……いつからだろう。自分のいる世界に興味を持てなくなったのは…。いつも、頭を過ぎるのは自分が輝ける世界があったなら、という下らない妄想ばかりになっていた。 自分の“現実”を受け止められずにいた…いやっ正確に言うと、受け止められずに“いる”だ…。そんな俺でも、昔から好きで続けていることがある。それは「読書」だ。読書をしている間は、本と向き合い、文字を理解し、その“仮想”世界に浸ることができるから、はっきり言って理由はひどく幼いものだと思う。だけど、昔から続けている、その読書で俺は信じられないような体験をした…。