事ができて良かった。でも2人と食事が出来る事が嬉しくて、ついキモい笑みで言っちゃったんだ☆(2度目)しかしなあ……俺は何時も通り うどんを頼んだんだけど、2人とも うどんってどう言う事だ?「(白銀さんはずっと飢えに苦しんでる人達を考えて、少食にしているんだもの……)」「(とてもじゃ無いですけど、彼の目の前で美味しい料理は食べれません。)」横浜基地の美味さの価値観は 合成食品全般>うどん&そば で確定らしいんだけどなあ。俺は合成食品の方が美味く感じないから食ってないけど、何か理由が有るんだろう。きっと……そうそう。 きっと彼女達はダイエットをしているんだろうね、俺も肖らないとな。………………2001年11月09日 午後「それじゃ~ハイヴ攻略、いっちょやってみますか。」『はい。』「新OSで2機連携は初めてなんで、今回は管制もお願いします。」『了解しました。』昼食を済ませると、俺達は再びシミュレーターに勤しむ事になっていた。行うのは2機連携でのハイヴ攻略。 有る程度進めば地上とのリンクが切れるが管制付きだ。新OS無しでも まりもちゃんとヴォールク・データをやろうとは思っていたけど、最初から結果は見えている。 一人の時より記録を多少伸ばすダケだろうし試していない。「俺の仕様はさっきと同じで。 ……軍曹はどうします?」『少佐にお任せします。』「だったら打撃支援でお願いします。」『了解。』「中尉。」『はい、設定……完了です、それでは宜しいですか?』「何時でもどうぞ~。」『……ッ』『ヴォールク・データ……状況開始。』………………『前方500m、右通路より大隊規模のBETA接近中! うち戦車級 約300・要撃級 約100・突撃級 約50……』「了解! 軍曹 頑張ってください、もう少しですよッ?」『わ、わかってます……!』『本道 BETA出現まで残り30、29、28……』「やべっ、鉢合わせたらオシマイだ! 推進剤 食いますけど突き抜けますよっ!?」『了解……ッ!!』≪ゴオオオオォォォォーーーーッ!!!!≫ヴォールク・データ下層、俺とまりもちゃんは2機連携でハイヴ内を突き進んで行く。俺の不知火S型は87式突撃砲、まりもちゃんは支援突撃砲を片手に装備している。主に先ずは俺が前方に跳躍噴射し宙でBETAを引きつけ、まりもちゃんが空いた地面に着地し、俺も適当に足場を作って着地後 走れるだけ走って再び跳躍噴射。そして奥に進み再び俺がBETAを引き付け、まりもちゃんを安全に着地させ、再び適当なスキマを狙うor作るして着地して走って跳躍噴射……と言うのを繰り返していた。こんな感じよりも俺と彼女で囮を交互にできれば言う事無しなんだけど、まりもちゃんにもその技量が有るとは言え、まだまだ完璧では無いので任せられないんだよね。でも最初なら全然 上出来だ……とは言え、出来る事なら反応炉までは辿り着きたい。だから必死になっており、推進剤が半分を切っていながらも俺は諦めずに奥を目指している。「抜けれた! 後は次のフロアを抜ければ……」『!? 前方1kmに旅団規模のBETAが接近中、接触まで後2分切ります……!』「うへっ、マジッすか!?」『申し訳ありません、戦術機の索敵範囲外でしたので……』「そう言う想定が普通ですからね、リンクの範囲は400mですし問題無いですよ。」『はい。』初めて まともな管制を受けたけど、ピアティフちゃんはホント凄いな。いかなる状況下でも、俺が聞きたい事を問う前に全て報告してくれるんですけど。自分で調べても判るんだけど、言って貰える方が咄嗟の判断も早くなるしね。それはさておき、反応炉を守る為にBETAが壁を作って俺らを押し潰そうと接近中だ。2機連携と言っても逆に単機よりもペースは落ちてるから、仕方無いんだが……「ちょっと厳しいかも……此処に来るまでに時間掛けすぎたかなぁ~。」『……ッ……』「軍曹、俺が引き付けますんで回り込んで突破を――――」『私に任せてくださいっ!!』「えぇっ?」『これ以上、少佐の足は引っ張れません!!』「ちょっ……軍曹!?」動く壁になっているBETAは恐ろしいけど、これ位 なんとかしなくちゃ話にならんな。だから突破しようと気合を入れたんだけど……まりもちゃんが何故か勝手に突っ込む!!うわっ……予想はしてたけど、これってまさか……"特攻"ってヤツですか?まりもちゃんが足を引っ張ってたって事は確かなんだけど、むしろ最初にしては良くやってたと思うし、何でそうしちゃうのかなあ~。まだまだ彼女は伸びるだろうから、全然OKだったんだけど、責任を感じていたらしい。"この世界"の価値観を考えれば仕方無いけど、これはダメだと指摘しておかないとね。