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No.38346の一覧
[0] 御神苗優「ダンジョン高校・・・・・・」[クラララ](2013/08/26 11:19)
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[38346] 御神苗優「ダンジョン高校・・・・・・」
Name: クラララ◆94f6194f ID:409a627f
Date: 2013/08/26 11:19

「山本さん、スプリガンの任務も大事なのはわかるけど俺の大学生活のこともちったぁ考えてくれよ。で、今度の任務はなんだ。」

一人の精悍な青年がそういった。年の頃は、19歳から~22歳ほど。本人も言っている通り、本来なら平日の昼下がりならば大学に通い真面目に勉学に励んでいるところだ。
今いる場所は、どこかの企業の応接室といったところ。彼と対峙しているのは、中年に差し掛かったがまだまだ働き盛りの雰囲気を漂わせた温厚篤実という言葉が似合う山本さんと言われた男性だ。

「ハハ、悪いな優。こちらも仕事なんだ。我々アーカム財団のS級エージェントである以上仕方ないだろう。最も、大学の欠席日数が任務で多いことは本当にすまない。」

本当に悪いと思っているように山本と呼ばれた男は謝った。しかし、その口調の中には険しい意味合いが込められている。
スーツを纏いサラリーマンといった風情だが、サラリーマンが出せるものではない。
ビジネスというある意味経済戦争で死力を尽くして戦おうとも民間人が出せるものではなく、むしろ軍人や傭兵を思わせる。

そもそも、任務という言葉がおかしいのだ。アーカム財団とは、現在では隠遁し、隠遁する以前からも姿を世間に決してあらわすことがないという謎の大富豪T・F・アーカムが作り出した超古代多国籍企業だ。その経済的・政治的影響力は、第二のロックフェラーとも呼ばれ影の支配者と陰謀論者は言っている。

とはいえ、あくまで一般企業なのだ。任務という言葉は、企業には似合わないし仕事のことを表すのだとしても一介の大学生に任せるには似つかわしくない。
アーカム財団を影の支配者という陰謀論者は、ある意味では正しい。PMC(民間軍事企業)という形で、金銭的な利益を目的に特殊部隊経験者などが運営することが多い傭兵派遣業という形で、民間企業でも直接的な殺人をビジネスとする形で武器を持つ企業が存在するように昨今ではなっている。
アーカム財団も武装した軍隊経験者などからいる兵士を保有している。ただし、あくまで非公式にだ。

私兵と言われれば、それまでだがアーカム財団が兵を持つのは彼らなりの理念があるからだ。
世間には決して知られることのない裏の世界での戦い。アトランティスやレムリア、ムーそれ以外にも種々のものが表の世界でも知られている超古代文明。
これら超古代文明は、一般にはばかばかしい存在と言われているが実在する。
それも現代をも超える高度なオーバーテクノロジー、重力制御による飛行や次元を操る技術、既存のスパコンを上回る性能を備えたコンピューター機器、核融合をも超えるエネルギーの発生装置・・・・・

これらを純粋に人々のために使えば、人類は飛躍的に発展するだろう。しかし、強すぎる力は争いを呼ぶのが世の常。
ある超大国は、超古代文明のオーバーテクノロジーを独占し軍事的な優位性を保つために。

トライデントという軍産複合体、死の商人は新しい兵器を開発し戦争ビジネスによる儲けを得るために。

あるものは個人的な戦争の悲惨さから人類を滅ぼすために。

古代文明の遺産、それを手にするための血みどろの争いが繰り広げられてきた。それに巻き込まれ、犠牲になったものは軍民とわず数知れない。
そんな絶望の戦いの中、かつて高度な技術を持ちながらも自身の愚かさから滅亡した古代文明の内の一つ、後世のものに自分たちの技術を悪用され同じ轍を踏まれたくないと節に願ったものがおり、その文明の遺言に従い古代文明の遺産の悪用を防ぐために行動するのがアーカム財団だ。

勿論、彼らとて全能の存在ではない。絶対的な正義などありはしないように彼らとて古代のオーバーテクノロジーを企業体として自社利益のために使用しようともくろむものはいないわけではない。
また、彼らも結局のところ殺人者と非難されるべき存在であるかもしれない。
それでも彼らアーカム財団は、遺物の悪用を防ぐために戦い続けている。

