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No.3946の一覧
[0] 魔法保母さんシャマル(シャア丸さんの冒険)[田中白](2009/01/31 18:18)
[1] シャア丸さんの冒険 プロローグ[田中白](2008/11/30 20:41)
[2] シャア丸さんの冒険 一話[田中白](2008/11/30 20:42)
[3] シャア丸さんの冒険 二話[田中白](2008/11/30 20:43)
[4] シャア丸さんの冒険 三話[田中白](2008/11/30 20:45)
[5] シャア丸さんの冒険 四話[田中白](2008/11/30 20:47)
[6] シャア丸さんの冒険 五話[田中白](2008/09/08 11:20)
[7] シャア丸さんの冒険 短編一話[田中白](2008/11/30 20:49)
[8] シャア丸さんの冒険 短編二話[田中白](2008/11/30 20:51)
[9] シャア丸さんの冒険 短編三話[田中白](2008/09/08 11:35)
[10] シャア丸さんの冒険 短編四話[田中白](2008/10/26 11:20)
[11] シャア丸さんの冒険 短編五話[田中白](2008/10/26 11:30)
[12] シャア丸さんの冒険 外伝一話[田中白](2008/11/30 20:52)
[13] シャア丸さんの冒険 六話[田中白](2008/10/26 11:37)
[14] シャア丸さんの冒険 七話[田中白](2008/11/30 20:58)
[15] シャア丸さんの冒険 八話[田中白](2008/11/30 20:58)
[16] シャア丸さんの冒険 九話[田中白](2008/11/30 20:59)
[17] シャア丸さんの冒険 短編六話[田中白](2008/11/30 21:00)
[18] シャア丸さんの冒険 短編七話[田中白](2008/12/31 23:18)
[19] シャア丸さんの冒険 十話[田中白](2008/12/31 23:19)
[20] シャア丸さんの冒険 十一話[田中白](2008/12/31 23:20)
[21] 十二話 交差する少女たち[田中白](2009/01/31 18:16)
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[3946] シャア丸さんの冒険 短編六話
Name: 田中白◆d6b13d0c ID:d0504f35 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/11/30 21:00
「なぁ、みんなに聞きたいことがあるんやけど?」

 私たちがはやてちゃんの家にお世話になるようになってから、早一ヶ月ちょっと。

 ご近所さんとの仲も段々と良くなってきていて、私たちの存在もこの町内では普通になっています。

 そんな気持ち良くて、気分も良くなる昼下がり。自分がご飯を作ると言い張っていたはやてちゃんから、どうにか調理場をぶん取ってお昼ご飯を作っている私。

 その横ではやてちゃんが、リビングに置いてあるテーブルの前で車椅子に座ってみんなの顔を見渡しながらそんなことを言いました。


「なんでしょうか、主はやて」


 何時になく真剣なはやてちゃんを見て将としての血が騒いだのか、シグナムの顔もキリリと引き締まります。同様に、ヴィータちゃんとザフィーラも姿勢を正しました。

 ……一人だけでご飯を作るのってなんだか寂しいです。

 泣きそうな私の表情には気付かず、はやてちゃんは一度コホンと咳払いをすると三人を見て(私は近くにいないので)聞きました。


「私の下着、どこに行ったんやろ?」
「「「は?」」」
「はうぅ?」


 一斉に首を捻るヴォルケンリッター。もちろん、私も首を傾げます。

 下着……ですか? そういえば、最近数が少なくなっているような……。家族が出来た記念に古い物を処分しているのかと思っていたのですが、違うのでしょうか。

 私には心当たりがあるものの、他の三人は主の下着事情なんて知りません。

 不思議そうな顔をしているヴォルケンズを見て、慌てて先を続けるはやてちゃん。


「……洗濯して干してあった下着がな、なんや最近ようなくなるんよ。風で飛ばされたんかと思ったんやけど、なんだかおかしい。せやからみんなに聞いたけど……やっぱ分からんよね」


 一人で完結して納得してしまうはやてちゃん。

 下着がなくなっている、ですか。……そう言えば、そんな話が奥様方の井戸端会議であったような。

 思考を分割して、その時の会話を思い出してみます。あれは、ゴシップ好きの今井さん(仲間内でゴシッパーの名を欲しいままにしている。意味は不明)が話していたような……。

 ああ、そうです。近頃隣町で、若い娘さんがいる家を狙った下着泥棒が発生していると聞いたんでした。

 遠くの事件だったから今まで気にしていませんでしたけど、もしかしたらその泥棒さんがこっちにまで出張して来たのかも。

 調理作業を中断すると手に調味料を持ったまま、はやてちゃんを呼びます。

 何事かと私の方へ車椅子を進めてくるはやてちゃん。……私から出向くべきでしたね。


「その事件、心当たりがあるので近所の奥様たちと情報交換してきます。後は塩・胡椒をかければ完成なので、味付けしておいて下さい。ご飯は食べてて構いませんから」


 噂を仕入れるのは早ければ早いほど良し。奥さんたちの会話の流れはあまりにも早く、あまりにも遅い。もう一度下着泥棒の話が出るとも限りませんし、さっさと調べておくことにしましょう。

