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No.39195の一覧
[0] 魔法少年 烈火☆マギクス[ジェネシック](2014/01/05 21:41)
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[39195] 魔法少年 烈火☆マギクス
Name: ジェネシック◆7fef46e0 ID:d622ee5c
Date: 2014/01/05 21:41
この物語は
・オリジナルキャラ
・叛逆の物語のネタバレ
・ちょっと厨ニ
・↑によるキャラ少し崩壊
・主の趣味全開
この要素を含みます。
それでもよろしければ、どうぞ。


























































一本の矢が放たれる。
その矢は鋭い線を描いて何処までも飛んでいく。
終着点が無いように思われたがその矢はある地点にたどり着いた。

「・・・ふぅ。ここが悪魔の世界か。」

その矢は人気の無い暗い路地裏へと突き刺さった。刺さった場所だけにこの矢を見た者はほぼ居ないはずだ。
矢は次第に形を変えて人型へと変わっていく。
最終的に見滝原中の男子生徒の制服を着た少年へと変身を遂げた。
その少年は少し茶髪の短髪、背丈は普通の男子中学生と変わらない。
贅肉は少なく、筋骨隆々とまではいかないものの、中々の肉体をしていた。

「さぁて、まど神様。ちょっくらこの世界を……ぶっ壊しますわ!」








































「男子の皆さんは、合コンのときに、『30代は駄目』とか、そんなケチをつけないように!また女子の皆さんもそんな男子とは関わらないこと!
・・・以上。っと、忘れてました。今日から転校生がこのクラスに転入してきま~す!」
その発言で周囲にざわめきが走った。男子?女子?などといった転校生が来ると決まってする反応だ。
鹿目まどかと美樹さやか、佐倉杏子もその転校生の話で盛り上がっていた。

「ねぇねぇさやかちゃん。今日来る転校生はどんな人だと思う?男子かな?女子かな?」

「私の長年の勘からすると・・・むむっ、これは男子でもあり、女子でもある、真面目かつ不良、身長が高くも低い!イケメン美人だっ!」

「全然特定出来てねえじゃねえか!」

すかさず杏子が突っ込みを入れる。

ざわつきが頂点に達した頃、早乙女和子先生が止めに入った。

「ほらほら、皆さんが静かにしないと転校生が入れないでしょう?ご静かに!」

その瞬間、勢いよくドアが開かれる。まさに壊れんばかりの勢いだ。

「押ッッッッッッッッ忍ッッッッッッッ!!!」

教室を揺るがす程の咆哮を放つ転校生の姿は身長は男子中学生にしてはそれなり、地毛と思われる茶色の髪を短髪に、贅肉は少なく筋肉もそれなりに付いていて、顔はかなり濃い熱血漢をそのままにしたようになっている。
その男子は勢いよく教壇に上がると荒々しくチョークを手に取り黒板にこう書いた。
灯火烈火。

「俺の名前は灯火烈火だ!皆、よろしくな!」

あまりの強烈なインパクトに教室は静寂に包まれる。
しばらくして静寂を打ち破ったのは早乙女和子先生だ。

「そ、それじゃあ烈火君。あなたは・・・あそこ、まどかちゃんとさやかちゃんの真ん中ね。」

その席はおおよそ中心に近いが教壇から見てやや後ろ、右寄りとなっている。

「押忍!和子先生ェ!宜しくお願いします!」

速足でその席へと駆け抜け、颯爽と座る。

「それではホームルームは終了です。」

気を付け、礼、をまたずに烈火の席にはクラス中の人が駆け寄る。やはり転校生恒例の質問攻めだった。

「・・・この名前は親が付けたもので格好良いと思う茶髪は遺伝で元気があるのは俺の取り柄、出身は東京趣味は特には無いが強いて言うなら体を動かすこと身体能力は数少ねえ自慢の一つ部活は柔道部空手部掛け持ちで相撲とレスリングもやっていた頭はそれほどでもねえテストは自分との闘いだと思ってるから他人と比較したことは無い前の中学校では友達は多かった・・・っとこんなもんでいいか?」

