その場で戦う誰もが、空を見上げた。
「……鱗?」
「『グランマティカ』ってやつか」
悠二と対峙する『輝爍の撒き手』レベッカ・リード、『鬼功の繰り手』サーレ・ハビヒツブルグも。
「あれが全部、自在法……!?」
「……格好付けた直後にこれとか、あたしキマんない」
今まさに切り札を使おうとしていた平井と、それに身構えていた『極光の射手』キアラ・トスカナ・ハビヒツブルグも。
「ああ、これは不味いですね」
「……悠二、わかった」
吹き飛ばされたシャナと、吹き飛ばしたカムシンも、誰もが空を見上げた。
天を埋め尽くす半透明の蛇鱗。その全てが内に燃える自在式を起動させ、
『──────』
燦然と輝く銀の豪雨を、“封絶全域に”降らせた。
滝のように降り注ぐ灼熱の業火の前に、逃げ場など有りはしない。
「舐めやがって」
レベッカが頭上に瞳の紋章を壁として展開する。
「味方まで巻き込む気か……!」
サーレが菫色の巨腕を編み上げて上方で交差させる。
「こんなのっ、全部 撃ち落としてみせます!」
キアラが鏃を解除し、オーロラの弓を天に引く。
「ああ……不味いですね。何より……」
「ふむ、有効な防御策を、我らは持っておらん」
カムシンは『儀装』により以上の力を注ぎ、身構える。
それぞれで防御を固める討ち手らに高熱の怒濤が容赦なく降り注いだ。
「こ……のっ……!」
尋常ならざる音の津波が封絶の中に反響する。炎が弾け、建物が崩れ、山が焼け、川が水煙を上げる。
身の毛も弥立つ破壊の光景に呑み込まれて、
「(あいつ、正気か?)」
討ち手らは全員、無傷だった。
彼らが優れた使い手である、という事も勿論あるが、それ以上に……“悠二の攻撃が軽い”のだ。
「(いくら何でも範囲が広すぎだ。こんなもんじゃ二流どころも倒せやしない)」
攻撃の範囲を広げれば広げるほど、威力は当然 分散する。この自在法に悠二が注ぎ込んだ力は相当に多いが、御崎市全域という広範囲に充分な威力の炎弾を降らせるには まるで足りない。
逃げ場も無いが、そもそも逃げる必要が無い。現に討ち手らは全員、炎の豪雨を難なく凌いでいる。
凌いでいる……が、
「(これっ、いつまで続くのぉー!?)」
その半端な攻撃が、いつまで経っても終わらない。どう見ても通用していない、牽制程度の威力しかない攻撃を……
「……牽、制?」
レベッカの脳裏にその言葉が過ぎった時、
【ああ、すいません】
視覚も、聴覚も、気配の感知も、集中力も滅茶苦茶に掻き乱す豪雨の向こうから、
【『天目一個』を見失いました】
カムシンの『遠話』が届いた。
その必然に近い失態を糾弾するより先に、まずレベッカは己が現状と重ねる。眩しい銀の豪雨の中、覚束ない視界の向こうに、坂井悠二の姿を見つけた。
【キアラ! お前の相手はいるか!?】
次いで、平井ゆかりの居所を確認して、
【え? え!? あれ……どこ!?】
その姿が消えた事を知る。
せめて彼女だけはと意識を集中するレベッカは……その気配を見つけ、同時に気付いた。
───ほんの数秒前に『遠話』を交わしたカムシンの気配が、無い。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
時を僅か、遡る。
必殺には程遠い、しかし無視できない威力の炎の中を、平井は血色の炎を轟然と噴かせて飛んでいた。常軌を逸する その飛翔には一片の翳りも無い。
向かう先はキアラではなく、シャナを見失ったカムシン。
「(うん、相性って大事だよね)」
あらゆる感覚を妨げられる豪雨の中で、カムシンは平井の接近に気付くのが僅かに遅れた。逆に平井には、嫌でも目立つ瓦礫の巨人の姿が こんな時でも良く見えていた。この一瞬の差が、“今の平井”相手には致命的な隙となる。
「っ……」
シャナの不在を『遠話』で伝えた直後、カムシンは平井に気付くと同時に『メケスト』を振るった。天を掃く瓦礫の鞭、衝突する その一節を平井は“軽々と粉砕し”、
「(──遅い!!──)」
キアラに圧倒されていた時とは比較にならない神速で以て突撃した。カムシンは『儀装』を限界まで強化して拳を振りかぶり、
「とああぁ!!」
それを振り抜くより一拍早く、身体ごと叩き付ける平井の『吸血鬼(ブルートザオガー)』が『儀装』の胸に突き刺さった。
流石に硬い、本体には届かない。だが、平井にとってはこれで充分。魔剣の刃に血色の波紋が揺らめき、