 手に持っていた仕上げ用調味料をはやてちゃんに渡すと、私はエプロンを外しながら玄関に向かいました。……このエプロン、ピンク色なんですよね。緑じゃなくて良かったと喜ぶべきでしょうか。

 家を出る準備をしている途中で、今度ははやてちゃんに呼び止められます。……どうしたんですかね。

 んー。ご飯を食べてから行けとでも言うつもりですかね? 十分もしない内に帰ってくるつもりなんですけど。


「……なぁ、シャマル。これかけるつもりだったん?」
「はい? ……あ」


 私が渡して、はやてちゃんが受け取った最後の調味料。

 ……それは、砂糖でした。どうやら、またしても塩と砂糖を間違えた様子。……危なかったです。このまま続けていたら、みんなの命(味覚的な意味で)はなかったかもしれません。

 何度か失敗しているので、たまに警戒されているというのに。信頼がレッドゾーンにまで急降下するところでした、危ない危ない。

 安堵の溜息を付く私を、どうしてか白い目で見ているはやてちゃん。手の中で、これ見よがしとばかりに砂糖の入った容器を振っています。


「あと少しで料理に砂糖入れてしまうとこやったよ……。そのおっちょこちょいなとこがなくなれば、私の料理パートナーになれそうなんやけどなぁ……」


 やれやれと失望の声をかけてくるはやてちゃん。

 ……ふふふ。その姿につい笑いがこみ上げてきます。料理技能が負けているのが悔しいからって、そんな大人気ない手段を使わなくても……。

 はやてちゃんが腹黒い真似をしたって、微笑ましいだけでなんともありませんよ?

 慈愛の笑みを浮かべてあげると、はやてちゃんの米神には青筋が浮かびます。せっかく可愛い顔をしているんだから、そんな表情はしないで欲しいのに……。

 はやてちゃんも料理が上手いとはいえ、所詮は九歳児。私のように、数々の人に食べさせ、味を研究し、本場(?)のシェフに学んだことはないはずです。

 家族や友達のような『食べさせる相手』のがいない経験不足のはやてちゃんが、そんな私に勝てるはずないじゃありませんか。……複雑な家庭って悲しいですよね。

 そんなことは顔に出さず、互いに腹を探り合うような笑みを浮かべあいます。背中に踊るは竜と虎。互いの想像上で、ブレスを吐きあっています。

 やっている内に段々ノリノリになってきて、なんだかマジバトルに発展しようとしたその瞬間、はやてちゃんがハッとした様子で表情を変えました。


「ご飯は先に食べとるから、さっさと帰ってきい」


 一転して笑顔になるはやてちゃん。

 むぅ。……確かに『家族』がこんな変な理由で仲が悪くなったら嫌ですよね。それに気付いてすぐさまでケンカを水に流すとは。

 ……うーん。まだまだ私も未熟ですか。気心が知れすぎると、なんだか悪戯心が湧いてしまうんですよね……。

 さっきまでのバトルを無視した私は、はやてちゃんに手を振って家を出ました。……帰れる場所があるというのは、とても素晴らしいことだと思います。





「下着? そう言えば、近所の娘持ちの家庭でそんな話を聞いたような気が……」


 近所の公園付近で健康づくりの昼下がりウォーキングを行っていた後藤さんに声をかけます。私の言葉に、思うところでもあるのかふむと顎に手を当てて何やら考えています。やっぱり後藤さんも何か心当たりがあるようです。

 それはおいておいて、直射日光とかで出来る染みは気にならないんでしょうか? 自分を若い若いと思っていると、すぐに肌は衰えてしまいますよ?

 私の質問から何を聞きたいのかを推理したのか、少し驚いた様な顔になって後藤さんが疑問を言ってきます。


「シャマルさんの家もそうなの?」
「ええ。はやてちゃんの下着がなくなっているそうです」
「そうなんだ。……美人さんが二人もいる八神家で、子どもの下着が狙ったのか。もしかすると、犯人はロリコンかもしれないわね」


 人差し指を立てて、まるで探偵にでもなったかのように自分の推測を述べる後藤さん。

 犯人の予想像はロリコンなんですか? ……子供好きにそんな犯罪を犯すような人がいるなんて、少しだけ寂しいです。

 ところで、ロリコンはただ子供が大好きな人ですよ。子供に欲情するのはペドフィリアです。そこを間違えると、私もただのロリコンさんになってしまいます。

 ……でも、それよりも先に聞き捨てならない言葉を聞いてしまったような……。


「あのぉ……美人って……?」


 そう、そこです。この人、何を血迷ったのか私のことを美人さんとか言って来たのです。シグナムは美人。ヴィータちゃんは可愛い。私は、自分のことをどっちつかずの半端者だと思っているのですが……。

 あ、自分のことを可愛くて綺麗の両方を持っていると言っているわけではないですよ?