そんな事を思いながら不知火S型の背中を眺めていた俺だったが、このシチュエーションは……『――――っ!!!!』≪ドゴオオオオォォォォーーーーンッ!!!!≫「まっ……」『神宮司機……自決装置 作動。』「マウアアアアァァァァーーーーッ!!!!」『――――ッ!!』……Zガン●ムを肖って、つい言っちゃったんだ☆実はさっきから、ガン●ムごっこをしたくてウズウズしてたんだよね。ピアティフちゃんがビックリしてるけど、こうなってしまっては止まれないZE!!「畜生ッ……ちくしょオおォォーーーーッ!!!!」『白銀少佐、白銀少佐ッ!?』「貴様らァ!! 近付くヤツは、みんな灰にしてやるっ!!!!」『し、白銀少佐ッ! どうなされたんですか!?』「落ちろ、落ちろっ!! うおおおおぉぉぉぉっ!!!!」『……白銀少佐ッ……』まりもちゃんがS-11で自決した事により、BETAの壁が盛大に吹き飛んだ。よって反応炉迄の道が空いたワケなんだけど、俺は必要以上にBETAを蹂躙して奥へと進んだ。とにかく撃って撃って撃ちまくり、それだけ俺はノリノリだったのさ。流石ジェ●ド・メサ中尉だぜ。 気付いた時には、俺は反応炉に到達していた。「はぁっ、はぁっ、はぁっ……」『し、白銀機……反応炉に到達。 状況……終了。』――――うわっ! や、やっぱりピアティフちゃんが引いてらっしゃる。まりもちゃんは自決した直後にリンクが切れてたから助かったぜ。後で適当に誤魔化して、"変人"と言うレッテルを貼られるのダケは回避しなくては。そんな事を考えていると、ハイヴの画面が消えて まりもちゃんの顔が出てくる。「……お疲れ様でした。」『すいません、白銀少佐。 足を引っ張ってしまって。』「そんなの全然気にしてませんでしたよ、自決なんてしなくても良かったのに。」『ですが――――』『白銀少佐ッ。』「何ですか? 中尉。」『神宮司軍曹に対し秘匿回線の使用許可をお願いします。』「何でッスか?」『お願いしますッ!』「ど、どうぞ。」≪――――プツンッ≫こ、怖かった。 怒った顔したピアティフちゃんなんて、初めて見たかもしれないね。結局……待つ事一分、再び まりもちゃんとピアティフちゃんの顔が出てくる。ピアティフちゃんは、さっきと違って落ち着いた表情をしてるけど、今度は まりもちゃんが真面目な顔をしている。 でも……なんか悲しい雰囲気もある。1分の間に、一体何が……!? 聞きたいけど、今は聞ける空気じゃ無さそうだな~。『お待たせしました、白銀少佐。』「お帰りなさ~い。」『……っ……』「それじゃ~もういっちょ、行きますか?」『……だそうですが? 軍曹。』『はい……お願いしますッ! 次は間違っても自決など考えません!!』「うわっ、びっくりした。」『先程は本当に申し訳ありませんでした、少佐ッ!!』「き、気にして無いですってば。」――――意味判んないけど、簡単に諦めない気になったのなら良しとするか。≪神宮司軍曹。 先程の不知火S型の自決によって白銀少佐は…… 貴女を今は無き戦友の背中と重ねたのかも知れません。≫≪え……ッ!?≫≪自決直後 白銀少佐は絶叫し、半狂乱になってBETAを殺戮していました。 私が呼び掛けても、反応炉に到達する迄は何も聞こえていない様子で……≫≪そ、そんな……≫≪初めて御会いしてから……私には少佐が死に急いでいるようにしか見えませんでした。 ですから彼の目の前では、決して命を粗末にしようとは思わないで下さい。 例えそれが……シミュレーターでの戦いであっても……どうか、お願いします。≫≪わ、わかりました……わざわざ有難う御座います。≫「(白銀さん……必ず、貴方と肩を並べられる腕の衛士になって見せますっ!)」………………『白銀機・神宮司機、反応炉に到達。 ――――状況終了。』「良しッ、やったぞ~!」『ふぅ~~っ……』あれから何度もヴォールク・データを繰り返した結果、俺も色々と勉強になったけど、まりもちゃんも見違える程 成長した。どれ程かと言うと、任せられなかった囮役を交互に出来るように成るレベルであり、計5回うち最後の2回は互いに無事に反応炉まで到達でき、この上ない戦果を叩き出したのだ!反応炉を破壊する武器は持たない攻略だったので、到達した時点でシミュレーターは終了だけど、今度は"それ"を持って攻略する事も考えないといけないんだよな~。……考えてみれば、最後の攻略では互いに弾倉は半分も減っていなかった。むしろ頭部バルカン砲と胸部マルチ・ランチャーの消費の方が激しかったんだよね。だから背中(74式稼動兵装担架システム)に反応炉を破壊できる武器を背負う方が良いかもな。明日その辺も踏まえて、新OSについての報告をゆーこさんにして置く方が良いかもしれない。