どうやら助けなくても良かったようだ。
かなりの速度で返答できるらしい。
・・・何故助けようと思ったのだろう。鹿目まどかはそう感じた。昔、こうやって転校生を助けたような気がした。

そんな中1人の少女は怪訝な顔をしていた。彼女の名前は暁美ほむら。
彼女は感じていた。自分の作り出した世界に灯火烈火などという存在はいないはずだと。
明らかなイレギュラー。異質。そして人間の姿をした何か。そんな印象を彼女は烈火から感じていた。

(この世界に紛れ込んだこのイレギュラーは一体全体、何者かしら?ここは一旦様子を見ましょう。)

暁美ほむらは1人、思考の海に身を投じる。








































午前午後と授業も終わり、帰宅部の生徒は足早に家路につき、部活動をする生徒たちはそれぞれの活動場所へ急ぐ。
鹿目まどか、美樹さやか、佐倉杏子、巴マミ、暁美ほむらは前者である。

場所は変わってマミ宅。マミ宅には、まどか、さやか、杏子、ほむらが遊びに来ていた。

「でさでさ、その烈火って奴?相当キャラ濃いわ~、イケメンっちゃイケメンなんだろうけどさ、男臭くって。」

「そうそう、さやかの言った通り、いかにも、って感じだよな。」

「ねえねえ、杏子ってあんな感じがタイプ?あんな感じがタイプなの?大事なことなので2回言いました!」

「う、うっせえ馬鹿さやか!誰があんなのがタイプだ!」

「図星突かれて慌ててるな~?よっ、色女!」

いつものようにマミ宅でアフターヌーンティーを楽しむ彼女ら。

「ほらほら、止めなさい2人共。少しくらいは落ち着きなさい。・・・でもその灯火烈火って子、中々面白そうね。」

ここでマミが止めに入る。杏子とさやかはいつもの事なのでここまでは一連の流れとなっている。

「ほむらちゃんと同じで名前から燃え上がれ~って感じがするね。でも本当に燃え上がっているみたいだったなぁ。」

「私はあそこまで熱くは無いわよ、まどか。」

とそこまで言うと紅茶を啜り、一服するほむら。

「どうしたの?ほむらちゃん。学校にいるときからずっとだけど、考え事でもしてるの?」

と、まどかが尋ねる。

「ええ、そうね。転校生のことを考えていたの。」

「ほむらちゃんいつも無表情だけど、今日は難しそうな顔してたけど、大丈夫?」

「大丈夫よ、問題ないわ。心配してくれてありがとう、まどか。」

「おおっ?もしかしてほむら、あんたも転校生がタイプなのですか~?」

「そうじゃないわ、もっと別の事よ。」

その日の夜。
その日は特にこれといった変化は無かった。

「今日はさすがに動きが無かったわね。何か行動が出ればあるいは・・・」

あまりにもその存在が謎である。まず何のためにここへ来たのか、この存在の出現が意味する所とは。
今は分からない。今日は1日中考えたのだ。それで分からないのであればきっともう考えても無駄だろう。
悪魔となった今の自分なら無理矢理力でねじ伏せられるかもしれない。だがしかし、相手は未知数だ。もし、もしも自分より力が勝っていたとしたら今までのことが無駄となってしまう。それは嫌だ。まどかを手放したくはない。
と、なれば明日は尾行してみることにしよう。








































次の日の朝。

「おはようございますッッッ!!!」

今日も凄まじい咆哮を轟かせ、扉を勢いよく開け放つ。
その後特定の数人の男子と談笑を交わす。すでに友達を作っているようだ。会話の内容もこれといった目ぼしい物は無い。