「美人さんは美人さん。つまりシャマルさんよ。……あのね、謙遜もいいと思うけど、貴女ほどの女性が自分を低く言うのって逆に嫌味に感じるわよ。もっと自分に自信を持ちなさいな」
「……美人って言われもピンとこないんですが」


 後藤さんは自分の腰に手を当てて、プンプンと表現するしかないような顔で私に説教をかましてきます。

 ……でも、なんかこう、私は昔から保母を目指して戦っているので、目指している目標は美人さんではなく優しい人なんです。目標としている場所が見当違い過ぎて、女性としてのなんやかんやに殆んど興味がないんですよね。

 私の表情から何かを読み取ったのか、後藤さんは、はぁと一度だけ溜息を付きました。溜息を付いた後、急に真面目な顔になります。


「子供が危ない。これは、ご近所に注意を促す必要があるわね」
「……そうですね」


 私は昔からこの人が好きでした。それは、優しさとお茶目さ、両方を併せ持った主婦の鏡だったから。

 この人に初めて会ったとき、私はこんな人になりたいんだと直感したんです。前の私はただの主夫でした。……けれど、今の私は後藤さんと同じ『主婦』。条件は対等、初めてこの人と同じ場所に立てるのです。

 私は静かな使命感に燃えはじめました。

 ……そういえば、後藤さんの喋り方、昔の喋り方と比べるとかなり違和感があるような? 昔は、もっと、こう、若奥さんみたいな空気を発していたような。今の後藤さんは何だか姐御みたいなんですけど。……気のせいですかね?

 どうやら、後藤さんはこの下着泥棒事件を井戸端会議で話題に取り上げるつもりのようです。今日の夕方六時、近所のアパートの前に奥様軍団集合の場でこの危機を発表。後藤さんにそう言われて、私は帰路に付きました。

 触りだけをはやてちゃんに伝えると、ここら辺の人々にどんな質問をしようかと、部屋に篭って考え始めました。

 同じ部屋のシグナムが、あきれたような目で私を見ていますけど黙殺しました。





 夕方六時。着々と集まってくる主婦の方々。それぞれが、普通の人には見えない話好きオーラを纏っています。

 各々が独自のルートを使って手に入れた必殺の話題をもって、近所の主婦たちから感心の声を聞こうと張り切っています。

 目を爛々と輝かせ、それぞれの情報を語っていくその様子は、見ていて神聖さすら感じさせるものがあります。

 ちなみに、新参者の私たちは噂話格好の標的。あまり人とコミュニケーションを取るのが上手くないシグナムなんかが結構狙い撃ちされています。

 ヴィータちゃんを好きになってしまっている近所の小学生の話は、家族が関係しているのもあってなんだか心が踊りました。

 そんな中、近所の大学生が八神宅を覗こうと必死になっている様を、とある主婦が赤裸々に語り始めました。……まさか、鏡をそんな風に使うとは。驚きの内容が展開されていきます。今大学生さんは、この主婦さんに見られているのに気付いて自重しているそうです。

 しばらくの間、その大学生さんは主婦の方々に汚物を見られるような目で見られること請け合いです。……名も知らぬ――いえ、聞きましたけど――大学生さんの精神の充足を、少しの間祈ってあげます。

 全員の奥さま話も絶好調。そんな、みんなのノリがいい時期を見計らって、後藤さんが話題を切り出しました。

 夕闇に照らされた後藤さんのマジメそうな顔に、皆の会話が一端停止しました。


「最近、この区で下着泥棒が起こってない?」


 その言葉を聞いて、主婦の方々の目の色が変わりました。娘持ちの奥さんたちが、あるあると一斉に言い始めたのです。

 近頃娘が下着がないとよく言ってくるのだそうです。少なくて一枚、多くて五枚。この地区の娘さんのほとんどが被害に遇っていることが判明したのです。


「あら、わたしの家なんて……」
「そういえば、娘がそんなこと言ってたわね……。マジメに聞いておけば良かった」


 顔をつき合わせて、それぞれが知っている情報を出し合っている噂大好きさんたち。

 この話題に真剣になり始めた奥さまたちの話から、犯行時刻は昼から夕方にかけて一定しておらず、犯行は大体二日に一回起こっていて、さらに七歳以下で十五歳以上の女の子の下着は狙わないということが判明しました。