「で、今回の任務はなんなんだ。」

「優、今回の任務はアーカム財団も完全に遺物があるかどうか把握しきれていない。そのため、お前には今回は現地に情報通りに異物があるかどうかチェックしてもらいたい。
場所は、日本国内にある四国沖のゲンゴロウ島だ。」

山本は、青年―御神苗優に対して任務の説明を始めた。大学生の青年に対して、任務を任せるのは早いと言われるがかつて某アニメでいっていたように「古来より子供が戦場で戦った例はある。」だ。
アフリカでは、かつての欧米列強に伴う支配によって国境線を自然に沿って決めるのではなく支配しやすいよう対立している民族同士を無理やり一つの国として国境を定めたことや、国内での貧困、アフリカの土壌に眠るエネルギー資源といった利権で内紛が起きている国は多い。
元々アフリカは貧しい地方と言われているが、そのなかでも内紛が起きているのは小国だ。

当然ながら、小国で内紛を起こしていれば元々人口数の少ないところなのだ。絶対的な兵力数は不足してしまう。それの解消に、アフリカで内戦を行っている国は少年兵を採用している。
現代は銃の威力反動も抑えられ、ある程度の年齢であれば子供でも銃を使えるし、何より子供だ。
子供はまだ精神的な成熟の過程にあり、暴力を使って脅しつければ素直に言うことを聞く。大人であっても暴力を使えば、そうだが精神的な成熟を経ている大人であれば反逆の危険も大きいし、命を失う事態になれば躊躇してしまう。
それよりも暴力でたやすく支配でき、命を失う危険であると恐れることなく飛び込む少年兵が兵士として使う上で最適なのだ。

実際的な損害はなかったとはいえかつて第二次世界大戦当時の日本軍は自爆攻撃さえもアメリカに行った、それと同じで自爆覚悟でも突っ込んでくる少年兵は侮れない存在だ。
勿論、集団での自爆同然の攻撃だけでなく純粋に技量の高い少年兵もいるだろうが、御神苗優はそれらの引けではない。

アーカム財団が保有する兵士の中でも数が少ないS級エージェント、コーンウォール地方に伝わる遺跡を守る妖精スプリガンの通称を持ち10代でありながら最強のエージェントに君臨した男。裏の組織のブラックリストには、確実に載っている存在。
さらにそれよりも下の小学生のころにさえ、圧倒的な戦闘能力を持ち自身が仕立て上げられた米軍特殊部隊COSMOS(チルドレンオブソルジャーマシンオーガニックシステム)を壊滅にした男。

COSMOSとは、米軍の特殊部隊構想の一つで薬物を使い感情機能を麻痺し戦闘で常に合理的な判断を持つ武装集団をつくるというもので、殺戮エリートとなるべき幼少期からの教育をもくろみ小学生にあたる年代の子供を拉致した非人道的な存在。
今は壊滅しているが、スプリガンにとっても脅威となった部隊。
年若いといっても決して弱い存在ではない。


「ゲンゴロウ島?ああ、大分前に今までの様式と異なる遺跡が発見されたって大ニュースになったところか。だけど、発掘調査隊が言ってたんだろ。アーカムが完全にノータッチなんだから超古代文明の遺跡が見つかったら今頃大騒ぎに。」

アーカム財団を初めとする超古代の遺物の存在を知っているものは、その存在を秘匿しようとしている。宇宙考古学者、いわゆる地球にある文明が宇宙人由来ではないかという学派などは真面目に研究をばかにされながらもやっているが、真実に近づこうものならば場合によっては最悪殺されるか、圧力をかけられ研究を公表できなかったり拘束されることもありうる。
とはいえ、まともな調査隊が組まれメディアに注目されているような場所なら存在が露呈してもおかしくはない。
最もその場合も情報操作によってもみ消し工作が行われるだろうが、いずれにせよもっと情報が回ってきてもおかしくない。

「ゲンゴロウ島にある遺跡は、おそらく遺跡発掘に伴って休眠中にあった遺跡が活動を再開したものだ。覚えているか優、以前お前が出向いた幽霊島と同じく現在でも遺跡が活動中のものだ。」