「一人目ぇ!」
流れ込んだ膨大な力が、『儀装』の中のカムシンを一瞬で斬り刻んだ。『吸血鬼』の能力の前に、防具は意味を為さない。あらゆる攻撃を寄せ付けない頑強な瓦礫の鎧も、今に限っては術者を縛る枷にしかならなかった。
僅かに遅れて、彼の敗北は他の討ち手らにも伝わる。
「ちっ、最初からこれが狙いか……!」
レベッカ同様 異変に気付いたサーレが、十字操具型神器『レンゲ』と『ザイテ』を鋭く切る。
彼を守る巨腕にぶつかり続ける炎弾、その炸裂に伴う爆炎には、絶えず不可視の糸が絡み続けていた。制御を奪い続け、蓄積された炎が一気に解放される。それは、サーレの頭上を覆って余りある巨大な炎の人形。
「へぇ、凄いな」
その技巧の冴えに感嘆した悠二は、言葉とは裏腹な余裕を見せながらサーレの前まで降りてきた。
「“片手で”そんな事が出来るなんてね」
「……片手?」
その言葉をサーレが完全に理解するよりも早く、
「……あ?」
ぼとりと、“既に切断されていた彼の右腕が地に落ちた”。
信じられないような顔で その光景を見下ろすサーレの背中に、普通なら間違っても貰わない類の……全身全霊の掌底が叩き付けられた。
「が……っ!?」
背骨が折れたのではと錯覚するほどの衝撃に悶絶し、飛ばされるサーレの頭を悠二が中空で掴み、
「二人目」
全力で地面に叩き付けた。蜘蛛の巣状の亀裂を広げて陥没するアスファルトに顔を埋めてサーレは意識を失う。
「……死んでない?」
その容赦の無さに心配そうに声を掛けるのは、サーレの背後にいた……シャナ。
「大丈夫。フレイムヘイズが死んだら火の粉になって消えるし、この人そこまでヤワじゃないよ」
そんな彼女に微笑み掛けて、悠二は軽く指を鳴らした。
瞬間、時が止まった───ような錯覚にシャナは襲われる。その原因は、天から降り注ぐ炎の雨。唐突に中空で制止した銀の雫。
「これもそろそろ、終わりで良いね」
右掌を前に広げて、そして握る。その指の動きに合わせて、全ての銀炎が収束された。
最も防御が拙かった、キアラへと。
「──────」
夥しい数の炎弾による、全方位からの同時攻撃。頭上の豪雨を撃ち落としていただけの今までの攻撃とは訳が違う。何よりも、それまでの傾向から自分の横に落ちる炎は至近であっても放置してきた事が、キアラに一切の防御を許さなかった。
「うあ……!」
真横、真後ろ、真ん前。至近距離の炎弾が一瞬と待たずにキアラを襲い、怯む少女に そのまま灼熱の銀が殺到し続ける。
いかに半端な炎弾とはいえ、これだけの量を一斉に叩き込まれては一溜まりも無い。
「三人目」
キアラの墜落を見届けてから、悠二は最後に空を見上げる。
そこに浮かぶのは、訳の判らぬ内に味方を一人残らず失ったレベッカ・リード。
「あの自在法は、端から“贄殿の”と“平の字”の援護だったって訳か。食えねえ野郎だ」
「言っただろ。“僕たちの”力を見せるってさ」
そう、余りの規模ゆえに最初は考えもしなかったが、悠二の降らせた銀の豪雨は単なる援護射撃だったのだ。
平井やシャナには効かない炎の自在法で敵全員の注意力を奪い、動きを止める。その間に平井が相性の良いカムシンを倒し、シャナは姿を隠す。
あの豪雨の中、気配を持たず自在法も効かないシャナが敵の背後を取るのは、さして難しくはなかった。
「(トドメは刺さず、か。こりゃホントの目的もバレてんなぁ。ったく、これじゃ俺達の方がカッコつかねえじゃねーか)」
既に戦況は一対三。普通なら迷わず逃げる場面だが、レベッカは敢えて挑戦を選ぶ。
先程まで炎の豪雨を防いでいた自在式……そこに長々と吸収、蓄積していた炎を巨大な桃色の光球に変えて浮かべた。
「やっぱり器用だな」
「お前が言うなっての。イヤミにしか聞こえねーから」
特大の光球が、眼下の悠二 目掛けて高速で放たれる。凝縮された高熱の塊は一直線に悠二に伸び───『グランマティカ』の鱗壁にぶつかって弾けた。
視界を埋め尽くす程に溢れかえる桃色の爆炎……が、晴れるよりも早く、
「私が相手」
高熱の炎を そよ風のように突き抜けて、シャナが空に躍り出た。
光球で弾幕を張りながら距離を取ろうとするレベッカ。その攻撃の全てを意にも介さず すり抜けて、神通無比の大太刀が迫る。
「あーもうっ、やっぱ無理だよなぁ!」
レベッカは本来、接近戦も熟せる。だがそれは、高速の接近戦にも対応できる速さと精度で自在法を使える、という意味だ。ゆえに彼女は武器を持たず、ゆえに彼女は……