「怪しい人ねえ。……そういえば、前に黒い服を着てた男が……」
「私も見たわよ。確か、緑色のセーターを着てた」


 そこから、話が広がっていって、ジョギングやウォーキングが趣味の奥さま方から、最近ここら辺で挙動不審な男を見かけたという話まで上る始末。

 全員の話を総合して、ここ数週間、特に目立たない一般的な服を着ている二十歳以上の男が、常に民家のベランダを見ながら歩いていることまで明らかになりました。

 近くの危ない人の名前が出され、第一の容疑者が上がります。さらに、さっきの大学生が犯人なんじゃないかと邪推する人まで現れる始末。

 結果、近所から隣町まで合わせて十人の容疑者が挙げられ、三人位まで絞り込まれました。……場所が違っても衰えることはありませんね、この特殊すぎる操作網は。

 聡明な方がいない地域では、ただの愚痴りあいになってしまうのが最大の欠点です。

 奥さまたちの目が、近所の何処にでもあることを感じさせる結果になりました。……恐ろしい。

 ただ、奥様たちが訝しがっているのは、その犯行の手際の悪さだそうです。

 世界はとても広いらしく、二十枚の下着を盗むのに一年の計画を練る人もいるのだとのこと。今回のように、二日に一回のペースで盗んでいてはすぐにバレてしまうショボい犯行だと言っています。

 つまり、これは素人の犯行だと皆が揃って言っているのです。……人生経験って恐い。

 そんな話をして犯人許すまじと盛り上がっていると、噂大好き今井さん(ゴシッパー)が、奇妙なことを言い出しました。


「……二日に一回、よね?」


 そうよ、と頷く主婦の方々。後藤さんは、下着泥棒に注意して締めるつもりでいたそうなので、今井さんの突然の乱入に驚いているようす。

 主婦の好奇心や、犯罪者をのさばらせてはいけないという使命感。それと、近所を騒がす事件にちょっとした興奮を覚えているらしい今井さんが言葉を続けます。


「だったら、わたしたちで犯人を捕まえてみない?」


 驚きの提案に目を白黒させる主婦の方々。わたし良いこと言ったと自分を褒めている、満足気な表情の今井さん。

 そんな今井さんを見て、私は呆れてしまいました。

 成人している男の人に、ただの主婦が立ち向かえると思っているんですか。逆に危ないですよ。

 これは危ない兆候ですね。後藤さんと目を併せると、彼女も私と同じことを考えているのか迷惑そうに首を振りました。

 ……ですよね、危ないですよね。これは止めなくては。たまたま静まり返った一瞬を狙って大声を張り上げます。


「あの……さすがに、それは危険だと「「そう、それよ!!」」はうぅ!?」


 逆に私の言葉が遮られるほどの大声で、今井さんの言葉に従おうと言い出す人が出てきました。

 自分の娘が辱められているのに、親が動かなくてどうするのか。そんな風に、主婦の方々は主張します。……いえいえ。それって、事件という非日常にただ関わってみたいだけですよね!?

 変な好奇心で事件に関わって怪我をしたら、それこそ大事件ですよ。下着泥棒に入られた家は、十五歳以下の子どもしかいない家だということですよね!? 家事の中心人物である親が怪我をしたら、子どもはどうすればいいんですか!?


「大丈夫、家には高校生の息子がいるから!」
「根拠になってません!?」


 親指をあげて私に家の平気さをアピールする主婦の方もいます。何でそんなノリノリなんです。危ないことは危ないんですよ。何故にそんな無責任な真似を。

 憤っている私の肩に、ポンと手が置かれました。振り向くと、そこには諦めろと言いたげな表情で私を見ている後藤さんがいました。


「……あの、止めないんですか?」
「……主婦はね、サークルとかに入ったりして趣味を持っていないと、暇なのよ。手のかかる子どもが小学校に入ったりして、急に出来た自由という時間。まだ仕事を始める気はなくて、真昼間から家事をする気もおきない。だらだらと、リビングでテレビを見て過ごす。こんなヘタな時間の使い方をするくらいなら、下着泥棒をこの手で捕まえて表彰なんかされちゃったりして。そんな妄想をしたくなるの。刺激が欲しくなるの」


 何だか自分のことのように語り出す後藤さん。というより、後藤さんの本音でもあるらしいです。……知的な主婦という見方は、私が一方的に押し付けいた幻想だったのかしら……。何だか見てはいけないものを見てしまった気がします。

 ハッとして、何時もの格好良い主婦の姿に戻る後藤さん。……作られたキャラだったんですか。何だか幻滅しました。

 ……い、いえ、まだ大丈夫。見なかったことにすれば大丈夫。見なかったことにすれば、これが嘘だったという希望が生まれます。深く聞いたらそれこそ墓穴。後藤さんには、私の夢のままでいて欲しいです。

 しかし、一度本音を口に出してしまえばそのままズルズルいってしまうのが人間というもの。


「はぁ……。たくましい男の子と不倫したいなあ……」


 なんか、後藤さんの口から本音が出てしまっています!? まさか、前の私に仲良く接してくれていたのは、食べたかったからですか!? マッチョな私が捕食対象だったんですか!? 

