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No.38827の一覧
[0] 【チラ裏より】嗚呼、栄光のブイン基地(艦これ、不定期ネタ)【こんにちわ】[abcdef](2018/06/30 21:43)
[1] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】 [abcdef](2013/11/11 17:32)
[2] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】 [abcdef](2013/11/20 07:57)
[3] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2013/12/02 21:23)
[4] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2013/12/22 04:50)
[5] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/01/28 22:46)
[6] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/02/24 21:53)
[7] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/02/22 22:49)
[8] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/03/13 06:00)
[9] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/05/04 22:57)
[10] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2015/01/26 20:48)
[11] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/06/28 20:24)
[12] 【不定期ネタ】有明警備府出動せよ!【艦これ】[abcdef](2014/07/26 04:45)
[13] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/08/02 21:13)
[14] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/08/31 05:19)
[15] 【不定期ネタ】有明警備府出動せよ!【艦これ】[abcdef](2014/09/21 20:05)
[16] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/10/31 22:06)
[17] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2014/11/20 21:05)
[18] 【不定期ネタ】有明警備府出動せよ!【艦これ】[abcdef](2015/01/10 22:42)
[19] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2015/02/02 17:33)
[20] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2015/04/01 23:02)
[21] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】[abcdef](2015/06/10 20:00)
[22] 【ご愛読】嗚呼、栄光のブイン基地(完結)【ありがとうございました!】[abcdef](2015/08/03 23:56)
[23] 設定資料集[abcdef](2015/08/20 08:41)
[24] キャラ紹介[abcdef](2015/10/17 23:07)
[25] 敷波追悼[abcdef](2016/03/30 19:35)
[26] 【不定期ネタ】有明警備府出動せよ!【艦これ】[abcdef](2016/07/17 04:30)
[27] 秋雲ちゃんの悩み[abcdef](2016/10/26 23:18)
[28] 【不定期ネタ】有明警備府出動せよ!【艦これ】[abcdef](2016/12/18 21:40)
[29] 【不定期ネタ】有明警備府出動せよ!【艦これ】[abcdef](2017/03/29 16:48)
[30] yaggyが神通を殺すだけのお話[abcdef](2017/04/13 17:58)
[31] 【今度こそ】嗚呼、栄光のブイン基地【第一部完】[abcdef](2018/06/30 16:36)
[32] 【ここからでも】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!(嗚呼、栄光のブイン基地第2部)【読めるようにはしたつもりです】[abcdef](2018/06/30 22:10)
[33] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!02【不定期ネタ】[abcdef](2018/12/24 20:53)
[34] 【エイプリルフールなので】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!(完?)【最終回です】[abcdef](2019/04/01 13:00)
[35] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!03【不定期ネタ】[abcdef](2019/10/23 23:23)
[36] 【嗚呼、栄光の】天龍ちゃんの夢【ブイン基地】[abcdef](2019/10/23 23:42)
[37] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!番外編【不定期ネタ】[abcdef](2020/04/01 20:59)
[38] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!04【不定期ネタ】[abcdef](2020/10/13 19:33)
[39] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!05【不定期ネタ】[abcdef](2021/03/15 20:08)
[40] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!06【不定期ネタ】[abcdef](2021/10/13 11:01)
[41] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!07【不定期ネタ】[abcdef](2022/08/17 23:50)
[42] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!08【不定期ネタ】[abcdef](2022/12/26 17:35)
[43] 【艦これ】とびだせ! ぼくの、わたしの、ブイン基地!!09【不定期ネタ】[abcdef](2023/09/07 09:07)
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[38827] 【不定期ネタ】嗚呼、栄光のブイン基地【艦これ】
Name: abcdef◆fa76876a ID:14aa3c64 前を表示する / 次を表示する
Date: 2013/11/20 07:57
※相も変わらずオリ設定の嵐です。
※ぼくのしってる○×とちがう! と言われかねん表現が多用されています。もうかんにんしてつかあさい。
※地理と歴史は駄目駄目です。勘弁してください。
※人によっては一部グロテスクかと思われる描写は無いはずです。今回だけは。多分。きっと。だといいな。






 こちら『あさうみ2000』今から約10秒前、水深2000メートル付近にて、何かが船外カメラを横切りました。
 かなり大きい。ライト、灯火します。

                           ――――――――回収されたブラックボックスより





 ちょうどその時、電は見た。

「提督と天龍さんが朝帰りなのです!?」

 誤解が無いように言っておく。

 先の重巡リ級との戦闘後にて“発見・回収”した、艦娘式重巡洋艦『羽黒』の艦コアを、突貫で整備した浄化槽に放り込み、無事に運転を開始したことを見届けたら既に朝だった。という次第である(時計の針が二時間ほど遡っていたという怪現象については目下調査中である)。決してやましい意味ではないし、井戸と天龍の二人と、現実逃避を兼ねて二人の作業の手伝いをしていた古鷹にはそんな事をする暇も無かったことだけは明記しておく。
 重巡リ級との戦闘より丸2日。