「うっお!?」
肉体一つで、シャナの剣技を凌がなければならない。
「(速……すぎ……!)」
そして、そんな事はレベッカには不可能だった。
白刃の嵐が猛然と彼女を襲い、やがて反撃どころか回避すら追い付かなくなり……
「斬る!」
一閃の斬撃が、レベッカの胴体を袈裟に薙いだ。
鮮血を撒いて力を失い、落下する前にシャナに襟首を掴まれる討ち手の姿を……無傷の悠二が見上げていた。
「四人目……と。ふぅ、やっと終わった」
長い間 炎の豪雨を受け止め、束ねたレベッカの一撃を……悠二の『グランマティカ』は完全に防いでいた。
「お見事。あの速球を防ぎきるとは、自分の炎が奪われていた事も計算の内だったのかな?」
そんな悠二に、気障ったらしい声が掛かった。サーレが意識を取り戻した訳ではない。声を発しているのは、彼の手に握られた十字型操具である。
「そういう訳じゃないよ。ただ……“ああいう自在法”の対策は真っ先に済ませてたってだけさ」
両者の間に、もはや敵意と呼べる空気は無い。……いや、最初から無かったのかも知れない。
「それで───僕らは合格か?」
偽りの制裁を乗り越えて、坂井悠二は不敵に笑った。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
悠二達が三人の討ち手と激突する、およそ二日前。外界宿(アウトロー)東京総本部に程近い第二支部の会議室の中に、ヴィルヘルミナ・カルメルの姿はあった。
「そもそも『万条の仕手』はミサキ市に於いて“頂の座”の監視役であったという話ではないか!? 此度の事態は彼女の見通しの甘さが招いた結果なのではないかね?」
「しかし当時の彼女が“頂の座”に手出し出来なかったのも当然でしょう。『仮装舞踏会(バル・マスケ)』はもう何百年も大規模な動きを見せていなかった。自ら戦争の引き金を引けと仰るのか?」
フレイムヘイズ、そして人間。この世の真実を知った上で紅世の徒と戦い続けてきた者の代表達の姿も、また。
……もっとも、先の襲撃事件でドレル・クーベリックやピエトロ・モンテベルディを始めとするトップを欠いた上での代表だ。
「その見通しが甘かったんじゃないかと言ってるのよ。放っておいたら戦争どころではない厄災が起きる事だって考えられた。現に“頂の座”は御崎市を去り、戦争は目前に迫っている」
「過ぎた事をグダグダ騒いでんじゃねーよ粘着野郎共。んな事より『万条の仕手』を説得する方に頭使えや」
当然、予想通り、円滑に会議が進む事は無い。元より従軍はせず独自に動こうと考えていたヴィルヘルミナにとっては、ただただ うんざりするだけの時間だった。
この場の主張で何人かの知己が協力してくれれば御の字、くらいに考えていたのだが、
「(私一人の独断専行で この有様では、引き抜きなどすれば大混乱でありますな)」
「(面倒)」
と、その時……
(ゴンッ)
静かに、小さく、誰かが床を打った。
誰もが……人間さえもが口を閉じて視線を向けた先には、会議室の壁に背中を預ける『偽装の駆り手』カムシンの姿。
「ああ、まずは情報を整理しましょう。当面、我々の目的は『仮装舞踏会』の企みの阻止になります。まず間違いなく、『仮装舞踏会』そのものを相手取る“戦争”になります」
相槌も求めずカムシンは語り出す。誰もそれに異を唱えず、ただ傾聴する。純然たる事実を語るという一点に於いて、彼ほどの適役はいないと知っているからだ。
「ですが、総力戦になれば勝ち目はありません。ならば我々は敵の計画の核を潰すしかないのですが……それは即ち、創造神“祭礼の蛇”を討滅するという事です。天罰神“天壌の劫火”が死んだ今、これも不可能でしょう」
最古のフレイムヘイズ、かの“神殺し”を経験した討ち手の一人として、カムシンは己の知りうる真実を口にする。
何せ数千年前の御伽話だ。人間は勿論フレイムヘイズとて、“祭礼の蛇”について詳しく知る者など殆どいない。
「しかし他の神の例に漏れず、創造神の『神威召還』は生贄を必要とします。それが彼の『巫女』たる“頂の座”です」
『神威召還』には巫女が不可欠。その言葉を聞いた何人かがヴィルヘルミナに非難の眼を向ける。「お前が始末していれば」と。
……だが、カムシンは続ける。
「ならば“頂の座”を討滅すれば『神威召還』を防げるかというと、そんな事はありません。蛇の三柱は、討滅しても神ある限り何度でも復活します」