 幻滅とかそんな騒ぎじゃないです! シュ、シュレティンガーを、シュレティンガーの猫の発動を要求します! 私が見なかったことにすれば、私の世界の中では後藤さんはそんな人じゃなくなります! 観測されていない事柄は、世の中で起こっていないんです!  ずっと猫を被った素敵な後藤さんのままでいてください!?

 後藤さんを一端視界から外すと、何度か深呼吸をします。視線を戻すと、彼女の顔からそんな表情は消えていました。

 ……ふう、どうして私は一人で騒いでいたのでしょうか。一体、何があったというのか。何故か、ここ数分の記憶がありませんね。全くないですね。ないったらないですね。完璧に忘れ去りました。これで、また普通に後藤さんと話せます。

 電信柱に頭を叩きつけたくなる欲求をなんとか堪え、嬉しそうに下着泥棒退治の話を始めている主婦の皆さんを目に入れます。

 わたしがヒーローじゃー。騒ぎに騒いでノリノリです。近所に住んでいる男の方々が、何事かと言った様子で主婦たちの井戸端会議を覗いています。

 楽しそうな声を聞いて、さっきまでは会議に加わっていなかった女性たちも集まってきました。自分たちが正義を執行できると聞いて、さらなる熱狂の渦に叩き込まれていく奥さま方。

 少しでも遠くから見ると、そこにいるのは無駄にヒートアップした女の群れ。

 気味悪そうに、女性の群れを見てから通り過ぎていく男性たち。何度か振り返り、あれはこの世の光景かと確認しているようです。

 ……もう、どうなっても知りませんよ?

 私が入り込む余地はなし。そう判断して、私は狂乱地帯から抜け出して帰路に付きました。





「それで、話し合いの結果はどうだったのだ、シャマル?」


 主の下着を盗むなど、言語道断不届き千万。一応、主の危機っぽい事件にうれいているシグナムが、今日の会議の成果を聞いてきました。


「ダメダメです。皆さん、変な風に盛り上がってしまって、人の話を聞けるような状況じゃありません」
「自分の娘の下履きが盗まれたのだ。当然のことではないか?」


 ザフィーラが私を見上げてそんなことを言ってきました。まあ、そうですね。と適当に答えます。……子どものことを語るような人にはとても見えませんが、ザフィーラは案外子ども好き。

 大きな犬として、近所の子どもに大人気です。ヴィータちゃんが連れている時に、子どもを一人二人乗せて走っている姿を見たこともあります。

 奥さん方には狼じゃないのかと勘繰られているようですし、たまに去勢したのかと聞かれることもあります。

 ……ご近所円満のために、イエスと答えていますけど。周囲の人に嘘ついてゴメンね、ザフィーラ。

 ソファーに座ると、はやてちゃんがお茶を煎れてくれました。お礼を言ってから、カップに口をつけます。

 口の中に広がる良い匂いと味。……あれ? これって、少し前に私が煎れてあげたお茶の味に似ているような……。


「練習したんやで。……年上かて、料理でシャマルに負けるのなんかシャクやから」
「……凄い。とてもおいしいです。……たくさん練習しましたね?」
「当然や! お腹減っとるやろ? すぐ作るから、待っとき」


 私においしいと言わせたのが嬉しいのか、グッと手を握るはやてちゃん。その様子に小さく微笑む私。

 その姿を見て、決心します。……あんまり意地を張ってないで、私の技術をはやてちゃんに教えてあげますか。この子の技術はまだまだ伸びる。料理の本と一人での研究よりも、先生がいた方が伸びが速い。

 車椅子に乗ったままはやてちゃんが台所に向かいます。どうやら夕ご飯を作ろうとしているようです。

 私も後に続くと、あくまで自然な動作ではやてちゃんの横に並びました。


「シャマル?」
「お料理、お手伝いします」


 笑顔ではやてちゃんを見ます。今までは、互いに相手に料理を食べさせることに夢中で、手伝いあったことなんてありません。

 私が手伝うと言ったのは、初日を除いてこれが始めてのこと。笑顔のはやてちゃんの笑顔が、さらに深くなります。


「……ほうか! よろしゅうなシャマル」
「はいっ!」


 その日は、二人で一緒にご飯を作りました。壁を感じてしまって、ヴィータちゃんが声をかけるのを躊躇うくらい、仲良くご飯を作ることができました。

 ……とはいえ、まだまだしこりは取れていませんけど。私は、はやてちゃんの何に苛付いているのでしょうか?