 ブイン島仮設要塞港は、そして本日全休の第203艦隊は、平穏そのものだった。




E-2で何で旗艦ばっかり狙い撃ちするんだこのヤロウ俺の古鷹ちゃん改が大破して涙目な立ち絵がそんなに好きか俺もだこのヤロウ記念の艦これSS

『嗚呼、栄光のブイン基地 ~ 死ぬがよい』





 その日の朝、天龍は(強制的に)入渠した。

 普段と同じ、艦娘状態でのそれではなかった。戦闘艦としての形状――――非圧縮状態のまま、この島唯一のドライドックへの強制入渠だった。
 正真の非常事態である。
 それはつまり、艦娘形態に圧縮させる際の些細な負担すらも致命傷となるほどに艦の損傷が激しい事に他ならないからである。

『おい、オレを戦線離脱させるな! 死ぬまで戦わせろよ!!』

 そんな大損傷であるにもかかわらず、主砲の14センチ単装砲塔がぎゅいんぎゅいんと忙しなく動き回り、左右後部のプロペラ・スクリューが右に左にとピッチを変える。駄々でも捏ねてんのか、コイツは。と、それを見ていた井戸や整備の面々は思った。

「無茶言うな天龍。今のお前は見てくれこそ健在だが、中がヤバいんだよ。俺も艦娘とは付き合いが長いがな。竜骨ユニットがエラー吐いたとか、初めて聞いたんだぞ」

 スパナ片手に腕を組む整備班長殿の言うとおりである。
 先の重巡リ級との格闘戦による後遺症として、この竜骨ユニットを初めとして、天龍の内装系には多大なダメージが遺されていたのである。

『大ーィ丈夫だって! ちょっと背骨がギシギシするだけだからよ!』
「大ーィ丈夫……なワケ無ェだろうが! 竜骨がギシギシするってこたぁ、ヘシ折れる直前じゃねぇか!!」
「何考えてんだお前は!!」

 井戸と整備班長殿が同時に天龍の側舷装甲に向かってツッコミ代わりの蹴りをくれる。
 竜骨とは、人体で言うところの背骨に相当する部分である。しかし、艦の背骨は人のそれとは違って、その構造目的上ヒョイヒョイと曲がるようには出来ていない。
 重巡クラスと真正面から文字通りの意味で殴り合い、おまけにその主砲を背中に叩き込まれてその程度で済んでいる方が奇跡なのだが、それを口にすると間違いなくこのバカは図に乗る。その程度は読めるくらいに井戸と天龍の付き合いは古いのだ。
 元々、超展開中の艦娘による格闘戦は、まともな近接防御手段を持たない雷巡チ級やそれ以前の種への一方的な殲滅戦を想定したものであり、また、潰しても潰しても沸いて出てくる深海凄艦を相手にどこまで砲弾やミサイルなどの使いきりの兵器に使う資源の量を減らせるのか。という、海軍どころか帝国全体の世知辛い懐事情に対する返答の一つでしかなかったのだ。
 解り易く言うなら、艦娘システムも超展開機能付きの艦も、雷巡級やそれ以下の種を相手に、とことん資源をケチりながら弱い者イジメするために開発されたのであり、重巡級以上との殴り合いなど最初から想定されていなかったのだ。

 そういった経緯から駆逐艦『如月』や軽巡洋艦『天龍』などの高速水雷戦隊が真っ先に超展開機能を付与され、雷巡狩りに多大な貢献を果たしたのは事実だが、今度は艦娘狩りに特化した重巡リ級や軽母ヌ級が世に出回ってくる頃になると事態は一変。今回の天龍のように中破大破の這々の体で何とか生還、あるいは何もできないままに轟沈されられる艦が急増して、後方の補給線や生産ラインを圧迫し始めるようになったのだ。
 それら、あるいは今後登場するであろうと予測される新種の深海凄艦に対抗・撃破すべく重巡や戦艦、航空母艦などの引き揚げ計画が前倒しになり、それらに急ピッチで艦娘システムと超展開機能が搭載されたのは、割とつい最近の事なのだ。

