前回「超能力者VSアブノーマル」を投稿したものですが、パスを忘れてしまった。新規投稿します。申し訳ありません。
前回の続きです。
僕は今人吉と不知火とで焼肉屋に来ている。
店に入って20分、驚くべき事態が発生している。
右に座って焼肉にガッツいている人吉ではない。
人吉と相席している不知火のことだ。
積み上げられた皿30枚、野菜なし、網を取り替えた回数、無数。
……なぜこいつはこれほど食べれるんだ。
その小さな身体のどこにそれだけの肉が入っていくんだ。
原作でもこんなやついなかったぞ。
それに不可解な点がもう一つある。
思考が読めない!!
そんな馬鹿な。人間は常に何かを考えている。現に人吉を除き、周りの人間は不知火のことを尊敬というか、馬鹿にしているというか、そんなことを思っている。
しかし、こいつは何も思っておらず、肉を食べているだけだ。
人間旨いものを食べると心の中で感想が出る。
だが不知火は、こんなにも旨そうに肉を食っているのに何も思っていない。
まるで何かに縛られているように。
……どいうことだ?
僕がしげしげと不知火を観察していると、人吉は、
「カッ、凄いだろ斉木。俺も初めてこの光景を見たときはたじたじだったけど、今はもうすっかり慣れたぜ!ま、お前も慣れるさ」。
僕は別にこれからも来るとは言っていないし、来る気もない。ここにコーヒーゼリーもないしな。
それならあの店長がやってる喫茶店に行く。あ、潰れたんだっけ、あそこ。
僕が旨いコーヒーゼリーをどうしたら食べれるか思案していたら、不知火が「ああ食べた。人吉、斉木君、行くよ!!」といってお会計の方に向かっていた。
「あ、おい待てよ。カッ、斉木いくぞ!」
店から出て行くことを人吉が示唆したので、僕は立ち上がった。見たいテレビの時間がもう少しだからな。
レジに行って、代金を支払った。
やれやれ、今日も災難だったな。
もっとも、本当の災難はこれからだったがな。
……あの男がこの学園にやってきて、僕を引っ掻き回した。あれは夏休みのことだっけ。
まあいい。
ちなみに会計の八割は不知火だった。
つづく。