 次の日も、特に何事もなく迎えられました。朝はベッドで起きるのがとても新鮮で、台所に行ってはやてちゃんと挨拶してから一緒にご飯を作って。

 ヴィータちゃんが起き出してきて、シグナムに新聞を渡して。何時ものような日が続きます。

 捕り物があったという話は未だ出てこないうちに、時刻は夕方を回ります。周囲の人へのカモフラージュとかの意味があるのかないのか不明な、ザフィーラの散歩の時間になりました。

 ヴィータちゃんは、最近、近所のおじいちゃんおばあちゃんの人気者になっていて、今日は家にいません。

 ということで、シグナムがザフィーラの散歩を担当することに。

 感情をあまり表に出さないザフィーラすらも、最初の頃は嫌がっていた散歩行為。何時の間にか馴れっこになってしまっていて、近所の子どもと遊ぶ余裕すら生まれています。

 これを格好良いと喜ぶべきか、それとも悲しい運命だと嘆くべきか。私の中では未だにハッキリしていません。

 ただ一つだけ言えることは、ザフィーラはすでに男として見られていないということです。……せめて、忘れ去られてしまった真実を、私だけは覚えていてあげたいものですね。

 首に首輪を巻かれ、リードを繋がれ準備バッチリなザフィーラの後ろ姿を見て、私はこっそり涙しました。





 ……青き狼が……こんなに丸くなって……。……む。

 最近は、すっかり見慣れてしまった住宅街を歩くシグナムとザフィーラ。互いに会話はない。

 元より、ヴォルケンズの中で一二を争うほど無口な二人だ。事務的な会話こそすれど、意味のない会話をするはずがない。


「……ザフィーラ」
「どうした、シグナム」


 空で煌く赤い夕日を目に入れたシグナムが、ポツリと呟いた。律儀に答えるザフィーラ。

 ……まさか意味のない会話をするとは。

 シグナムは、手に握るリードに篭める力を強くした。首輪が絞まり、ザフィーラは小さく唸った。

 だが、彼は何も言わない。我らが将が何を言うのかを律儀に待つ。


「夕日というのは、赤いんだな」
「……」


 それだけで会話は終わった。ザフィーラはまだ何も言わない。彼もまたわかっているからだ。

 夕日は赤い。ただそれだけのことを知るのに、彼らは気が遠くなるほどの時間を費やしたのだから。

 普通に空を見ることが出来る生。そんな、当たり前の瞬間を得るまでに彼女たちがかけた時間はとても長い。

 これ以降は、会話らしい会話もなく穏やかな時間が流れていく。

 剣と盾は、並んで歩く。影の向き、歩調すらも同じくゆっくりと歩く。

 思えば、我らは平穏を求めて旅を続けていたのではないだろうか。リリカルなのはと呼ばれる世界の中で決められていたストーリー。

 最後が平穏な日常で終わることの、なんと素晴らしいことか。

 周囲の風景を眺めながら歩くシグナムの隣を、学校帰りらしい子供たちが歩いていく。はたまた塾の帰りなのかもしれない。

 まったりとした、戦いのない風景。そんな世界を、シグナムとザフィーラはとても楽しんでいた。


「キャー! どろぼーう!!」


 そんな時、先程まで静かだった住宅街に甲高い悲鳴が響いた。あらかじめ発声練習でもしていたかのような、充分に練られたよく響く声。

 それは趣味で合唱を行っている主婦の出した声だったのだが、シグナムは知る由もなかった。

 わんわんと反響する声の後、その声を聞いた後、あちらこちらの家から、あっちに行った、こっちに行ったという叫び声が聞こえ始める。

 追われている者が、こちらに近づいて来ている。耳に聞こえてくる悲鳴が大きくなっていることから、シグナムはそれを読み取った。

 ……泥棒か。もしや、シャマルが言っていた、主はやての下着を盗んだ犯人かもしれない。シグナムの体が強張った。どのみち、泥棒という言葉自体が緊張の対象だ。

 最後に、すぐ曲がり角から泥棒! という叫びが響いた時、声がした曲がり角から一人の男が飛び出してきた。

 二十代を少しばかり超えた、身長180はある筋肉質な身体。黒っぽい服を着た、誠実そうな男だった。

 手には色取り取りの下着を握っている。そのアンバランスな姿に、つい呆気に取られてしまうシグナム。次の瞬間、シグナムとザフィーラの横を男が凄い速さで通り過ぎていった。

 充分に鍛え抜かれた全身の筋肉を使って走っているようで、去って行く背中はスプリンターを連想させた。

 手に持っているのが下着ではなくバトンだったのならば、どこかでレースでも行っているのではないかと勘違いしてしまうほど綺麗なフォームだった。

 これは『健全な肉体には健全な精神が宿る』というスポーツマンの持論を覆さねばならないほどショッキングな光景だった。


「……あれが、此度の主の下着を盗んだ犯人か?」
「おそらくな」


 男を見て、シグナムとザフィーラの間で交わされる短いやり取り。

 ……殺るか。シグナムの口から、物騒な言葉が漏れる。……殺るという言葉を、これほど意味もなく使うとは。烈火の将も丸くなったものだ。

 ペンダントを握り締めるシグナム。……抜かれそうになるレヴァンティン。……待て!?