その日の授業中にて。

「はい、灯火君。この数式を解きなさい。」

「了解しました!」

席を立ち黒板にスラスラと連立方程式を書き連ねていく。

「はい、正解、灯火君。良く出来ました。では次の問題―――」

灯火烈火はそこまで頭は悪くないようだった。

体育では。

「うおおおおおおおおおおりゃああああああああああああ!!!」

「ぬうううおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

1500m走。クラスでもトップの男子とラストスパートでデットヒートを繰り広げている。

「はぁあああああああああああああああああ!!!」

「でええええええええええええええいいいいい!!!」

ゴールラインもほぼ同時に駆け抜ける。タイムは5分を切っていた。

「はぁはぁ・・・やるな、転校生・・・」

「そっちこそ・・・」

2人はその場に倒れ込む様に座り、共に笑いあう。
その姿に数人の女子は顔を赤らめながら凝視していた。

そして放課後。

暁美ほむらは今日は巴マミ達に用事があると一言言って灯火烈火の尾行を開始した。
そして時刻は午後7時過ぎになる。
季節は冬、午後7時ともなれば夕暮れを通り越して夜の帳が降りている。
彼は路地裏へと足を運んだ。

つけられているのがばれた―――?

いや、違う。
彼以外の声が聞こえる。4名程だろうか。この声が聞こえたからだろうか。その声の内容は。

「おいてめぇ!金持ってきてねェとか、抜かしてんじゃねえだろうな!?おい!」

「何が何でも1人1万円ずつ持ってくるって言ったのはお前だよな?」

「もう無理です!バイトも間に合いませんよ!お願いだから暴力だけは!」

「好き勝手言ってんじゃねえよ金蔓の分際でっ!」

所謂カツアゲだ。烈火は迷わずに飛び込んだ。

「黙れ下衆共ーーーッッッ!!!」

ダッシュで加速をつけ振り上げた拳は1人の不良の顔面にクリーンヒットした。

「ぶべらっ!!!」

不良はものすごい勢いで吹っ飛んでいく。およそ1m程飛んだだろうか、意識を失ったようだ。

「ちょ、おいてめぇ・・・ナニモンだ?何処の学校だァ!?おい!!」

「貴様らに名乗る名乗る名前は無い!」

不良はそこに置いてあった、おそらくはカツアゲするための武器であろう角材を手に取る。

「調子こいてんじゃねえええええええッッッ!!!」

「ぶっ殺してやるうううううううううッッッ!!!」

不良は2人掛かりで烈火に襲い掛かる。

「遅いッ!」

烈火は攻撃を物凄い素早さで切り抜け2人の角材を持つ手に素早く拳を入れる。

「ぐあっ!」

「いでっ!」

その隙に烈火は追撃仕掛ける。

「ていッ!やあッ!」

右拳、続いて左拳が左右にいる不良の鳩尾に的確に命中する。

「ごふっ!・・・」

「うお、お・・・」

2人の不良は沈黙する。その後、彼はカツアゲされていた男子生徒を見やる。

「大丈夫か?少年。」

声を掛けると少年は震えるようにしてこう言った。

「ぼ、僕は今は何も持ってないですよ・・・?お金が欲しいならもう少し」

「俺はあいつらとは違う。警察にも通報した。もう少しで警察が来るだろう、安心しろ。」

するとやっと肩の力が抜け、顔から緊張が抜けていく。

「ありがとうございます。この礼はいつか」

「礼なんて要らない。もう絡まれないように頑張れよ。」

そう言って烈火は現場を立ち去る。
こうしてみれば彼は正義感あふれる良い奴なのだが、いずれにせよ彼がこの世界に居ることはありえないのだ。何時何をしでかすか分からない。
明日も明後日も監視は続けるべきだろう。








































翌日。

「おはようございますッッッ!!!」

授業にて。

「はい、灯火君。この問題の証明を書きなさい。」

「了解しました!」

「はい、正解、灯火君。では次の問題―――」

体育では。

「うおおおおおおおおおおりゃああああああああああああ!!!」

「ぬうううおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」

50m走。やはりデットヒートを繰り広げている。

やはりこれもほぼ同時にゴールしている。タイムは7秒を切っている。

「やるなぁ兄弟。」

「そっちこそ、兄弟。」

そして放課後。
今日も何もなかった。

尾行してから3日目。今日も何もなく。

(何もしてこないわね、やはりこちらから行動を起こすしか……)