「いいか天龍」

 井戸が天龍に言う。

「お前は大事なんだ。俺だってわかってる。お前がなぜ、どうしてそこまで戦いたがっているのか、何度も何度も同調したんだ。心の底からよぅく理解しているとも。だから、今は、休め。休んで、次に備えるんだ」
『……わかった。けどさ』

 大丈夫だ。仕事が終わったら終わったらすぐ迎えに行くからよ。と井戸が天龍の側舷側装甲を優しく撫でながらそっと囁くと、渋々とした感じで、自発的に主機から火が落された。
 直後、周囲でそのやり取りを見守っていた整備班の面々や整備担当の妖精さんの群れが天龍の周りに群がり、作業を再開した。



 ちょうどその時、電(203)は砂浜で島民の子らと一緒に遊んでいた。

「入ーれーてー!」
「いーいーよー!」

 波打ち際での鬼ごっこ、ヤシの実のボールと電が普段から手にしている魚雷(弾頭脳死処理済)のバットによる野球、砂に書いたケンケンパー、鉄筋代わりに砕いた貝殻や珊瑚片を混ぜた砂での高層お城の建築作業など、一日だけでも多岐に及んだ。
 リハビリついでに保護者代わりとして同伴していた如月は開始から一時間少々でダウンしたので、近くのヤシの木の下で子供たちを見守っていた。
 実に長閑な光景だった。そして、そんな光景が、如月にはとても尊く思えた。不鮮明かつおぼろげに脳裏に浮かぶ、原型(オリジナル)の記憶に思いを馳せている時のような、ほんのちょっぴりだけ心が温かくなるような感覚だった。

(平和って、きっとこういう日みたいなことを言うんですのね)

 こんな日がいつまでも続けられるように、こんな日をいつの日にか日常とするために。そのために私達がいるのですわね。と如月は思いを新たに両の拳を強く握りしめる。
 繋がったばかりの両肩から聞こえてはいけない音がした。



「お見事ですな。井戸少佐」
「メナイ少佐」

 ドライドックを出てすぐ外、天然の洞窟の一部をくり貫いて増築された対爆コンクリート製の壁に背中を預けていたメナイに呼び止められた。
 井戸がすかさず敬礼を行う。自身と同じ階級でもあちらの方が先任だ。それに、軍隊生活の長さが全然違う。その辺の石ころとトライデント級ICBMくらいの差がある。そういった意味でも、敬礼というものは後任から先にすべきなのだ。

「いやなに。そう固くならんでもいいよ。この間助けてもらった礼もまだだったしな。一本どうだい?」
「はぁ、そういう事でしたらありがたく」

 差し出された紙巻き煙草を一本口に加え、メナイ少佐が差し出したライターで火を付ける。目を見開く。

 ――――これ、天然モノの葉っぱだ。

 普段眠気覚まし以外の目的では吸わない井戸でもその程度は分かった。海外との流通がほぼ断絶した今の帝国では、何かと権力を通しやすい上級将校の間ですら合成品か代用品くらいしか出回っていないのが現状なのだ。

「お気に召したようで何より。しかし、流石は井戸少佐だ。あのテンリュウをいとも容易く手懐けるとは」
「……きちんと面と向かって話せば、ちゃんと理解してくれますよ。彼女はね」

“あの”とは何様のつもりだ。お前如きが俺の天龍の何を知ってやがる。と井戸は心の中で思ったが、先のタバコの礼もあるし、口と顔には出さないでいた。

「……失礼ですが、少佐は以前にも艦娘を見た事が?」
「……ああ。私は、シドニーの生まれ育ちでな」

 シドニー。

「という事はまさか、シドニー解放作戦にも少佐は……」
「ああ。当時の帝豪混成偵察部隊に所属していてな。あの頃から『ストライカー・レントン』の艦長だったよ」

『ストライカー・レントン』の姿形と名前なら井戸でも知っている。ブイン島の反対側にいつも停留している、タイコンデロガ級空母をベースにして改造した、世界最新最後の突撃型狙撃戦艦の名前だ。
 そして、帝豪混成偵察部隊の方はもっと有名だ。
 後の『シナリオ11』や『桜花作戦』で名を馳せたボディバッグ・レギオンや報国献身隊と同じ強襲偵察部隊――――前情報無し、自衛以外の武装無し、敵中枢の情報送ったら死んで良し。の、悪夢のような生還率を約束された先遣部隊の事である。
 普通はその任務の性格上、快速の駆逐艦や超々高速度偵察機で構成されるはずなので、普通に考えれば元空母の戦艦などというドン亀なんぞが動員されるはずが無いのだが、メナイ少佐の胸元で燦然と黄金色に輝く略式勲章――――ゴールデンアイズ・リボンバーの存在がその話の信憑性を高めていた。