「シグナム。一般人が見ている前で魔法を使うな」
「はっ。……すまんな、ザフィーラ」


 頭に血が上っていて気が付かなかったと呟くシグナム。どうやら、あまり興味がないフリをしていたが、結構お怒りらしい。

 ……この世界には魔法がない。それに、この国には銃刀法や危険物所持法という法律がある。違反すると、官憲の世話になる。

 簡潔に言うと、逮捕される。少なくとも、レヴァンティンを抜いたら立派な犯罪になってしまう。

 だが……それでも、主の仇を討ちたいと考えるシグナム。レヴァンティンこそ使えないにしても、何か使える武器がないものか。

 走り去っていく男の屈強な後ろ姿を目で追いながら、シグナムは周囲に視線を巡らす。

 自らの思考速度を利用して、入ってくる視覚情報を舐めるように見つめる。その中に、一つの集団があるのに気付いた。

 進路を変更。とある少年たちのグループの前に踊り出る。


「……うお!?」
「なんじゃらほい!?」
「アンパンマンアンパンマン」


 それは、近所のスポーツ少年団に通う剣道少年たちだった。……セリフからの連想は不可能だが。

 それぞれが背負っている細長い袋の中には、もちろん『竹刀』が入っている。


「その袋の中身を貸して欲しい」


 急いでいるので単刀直入。少年たちに頼み込むシグナム。困惑したように顔を見合う三人だったが、少年たちにしても切れ長美人のお姉さんとお知り合いになるのは悪い気がしない。

 もちろん、速攻で竹刀袋を渡す。武器を受け取ると同時に、シグナムは一陣の風になる。

 目標は、誰も俺には追いつけないぜ、俺は風になるんだ、を現在進行形で実行している下着泥棒。

 ものの数分もしない内に追いつき、竹刀で足払いを喰らわす。綺麗に転倒するが、一瞬で受身を取る男。

 手から零れ落ちる原色のパンティーが、噴き出る血を連想させた。

 シグナムを前にして、空手だか中国拳法だかボクシングだか分からない構えを取る男。

 何かの武術をかじっているようだが、残念なことに判別不能。シグナムは剣を無行の位置に構えたまま男と相対する。


「……っ!」
「どうした?」


 シグナムから自分との圧倒的な実力の差を感じ取ったのか、男の額から冷や汗が垂れる。

 ただし、頬には笑みを浮かべたまま、手に持った下着を無言でポケットにぶち込むと身体中から裂帛の気合を発する。

 何故か路上で始まってしまった、剣対拳。さっき竹刀を貸した中学生とかが息を乱しながら集まってきて、二人の戦いを、固唾を飲んで見守っている。

 シグナムの手の中で小さく揺れる竹刀。その先っぽは大きくささくれていた。どうやら元の持ち主が、使用後の手入れをサボっていたらしい。これは、こすって刺さったりしたら破傷風になる危険がある。

 さらに、近所の人たちに怪しまれることを恐れてマスクをつけていないこの男。素顔が衆人の目に晒されている。

 下着泥棒、二つの理由で大ピンチ。

 ポケットからはみ出る緑色の透明な布切れが、もの悲しさすら感じさせる。最近の子どもは大胆です。

 衆人環視で晒し者にされ、切れた男が大きく叫びながらシグナムに突撃を開始する。

 鍛錬で鍛え抜かれた拳が、日々の修練を感じさせるフォームで突き出される。しかし、敵は百戦錬磨のヴォルケンリッター。その攻撃は、あまりにも遅い。

 コンクリートを蹴り、一足飛びで宙を舞ったシグナムの竹刀の一撃が男の頭部に炸裂した。

 見ている者の目には、シグナムが空を飛んだように見えた。決して飛んだわけではないのだが、空中での剣戟が戦闘での基本であるシグナムの技は、360°全体が見渡せる宙の中でこそ生かされる。

 あっけなく、一撃で倒れる男。アスファルトに頭からぶつかり、白目になる。そのまま口から泡を吹き始めた。

 さすがに人目の中でトドメを刺すつもりはないのか、それとも視線に晒されて恥ずかしくなったのか。少年たちに竹刀を返すと、シグナムはスタコラさっさと逃げ出した。

 ザフィーラは、その様子を遠くから見守っていた。決して、子どもたちに触られるのが嫌だったわけではない。例え外敵がいないのだとしても、前線の皆が安心して戦えるよう、後ろの守りを固めるのが彼の存在意義なのだ。