尾行してから4日目。ついにほむらが行動に出ることにした。

彼は放課後、人気の無い夜のさびれた工場跡へと足を運ぶ。

「さぁて、もうそろそろ出ても良いと俺は思うぜ、悪魔。」

「ええ、そうする事にするわ、イレギュラー。」

2人は正面から向き合った。

「単刀直入に聞くわ、あなたの目的は何?あなたは一体何者?どうやってこの世界に入ってきたの?」

彼は静かに答える。

「……俺の目的はあんた、暁美ほむら、あんたの無力化、そして円環の理に導くこと、まど神様の世界の復活だ。俺はその為にやってきた防衛システムみたいなものだ。俺には円環の理の力の一部がある。その力を使ってこの世界を少し改ざんして侵入した。」

「そう、でも分かってるわよね?」

「ああ、てめえがそんなに簡単に引き下がるとは思えない。」

「えぇ、そうよ、その通りよ。折角まどかを取り返したのよ、こんな素晴らしい世界を簡単に手放す訳無いじゃない!」

語気はどんどん強くなっていく。

「私はまどかが好き!好きで好きで堪らない!だからどんな手を使ってでもまどかを、あんな寂しそうな所から解放した!ええそうよ、あんな場所に居させてたまるものですか!まどかは私の物、私だけの物よ!!!」

「それがまどかの意思に反するとしてもか?」

「ええそうよ!私は自分の性欲の為だけにでもまどかを拘束する!汚らしい男の手になんか触れさせない!!!」

ほむらの叫びが辺りに響くが、それを聞いているのは烈火位だろう。

「なら、仕方ねえな。」

「ええ、その様ね。」

ほむらは悪魔の姿へとその姿を変貌させる。

「んじゃあ、俺の本気を見せますか。」

烈火はポケットから小さな何かを取り出す。

「ソウルジェム!?」

その輝く宝石は見間違うことはない、ソウルジェムだ。

「変身ッ!」

烈火はその宝石を空高く掲げる。するとソウルジェムから凄まじい勢いで炎が飛び出す。その炎はたちまち烈火の体を包み込む。
ほむらはその炎の勢いに気圧され、顔を腕で庇う。

炎が止むとそこには、真っ白な長ランに真っ白な長ズボン。足には鉄下駄、背中には『天上天下唯我独尊』の文字。腹にサラシと鉢巻には日の丸。
何よりも巨大な、某怪物ハンターに出てきそうな凶悪な棘の付いたハンマーを携えていた。

「魔法少年、烈火ァッ!!!只今見ッ参ッ!!!」

彼の背後で何処からともなく爆発が起こる。

ほむらに向かって親指を下に向け、首を掻っ切る様に一文字を描く。

「円環の理に叩き降ろしてやるぜ!覚悟しな!」

ノーモーションで突発的に突撃すし、ハンマーを横殴り振る。
咄嗟の事だったがそこはほむら、紙一重で避ける。

(相手の得物はあのハンマー。なら・・・!)

ほむらは空中に飛び出し烈火に右手をかざす。刹那、その右手から野球ボール大の光線が飛び出す。

「なんのっ!」

烈火はその光線をなんとハンマーで恐ろしい程の精密さで跳ね返した。
これにはたまらずほむらは避けるのがワンテンポ遅れ光線が左頬に掠る。左頬にはうっすらと赤い線が走る。

「ッ!ならこれでッ!」

ほむらの時間停止。世界の全ての物の時間は停止する……はずだった。
烈火に止めを刺そうとした瞬間、地響きが起こった。

「!?そんなっ」

その地響きの原因は勿論、

「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!」

烈火だ。彼の咆哮は静寂を破り裂いて、再び戦いの最中へと呼び戻す。

「何故!?何故時間停止を!?」

「俺が強いからだッ!!!」

(正確には円環の理の力で世界を少し改ざんしたからなんだがな。)

ほむらは動揺を隠せない。そして空中に居る慢心。それが彼の一撃をもらう原因となった。
烈火は空中を矢の如く飛び、あっという間にほむらに肉薄する。

「爆熱!!!」

そう烈火が叫んだ瞬間、ハンマーに天をも焦がさんばかりの炎が灯る。

「ちぇりゃあああああああああああああ!!!」

(ぐっ、間に合えッ!)

