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No.38511の一覧
[0] 【魔法少女まどか☆マギカ 杏さや】あなたと・・・[ジェネシック](2013/09/18 00:09)
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[38511] 【魔法少女まどか☆マギカ 杏さや】あなたと・・・
Name: ジェネシック◆7fef46e0 ID:8aa0e3dc
Date: 2013/09/18 00:09
誰一人と死なずにワルプルギスの夜を倒した、そんなハッピーエンドを迎えた世界の、魔法少女達の物語。










「なあ、さやか。」

「何よ、杏子。」

「明日は土曜日だしさ、もし・・・良かったらで構わないんだけどさ、どっか遊びにいかねえか?」

「急に言うわね。まあ暇だから別にいいけどさ。でもあんたから誘うのは珍しいわね。言っとくけど食べ物は奢れないからね。」

杏子が遊びに誘ったのは、食べ物が目的では無かった。
数日前にさかのぼる。










「久しぶりね、あなたから相談を受けるなんて。いつぶりかしら?」

「マミならこういうこと分かるんじゃねえかなって思ってな。この際だから単刀直入に言わせてもらう。アタシ、好きな人が出来たんだ。」

マミは盛大に紅茶を吹きこぼした。

「これは大事件ね。恋の相談なんて、予想の斜め上を言ってたわ。で、どんな人を好きになったの?」

杏子は臆面なく「さやかだ。」と答えた。

マミは紅茶でむせた。

「ゴホッゴホッ。・・・思ったより重い話になりそうね。本当なの?」

「ああ、さやかのことを思うと、こう、ドキドキするんだ。頭が煮えたぎっちまいそうになる。」

杏子は顔を赤らめてうつむいていた。

「アタシにも分かるさ。これが異常だってことくらい。でも、どうしようも出来ねえ、さやかが好きで堪らねえ・・・」

マミは静かに聞いていた。

「・・・そう、ならいっそ言えばいいじゃない。私はさやかちゃんの事が好きです、って。」

杏子は顔を真っ赤にしながら答えた。

「ばっ、そ、そんなこと、出来るわけねえじゃん/////だから相談にきてんだろ!そんなに軽々しく言えたら相談してねえよ!」

そんな必死な杏子をみて、マミはある2枚の紙を差し出した。

「これはここら辺に出来たばかりのテーマパークのフリーチケットの2枚組よ。懸賞で当てたけどこれでさやかとデートして告白しちゃえばいいじゃない。私が持ってても使わないしね。」