「いや~、予想以上の成果でしたねぇ。」「まさか2機の戦術機で反応炉に辿り着ける日が来るなんて……」「不知火S型と新OS……こんなに素晴らしいモノだったとは思いもしませんでした。」「でも、まだまだ課題はありますよ。 今度は反応炉を破壊する事を考えませんとね。」「――――それでは少佐、中尉ッ! 私は御先に失礼致します!」「ぇあ?」「御二人とも今日は本当に有難う御座いましたっ!」「ちょ、軍曹……?」そんな事を考えているうちに、まりもちゃんが敬礼してロッカーの方に歩いて行ってしまう。止める間も無く姿が消えてしまい、その場には俺とピアティフちゃんが残された。や、ヤバいな……ガン●ムごっこをした後だから二人っきりは気まずい。 そう思ってると……「き……気を遣ってくれたのでしょう。」「!?」意味不明な事を漏らすピアティフちゃん。 まりもちゃんが気を遣ったってどう言う事ですか?まさか……俺がピアティフちゃんに"ガン●ムごっこ"についての言い訳をさせてくれるために!?凄いぜ、ピアティフちゃんは其処まで読んで 秘匿回線でまりもちゃんに促したのか!!さ……流石 ゆーこさんの秘書だぜ……彼女 迄とはゆかずとも、かなりの天才なのだろう。そんなピアティフちゃんは沢山喋って疲れたのか、やや顔が赤い。何やら俺を上目遣いで見つめているのがソソるが、期待に応えて言い訳させて頂こう。嗚呼……けど、天才相手に言い訳なんて簡単に出て来ない。 俺の表情は硬くなっている。「…………」「ところで……さっきの事なんだが……あれは、俺の"癖"みたいなモノなんだ。」「く、癖……?」「あぁ。興奮すると訳の判らない事を叫んでしまう。 だから、忘れて欲しい。」「……っ……」「俺からはソレだけだ。 では、また宜しく頼む。」そうだ……これは癖なんだ。 悲しいけど、これって性分なのよね!!(某中尉調)まぁ 言っている事は理解できないだろうし、全てスルーして貰う事にしよう。けど言い訳にはなって無いんだよね……変な癖が有る時点で変人には変わらない。そう考えると悲しくなったので居た堪れなく、その場を後にしようとしたのだが……≪……ダッ!≫「――――っ。」「……ッ!?」!? あ……あれ? ほっぺに暖かい感触……なんですか これ?ちょっ……おいおいおい!! なんかピアティフちゃんにキスされましたよッ!?直ぐに離れちゃったんだけど、背伸びして何やってんですか貴女は!?めっちゃ嬉し過ぎてリアクション取れないんですけどっ! 襲い掛かって良いですか!?こんな感じで脳内でテンパりながら、黙ってピアティフちゃんを見ていると――――「少佐……深くは問いません、先程の件は忘れます。 ですから、今の事も忘れてくださいっ。」「は、はい。」「それでは……し、失礼しますっ!」「…………」真っ赤になりながらパタパタと走り去るピアティフちゃん。俺は未だに状況を飲み込めていなかったけど、彼女の背中を見たら思ってしまった。此処は声を掛けてフラグを立てるべきだとッ! 原作で余り接点が無い娘だけど別に良いよね!?「――――中尉!!」「!?」「俺、明後日 出撃するんです!そん時は管制、任せて良いですか!?」「も……勿論ですっ!」思い付きで危険な提案をした俺に対し、振り返ったピアティフちゃんは、立ち止まってOKと同時に敬礼してくれると、再び走り出していった。一人だとやっぱり不安が有ったけど、彼女の戦域管制が有れば更に安心だろう。キスしてくれたのは……スキンシップだな、良く判らないけど挨拶みたいなモノなんだよきっと。とにかく今日は顔を洗わないぞッ! 俺は鼻歌交じりにロッカーへと歩いて行った。「(はぁ……私も もっと積極的に行った方が良いのかな……?)」≪白銀少佐……生きて帰って来てくれたんですね……≫≪当たり前だろう? 君の処女を残して死ぬワケにはいかないからな。≫――――今夜はピアティフちゃんをオカズに、勿論 犯っちゃったんだ☆●戯言●第二部(?)スタートです。ネタを考えるのに一週間は掛かると思ったんですが、突発的にビニールとジェ●ドネタが浮かんだので、つい犯っちゃったんDA☆伏兵ピアティフ中尉、彼女が一番勘違いしています。そしてようやく実戦な予感。●皆が白銀(馬鹿)をどう思っているのか●副司令:????ウサギ:懐いている様子軍 曹:尊敬できる上官オペ娘:放って置けない御 剣:尊敬できる上官 榊 :信頼できる上官彩 峰:理想の上官珠 瀬:格好良い上官鎧 衣:優しい上官伊 隅:謎の多い上官速 瀬:ギャフンと言わす涼宮姉:興味ある上官●追記●同日10時ごろ誤字修正を行いました、度々すいませんorz