これも悪魔だから為せる技か、羽で烈火の一撃を防御する体勢となった。
そしてほむらにとてつもない破壊の衝撃が押し寄せる。ハンマーが羽に触れた瞬間、轟音と共に爆発が起こる。
その勢いでほむらは地面へと叩きつけられる。
だが、烈火の猛攻は終わらない。

「灼熱ッ!!!」

烈火が叫ぶと今度は炎の球体がハンマーを持ってない左手に出現。それを、

「一発!」

ハンマーで思い切り叩く。
炎の球は猛スピードでほむらのいるであろう地点に叩きつけられる。
その球が地面に当たった衝撃でクレーターが出来る。
そしてその炎の球はバウンドしてまた空中の烈火の元へ。

「二発!!」

球の勢いは先程と変わらず恐ろしい速度で地面に向かっていく。
バウンドしてまた戻る。

「オーライ!三発!!!四発!!!!五発!!!!!」

バウンドする度にクレーターをつける。

「ラストォッ!!!いっけええええええええええ!!!!!!」

それまでは炎の球を弾いて地面に叩きつけたが、今度は炎の球を引っ張り、地面にそれを零距離で叩きつける。爆撃のような爆発が辺りを飲み込む。
爆心地の烈火は炎を受けても平気なようだ。
そしてほむらは。

「いない・・・!?」

「上よ。」

突如上から豪雨の様に羽根が飛んでくる。
飽和攻撃。これならいくら一つ一つの羽根を打ち返せても無傷ではいられないだろう。

「くっ、ぐあああああああああああああああ!?!?!?」

烈火の体に無数の羽根が刺さる。

「お返しよ。」

ほむらが指を鳴らした瞬間、周りの羽根が一斉に爆発を始めた。一枚一枚の爆発は小さくともそれが束になれば纏まった火力となる。
暫くして爆発が止む。
―――そこにはボロボロになりながらも、煤だらけの特攻服を身に纏った男が立っていた。

「やるじゃねえか、痛かったぜ。」

「そちらこそ、レディーに向かって暴力とは野蛮よ。」

「ハッ!上等だ!野蛮、万歳ッ!!!」

弾かれたように地を蹴り上げ空中に飛び上がる烈火。ハンマーを短く持ち素早く振り回す。

「オラオラオラオラオラオラッ!!!」

その速度は優に音速を超える。ハンマーの重さを考えると、恐ろしい怪力だ。だが、ほむらもその速度に負けないスピードでハンマーを避ける。
ほむらは紫色の光線を近距離で放つ。それを避けその勢いでハンマーを振り下ろす。それを避け羽根を背後に回り込み放つ。だが長ランだけにその羽根は刺さる。烈火は上からハンマーを振り下ろす。それをほむらはひらりと躱し距離を取る。

「はあ・・・はあ・・・埒が明かないわね・・・」

「はあ・・・はあ・・・その様だな・・・」

「でもね、私が対抗策を練らないとでも思った?キュウべえ!」

するとどこからともなくキュウべえが物陰から現れた。キュウべえは毛が逆立ち、体は震え、如何にもか細い様子だった。

「キュウべえ?にしちゃあなんか色々ひでえな。てめえ、何をした?」

「私はただキュウべえを働かせただけよ。私の私利私欲の為だけにね。」

「動物愛護法に引っ掛かるぜ?やめときな。」

「それはキュウべえが今からやることを見てから言いなさい。」

キュウべえはおもむろに何かを唱えた。すると、この町をすっぽりと覆い隠さんばかりの結界が生じた。

「な、なんだこりゃ!?」

「魔女結界よ。懐かしいわ・・・」

「てめえ何するつもりだ?」

「決まってるわ。魔女結界があることはつまり―――」

「魔女の出現!?」

瞬時に右に避ける。すると使い魔だろうか、ちぐはぐなおもちゃの兵隊がライフルを撃っていた。その後にも大量の魔女が出現する。
見たことのない魔女から見覚えのある魔女まで、より取り見取りだ。