「……ひどいものだったよ。あんなに綺麗だったジャクソン・ベイはあっちからこっちまで敵味方の肉片と残骸と瓦礫と水死体だらけ。我らが聖地、ハシント・スタジアムも準備砲撃の巻き添えで地盤ごと崩れて海の底。いやホント、参ったよ」

 だが、一番キツかったのは病院だな。とメナイは一度言葉を区切った。

「病院、でありますか?」
「ああ。帝国からの派遣戦力が入院している棟のな、一角が艦娘用に割り当てられていたんだ。そこに入渠していた各艦隊の艦娘の、特に、タイプ=テンリュウ達だったんだが……」

 メナイが煙草を一息に吸う。吐く。

「……正直、怖かったな。どいつもこいつも井戸少佐のテンリュウなんかよりもずっとひどい損傷で、普通の人間なら立つどころか喋る事も怪しい程の大怪我でも、そんなの知るかとばかりに大暴れしてスタッフ総出で取り押さえられていたのさ。それでも足りずに怪我の少ない艦娘達も取り押さえるのに駆り出されてたな。囚人用のベルトで拘束されて、鎮静剤打たれてようやく一人静かになって、一息つく間もなく次の奴の拘束に向かってさ。今でも耳に残ってるよ。もっと戦わせろ。死ぬまで戦わせろ。って叫びが」
「……」
「だからな。正直びっくりしたぞ。さっきのテンリュウを見た時は」

 もう一本どうだい? と差し出された煙草を辞退し、井戸が立ち去ろうとした時、メナイが呟いた。

「……ところで、君は軍に入る以前――――」
『メナイ少佐、お電話が入っております。至急201号室までお戻りください』

 放送での呼び出しに、メナイが軽く舌打ちする。

「? 少佐殿?」
「ああ、いや。何でもない。すまないが失礼するよ」

 メナイがその場を後にする。何を言われかけたのかと思った井戸だったが、ややあって、自分にもやるべき事が山とあったのだと思い出し、足早にその場を後にした。

『井戸少佐にもお電話が入っております。至急203号室までお戻りください』



 ちょうどその時、那珂ちゃんと大潮は釈放された。

「自由だ――――――!!!」
「シャバの水と光と風の中に向かって全力疾走です!!」

 今日のブイン島は一日中曇り空。ところと時間によりスコールに見舞われるでしょう。植木鉢などは強風で飛ばされないように物陰や屋内などに避難させてください。



 その日の昼、井戸は電話をしていた。

「……はい。確かに凸状刻印でしたし、登録番号も……はい。そうです。そちらのものと一致しました……はい」

 ブイン基地のプレハブ小屋の203号室には、井戸少佐の執務室がある。
 執務室と言えば聞こえはいいが、ぶっちゃけ艦娘達との共同スペースも兼ねているので、1つの執務室ごとにちょっと小さめの教室くらいの広さはある。この基地を設計した奴は小屋の意味を辞書で調べてから出直してこい。
 各提督達の縄張りである部屋は共通規格であるが、艦娘達用の仕事机が人数分と、部屋の奥側に提督用の執務机が置いてあり、その上まで電話回線が引いてあり、やはり人数分の汎用ロッカーが部屋の片隅に置いてあるくらいしか共通点は無い。
 裏を返せばそれ以外は全然違うという事であり、そこが各提督の部屋ごとの個性というものでもある。

「……ええ、そうですね。ですがそれだと明日以降の任務にも差支えがあるのでは?」

 例えば201号室に住まう、オーストラリア海軍のファントム・メナイ少佐の執務室は、長年軍人として生活してきただけあってものの見事、あるいは御美事としか言いようのない程に手入れが行き届いている。だって仮眠用のベッドシーツに10円玉落としたら跳ね返るんだぜ。
 おまけに部屋にある物と言ったら、艦娘『愛宕』を含めた幹部格のシップクルー達の机と汎用ロッカー、そして大入りゴミ箱と掃除用具入れに仮眠用ベッドくらいしか物が置いてない。唯一持ち込まれた私物らしい私物と言えば、メナイ少佐の背後の壁に壁に掛けてある大形タペストリーくらいのものであるが、そこに刺繍されているのが『微妙な笑顔を浮かべている猫の両前足を掴んで勝ち誇ったような顔をしている、二頭身にデフォルメされた少女』と言うのだから笑えない。しかも士気昂揚のためと称して同海軍のZ旗にこれを落書きして、敵味方を大混乱に陥れて二階級降格させられたのだから、そんなのを背中に飾っているメナイ元大佐というのは意外と大人物なのかもしれない。

