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No.3855の一覧
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[3855] 銀凡伝2(逆襲篇)
Name: あ◆2cc3b8c7 ID:95e0420a 前を表示する / 次を表示する
Date: 2008/12/30 23:53

辺境星系の治安回復に勤しむ同盟艦隊に
敗北と後退を強いられつづけた帝国軍の逆襲が遂に始まろうとしていた



■帝国の逆襲■


これ以上の表面上の苦戦を継続すれば防衛総司令官の任を解かれる可能性があるため
同盟軍の補給物資を枯渇させるまで待つことは叶わなかったが

同盟軍による無謀な占領地拡大作戦によって
兵力は分散され各個撃破の絶好の好機となっていた

また、混乱の極みにある辺境星系の治安回復に謀殺されている
同盟将兵の疲労は小さくはなかった。


機は既に熟していた


■■


「ロイエンタール、ミッターマイヤー!!卿等には中陣に位置する艦隊の
 撃破を命ず!共同して撃つも個々に撃つもよし、全て卿等の裁量に任す!」

『「御意!」』


双璧に命令を出したラインハルトは続けてケンプやワーレンといった
元帥府傘下の艦隊提督たちに次々と命令を下していく


そして、全ての命令を伝え終えたラインハルトは
居並ぶ諸将をその豪奢な金髪を揺らしながらゆっくりと見渡し
覇気に満ちた声で決戦に臨む決意を高らかに述べ上げる


「今回の叛徒による侵攻に際し、私が立てた戦略が看過されたのは事実だ
 それ故に、多くの帝国臣民に犠牲を図らずも強いる事にもなった
 いま我等のすべき事は叛徒を速やかに排除し、辺境の住民を救済する事である
 これは、辺境住民から失われた帝国への忠誠を再び蘇らす為に必要な措置でもある」


この自らの過ちを潔く認めるラインハルトの高潔さに
提督陣の多くは深く感じいり、ビッテンフェルトなどは
崇拝に近い視線を若き覇者に向けていた


ただ、辺境の惨状については帝国の統治下から離れているため
『大変な事になっている』程度の情報しか彼等に齎されておらず

映像付きで克明な情報が彼等に届けられていたら
もっと別な評価が下されていたかもしれない


そういった意味で同盟侵攻作戦開始前後に登用された
義眼の参謀が行った情報統制の意味は非常に大きなものであった

彼はこの時代において情報の重要性を最もよく理解している人物であり
しばしば、その情報を秘匿する姿勢を批判されることがあったが

辺境から届けられる悲鳴を意図的に遮断し、軍の動揺を防いだ功績は大きく
帝国軍は開戦前から罪悪感によって戦意を減退させているといった
醜態を晒すことを避ける事が出来た