「くそっ、多勢に無勢か。だが俺、もといまど神様が策を講じてないとでも思ったか?」

「ティロ・フィナーレ!」

魔女の軍団に風穴が空く。それは彼女、巴マミによるものだった。

「巴マミ!あなたはこの世界では魔法を使えないはずでは!?」

「ええ、このままであったらね。」

「このまま?まさかッ―――」

「ああそうさ。俺がこの世界に侵入するときに小さな穴が開いた。その穴から数名の魔法少女を円環の理から助っ人として呼んどいたのさ!
どうだい?イカすだろ?」

「小癪な・・・ッ!」

「マミさんだけじゃないわよ!」

突如上から美樹さやかが上から強襲を仕掛けてきた。それを光線で迎撃する。が、
その光線は美樹さやか貫通し、通り過ぎた。
「!?」

「「はああああああぁッ!!」」

背後から剣と槍の二重攻撃。
緊急回避でほむらは前へ飛び込みその攻撃を逃れた。

「へっ、暁美ほむら。どうだい?アタシの幻影は?」

「佐倉杏子!ということは・・・!」

「あれは私が作り出したさやかの分身。そっくりさんさ。」

「は~い、本物はココで~す♪」

「あなた達、そろいもそろって私の邪魔をする気?」

「だったらなにか?」

マミが答える。

「ええい、目障りな!やってしまいなさい!」

ほむらは魔女に発破をかける。

「よっしゃあ!じゃあお前らもそろったし、あれやるか!!!」

烈火が言うとさやかが、

「あれって何?」

と聞き返す。烈火は

「決まってんだろ!強化だァ!!!!熱血ッッッ!!!」

と返した。次の瞬間、烈火の変身と同じく、今度は4人を全てすっぽりと炎が包み込む。

「うわっ、ちょ、熱ッ!ううっ!!体が・・・」

「はぁ、はぁ、なんだ、これ?熱いのに・・・」

「まるで、包まれているかのように優しいわ・・・」

さやか、杏子、マミが炎の中で呻く。
炎は次第に和らいでいく。炎が消えたときそれぞれの衣装が真っ赤に、さっきの炎の様に染まっていた。ソウルジェムの輝きも紅い。

「しゃあ!!!お前ら、いくぜぇッ!!!!」

「「「応ッ!!!」」」

凄まじい少女の咆哮が結界を揺るがす。その咆哮は烈火のそれの気迫そのままであった。

「「「「我ら、魔法紅蓮隊!!!推して参るッ!!!」」」」

「ここからは俺達の舞台だ!」

4人の少年少女が一斉に飛び出す。それ同時に気迫に押されていた魔女も動き出す。

数にして4対20000。いずれにせよこの大差は変わらないが彼らはそれを物ともしない堂々たる雰囲気がある。

「よっしゃあ!やぁってやるぜ!一番槍!佐倉杏子ォッ!!!」

杏子は槍を2本同時に持ち、魔女の大群の中心に飛び降りる。

「踊りな!てめえら!」

巨大な槍が地面から魔女達を突き上げる。それをまるで赤い閃光の如く2本の槍で蹂躙する。

「杏子にゃあ負けないぜ!!!召喚!オクタヴィア!!!」

さやかの背後に何倍にも巨大化したオクタヴィアが出現する。そのオクタヴィアの上にさやかは乗ると、

「発進!!!ぶちのめせ!!!」

オクタヴィアは海の上でも泳いでいるかのように魔女の中をマグマを飛び散らせながら進んでいく。後に残るのは超高温のマグマと、それに溶けた魔女達だった。

「後輩達に遅れは取るかよッ!!!」

マミは超巨大な砲台を召喚した。砲門は2門。小銃と大砲だ。

「撃ちっぱなしだ!釣りはいらねえぜ!全部持ってけェ!ティロ・フィナーレ・バーニングゥッ!!!」

普段ティロ・フィナーレは連発出来ない代物だが、マミは小銃で魔女を薙ぎ払いつつ、大砲を何発も放つ。

「ヒャッハァー!!最高の気分だぜ!!!」

一方の烈火はほむらを相手取っていた。

「おりゃあ!せいッ!たあぁッ!!」

「くっ、かはっ!・・・ぐぅ!」