「ええ、その方がそちらにとっても悪い話ではないと思いますが……左様ですか」

 次にお隣の202号室に居を構える不正規軍人、水野中佐の第202艦隊であるが、はっきり言ってここは酷い。
 ここもやはり机やロッカーなどの共通備品などはあるのだが、これらはすべて隅っこに追いやられており、キングサイズのダブルベッドが1つ、部屋の中央に置いてある。当然枕は二つ、掛布団は1つである。
“お部屋に帰りたくない”とは、202の電および、かつてこの202艦隊に所属していた艦娘達『龍驤』『雷』『暁』『響』らの口癖である。
 ついでに言うと過去のとある作戦で金剛と電以外の皆が帰らぬ艦となってからも、この部屋には6人分の机と椅子があるし、彼女ら四人のシフト表にはずっと『パトロール中』の文字が入っているし、彼女たちの机の掃除を水野が欠かした事は一日たりとて無い。

「……はい。なるほど。では輸送には――――」

 さて、次は203号室こと、第203艦隊総司令官井戸少佐の執務室であるが、井戸も水野中佐と同じく軍人として鍛えられたわけではない、不正規のインスタント――――艦娘式戦闘艦との同調適性値の高低だけで引っこ抜かれてきた者らの意――――だけあって、彼の部屋も大概である。
 提督用の机があって電話線が引かれていて、壁には汎用ロッカーが並んでいるのはいいとして、部屋の中央には艦娘達の作業机の代わりなのか、若干足の長さの違う大きな丸ちゃぶ台が二つ置いてあり、部屋の片隅にはお布団が畳んでおいてあり、その隣には段ボール一杯に山と詰め込まれた何かの書類や古雑誌がいくつも放置してあり、日々の掃除の妨げとなっている。あ、ほら、今日の掃除当番である古鷹が足引っかけた。
 そんな小規模な紙雪崩を起こした書類と古雑誌の中に、一枚だけ様子の違う紙が存在していた。

「チラシ……?」

 興味を惹かれた古鷹が片付けついでにその紙面を読む。



『Team艦娘TYPEからのお誘い:(このチラシは、艦隊運営費や資源備蓄が赤字になった提督への専用のご通知です)

 当Team艦娘TYPEでは、常に新しい被検体を募集しております。採用となった方はその場で赤字運営費の代払い、不足分の資源配給、各種触媒の無償譲渡などを行っております(※1)
 サポート体制も万全であり、どなた様でもご安心してお申込できます(※2)
 あなたもこの実験で生まれ変わってみませんか? 興味のある方、借金や資材の過剰借用で首の回らなくなった方は是非、以下のアドレスもしくは電話番号までご連絡ください(※3)

※1:なお、支払上限はありませんが、支払い目的はあくまで不足分の相殺のみと限定させていただきます。あらかじめご了承ください。
※2:なお、サポート内容は被験者の戸籍の改竄、被験者の回収担当員のアリバイ工作などに限定させていただきます。あらかじめご了承ください。
※3:なお、人体実験の都合上、心身の保証は一切いたしません。あらかじめご了承ください』



「……」

 怪しさ大爆発である。

「ええ、承知いたしました。ではそのように。……はい。はい、それでは失礼します……ん、どうした? 古鷹」
「い、いえ。ちょっとゴミを捨てていただけです」

 危険な汚物にでも触ってしまったかのような表情をしてゴミ箱の中に何かを摘まんで入れていた古鷹を見つけた井戸が、受話器を置きながら尋ねた。

「ところで提督、どなたとお話していらっしゃったんですか? 提督があんな真面目な喋り方をする人なんて、基地司令くらいしかいなかったと思うんですけれど……」
「ん? ああ。お前も知ってるだろ。昨日回収してきた艦コアを浄化処置してるの」

 それなら古鷹も知っている。足りぬ足りぬはどっかの工夫が足りないはずと信じて、備蓄残高がマイナス3ケタという未曽有のストック量になったボーキサイトと、共産主義者も真っ青になりそうな額の艦隊運営費(借入)をどうやって工面するか一日中仕事机の上の端末の前で頭を抱えていた時に、港から地下倉庫に運ぶの手伝えと言われ、嬉々として参加したからだ。
 現実逃避と笑うなかれ。クソがつくほどの真面目さが取り柄な古鷹は当時いい感じにテンパっており、こうなったら夜な夜な街に出向いて○X△な事でもして稼ぐしかないのかと追いつめられていたくらいなのである。