幽霊島。幽霊島とは、かつて御神苗優が関わり破壊した遺跡だ。隕石の衝突のような生物大量絶滅の危機やはたまた核戦争に類する終末戦争から逃れるために作り出された核シェルターのようなもので、異次元空間に潜む機能を備えている。
最終的に遺跡が暴走し、次元に干渉するほどの莫大なエネルギーによって太平洋一帯が壊滅しかねないほどの事態になることが予想されたために破壊された。

「ゲンゴロウ島の遺跡の発掘調査が始まってから、おそらく遺跡の作用に伴う生物の突然変異現象、未知の生物の出現や既存の生物の大型化が始まり現地では今はモンスターといっているらしい。現地の人間でなんとか対抗できるものもいるらしいが、それもこれのせいかもしれない。
また、今までの遺跡が一つの遺跡に一つの遺物といったものが大半だったのに、この遺跡には多数の遺物があり、発掘調査体が撤退した後トレジャーハンターがたむろしているらしい。」


「そこまで分かってんならなんで・・・・・ああそういうことか・・・・・」

御神苗優は、古代遺物の争奪戦で悲惨な目にあった人々のことを知っている。対応が後手に回ったことに対して怒りの声を上げようとしたが、あることに気付いた。
らしいといっている。確証があるならしいというはずはない。遺跡があるかどうかの潜入任務と言い、アーカムも確証がとれているわけではないのだろう。
遺跡を利用しようとする俗物によって。

「そうだ、優。お前も気づいたようだが、遺跡を利用しようとするものは多い。ゲンゴロウ島のおそらく町長だろうが、ゲンゴロウ島のお偉いさんが秘匿しようとしているんだろう。遺物があるという噂はあるが、確証はない。
現地は元々漁業を中心としたが、近年は過疎化だった。トレジャーハンターと遺跡によるものとはいえ、人が集まれば経済利益は生じる。それに遺跡の力なら・・・・」

「その力を利用すれば、現代を上回る技術による技術的有利、それにともなう経済的な有利や軍事的有利を得られる。フン、遺跡を利用して島の復興やまさか狂った奴ならもしかしたら世界制覇でも狙ってるかもしれね~な。」

遺物の力は、それだけで世界情勢を書き換えないものがあるのだ。それを独占しようと、例え一つの小さな島の権力者であれ狙ってもおかしくはない。
さらに現地に凶暴な生物がいるのだ。それも遺跡を占拠しようとする活動を妨げるうえで有利になるだろう。
たかが、生物といっても侮ってはならない。御神苗優の同僚のスプリガンージャンジャック・モンドはライカンスロープという古代に作られた生物兵器の子孫だ。
銃弾を食らっても平然とし、圧倒的な筋力は人を粉々のミンチにし、金属をも破壊する。
細胞が変異することで、本来なら致死量の有害物質を食らっても死亡しない。
常にサイボーグという強化された兵士を持つ軍産複合体トライデントや世界最強の米軍でさえ興味を持つ存在なのだ。

「だが、我々アーカムの使命は古代の遺物を守ることだ。この島の遺跡があると確実に存在が実証されたら、圧力をかけたうえで遺跡の封印が終わるまで島民の一時的な島外への退去を行う予定だ。」

「島内の潜入には、我々の調査船ロシナンテを介して接近、その後Seals(アメリカ海軍特殊部隊)同様、潜水して適当な陸地に上陸してもらう。近海にも海洋性モンスターが生息している、ロシナンテの搭載レーザーで洋上は撃退するが、潜水している最中にぱっくり食われるなよ。」

「後は、遺物が存在するかモンスターが島の森内にいるがそこにひそみながら、島民と可能な限り接触せず、やってもらう。できるな、優。」

「それと、トライデントのアタッカーが調査に向かった可能性がある羅氏から気をつけろ。」

「ああ、任せといてくれ山本さん。」

御神苗優は、不敵に笑った。別に敵を舐めているわけではない。とはいえ、どんな強敵と戦っても負けないためには自信を持つことが重要なのだ。

最も彼は知らない。ゲンゴロウ島に彼の苦手とするトレジャーハンター、遺跡荒らしの異名を持つ染井芳乃が向かっていることに・・・・・


クロスもとのダンジョン高校が全然出ませんし、本格的な戦闘物のスプリガンと組み合わせていいかなと私も思ったんですがやってみました。
続きは、まあ気が向いたら書くかもしれませんね。後、おかしいところがあったら指摘してください。
一応全巻は読みましたけど、大分前だし手持ちにはないので(爆)


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