烈火の怒涛のラッシュが決まり、ほむらの脳天にハンマーが直撃する。
ほむらの頭からは血が止めどなく溢れている。

「ハァ、ハァ、ぐっ、ふぅ・・・ふぅ・・・私を、私を舐めるなああああああああああああああああああ!!!!」

突如ドス黒いオーラを放ち、烈火を吹っ飛ばす。

「ぬぁっ!一体何なんだ!?」

「まどかは渡さない誰にも渡さない私だけの物私だけが触れていい私の物。・・・だから、お前ら皆死ねッ!!死ねよ糞ッ!糞糞糞糞糞ッ!!!くそったれがあああああああああああああ!!!!!」

ほむらの姿が瞬時に消える。

「死ねッ!」

ほむらはいつの間にか烈火の背後へ回り込んでいた。
ほむらの渾身の蹴りの一撃を喰らう。

「ぐはっ!!」

「逃がさないッ!」

瞬時に吹っ飛んだ先に回り込み、羽根を撃つ。全弾がホーミングミサイルの様に烈火へと向かう。

「なんのっ!」

烈火は特攻服を高温にし羽根を焼き払う。

「甘い、わッ!」

「何っ!?」

ほむらの回し踵下ろしが炸裂する。

「ぐぅっ!!」

烈火は地面に叩きつけられる直前で体勢を立て直し着地する。

「殺してやる!殺してやる!」

烈火は多方向から来る殴打の嵐についていけないでいる。

(防戦一方じゃこのままじゃやられちまう、あと一撃、一撃を食らわせられれば・・・!)

(次の一撃で、殺す・・・!)

ほむら今までの動きとは違うパターンを見せた。直線的に烈火に襲い掛かったと見せかけギリギリの所で避ける。

「消えろ!灯火烈火ッ!!」

腕が届く程の近距離から放たれた光線が胸を貫く。
今度こそほむらは烈火の死を確信した。

烈火は吐血をしながらも、その表情はこの瞬間を待っていた―――その様に見えた。

「肉を切らせてぇ……骨をタァつッ!!!!」

「!?ぐふっ!」

ほむらの腕を強引に掴み地面に叩きつける。

「いくぜえ!必殺!絶望破壊(バッドエンドクラッシャー)アアアァァァァァ!!!!」

烈火がジャンプし、ある高さで空中にとどまった。
そして烈火のハンマーが輝く。その光は彼の炎の様に強く輝いて、結界の中を光で満たした。

太陽でも落ちてきたのか。そんなエネルギーの大波を放った。

「しまっ・・・た・・・」

大波はたちまちほむらを攫っていく。






































・・・優しい光。温かく希望に溢れた、心の穢れを全て浄化してくれそうな―――
彼女だ、この光は。ほむらはそう確信した。

「まどか……あなたなの?」

どこからともなく声が聞こえる。

「ほむらちゃん。私の事を思って、こんなになるまで頑張っててくれたんだね。ありがとう。でも、ほむらちゃんはもう頑張らなくてもいいよ、おいで。」

「まどか!どこなの?まどか!まどか!!」







































ほむらは意識を取り戻した。状況をまずは確認する。
―――全滅。魔女はすでに消えていた。
体を起こし、仇敵を探す。・・・いた。

「くっ!灯火烈火ッ!私はまだ」

「いいや、チェックメイトだ。」

ほむらの言葉を烈火が遮断する。ほむらは構わず悪魔の姿に変身しようとした。
だが、それは叶わなかった。

「嘘、どうして?変身出来ない、どうして、私はまだッ!まだ戦える!」

諭す様に烈火は伝えた。

「絶望破壊はな、一発きりの大技だ。俺の中の円環の理で対象ソウルジェムを浄化する技だ。だが俺の中の概念は不完全だから対象は1人のみ、しかも撃ったあとは俺は存在を保てなくなる。だからここぞという時に使いたかった。あの時お前は止めを刺した、そう確信していただろう?生憎俺はタフでな。その隙を狙わせてもらった。」