「はい。わたしと同じ、重巡洋艦の型のコアですよね。たしか、コアの刻印は羽黒さんでしたよね」
「そうだ。昨日の戦闘の後に“偶然”見つけてな。損傷はそこまで酷くなかったが瘴気汚染が著しかったので、昨日の騒ぎだ」

 すまんな。突発で浄化槽の掃除と整備まで手伝させて。と井戸は拝むように片手を上げて礼を言った。

「いえ。お気になさらないでください」

 良い現実逃避になりました。と古鷹は心の中だけで付け足した。

「ああ、それでさっきの話なんだがな。どこで知ったかは知らないが、その羽黒の所属先の提督さんから連絡が来たんだ。引き渡しの礼として、運営費の幾らかを払っていただけるそうだ」
「ほ、本当ですか!?」

 古鷹がいきり立って井戸に詰め寄ろうとして、ダンボール箱の中身がまた紙雪崩を起こした。

「落ち着け。兎に角、今日の正午には輸送任務の帰りにブインの近くを通るそうだから、そのままこっち来るそうだ。それまでに桟橋1つでいいから開けとかないとな」

 古鷹が井戸の背後の壁にかかっている時計を見る。
 午前11時55分。
 続けて、入り口脇の壁に引っかけてあるホワイトボードの方に振り返る。

 本日のシフト:203:休み!(※ただし正午から202艦隊が砲雷撃演習を行うので、物資の搬入等は午前中に全て済ませる事)

 井戸と古鷹の目が合う。

 続けて部屋の外から聞こえてくる砲爆撃の音と、遠くから響き渡る第202艦隊に所属する面々の声。

 ――――Hey、提督ゥー! 何か知らない艦隊の娘が一隻紛れ込んでるんですけどどうしマースカー!!
 ――――あれが指示されてた演習目標じゃないんでしょうか……? 司令官さん、どうしましょう?
 ――――目標、敵スカイドン! 撃てぇぇぇぇぃ!!

 井戸と古鷹が同時に窓枠から身を乗り出して叫ぶ。

「「撃つなああああああぁぁぁぁぁ!!!」」

 聞こえるはずが無かった。



 ちょうどその時、釈放された那珂ちゃんと大潮はイモ畑で雑草を抜いていた。

 二人が地方巡業(物資輸送 and/or 輸送艦隊護衛)の合間を縫って丹精込めて育てていたイモ畑は、たったの三日で見るも無残な雑草畑と成り果てていたからだった。
 たかが三日。されど三日。雑草むしりを忘れた真夏の畑を甘く見てはいけない。嘘だと思うなら10×10メートルの1aほどの小さな畑で試しに青首大根でもおナスでも何でもいいから育ててみると良い。死ねるから。

「プロデュ……提督ー! 天龍さーん!! 私のいない間に雑草むしりくらいやってても罰当たらないのにー!!」
「草むしりだって全力疾走です!! それそれ、そーれ!」

 絶望的な作業量に彼女たちの心が折れるまで、あと少し。



 その日の午後、井戸と古鷹は土下座をしていた。

 やっぱりというか予想通りと言うべきなのか、浄化処置の終わった羽黒の艦コアを受け取りに来た、件の提督が乗っていた軽巡洋艦『那珂』が撃沈されかかったためである。所属艦隊を示すエンブレムマークは、炎に包まれたスズメバチと炊飯器。そして燦然と輝く『TKT』の意匠化文字。
 こんな悪趣味なマークを付けた艦隊は、世界広しと言えども一つしか存在していない。

(て、提督、慌てないで。ま、まだああ慌てるようなじじ時間じゃじゃじゃ)
(むむむ無茶言うな。なんでこんな危険人もとい有名人がこんな所来てるんだよ!?)

「我が心の総旗艦の回収と保護、実に大儀であった……と、正直言いたいところだが」

 Team艦娘TYPE名誉会長。

 それがこの重巡『羽黒』のコアの受け取り主の肩書である。
 軍どころか帝国勢力圏で最も怒らせてはいけない連中の筆頭格である。
 そして井戸が羽黒のコアをえぐり取って持ち帰ったのは純粋な善意や好意などではなく、とうの昔に消え失せたと思っていた学術的な好奇心がグングンと湧いて来ていたからである。何せ、あそこまで――――瞳の色が完全に変色し、首から下が完全に――――深海凄艦化していながらも自我がハッキリしている個体(サンプル)など、今の今までお目に掛かった事が無かったからだ。
 どこだ。どこで情報が漏れた。今日一日かけてじっくりデータ取ろうとしていたのに。浄化も終わってゴーストマップまで書き上げたばっかだったのに。メンタルログの吸い出しもまだだったのに。誰かタイムマシンを発明してください。電話口で名前を聞いた時は同姓同名の人物もいるんだなー。などと呑気に構えていた数分前の自分を殺してやりたいので。と井戸は心底思っていた。

「死ぬがよい」

 ――――それなくね?