そんなマミに対し杏子はぐうの音も出なかった。

確かに、告白してしまえば楽かも知れない。でも気持ち悪がられるかも知れない。

それでも杏子は自分の気持ちを抑えきれず、今に至る。

そして土曜日。待ち合わせの公園に杏子は10分前に着き、悶々とした時間をすごいていた。

「お待たせー。結構待った?」

「いや、全然待ってねえよ?んじゃこれから遊園地にいくぞ。・・・ほら」

杏子は2枚組のチケットのうちの1枚を差し出した。

「これってここら辺でできた新しい遊園地のチケットじゃん!・・・本当に良かったの?私とで。2枚しかないんだよね?」

「べ、別にアタシが決めたことだから、その、心配するな。」

「そ、じゃ、楽しんでいこー!」

さやかが元気はつらつと歩み出した。

杏子にはさやかの私服姿は新鮮で、その目には美しく見えた。

そのせいで杏子は自分の顔が赤く、熱くなっていくのを抑えきれなかった。

幸いさやかは後ろを向いていて、赤面した姿をさらすことにはならなかった。

数分後、2人は遊園地にたどり着いた。

「これは、相当でかいな・・・」

「遠くで見ていたけど、これほどとはね・・・」

杏子がマミから聞いた事前情報によると、県でも最高レベルの大きさを誇るらしい。

「じゃあ、早速はいるか。」と杏子。

「そだね、はいろっか。」とさやかが続く。

園内に入って杏子はさやかに「さやかは何に乗りたいんだ?」と、尋ねた。

「うーん、じゃあこれに乗ろう♪」と指差したのは特大のジェットコースターだった。

「あ、あれか・・・?」「そう!あれ!」と怖気づく杏子に対し、さやかは意気揚々としていた。

そのままの流れでジェットコースターに乗ることになった2人。

「お、おい、滅茶苦茶高くなってねえか?」

「あれぇ~、もしかして杏子、高いとこ駄目なの?」

「わ、悪かったな。そうだよ・・・」

「へぇ、杏子にも可愛いところあるじゃん♪」

「//////別に、あ、アタシは可愛い訳じゃなあああああああああああ!!!!!」

突如、コースターは落下し、急加速していく。

「いやっほおおおおおおおおおおおおい!」

「きゃああああああああああああああああ!」

前者はさやか、後者は杏子である。

――――――――
――――――
――――
――




「最後の三連続回転はすごかった~!さすが県内最大級の遊園地なだけあるわ~♪」

「・・・・・・・・・・・」

「にしても杏子ってば、あんな可愛い声出るんだな?きゃあああってw」

「や、やめろ!つ、次いくぞ!」










「次はこれか・・・」「うん、これ!」またもやさやかが指差した場所は、幽霊屋敷だった。

なんでも、優秀なエキストラと脚本家が売りらしい。

おどろおどろしいスタート地点をくぐると、そこは地獄絵図だった。

「わ、私は、ゼンゼンコワクナンカナインダカラネ。」

「説得力ねーぞ、おい。」

前者がさやか、後者が杏子である。形勢逆転となる。

「ひぃい~、杏子ぉ~!」

さやかは飛び出してきたゾンビをみて、咄嗟に杏子の腕にしがみついた。

さやかの胸の柔らかさと、体温が腕から伝わってくる。

途端に杏子は顔が赤くなる。

「ちょ/////さやか////何やってんだよ////」

「いいじゃん、だって怖いし・・・・」

「う、うぅ・・・」杏子は言い返すことも出来ずに、しがみ付かせるだけしがみ付かせた。

――――――――
――――――
――――
――

「ああ~怖かった・・・。」

「ったく、可愛いのはどっちだよ・・・」

「え?今なんて?」

「別になんでもねーよ!、つ、次!」










「ふぅ、もう昼時だな。」

「あ、なら私弁当作ってきたよ。さやか様の特別弁当~♪一緒に食べようよ♪」

「え、い、いいのか?これ////」

「奢りはしないけど、これくらいならいいよ。」

弁当の中身はハンバーグ、ポテトサラダ、野菜炒め、おにぎりが入っていた。

「そ、それじゃ、その////アタシに・・・・・あ、ん・・・・し・・・・て・・・・」

「え、何だって?」

「べ、別になにも!・・・ったく鈍感。」

「それじゃ、気を取り直して、」と杏子。「「頂きます。」」杏子はまずハンバーグを食べた。

(さやかの手料理・・・~~~~~///////)

「どう?おいしい?」とさやか。

(緊張して味がわからねえ/////)と内心思ったが、

「お、おう。すげえうめえよ。」

「それなら良かった♪ちょっと失敗したかなって思ったんだよねそのハンバーグw」

「さやかてめっ!」

「あははははw」










そして2人はメリーゴーランドやゴーカートに乗り、最後に観覧車に乗ることになった。

「すっかり夕方だねえ。楽しかった~。」

「おう」(告白するなら、これが最後で最大のチャンス。2人きりの個室なんて緊張しちまうが・・・!)

「なあ、さやか。さやかはアタシのこと、好き・・・?」

「うん、まあ、好きだけど?」

「違う、違うんだ。アタシ、その・・・さやかのこと、恋愛対象的な意味で、好き、なんだ・・・//////////」

「え?・・・・冗談にしてはきついよ・・・」

「冗談なんかじゃねえ、この世で一番好きなんだ、さやかが。・・・・・・・・・・気持ち悪いよな、こんな、女同士でさ。」

その時、杏子の目から大粒の雫がぽたぽたと、こぼれた。

「正直、自分でも驚いてるよ、杏子が私のこと好きって、そういう対象で見られてることが全然嫌じゃないんだ。・・・・むしろ、嬉しい、って、
思っちゃう。・・・・私たち、気持ち悪い者どうしだね・・・/////」

「ありがとう、杏子。//////私も、好き、だよ/////」

杏子はその場で泣き崩れた。さやかはそれを受け止め、2人は抱きしめあう形となった。

「なあ、さやか、キス、してもいいか////?」

「え!?・・・・・・うん//////」

2人の唇はゆっくり、少しずつ近づき、そして2つの唇は重なりあった。

初々しく、僅かな時間だったが、彼女らにとっては濃厚で、長い、甘美な時間となった。

観覧車から降りる時、2人の手はいわゆる「恋人繋ぎ」をしていた。










「お幸せにね、2人共。」とマミは物陰から呟いた。   END


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