「ああ、私は、負けたのね・・・ごめんなさい、まどか……」

不思議と涙は出てこなかった。

「俺の体ももう崩壊を始めている。ほらな。」

烈火はほむらに手を見せた。彼の手は半透明になっていた。指先などはほぼ見えなくなっている。

「じきにこの世界も崩壊する。っと、その前にお迎えだぜ、ほむら。」

空を見上げるとそこからは階段がここまで伸びていた。

「最後にお前に伝えたいことがある。俺もまど神様の一部だったから分かるんだ。まどかは、お前の事がすんげえ大切だと思ってる。最後の最後まで、お前が人格部分を抜き取る瞬間も、な。大好きなんだよ、まど神様は。愛してると言って過言ではない。・・・さあ、皆が待ってるぜ、行きな。」

階段の上では、マミ、さやか、杏子、そして神格化したまどかが待っていた。

「暁美さん、あなたを元に戻すのには苦労したわ。」

「そうですよね~マミさん。あの熱血野郎のせいで恥ずかしい思いしちゃいましたし。ほむら、後でちゃんと私らに謝りなさいよ?」

「まあ、それはそれで意外と楽しかったけどな、アタシは。」

マミ達は少し呆れた様子こそあれ、あまり怒っているように見えなかった。

「皆、怒ってないの?私のこと。」

とほむらが問うと、

「まあ、怒っていないと言えば嘘になるかもだけど、ほむらがこうなったのもあのキュウべえが円環の理からほむらを切り離したのがそもそもの原因だしね。それが私達の総意かな。」

と、さやかは溜息混じりに答えた。

「でも、誰よりも怒ってるのは・・・」

さやかが言い切る前にまどかが階段の1段飛ばしで駆け降りる。

「ほむらちゃんのバカ~~~~~~!!!!」

目に涙を浮かべたまどかが勢いよくほむらに抱き着く。

「心配したんだから!ほむらちゃんが勝手に違う世界を作っちゃって、思い出した時、とっても寂しくなって、だから・・・」

「ごめんなさい、まどか。私、私ッ・・・」

2人は熱い物が込み上げてくるのを抑えきれなかった。

「うわああああああああああああん!」

「うぅっ、ぐずっ、ごめんなさい、ごめんなさい・・・まろかぁ・・・わらひのこと・・・すき・・・?」

「うん!ずきっ!だいずぎィ!だいずきだよ、ほむらぢゃあああああんッ!!」

それを遠くで見つめる烈火の体は今にも風前の灯火であった。

「全くまど神様め、子供みたいに泣きじゃくりやがって。・・・俺もそろそろ潮時か。……じゃあな。」

その言葉を残して灯火烈火の存在は完全に消滅した。

「ぐすっ・・・まどか、さっき彼が言っていたこのなのだけれど、私のことが、その、本当に好きなの?その、愛してるって意味で。」

「そっか、烈火君が言っちゃったか。・・・うん、そうなんだ。本当は私の口から言いたかったな。でも烈火君らしいや。」

「ありがとうまどか、私も愛してるわ。これからは、いつまでも一緒に居てくれる?」

「勿論だよほむらちゃん!皆も一緒に、ね?」

「ええ、そうね。」

2人は皆に祝福され、その階段を上って行った。

~end~





























































あとがき

正直悪魔ほむらの攻撃って殴る蹴ると光線と羽根で良かったのかな?って思ってます。第一、戦闘する態勢じゃないと思うんですよね。
それとキャラ崩壊が激しいなって後で見返して思いました。熱血バトル大好きなので、つい出来心で。
あと烈火。名前がくっそ厨ニですね。でも何度も言いますが熱血バトル大好き(ry
個人的には杏さや派なのでもっと杏さやさせたかったんですけど、結局はまどほむっぽくなっちゃいましたね。
あと少し補足させてもらうと実はまどかちゃん、ほむらがあんな行動=悪魔化するのを最初から知ってて、その防衛システムとして烈火を作ったっていう個人的な裏設定があったりします。


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