もっとも、一部の気付いた者達には、より大きなしこりを残す事になるが



■早すぎる決裂の予兆■


『キルヒアイス、お前にはケンプと共にあのヤン・ウェンリーを押さえて貰う
 俺はヘイン・フォン・ブジンを討つ!今度こそ貯まった負債をアイツに返してやるぞ』

「はい、ラインハルトさま・・」


不自然ほど上気した声でキルヒアイスに語りかけるが、
親友から返された返事はいつものように明瞭なものではなく
どこか気が抜けたようなものであった




『どうしたのだ?やはり辺境で民衆に犠牲を強いる事になったのが・・・
 キルヒアイス!勝つためだったんだ!!俺とて望んだわけではない!!』

「分かってはおります!ですが、納得・・納得できないのです!!」



キルヒアイス自身も分かっていた。
これが子供っぽい正義感、潔癖性から沸く感情に過ぎないと

自分は誓ったのではなったか?目の前にいる金髪の主君、
親友と共に宇宙を掴む為にどんな道も歩んで見せる決意したはずと

だが、彼自身が生来持つ道徳観が親友の取った行動と
なにより、その重すぎる結果を許容するのを阻んだ


一方、ラインハルトにも言い分があった
自分とて望んだ結末ではないし、キルヒアイスと同じかそれ以上に後悔していると

また、ラインハルトにはもう一つの些か稚気じみた感情もあった
『キルヒアイスだって結局はこの作戦を受け入れたではないか』という思いである

そう、全てはキルヒアイスに対するラインハルトの甘えから来る感情であった
キルヒアイスなら自分が犯したどのような過ちも、共に背負い許してくれるという


ほかの者には絶対に抱かないであろう幻想を
赤毛の親友についつい抱いてしまったのだ

そう、そのような過ちを犯すほど自らが起こした惨劇に彼も動揺していたのだ



両者の間に深く濃い染みがじわりと広がっていく

そして、惜しむ事にその染みが拭われる機会は
ノックと共に入室した義眼の参謀長によって永遠に失われる事になるのだが
それは、もうしばらく先のことであった。


『閣下、裁可を頂きたい案件が2件程あるのですが、よろしいでしょうか?』
『構わん、キルヒアイスお前も出陣の準備もあるだろう。話はまただ』


「了解しました。ローエングラム元帥閣下・・・」



■もうひとつの・・・■


どちらが敵の中陣を先に撃破するかロイエンタールと賭けをした
ミッターマイヤーと艦隊メンバー達は慌しく出陣の準備に没頭していた。


そんな喧騒の中、一人だけ緩慢な動きで歩いている士官を見つけたミッターマイヤーは
一言注意をしようと颯爽と近づくと、直ぐに自身の勘違いに気が付いた


「なんだ、ケスラー中将ではないか?卿は艦隊の再編で出撃はしないのでは無かったか?」

『いや、卿の言う通りで今回は出番が無く暇をしている
 いまは情けない事にその暇つぶしの散歩中というわけだ』


ケスラーが暗に緒戦の敗北を自嘲しているのを察したミッターマイヤー
誰が同じ立場であっても、ヘインの規格外の侵攻に対応など
出来なかっただろうと不運な僚友を慰めると共に、少々強引に話題の転換を図った


「そういえば、卿の知人も辺境にいるそうではないか心配であろう?」
『いや、伯が作戦を決定した時よりこうなる日が来ることも覚悟はしていた』


いつものように僚友がローエングラム伯ではなく『伯』とよんだ点が
些か引っ掛かったミッターマイヤーは躊躇いがちに年長の僚友を問いただした


「やはり卿はローエングラム伯の作戦に反対であったか
 いや、俺がもし卿と同じ立場であったらと考えると・・・」

『勘違いされるな。伯をお恨みするのは筋違いであること位は弁えている
 発端は私が不甲斐なく破れ、叛徒の無謀な戦意を落ち着けたことが原因
 それに、まだ知人に何かあったというような報せすら届いていない状況だ』


若干不安そうな顔を見せる年少者を安心させるためか
ケスラーは『卿は少々心配性過ぎる。禿げない様に気をつけた方がよい』と
笑えない冗談を言いながら宇宙軍港を後にする


その後姿を見ながら、ミッターマイヤーは自分の不安が杞憂であった事を喜ぶと共に
『育毛剤をかった方がいいのだろうか?』という別の深刻な問題を抱える破目になる




『ミッターマイヤー中将・・、単純そうに見えて存外鋭い男だ。だが、若いな
 言葉にしたことが本心や事実であると限らない。それが分かってはいても
 まだ理解できていない。だが、その若さゆえの過ちを今は羨ましくさえ思える』



叛徒に対する正義の報復に燃えるミッターマイヤー艦隊を遠目に見やりながら
ケスラーは自分の業の深さを自嘲していた。

彼は知っていた情報が届かないことの意味を
最悪の状況だからこそ、辺境からの情報が意図的に途絶えがちになっているのを
既に自分の大切だった知人が、この世にいないことも




■休息の終わり■


緒戦の同盟軍のお株を奪うような急襲を
帝国軍は無防備にも兵力を分散した同盟軍に行った。

同盟の中陣に位置する第9艦隊のアル・サレムと第7艦隊のホーウッドには
帝国の誇る双璧が猛攻を仕掛け、ホーウッドは戦死にアル・サレムは重体と
ほぼ壊滅的な打撃を与える事に成功する。

また、ヤン率いる第13艦隊にはケンプ、続いてキルヒアイスが立て続けに攻勢を仕掛け
さしもの魔術師も被害を最小限に抑えて後退することしか出来なかった。

その後、大勝した双璧とヤンを退けたキルヒアイスとケンプは
残るアップルトン、ビュコック、ルフェーブルの艦隊にも急襲を仕掛け
後退に後退を重ねると言う苦汁を舐めさせられていた


そんな情勢下においては最前線に位置する第10、11両艦隊と
その僅か後方に位置する第12艦隊も帝国軍の猛撃から逃れるというわけにいかず
死闘という名の望まぬダンスを踊らされようとしていた。



■■


ようやく、ここら辺りの星系は安定してきたなぁ
まぁ、ケスラーから分捕った物資がたんまりあって正直かなり助かってるな
医薬品とか衛生用品が不足しなかったってのは非常に大きかったみたいだ


野晒しの人や家畜の死体から湧き出た蛆が孵化して
病原菌をばら撒いて被災して抵抗力の弱まった人達を蝕むってのは
結構古来から良くあることって医療班の人が言ってたからな


近くの第11や第13と煽ったお詫びとして第5のじいさん所にも
余剰分の医薬品とかを送っといた効果か、そこらへんの艦隊の駐留地域では
疫病はまだ蔓延して無いらしい。


もっとも、送れなかった地域では同盟軍兵士にも疫病が流行するほど
衛生状態は悪化しているらしい。もう既に目に見えない敵に負けてる時点で
撤退するべきだと素人でも思うんだけど、ふぁびょってるフォークは
相変わらず聞く耳は無しのようだし、困ったもんだ


『いや、困ったもんだじゃないだろ?いつまでも物資が持つ訳でもなし
 各個撃破危機に晒されている現状からはなにも変わってないんだぞ!』


まぁ、落ち着けアッテンボロー、焦った所で事態がよくなる訳でも無し
お前もこの畑の野菜たちを見て心を癒せ!農業はいいぞぉお!!