 井戸と古鷹の心臓が冗談抜きで一瞬止まった。

「嘘だ」

 当の会長は(目以外で)笑って許してくれたが、その隣にて静かに佇み、こちらの一挙手一投足を警戒している艦娘状態の那珂ちゃん(無表情)の姿が怖かった。と、井戸と古鷹はそれぞれその日の日誌にそう記している。お前笑顔と泣き顔以外の表情パターンは仕様上実装されない予定じゃなかったのかよ。とも、後年に発見された当時の井戸提督の日誌には追記されている。
 そんな彼らのやり取りを余所に、元の戦闘艦の姿へと解凍・展開した那珂ちゃん(無表情)の貨物室に件のコアが納められた機密コンテナが搬入され、ベルトロープとフックで念入りに固定される。

「では、確かにお渡しいたしました」
「ご苦労だった。基地に帰って十分休んでくれ……と、言いたいところだが」

 いよいよかと二人が身を強張らせる。そこで一度言葉を区切った提督が、

「……井戸少佐。本当に、本当にありがとうございました」

 名誉会長――――襟元の階級章は大佐だった――――が、一介の少佐風情(土下座なぅ)に深々と頭を下げている。
 かなり異様な光景であった。

「た、大佐殿!? お顔を上げてください! 私どもめなぞには過分に過ぎます!!」
「さ、左様でございます!!」

 井戸より先に古鷹が反応した。井戸よ、お前その娘の上役だろうが。

「いいや。言わせてくれ。あの時私は――――否、我々『世海改竄素敵艦隊』は、あの子一人置き去りにして、逃げたのだ」

 とても凄惨いネーミングセンスだ。と井戸と古鷹は同時に思ったが、顔と口には全力で出さないでいた。

「あの子が殿を自ら買って出たとはいえ、そんなのは言い訳だ。あの時の我々ではどうしようもなかったのだ。だから言わせてくれ。あの子を助けてくれて、ありがとう。本当に、ありがとう」

 会長は、ありがとうありがとうと、ぼろぼろと大粒の涙を流して泣いていた。
 井戸も、古鷹も、何も言えなかった。



 ちょうどその時、釈放された那珂ちゃんと大潮はブイン島唯一の商店街で歌って踊っていた。

「「「урааааааааа! урааааа!! урааааааааарааааааааа!!!!!」」」
「みんなー、応援ありがとー。今のが『鬼神憎帝オチュウゲイン』テーマソングでしたー! 続けて『異剣愚神モノモース』行っちゃう? それとも『愛MY猛攻オチャ=ニゴス』のOPも歌っちゃおうかなー!!」

 何気に選曲が偏っている上にかなり古い。
 帝国本土ではどれもこれも2~30年くらい前に放送の終了したロボットアニメの主題歌だが帝国海軍一部有志の手によって持ち込まれたそれは、娯楽の少ないブイン島や周辺地域では立派な大衆娯楽の一つであり、現在進行形で絶賛大放映中の番組である。
 無論、那珂ちゃんによる今回のゲリラライブもまた立派な娯楽であり、帝国海軍による正式な宣撫活動の一環なのでもある。

「「「урааааааааа! 那珂チャンурааааааааа!!!」」」

 商店街の仮設ステージの上の那珂ちゃんのダンスに合わせて、大潮が部分的に『展開』したスピーカーから大音量のBGMをガンガンに掻き鳴らす。

「おっけー! それじゃあいっくよー!『たたかえぼくらのE.G.F.マダー?』!!」

 お捻り代わりのジャガイモやトウモロコシ――――トマトや生卵じゃないだけ肯定的であるはずだ。たぶん――――がステージに投げ入れられる中、大潮のBGMのテンポと音量が更にアップされる。
 ノリにノってる観客達も一斉に唱和しだす。


\\\あーおいこのうみまっもるためー、えーばーぐりーんよしゅっつどうだー♪///


 歌って踊れる艦隊のアイドルの本領発揮である。




 その日の夜、事務仕事を終えた(※翻訳鎮守府注釈:古鷹に全部押し付けて泣かせた と読みます)井戸は、机の引き出しの二重底の那珂に隠してあった酒瓶を2つほど選んで取り出し、再びドライドックにその足を向けていた。朝の天龍との約束を果たすためである。

