子供の頃からの夢だった。あなたのそばにいるだけで安心した…。私が嬉しい時は、一緒に笑ってくれた。私が悲しい時は、となりで慰めてくれた。私がピンチなった時は、すぐに駆けつけて救ってくれた。その人は私にとってヒーローだった。
私が初めて好きとゆう感情を抱いた人…。
妹「お兄ちゃん…。」
そう…私が好きになったのは、血の繋がった兄だった。…分かっている…これが許されない感情だと…。それが分かっているから、私は今まで兄のために、私の初恋の人のためにこの感情を殺してきた。
でも、あることがきっかけで私の運命を大きく変えた。それは昨日の事だった…。
妹「はぁ~、ただいま~」
兄「おう、お帰り~」
妹「あれ?兄貴、今日早くね?」
兄「今日は、部活が休みになってな」
妹「へっ…へぇ~///」
(やばいっ、なんか久しぶりに話したらドキドキしてきちゃったっ!///)
兄「ん、どうした?顔赤いぞ、大丈夫か?」
妹「ふぇっ…あぁ……えぇと……///」
兄「ん?」
妹「なっなんでもないっ!///」
兄「変なやつだな?」
私は、勢いよく部屋に逃げていった。
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妹は勢いよく部屋に逃げていった。
兄「はぁ~」
最近なんだか、妹に避けられている。
昔は、こんなたわいのない話をいつもしていたのに、最近じゃ必要最低限の事しか話さなくなっていた。
兄「まあ、あいつももう高校生だし兄貴とベタベタするのは気持ち悪いか…。分かっていた事だけど、なんか寂しいな…。」
今、この家に住んでいるのは妹と俺だけだ。
両親は、海外で仕事をしていて1年に2、3回程度しか帰ってこない。だからなるべく妹の負担にならないように家事全般は俺がやっている。
(娘にかまってもらない親の気持ちって、こんな感じかな…。)
兄「俺も少しは、妹離れしないとな…。」
兄「…」
兄「よしっ!久しぶりに自室の掃除でもして、 気分転換するかっ!」
そうして、兄は自室の掃除をし始めた。
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バタンっ!
妹「…///」
妹「はっ…!だっ…ダメダメ駄目だーっ!!」
妹「あれはお兄ちゃんあれはお兄ちゃんあれはお兄ちゃんあれはお兄ちゃんあれはお兄ちゃんあれはお兄ちゃーーーんっ!!」
妹「…お兄ちゃん……あっあれは…」
妹「///」
妹「だーっ!!///」
妹「くっ!…好きだチキショーっ!///」
妹「もう堪らなく好きだーーーっ!///」
妹「ふぅ…スッキリしたぁ」
妹「はぁ、何やってんだろ私…これじゃただの変態じゃん……」
お兄ちゃんを好きになって以来…お兄ちゃんの一つ一つの表情、行動、言葉、全てにドキドキした。
妹「駄目……なのに…。」
妹「でも……でもぉ…っ!」
妹「好きなんだもんっ!どうしようもないくらいにっ!」
妹「お兄ちゃん以外の人を好きになる事なんてありえないよぉ……」
妹「…はぁ~…」
妹「…お兄ちゃん……///」
妹「…。」
妹「……少し寝よ…。」
……Zzz
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自室の掃除が終わった俺は、夕飯を作っていた。今夜は妹の好きなカレーだ。
兄「ふぅ…妹を呼んでくるか…。」
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兄「妹~夕飯出来たぞ~。」
兄「お~い、妹~」
兄「おーい、部屋入っちゃうぞ~」
妹が高校生になって以来俺が部屋に入る事を妹は、かたくなに拒んだ。
ドアの前には、『絶対入っちゃ駄目っ!』と可愛い字で書いてある。入っちゃ駄目と言われれば、逆に入ってみたくなったが妹に本気で嫌われたら嫌なので、妹が高校生になって以来一度も入ったことがない。
兄「おーい、部屋に入るぞ~……」ゴクリ…。
兄「おっお前が返事しないのがいけないんだからなっ…。」
兄「……では…」
兄「…おじゃましま~す…………っ!?」
ドアを開け、部屋の中を見た瞬間、俺は言葉を失った…。
それも当然だった…。
妹の部屋には、いたるところに兄の写真がはってあった。
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…part1……end…。