 だから、決して子どもたちに触れられるのが嫌だったわけではない。後方を守ることこそ、盾の守護獣ザフィーラ最大の仕事なのだ。





 次の日、号外みたいな回覧板が八神家に回ってきた。女性剣士お手柄とか書いた用紙だ。シグナムが男に剣で攻撃を入れた瞬間の写真が貼られている。

 どうやら、誰かがあの戦闘の様子を写真で撮っていたらしい。

 何処の誰なのかは、この住宅街の人だけが知っている。近所の主婦たちは、シグナムの存在を面白い話題に目のないマスコミから守りきった。

 シグナムは、一時的にこの住宅街で英雄扱いされるだろう。自分たち主婦のネタの英雄を、無粋なカメラなんかの餌食にしてたまるか。

 こんな時だけは凄まじい住宅街主婦のチームワーク。それが、この小さな団地の売りなのだ。


「……結局、私は関係ありませんでしたね。手柄はシグナムが総取りです」
「お前……」


 情報を集めこそすれ、御用には全く関わらなかったシャマルが、号外を嬉しそうに広げている。お気楽に笑うシャマルを見て、溜息を付くシグナム。

 我らが将のお手柄を嬉しく思い、どんどん書いてある内容を読み進めていくシャマルとはやて。

 どうやら捕まったあの男は、マジメな公務員だったらしい。しかし、職場のストレスからペドフィリアという性癖に目醒め、突発的に下着泥棒を繰り返してしまったらしい。

 ロリコンとペドフィリアは、全くの別物だと誰かが熱く語っていた。

 仕事のストレスは、常に働き手の身体と精神を襲う。それに対抗できる者だけが、人生を楽しく生きることができる。

 仕事は利用するぐらいが丁度いい。自分にとって一番良い仕事の付き合い方を見つけることが大事だと感じさせられる事件だった。

 読み終わった後、もう一度回覧板を持ち上げたシャマル。なんとかシグナムに見せようとするが、彼女は雁として見ようとしない。

 じゃれ付くシャマル。嫌がるシグナム。その様子を見て笑っているはやて。同じくニヤニヤ見ているヴィータ。ただ寝そべっているザフィーラ。

 それはとても平和な時間だった。……何時の間にか、このシャマルを受け入れている自分に、シグナムは気付いた。

 その時、回覧板の中から一枚の紙が滑り落ちた。


「ん? 手紙入っとるね」


 落ちた手紙をはやてが拾い上げる。なになにと呟いて目を通し、おおと声をあげる。

 手紙を手に持ったまま、シグナムに見せようと後ろから抱きつく。


「シグナム、これ見てみい!」
「は、はぁ。なんでしょうか、主はやて」


 主直々の言葉には従わずにはいられないシグナム。なんとも損な性格をしている。

 読んでいるうちに、目に入ってくる文章。それを見て、シグナムは、もう一度はぁと溜息をついた。

 手紙には簡潔に『近くの剣道スポーツ少年団の臨時講師をしませんか?』と書いてあった。


「……私は、人に剣を教えられるような者ではありません。誘ってくれた方には悪ですが、断ることにしましょう……」
「ええっ! ご近所さんと仲良く慣れるチャンスなのに、もったいない!!」


 断る気満々のシグナムに考え直すように勧めるシャマル。言葉面だけでは勧めているとは言いがたいが、一応本人は勧めているつもりだ。

 もう一度溜息を付いて断ると断言したシグナムだったが、もう一度手紙を見つめる。

 はやての輝いた目と、シャマルの顔を見つめる。ヴィータも面白そうじゃんと呟いていて、ザフィーラはさっきと変わらず起きているのか寝てるのか。

 そんな、少しずつ変わっていく『愛すべき』仲間たちを見て、シグナムは……。





「集合!!」
「「「「「はい!!!」」」」」
「これから、臨時講師の紹介に移る!」
「「「「「はい!!!!」」」」」
「先日の泥棒事件を納めた美人女性剣士、シグナムさんだ!」
「(美人……?)シグナムだ。……あまり、人に物を教えるのは上手くないがよろしくたのむ――」


 こうして、海鳴に来た頃は何もなかったヴォルケンリッターにも居場所が増えていく。

 増えていく大切な人、時間、場所。人間味の薄かった彼女たちに芽生える温かさや思い出。

 それは、これから何があったとしても、胸の内に留まり続けるだろう……。





――後書き
Q 知ったように言うな。
A ssってのは、作者と読者の自我のぶつかりあいだ!!


一応言っておきますが、作者は主婦の習性は知りませんので。主婦の行動知ってる人は怒らんといて。
私のまわりにいた主婦の方々はみんな仲良さげだったのですが、みんなそんな人ばかりではなくドロドロした所もまたある。そのことを忘れないで下さい。


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