 船底装甲の全てを取り外され、剥き出しになっていた新しい竜骨ユニットをスパナでガンゴンと叩いて異常音が無いかを確かめていた整備班長殿に断りを入れ、差し入れとして持ってきた酒瓶を近くの整備員に持たせると、整備の丁稚連中が忙しげに行き来するキャットウォークを伝って天龍の甲板に乗り込み、そのまま中に入って艦橋へと進んでいった。

 外から入ってくるライトと非常誘導灯以外の明かりが存在しない、薄暗い艦橋の艦長席に座ると同時に、薄ぼんやりとした灯が灯った。
 続けて、どこか拗ねたような天龍の声も。

【遅かったじゃねぇか】
「いいのかよ、今通路で電装系のチェックやってたとこだぞ」
【いいんだよ。今使ってんの非常用の独立電源だから。バレやしねぇよ】

 そうか。あとで整備班長殿に何言われても知らんぞ。とだけ言い、艦長席のシートを最大限に後ろに倒す。
 途端、今まで押し隠していた疲労が吹き上がってきた。

【何かいい事でもあったのか?】
「どこをどう見りゃそんな感想が出てくるんだよ。死ぬほど疲れた一日だったに決まってるだろうが」
【や、だってさ】

 すげぇ笑ってるじゃん、今。と天龍に指摘されて、そこでようやく井戸は、己がどのような表情をしているのかに気付いた。

「……あー。如月の肩がまた外れた。電が畑脇の肥溜めに片足突っ込んで泣いて帰って来た。ボーキが足りねぇつって赤城がメナイ少佐の艦隊に自分の燃料売りに行った。那珂ちゃんと大潮が持ち帰った材料でカレー作ったら燃料不足で腹空かせた赤城に全部喰われた。古鷹はまだ仕事やってる。俺がTeam艦娘TYPEのお偉いさんに目ェつけられた」
【ぅゎぁ】

 思い出すだけでも嫌になる事が満載の一日だった。
 だが、

「けどよ――――」

 誰も死ななかったし、出撃も無かった。

「すげえいい日だったよ」
【……みたいだな】
「……」
【……】

 しばしの沈黙の後、艦長席に寝そべる井戸から微かに寝息が聞こえてきたのを確認した天龍は、照明を落として艦内暖房をタイマー付きでONにし、整備班長殿にどやされる前に今度こそ完全に動力炉の火を落として眠りについた。

【おやすみ】

 目覚まし用のブートタイマーをセットし忘れた事に気づいていなかった。







 本日の戦果:

 ジャガイモ60kg    ×1箱
 ニンジン        ×いっぱい
 ピーマン        ×たくさん
 タマネギ        ×ごろごろ
 トウモロコシ      ×ぽいぽい
 生卵          ×ぐちゃー(破損のため可食不能)
 トマト         ×べちょー(破損のため可食不能)
 米俵          ×一俵
 カレールー       ×どばー
 ボーキサイト      ×250単位

 各種特別手当:

 大形艦種撃沈手当
 緊急出撃手当
 國民健康保険料免除

 以上




 本日の被害:

 軽巡洋艦『天龍』:中破(入渠中)
   空母『赤城』:小破(食べ過ぎ)
  駆逐艦『如月』:小破(左右兵装保持腕脱臼)
  駆逐艦『電』 :健在(脚部ユニット完全洗浄済み)
 重巡洋艦『古鷹』:健在
 軽巡洋艦『那珂』:健在
  駆逐艦『大潮』:健在

 各種特別手当:

 入渠ドック使用料全額免除
 各種物資の最優先配給

 以上



 本日のNG(没)シーン
 ぼくのかんがえた、とってもかっこいいうみのおふね(1)


 オーストラリア海軍所属 第五世代型超弩級狙撃通常戦艦『ストライカー・レントン』

 ブイン基地所属のファントム・メナイ少佐および彼の秘書艦『愛宕』(同少佐はハナと命名)が乗る、事実上の201艦隊の総旗艦。現在では唯一竣工している第五世代型の通常戦艦であり、艦娘式戦闘艦や深海凄艦の存在を除けば、地球最強の高速戦艦でもある。
 タイコンデロガ級大型空母を母体とし、飛行甲板上に同艦とほぼ同じサイズの海水冷却式の巨大な熱光線砲を装備しているのが最大の特徴。
 後先を考えなければその最大有効射程圏は月まで届き、空気抵抗や気象条件などの諸々の要素を省けばその精密狙撃能力は、月の表面に愛合い傘を描けるほど。


 今度こそ終れ。


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