「……は?」
不死身。その馬鹿げた体質にレベッカが思わず間抜けな声を上げた。
神は殺せない。巫女を殺しても蘇る。或いは全軍の士気を根刮ぎ奪いかねない絶望的な真実が打ち明けられた直後、
「だからこそ、彼女に懸けるのですよ」
それまで場を収めもせず沈黙を守っていた総司令官、ゾフィー・サバリッシュが口を開いた。確信と信頼に満ちた眼差しが、ヴィルヘルミナへと向けられる。
「問います、ヴィルヘルミナ・カルメル。貴女は“頂の座”ヘカテーを見誤ったが故に、不覚を取ったのですか?」
今さらの、しかし誰にも受け入れられはしないだろうと強く答えはしなかった質問を受けて、
「──いいえ──」
迷い無く、確と、ヴィルヘルミナは言い切った。創造神の巫女ではなく、日常に生きる一人の少女の姿を思い描いて。
「御崎市に於ける“頂の座”の姿に、偽りは無かったと断言するのであります」
同じく誰かに想いを寄せる一人の女として、言い切る。
「“頂の座”ヘカテーは、ミステス坂井悠二を、確かに愛していたのであります」
誰も信じてくれなくても、誰に嗤われても、断固として。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「んでまぁ、主張が主張だからな。ごねる奴は散々ごねたし、今でも反対してる奴は大勢いる。そういう連中を納得させる為にも、こういう“デモンストレーション”は必要だったんだよ」
戦闘……いや、“腕試し”の終わった虹野邸のリビングで、手当てを済ませたレベッカがコーヒーを啜る。
一連の話を聞いたシャナが、眉根を寄せてレベッカを睨んだ。
「今の話じゃ意味が解らない。ちゃんと説明して」
左眼に微か、紅蓮が揺れる。我知らず、眼光が鋭くなっていた。
頬が少し膨らんだシャナの頭を、後ろから平井が撫でる。
「神様は倒せない。ヘカテーも死なない。だけど、殺さずに『神威召還』を防ぐ事は出来る。……そういう事でしょ?」
ヘカテーを殺しても復活する。それでは『神威召還』は防げない。だが……“ヘカテー自身が生贄となる事を拒絶すれば”話は別だ。
「僕達になら、ヘカテーを説得出来る。その可能性がある、って事か」
悠二もまた、全てを察して瞑目する。
……神の巫女を、説得。実際にヘカテーを知らない者が聞けば、寝言にしか聞こえないだろう。
「まあ、本気でそれを信じてるのは一部だけだ。最優先課題は“神の帰還そのものを阻止する事”。その作戦にお前達を同行させるかどうかって話でな」
ヘカテーの想いを利用するような言い分は面白くないが、やろうとしていた事が変わる訳では無いし、相手を利用するつもりだったのは お互い様だ。
そこに異論を挟む気は無い。だが、本題はここからだ。
「神の帰還を阻止、ね。つまりアンタ達は、『星黎殿』を見つける手段を持ってるって事だな?」
「俺らっつーか、ヴィルヘルミナがな」
事ここに至って、悠二は四日前の自分の仮説に確信を持つ。
やはりヴィルヘルミナは『星黎殿』を見つける手段を持っていて、それを御崎市のメンバーだけで遂行しようとしていたのだ。
そしてゾフィーは そんなヴィルヘルミナの独走を許さず、その手段を兵団の作戦に組み込んだ。
だからこそ、こんな茶番が必要になったのだ。兵団の大事な作戦に弱輩者を同行させる訳にはいかない、これぐらいの保障は必要不可欠だろう。
一応は筋が通っている……が、それはフレイムヘイズの側に限った話だ。
「(何でここまで、僕達の参戦を疑ってないんだ?)」
神の巫女は、戦死しようが生贄にされようが復活する。その情報と、ヘカテーやフレイムヘイズの対応の間にある猛烈な違和感に、悠二の顔が険しく歪んだ。
その予感に違わず、
「先ほど『ヘカテーは死なない』と言っていましたが、それには少し誤解があります」
カムシンが、変わらず平静な声と表情で口を開いた。
「確かに創造神の眷属は復活します。“祭礼の蛇”の巫女たる力の全てを持った“頂の座”が。……ですが、巫女であっても、“頂の座”であっても、それは“ヘカテー”ではありません」
声は小さく、それでも重く、最古の討ち手は真実を告げる。
「蘇るのは あくまでも、同じ能力と使命を持つ“別人”です。つまり───」
少年に絶望を齎す、真実を。
「───“頂の座”は秘法『祭基礼創』の供物となって、死ぬつもりです───」