『中将!!みてみてぇ~♪こんな大きな大根と株がとれましたよ~』


おお!凄いな!!今日はその大根と株で味噌煮でも作って食べるか!
そんで、その後はお前が食べたいなんつって~






『ヴァイト、哨戒の方はお前に任せる。可能な限り索敵範囲を広げてくれ
 E・コクドー、敵の通信傍受だけでなく、味方の動向についても一層の注意を頼む
 キーゼッツ副司令には現地点からイゼルローン要塞総司令部までの撤退ルートの
 複数選定と併せて第10艦隊との共同戦線時に置ける艦隊運用の調整をお願いしたい』

「『了解しました』」


農業に精をだして人目を憚らずイチャイチャする馬鹿二人を
賢者のような冷めた目で見やりながら
アッテンボローは自分ってこんな苦労キャラだったか?と
自問自答の闇へと深く堕ちていった


そんな若者達を日向で微笑みながら見つめるキーゼッツは
アッテンボローの依頼をこなすべく急に立ち上がったのが災いし
立ちくらみを起こすと、そのまま倒れて丸太の腰掛で頭を強かに打ちつける

久々にソットー・キーゼッツここにありと示した日であった




■黒猪が一匹・・・えっ?■


大賢者アッテンボローのがんばりも有ってか
第10、第11の両艦隊は帝国軍の攻勢を比較的早く察知することが出来
駐留星系からの離脱と臨戦態勢を万全に整えることができた。

ヴァイトにコクドー、魔法使いの卵だけはあって実に出来る子達である
彼等に出来ないのは彼女だけである


■■


うひひひ、とりあえず今回は余裕なのだ!!
何故だって?超絶無敵のヘインさまが俺TUEEE!!するからに決まってるじゃないか?


『やけに余裕そうだなヘイン?なにか策でもあるのか?』
「ふっ、俺が余裕を失ったことが一度でもあったか?」

『いや、しょっちry「全艦艇戦闘準備!!怖れるな、諸君にはこの俺が付いている!」


う~ん決まったね!!俺、今最高に輝いてるぜ!!
それもこれも涙目確定の黒猪さんのお陰だぜ!!!

ぼろぼろのウランフ艦隊に半数も逃げられた雑魚黒艦隊に対して
こっちは補給も万全の超元気のガチムチ状態のウランフ艦隊に
俺の艦隊を併せた二倍の二個艦隊!!PARつかってスライムふるぼっこするようなもんよ!


『敵艦隊識別、黒色槍騎兵!?敵、黒色槍騎兵艦隊です!!』


もう、ヴァイトちゃ~んったら~、全然余裕余裕!
今のビッテンちゃんに贈るとしたら驚きの言葉じゃなくて


ビッテン涙目ぇええww!! m9(^Д^)プギャー とかだろ?



『左翼にメックリンガー艦隊確認!!』
 あ~、はいはいインチキおじさんねって、えっ???あれれのれれれのらりるれろ?



『さらに後方にブリュンヒルト!!総旗艦ブリュンヒルトです!
ローエングラム艦隊急速接近!!敵総数およそ50,000隻です!』


あばばば、あびゃば、あびゃあばばば・・・・





ヘインがいつもの如く盛大に余裕を失っているのを尻目に
ラインハルト率いる三個艦隊約50,000隻は第10、第11艦隊に向けて整然と前進し
戦力差を最大限に生かす正面決戦を仕掛けようとしていた


そんな原作と全然違う予想外の展開に顔真っ青なヘインに届けられる
報告はE・コクドーの嫌がらせかと言いたくなるほど悲惨な物ばかりであった


『後方のボロディン中将率いる第12艦隊は敵二個艦隊の襲撃を受けている模様
 未確認ながら敵指揮官ワーレン、ルッツ両中将の模様、また更に後方の中陣
 第7艦隊及び第9艦隊は既に敵に撃破されつつあると、亜光速通信が届いています』



もはや退路すらおぼつかない絶望的な状況に
もうヘインのライフポイントは0ではなく、戦意は0になっていた


既に戦う前から敗色濃厚全開な状態のヘインであったが
そんな状況は日常茶飯事と化しているため第11艦隊にはまったく同様の色は無く

そして、第10艦隊もまた激戦を潜り抜けた歴戦の兵士が多く
圧倒的な不利な状況にあっても臆病風に吹かれるものは皆無であった


なんどか自身に煮え湯を飲ませたヘインを今こそ屠らんと燃えるラインハルト
約一名を除いて全く動揺のない第10、第11両艦隊・・・


帝国の優位は揺るがないが、戦局展開次第ではどちらに転ぶか分からない
そんな緊迫した死闘の幕が遂にあがろうとしていた


・・・ヘイン・フォン・ブジン中将・・・銀河の小物がさらに一粒・・・・・

               ~END~







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